地方も感染拡大…GoToイベント・商店街も停止に[2020/12/16 23:30]
16日に東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は678人で、一日の感染者としては過去最多となりました。20代が最も多く184人で、65歳以上の高齢者は94人でした。
現在、東京都が確保している病床数3000に対し、入院患者は2000人近くまで増えています。府中市で、かつて重度の障害者を受け入れていた施設が、新型コロナ患者に対応する専門の施設に変わりました。軽症や中等症の患者で介護が必要な人や、日本語が話せない外国人などを積極的に受け入れ、他の医療機関の負担軽減を図る役割を担います。ところが、報道ステーションが入手した医師のシフトを見ると、夜勤に充てられているのは外科医や整形外科医などで、内科医がいない日もあります。この施設は、他の都立病院などから派遣された医療スタッフで運用されますが、内科医を思うように確保できなかったといいます。東京都は、患者の容体が急変したら、すぐ近くの中核病院で対応できるので問題はないとしています。ある都立病院の担当者は、都から内科医を派遣してほしいとお願いされたが、内科医を出してしまうと現場が回らなくなるため断ったことを明かしました。現在、医療提供体制は、上から2番目の『体制強化が必要であると思われる』となっていて、17日のモニタリング会議で、そのレベルを上げるかどうかが焦点となっています。
こうしたなか、GoToイベント、GoTo商店街が、今月28日から全国一斉で停止となることが発表されました。また、GoToイートも同じ日から利用自粛の呼び掛けをするよう、各都道府県の知事に検討を要請します。そして、28日から全国で一時停止が決まったGoToトラベルでも、新たな動きがありました。広島市を目的とした旅行は、24日から対象外にすることが決まりました。広島市発の旅行は、自粛を求めるとしています。
赤羽国土交通大臣:「キャンセル料は無料、26日の土曜日まで無料でできますので、キャンセルをしっかりしていただきたい」
厚生労働省の助言機関・アドバイザリーボードは16日、感染者1人が何人に感染させたかを示す『実効再生産数』の最新の数字を発表。それによりますと、広島県は2.40。1人が2.4人にうつしている計算です。感染は、大都市圏から徐々に地方にも広がっていると指摘されました。
アドバイザリーボード・脇田隆字座長:「大都市における感染を抑制しないと、地方での感染を抑えることも困難。東京など大都市では飲食店に不特定多数が来店し、リンクを追うことが難しく、こうした場所が感染の継続に関与している可能性がある」
年末年始に向け、日本医師会も改めて警戒を呼び掛けました。
日本医師会・中川俊男会長:「新型コロナウイルスに年末年始はありません。来週はクリスマス。サイレントナイトでお願いします」
一方、国会では、野党側はGoToトラベルの一律停止について「遅すぎる」と批判。さらに、菅総理が14日夜、自民党の二階幹事長らと5人以上で会食したことも批判しました。
“新型コロナ”担当・西村大臣:「一律に“5人以上はダメだ”と申し上げているわけではない。感染リスクが高いことを頭において、対応していただければと考えている」
菅総理:「他の方の距離は十分にあったが、国民の誤解を招くという意味では真摯に反省している。(Q.GoToトラベルの停止だけでなく往来そのものの自粛を求める考えはあるのか)現時点ではない」