[ウェリントン 16日 ロイター] - ニュージーランド政府は16日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響から同国経済が予想よりも早期に回復するとの見通しを示した。その上で、大規模な財政赤字や債務の増加が経済に長期的な影響を及ぼすと指摘した。
財務省の経済・財政報告によると、2020/21年度の財政赤字は215億8000万ニュージーランドドル(NZドル)の見込み。9月時点の予想から101億NZドルの縮小となる。
国内総生産(GDP)は第2・四半期に記録した過去最大の落ち込みから第3・四半期に10.5%増、第4・四半期には2.2%増とプラスに回復する見通し。
公的債務は2022/23年度に対GDP比52.6%でピークを打つと予想した。
財務省は「見通しは改善しているものの、新型コロナショックは経済に持続的な影響を与える見込みで、財政状況は引き続き厳しい」と指摘した。
ロバートソン財務相は、パンデミックに対する政府の迅速な対応が、予想を上回る景気回復に寄与したとした上で、課題は残ると警告。声明で「パンデミックだけがリスクではない。貿易や地政学的な緊張、特に米中関係の緊張は経済成長に影響を及ぼし、ボラティリティーの高まりにつながる可能性がある」と述べた。
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