<新型コロナ>軽症・無症状患者700人超 宿泊施設入れず 療養先調整が間に合わず

2020年12月16日 11時04分
 新型コロナウイルスの感染者が急増する中、宿泊療養先の調整が間に合わず、自宅で療養している軽症・無症状の患者が約七百人いることが分かった。埼玉県が十五日の県議会新型コロナウイルス感染症対策特別委員会で明らかにした。宿泊療養は家庭内感染を防ぐためでもあり、県は稼働率の向上や、さらなる施設確保を目指すとしている。 (飯田樹与)
 県は、基礎疾患がなく高齢でもない軽症・無症状の患者は原則、県が確保した宿泊療養施設に入ることとし、乳幼児の世話や介護などの事情がある場合は自宅療養を認めている。
 県によると、十四日時点の患者数は千七百六十一人で、自宅療養者は七百七十八人。このうち七百二人は宿泊療養施設に入るべき症状で、特段の家庭の事情もない患者だが、受け入れ先の調整がつかないため自宅で待機しているという。
 宿泊療養施設は六カ所に七百十一室ある。県は感染リスクの高い同居人がいる患者を優先しているが、利用者は二百二十九人にとどまる。空室はあっても、前の患者が退室後の消毒・清掃作業に時間がかかったり、施設のスタッフが対応に不慣れで一度に多くの患者を受け入れられなかったりして、全室を利用できていないという。
 県は、他に国立女性教育会館(嵐山町)など五カ所の施設から使用の内諾を得ている。ただ、各施設とも地元自治体との調整などで開所できていない。横内治・県感染症対策課長は「施設の開所を急ぐほか、新規確保を進める」と話した。

関連キーワード

PR情報

埼玉の最新ニュース

記事一覧