あらためて整理しましたがシンプルな言葉ながら「work+前置詞」で仕事に関わる多彩な表現ができます。
むしろ、すべて「~で働いている」と訳しても良いぐらいなのですが、焦点となるのは後ろにどのような言葉が来るかでしょう。
ネイティブスピーカーであるカナダ人のスティーブにヒアリングを行いながらまとめています。
名詞で「仕事」としてのworkをお探しの方は『jobとworkの違い』にまとめています。
この記事の目次
work atの意味
シンプルな「work at」は、後ろに「会社・場所」を置いて、働いている場所を指すスタンダードな表現です。
私はアップルで働いている。
私は難波のアップルストアで働いている。
at work
at workと逆のバージョンになると「仕事中」もしくは「職場にいる状態」を意味します。
I’ll see him at work tomorrow.
明日、職場で彼に会うだろう。
She can make copies for me at work.
彼女は職場で私のためにコピーをしてくれる。
She is hard at work.
彼女は職場で熱心だ。
work at homeとwork from homeの違い
workとhomeの組み合わせになると独自の意味になります。「work at home」と「work from home」でニュアンスが異なります。
work at homeは家で仕事をすることですが、持ち帰りの仕事のようなニュアンスで夜や休みの週末にやる仕事に使われます。
I had to do a lot of the work at home to meet the deadline.
締め切りに間に合わすため、私はその仕事の多くを家でやらないといけなかった。
She worked at home to make up for her sick days.
彼女は病気の日を埋め合わせるために家で働いた。
work from homeは通常のビジネスアワーに家で仕事をすることで「在宅で仕事をする」に近いイメージです。
Thanks to the Internet, it is easier to work from home.
ネットのおかげで、在宅での仕事がより楽になった。
It is difficult for me to work from home because there are too many distractions.
在宅で仕事をするのは私には難しい。なぜなら邪魔が多すぎるからだ。
work forの意味
work forも似たような意味ですが、会社名のほかに上司・社長などの名前を置くことができます。従業員であるといった意味になります。
atが場所的なものをフォーカスしているのに対して、forは会社の従業員といった意味も考えられるそうですが、そこまで大きな違いはないそうです。
work for 会社のほかに、work for 上司のどちらでも大丈夫です。
私はアップルで働いている。
私はアップル本社でティム・クック氏の元で働いている。
またトップにあたる社長・CEOでなくてもOKなので、直属の上司を指すことができます。
私はマクドナルドの地域マネージャーのジョンソンさんの元で働いている。
work forとwork atの違い
ネイティブスピーカーに聞いてみると、work forとwork atの違いはそこまで感覚的に変わらないそうです。
atが場所的なものを、forは会社に対しての言葉であるのは表現としては事実です。
I work at McDonald’s.
I work for McDonald’s.
しかしatを使ったからといって会社を尊敬していない、会社に貢献したくないと思っているかといえばそうでもなく、forを使ったからといって「会社のために働いている、忠誠心がある」というニュアンスが出るかといえばそうでもなく、個人の好みのレベルであって、あまり気にせずに使ってください。共に一般的な表現です。
マクドナルドやアップルのような大きな会社で店舗をイメージするようなケースは、場所であり会社名なので両方に使えます。
関連してほかにも「I answer to 人」の形で「〇〇さんのもとで働いている」といった表現も可能ですが、こちらは文脈によっては「人に仕えている」といった感じの強い口調になります。これは別記事にまとめています。
work inの意味
work inになると室内にあたるような場所や部門などを置きます。これは前置詞のinのイメージをそのまま持ってきている感じですね。
私はアップル本社で働いている。
私はレストランで働いている。
私は病院で働いている。
私はアップル本社の会計部門で働いている。
work out of
work out ofの形でも「~で働いている」といったwork inに近い表現ができます。
She works out of her home.
彼女は自宅で働いている。
work outにはジムなどで「軽い運動をする」といった別の意味もあるのでページをわけています。work inとwork out ofではほぼ同じ意味ですが少しニュアンスに違いができます。
work onの意味
work onの後には建物ではない場所(農場、船など)や関わっている装置・機械・プロジェクト名などが入ります。
私はクルーズ船で働いている。
私は農場で働いている。
私はコンピューターを使って働いている。
私はドリルプレスを使って仕事をしている。
私はがん治療に関わった仕事をしている。
私は新しい広告キャンペーンに関わっている/仕事をしている。
work on / working onの違い
この2つは表現が曖昧にもなるので取り上げてみます。
英語の現在形は日常的な習慣を表します。機械や装置が来ると「その機器を使って仕事をしている」と読めます。
現在進行形になると、まさに「今、その仕事・プロジェクトに関わっている、やっている」といった感じの表現になります。
以下の2つの表現を比較してみます。この記事を書いている段階の最新のiPhoneはiPhone7シリーズです。
①と②の文章はネイティブが読んでも少し曖昧な部分が残るそうで、おそらく以下のような意味だと感じ取るそうです。
①の現在形は「(おそらく)仕事でiPhone7を使っている」
②の現在進行形は「(おそらく)iPhone8の開発などに関わっている」
曖昧にさせている要素として「new」もあります。日本語でもそうですが「新しいiPhone」が意味するのが「現在発売されている最新のiPhone7」とも「近い将来発売予定のiPhone8」とも、両方に解釈可能です。
シンプルな表現ながら意味するところが少し違うので、英作文や翻訳などに関わる方は参考にしてください。
work towardsの意味
「~に向けて努力する、~を目指してがんばる」といった意味になります。後ろは目標やゴールになることが多いです。
「work toward」とSが抜けても同じ意味ですが、特に仕事・労働を指しているわけでもないので、学生が勉強をがんばったりにも使えます。
I am working towards a promotion at my company.
私はこの会社での昇進を目指してがんばっている。
She is working towards buying a new house.
彼女は新しい家を買うために努力している。
work asの意味
work asは「~として働く」の意味です。
My sister works as a director in Hollywood.
私の妹はハリウッドで監督として働いている。
I want to work as an engineer at a large company.
私は大企業でエンジニアとして働きたい。
しかし、会話表現においては単純にbe動詞で表現するほうが広く用いられています。
My sister is a director in Hollywood.
私の妹はハリウッドの監督だ。
I want to be an engineer at a large company.
私は大企業でエンジニアになりたい。
「find work as(~としての仕事を探す)」は一般的な表現なので、この形ならば「work as」がよく見かけます。
It is difficult to find work as a philosopher.
哲学者として働く方法を見つけるのは難しい。
He is trying to find work as a consultant.
彼はコンサルタントとして職を見つけようとしている。
今回は動詞としてのworkですが、仕事・職業としてのworkは以下の記事にまとめています。他の仕事用語の関連記事もご覧ください。