出しゃばる素人ほど痛々しいものはない。
「大阪は笑いの街や!」と豪語する大阪人の素人は、“地球上に存在する全生物の中で一番面白くない”というデータが、北海道立オホーツク流氷科学センターの調べで出ている。
街ブラロケなどで、誰からも求められていないのに矢継ぎ早にボケては、ゲロスベリしている大阪人を、皆様も一度は見たことがあるだろう。
あれぞ大阪人の素人の真髄だ。
大阪人に限らず、素人は素人らしくしていればいいのである。
僕は旅に関してはズブの素人なので、「旅は行きあたりバッタリだぜ」と“ツウ”ぶるのは辞めて、徹頭徹尾、旅のプロフェッショナルに頼ることに決め、
旅行代理店がある大分へ飛んだ。
大分空港到着早々、手荷物受取場で腰を抜かした。
なんと、乗客の荷物が載っているはずのベルトコンベアーに、巨大なお寿司が載って流れてくるではないか。

巨大なエビの握りや、巨大なウ二の握りなど、次から次へと。
係の人に話を聞くと、大分の海の幸をPRするために2006年から始めた観光客向けのサービスらしい。
「ここに来た人は、皆さんビックリするんですよ~」と得意気に語っておられた。
皆さんビックリするということは、2006年から、かれこれ10年近く浸透していないということだ。凄まじい忍耐力である。
どうやら、大分の方は我慢強いらしい。
係の人が、
「コレ、なかなか、いいネタでしょう? 寿司だけに」
と、必殺技をスマッシュしてきたので、
「とっても面白いですね。もう一回言ってください」と言って、その場を後にした。
これから半年間の運命を決めてくださるといっても過言ではない旅行代理店殿に手ぶらでお会いするのも違くね?と思い、空港で差し入れを買っていくことにした。
大分空港のお土産売り場は広く、活気に満ち溢れていた。
お土産売り場のお婆ちゃんに「一番人気のお土産は、どれですか?」と訊くと、
「しらしんけん美味しいけん、食べてみよ!」
とワケのわからない言語をほざかれた。
試食用の饅頭を出されたので、「すごく美味しいから、食べてみなよ」というような意味だろう。
饅頭のパッケージには「ざびえる」と書いてあった。大分空港のお土産人気No.1だそうな。

▲電話での通信販売もされているらしい。
『ざびえる本舗』0120-135-363
9時~16時(定休日:水、日)
「ざびえる」はラム酒漬のレーズンを白餡に練り込んだ焼き饅頭であった。
皮はバター風味で、厚さがちょうどいい。アルミホイルにくるんで焼いているそうで、そのせいか、しっとり感もあった。
ラムレーズン味がほんのりと香る程度で、餡も甘すぎず上品で、そのバランスが絶妙であった。
ババアが「しらしんけん…」とか言い出した時は腰と膝を重点的に殴り削ってやろうかと思ったが、思いとどまって正解だ。
「ざびえる」は、かなり美味しかったのだ(マジでオススメ!)。
さすが人気No.1である。これなら、差し入れとして立派に役目をつとめてくれるだろう。
差し入れ用に6個入り(648円)を買い、
自分用に36個入り(3240円)を買った。
空港から旅行代理店がある別府まではバスを利用した。
別府までは約40分。値段は1400円だった。いつの世も旅行代理店は遠いのである。
途中、やけにトンネルが多いことに気がつく。
隣の席に座っていた年収が低そうなオジサンに訊くと、「大分はトンネルの県なんだよ」と、年収が低いくせに話し始めた。
「今度、ここからチョイといったところにある『青の洞門』に行ってみるといいよ」
「あおのどうもん?」
「今から250年前に、禅海さんという和尚さんが仲間を集めて、ノミだけで掘ったトンネルだよ」
「ノミだけ!? ちなみに、そのトンネル、長いんですか?」
「342メートル」
「うそん!め、メッチャ時間がかかったんじゃないですか?」
「30年」
さんじゅうねん!?
数字ボケの最高峰は、桜木花道がバッシュを買う時の「30円」か、
フリーザ様が語った「私の戦闘力は53万です」だと思っていたが、
「トンネル掘ること、30年」も負けちゃいない。
大分空港の回転寿司といい、やっぱり大分の人は我慢強い。
時系列が前後するが、今回の旅行代理店の帰りに『青の洞門』に寄ってみた。
言葉を失った。
その昔、ここに、ノミだけで30年間もトンネルを掘り続けた男達がいたのだ。

「大分は日本一トンネルの多い県なんだよ」
とオジサンは教えてくれた。
大分の山々と、リアス式海岸(あのデコボコしたやつ)が、トンネル日本一を生んだらしい。
「大分はサフラン(たぶん、香辛料)の生産量も日本一だよ」
とも教えてくれたが、サフランの知名度が日本8万位ぐらいなので微妙だなぁと思ったので、「サフランって、本当にイイですよね」
と言って席を移動した。
道中、小腹が空いたので、差し入れ用の「ざびえる」を4個食べた。
バスはまもなく別府に着く。
「大阪は笑いの街や!」と豪語する大阪人の素人は、“地球上に存在する全生物の中で一番面白くない”というデータが、北海道立オホーツク流氷科学センターの調べで出ている。
街ブラロケなどで、誰からも求められていないのに矢継ぎ早にボケては、ゲロスベリしている大阪人を、皆様も一度は見たことがあるだろう。
あれぞ大阪人の素人の真髄だ。
大阪人に限らず、素人は素人らしくしていればいいのである。
僕は旅に関してはズブの素人なので、「旅は行きあたりバッタリだぜ」と“ツウ”ぶるのは辞めて、徹頭徹尾、旅のプロフェッショナルに頼ることに決め、
旅行代理店がある大分へ飛んだ。
大分空港到着早々、手荷物受取場で腰を抜かした。
なんと、乗客の荷物が載っているはずのベルトコンベアーに、巨大なお寿司が載って流れてくるではないか。
巨大なエビの握りや、巨大なウ二の握りなど、次から次へと。
係の人に話を聞くと、大分の海の幸をPRするために2006年から始めた観光客向けのサービスらしい。
「ここに来た人は、皆さんビックリするんですよ~」と得意気に語っておられた。
皆さんビックリするということは、2006年から、かれこれ10年近く浸透していないということだ。凄まじい忍耐力である。
どうやら、大分の方は我慢強いらしい。
係の人が、
「コレ、なかなか、いいネタでしょう? 寿司だけに」
と、必殺技をスマッシュしてきたので、
「とっても面白いですね。もう一回言ってください」と言って、その場を後にした。
これから半年間の運命を決めてくださるといっても過言ではない旅行代理店殿に手ぶらでお会いするのも違くね?と思い、空港で差し入れを買っていくことにした。
大分空港のお土産売り場は広く、活気に満ち溢れていた。
お土産売り場のお婆ちゃんに「一番人気のお土産は、どれですか?」と訊くと、
「しらしんけん美味しいけん、食べてみよ!」
とワケのわからない言語をほざかれた。
試食用の饅頭を出されたので、「すごく美味しいから、食べてみなよ」というような意味だろう。
饅頭のパッケージには「ざびえる」と書いてあった。大分空港のお土産人気No.1だそうな。
▲電話での通信販売もされているらしい。
『ざびえる本舗』0120-135-363
9時~16時(定休日:水、日)
「ざびえる」はラム酒漬のレーズンを白餡に練り込んだ焼き饅頭であった。
皮はバター風味で、厚さがちょうどいい。アルミホイルにくるんで焼いているそうで、そのせいか、しっとり感もあった。
ラムレーズン味がほんのりと香る程度で、餡も甘すぎず上品で、そのバランスが絶妙であった。
ババアが「しらしんけん…」とか言い出した時は腰と膝を重点的に殴り削ってやろうかと思ったが、思いとどまって正解だ。
「ざびえる」は、かなり美味しかったのだ(マジでオススメ!)。
さすが人気No.1である。これなら、差し入れとして立派に役目をつとめてくれるだろう。
差し入れ用に6個入り(648円)を買い、
自分用に36個入り(3240円)を買った。
空港から旅行代理店がある別府まではバスを利用した。
別府までは約40分。値段は1400円だった。いつの世も旅行代理店は遠いのである。
途中、やけにトンネルが多いことに気がつく。
隣の席に座っていた年収が低そうなオジサンに訊くと、「大分はトンネルの県なんだよ」と、年収が低いくせに話し始めた。
「今度、ここからチョイといったところにある『青の洞門』に行ってみるといいよ」
「あおのどうもん?」
「今から250年前に、禅海さんという和尚さんが仲間を集めて、ノミだけで掘ったトンネルだよ」
「ノミだけ!? ちなみに、そのトンネル、長いんですか?」
「342メートル」
「うそん!め、メッチャ時間がかかったんじゃないですか?」
「30年」
さんじゅうねん!?
数字ボケの最高峰は、桜木花道がバッシュを買う時の「30円」か、
フリーザ様が語った「私の戦闘力は53万です」だと思っていたが、
「トンネル掘ること、30年」も負けちゃいない。
大分空港の回転寿司といい、やっぱり大分の人は我慢強い。
時系列が前後するが、今回の旅行代理店の帰りに『青の洞門』に寄ってみた。
言葉を失った。
その昔、ここに、ノミだけで30年間もトンネルを掘り続けた男達がいたのだ。
「大分は日本一トンネルの多い県なんだよ」
とオジサンは教えてくれた。
大分の山々と、リアス式海岸(あのデコボコしたやつ)が、トンネル日本一を生んだらしい。
「大分はサフラン(たぶん、香辛料)の生産量も日本一だよ」
とも教えてくれたが、サフランの知名度が日本8万位ぐらいなので微妙だなぁと思ったので、「サフランって、本当にイイですよね」
と言って席を移動した。
道中、小腹が空いたので、差し入れ用の「ざびえる」を4個食べた。
バスはまもなく別府に着く。