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Ukiyoe - 浮世絵のなかの伊勢
伊勢神宮 |
『伊勢太神宮遷御之図』歌川国芳 弘化四年(1847)~嘉永五年(1852)
出典:http://morimiya.net/online/ukiyoe-syousai/Z004.html
伊勢音頭 |
『伊勢音頭恋寝釼 「油屋おこん 尾上多賀之丞」』歌川芳滝 1872年
出典: http://ja.ukiyo-e.org/image/waseda/016-2055
『伊勢音頭』絵師 歌川国芳、刊行年 安政元年 版元 山口屋藤兵衛
出典: http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_001.html
『伊勢古市音頭之図』絵師: 歌川国貞、日付:1881
出典: http://ja.ukiyo-e.org/image/waseda/405-0007
『伊勢音頭古市踊りの図』歌川豊国
出典: http://www.nakanihon.co.jp/gijyutsu/Shimada/techbunsyo/chapter010201.html
『備前伊勢音頭総踊りの錦絵図』
出典: http://www.dairinji.com/furuiti.htm
『画題 伊勢名所 古市伊勢おんど』絵師 歌川広重、刊行年 弘化四年~嘉永五年、版元 佐野屋喜兵衛
出典:http://ise-shima-news.blog.so-net.ne.jp/upload/detail/m_E4BC8AE58BA2E3818AE38293E381A9-E6AD8CE5B79DE5BA83E9878D.jpg.html
『伊勢音頭恋寝刃』絵師 三代歌川豊国、刊行年 嘉永五年
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_004.html
『文政9年(1826)3月中の芝居「伊勢音頭恋寝刃」市川団蔵 ⋯ 福岡みつぎ、中村鶴十郎 ⋯ 大蔵』
寿好堂 よし国 画
出典:http://kamigata.jp/kmgt/catalog-34/
伊勢 古市 |
『伊勢古市踊之図』周廷
出典: http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/collection/recommend/166-isefuruitibizenya.htm
『伊勢古市備前屋踊りの図』歌川国貞(のち三代豊国)
出典:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/collection/recommend/166-isefuruitibizenya.htm
『間の山(伊勢) 東海道中膝栗毛の内』 為信画 お杉・お玉の三味線 木版色刷り (大正頃)
出典: http://ukiyoe.yamabosi.jp
朝熊山峠の茶屋 |
『六十余州名所図会 伊勢 朝熊山峠の茶屋』歌川広重画 嘉永6年(1853) 国立国会図書館所蔵
出典: http://www.kabuki-za.com/syoku/2/no232.html
日和山 鳥羽湊 |
『六十余州名所図会 志摩 日和山 鳥羽湊』歌川広重 嘉永六年頃
出典: http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_056.html
伊勢二見ヶ浦 |
『富士三十六景 伊勢二見ヶ浦』歌川広重 安政五年
出典: http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_051.html
『諸国名所百景 伊勢二見ヶ浦』 二代歌川広重 安政六年
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_050.html
『二見の浦 日本名勝図会』小林清親 松本平吉版 大判竪絵 明治29年(1896年)
出典:http://ukiyoe.yamabosi.jp/?paged=12
『勢州二見ヶ浦』 昇亭北寿 文化~文政期頃
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_049.html
『光氏磯辺遊び 其弐』三代歌川豊国 安政五年
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_044.html
『光氏磯辺遊の図 三枚続(二見が浦)』豊国画 三鉄板 安政4年(1857年)
『伊勢名所 二見ヶ浦の図』 歌川広重 弘化四年~嘉永五年
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_038.html
国定 (三代豊国)『伊勢の海士 長鮑制之図(いせのあま のしをせいすのず)』江戸時代
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/haku/osusume/ISENOAMA.HTM
『鮑取り』喜多川歌麿
出典: http://cardiac.exblog.jp/7090814/
『二見浦 曙の図』歌川国貞 文政十年~天保二年
出典:http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_048.html
伊勢二見ヶ浦海水浴之図 (明治期)
出典: http://ukiyoe.yamabosi.jp/?cat=20
伊勢参宮 宮川の渡 |
『伊勢参宮 宮川の渡し 三枚続』歌川広重 画 安政2年(1855年)
出典: http://culgeo.i-portal.mie-u.ac.jp/kyodoshi/GIS/nishikie/prints/L_111.html
『諸国名所百景 伊勢宮川の渡し場』広重二代 万延1年(1860年)
出典:http://ukiyoe.yamabosi.jp/?p=1044
『伊勢御遷宮参詣群集之図』歌川貞秀 弘化四年~嘉永五年(1847-1852)
出典:http://morimiya.net/online/ukiyoe-syousai/U517.html
『伊勢名勝宇治橋図』二代広重 明治一年(1868年)
出典:http://morimiya.net/online/ukiyoe-syousai/U501.html
おかげまいり |
『豊饒御蔭参之図(ほうねんおかげまいりのず)』 歌川芳幾(江戸時代(幕末)
出典:http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/haku/osusume/160-hounenokagemairi.htm
ええじゃないか |
『ええじゃないか』宮本外骨
『豊饒御蔭参之図』 歌川芳幾
出典: http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/haku/osusume/160-hounenokagemairi.htm
『豊饒御蔭参之図』(拡大図1) 歌川芳幾
出典: http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/haku/osusume/160-hounenokagemairi.htm
『豊饒御蔭参之図』(拡大図2) 歌川芳幾
出典: http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/haku/osusume/160-hounenokagemairi.htm
『降御影街賑』‐ええじゃないかの図‐ 国周 慶応3年(1867)
出典:http://morimiya.net/online/ukiyoe-syousai/Z020.html
2015-09-02 23:13
おかげ横丁の猫
料理もみやげも“ネコ”だらけ! 伊勢の“招き猫まつり”って?
東海ウォーカー 2010年9月25日
9月29日は「来るふく」と洒落で読んで「招き猫の日」なのだとか。“福”を招く招き猫たちへの感謝祭として、9月18日~29日(水)に、おかげ横丁(三重県伊勢市)では「第16回来る福招き猫まつり」が開催される。今年は、60年周期で伊勢参りのブームが到来するという“おかげ年”に当たり、例年にも増して全国各地から招き猫が伊勢に集っているのだ。
期間中、招き猫・関連グッズの販売、招き猫作家の作品展示など多くのイベントが行われるが、ここで欠かせないのが、まねき猫まつりに合わせて各店が腕を振るう“限定料理”。登場する全6店の限定料理はすべて、“猫”にちなんだ具材、ネーミングになっている。
伊勢の田舎料理が味わえるお店「すし久」から提供する限定料理は「にゃんち膳」(1500円)。サンマの蒲焼きを大胆に載せた丼をメインに、天ぷらがのったにゅうめんや、小鉢も並ぶ。ウマイものをガッツリと食べたい、という人にはもってこいのボリューム満点の料理だ。また、伊勢志摩の新鮮な海の幸をふんだんに使った漁師料理が味わえるお店「海老丸」からは、「福招き寿し」(2220円)が登場。おおぶりのエビなど魚介類が3種類も入ったこね寿司と、野菜の天ぷらがついた贅沢なセットだ。素材の良さを生かしたランチを楽しんでみて。
自家製のとうふが食べられる「とうふや」の「招き猫膳」(1600円)は、アナゴの押し寿司に加え、自慢の豆腐も味わえるヘルシーランチ。上品でボリュームも多すぎないところは、女性に人気だ。そして、おかげ横丁のほぼ真ん中に位置する「団五郎茶屋」では、「猫まんまおにぎり」(290円)を限定発売。これは、ネコの大好物のカツオ節を使った、香ばしくも懐かしい味わいのおにぎりで、気軽に食べられるサイズと価格が、長年愛されている理由のよう。
さらに、これらの限定料理を食べた人には全て、招き猫グッズがプレゼントされる。数量限定のものばかりなので、記念に手に入れておくチャンスなのだ。
また、新みやげ&スイーツも、まねき猫まつりに合わせて登場! ご主人の代わりに伊勢参りをして元気に帰ってきた、と言い伝えられている“おかげ犬”をモチーフにした「おかげ犬のストラップ」(840円)は、ゆる~い表情をしたなんともいえない愛らしい表情。ゆるキャラの一つとして、ぜひチェックしてみて。スイーツは、ほどよい酸味と甘さの甘夏シロップがかかった「甘夏氷」(400円)や、秋の風味抜群で、濃厚でクリーミーな味わいの「柿オーレ」(350円)など、期間限定販売の季節ものが揃っている。招き猫一色を楽しみながら、イベントの合間に休憩処として楽しんでみては?
数多くの招き猫に出会える「招き猫まつり」。60年に一度の今年の祭りを見逃す手はない! 旬のグルメやかわいい招き猫を楽しみに、参加してみてはいかが?【東海ウォーカー】
【三重】ユニーク招き猫ずらり おかげ横丁、29日まで
中日新聞 2015年09月18日
個性豊かな招き猫を展示販売する「来(く)る福(ふく)招き猫まつり」が、伊勢市の伊勢神宮内宮前のおかげ横丁で開かれている。9月29日の「来る福」の語呂合わせで29日まで。
「招き猫現代作家展」では国内の13人が制作した1000点を展示している。道化師にふんした猫、歌舞伎の衣装姿の猫など色とりどりの作品が並び、観光客の注目を集めている。
手ぬぐいや食器など猫グッズも販売。張り子の招き猫の絵付け体験もあり、材料費は大きさによって1300~1600円。
最終日は午前9時29分から、近くの宇治神社でおはらいした福招きの鈴を無料配布する。929個限定。(問)横丁総合案内=0596(23)8838
(川原田喜子)
猫好きな人は来月、伊勢の「おかげ横丁」に来るといいよ! 猫だらけだよ!
おかげ横丁http://t.co/3fh6haFGoP
伊勢ひまり@いせしまにあ @iseshimanear 2015-08-31 14:43:49
サックス会〜!
#サックス#雨男発揮#伊勢神宮#おかげ横丁#猫さん#赤福#トンテキ#伊勢うどん @ 伊勢神宮 https://t.co/pk1zZkD0CL
Kntsx ## @Kimurad4645 2015-08-30 08:33:21
参拝が終わったのでおかげ横丁に来てみたら、猫ちゃんが横たわっていました~(^.^) By P1964651 #colopl_a http://t.co/8j5o1RfA53
colopl_area4 @colopl_area4 2015-08-26 12:39:36
この夏の小旅行はなぜか伊勢神宮参り。家族で行くのは初めて。話題のおかげ横丁をのぞいてきたら結構な賑わい。時代とともに門前町も変わる。めもんや藍(http://t.co/8n2YqKgEs1)の福顔猫は思わず撮らずにはいられなかった。 http://t.co/qGcaWCXnLK
Y. Nagata ( NIKKEI ) @nyooshi 2015-08-25 23:41:50
2015-09-02 22:04
伊勢のおかげ犬
歌川広重(安藤広重)『伊勢参宮 宮川の渡し』(部分)に見えるおかげ参り犬(しめ縄をつけた白い犬) 出典:酒呑親爺の酔って候『お伊勢参りと伊万里焼き』
http://yoshiyukita.blog32.fc2.com/blog-entry-287.html
歌川広重(安藤広重)『伊勢参宮 宮川の渡し』
出典: 『お伊勢参り』
http://blog.goo.ne.jp/fujikuma-jun/e/4a1d4681f0574d3fe9f861ae8ace342c
出典:歌川広重『東海道五十三次 四日市』
http://file.kysakai.blog.shinobi.jp/ise_dog6.jpg
主人の身代わりにお伊勢参りをする犬がいた |
江戸時代、伊勢参りをしたくても出来ない主人に代わって伊勢参りをした犬がいたことが伝えられている。
それは犬が単独の場合もあったし、また旅が出来ない人が参拝に行く人に頼んで、犬を一緒に連れていってもらう場合もあった。
犬の首には賽銭や路銀の銅銭とともにお伊勢参りにゆく旨を書いた書状を包んだ風呂敷が巻かれてあった。
犬たちは道中一緒になった旅人、茶店などの街道すじの人たちや参拝客や伊勢の人たからかわいがられ食事をもらったり、さらにその健気な姿に関心して風呂敷に銭を入れる者もあったらしい。銅銭で風呂敷が重くなったときには軽い二朱銀などに両替をしてやる人もいた。
おかげ参り犬は神宮を参拝すると、代参の証明に、きちんと伊勢皇太神宮のお札と宮司の奉納金の受領書を持って無事家に帰っていたらしい。
そんな犬のことを「おかげ参り犬」とよび、江戸時代の参宮記の記録に残っているもの(『御影参明和神異記』、『御陰参宮文政神異記』、『神宮参宮記大成』)に、文政13年(1830年)阿波国徳島(徳島県)からやってきた小ぶりの白い紀州犬の「おさん」という名の犬がいる。
このような由来のため、現在「おかげ参り犬」として土産に売られている人形は白い紀州犬のすがたをしているものが多い。
参考:
『犬の伊勢参り』仁科邦男 著
“犬の伊勢神宮詣”の不思議 人の手借りず旅、その真実は…
★仁科邦男さん『犬の伊勢参り』(平凡社新書・840円) 夕刊フジ2013.04.14
20年ぶり、今年は伊勢神宮の式年遷宮の年だ。本書は古来、神宮の神域を汚すとされてきた犬が江戸中期以降、参宮犬として人々にもてはやされる様を描き出す。犬たちは単独で遠く奥州からもやってきた。その不思議を江戸時代人はどう受け止めたのか。そしてその真実とは。(文・写真 清丸恵三郎)
──興趣深い内容ですが、執筆のきっかけは
「15年ほど前、昭和9(1934)年の東京日日新聞の記事をそのまま引いて、安政2年に信州佐久の犬が単独で伊勢参りを済ませて帰って来たことを紹介する在野の動物研究家の文章を読んだのです。本当かな、と思ったことが1つ。あと犬種などを除いて日本における町や村の犬について書かれた物がなかった。そこで、よし日本人と犬との関わりを一から調べてやろうと。まず『群書類従』から読み始めたところ、第1巻『神祇部』中の『太神宮諸雑事記』冒頭に聖武天皇が体調を崩した、調べてみたところ犬が外宮と内宮の間で死体の肉を食い散らかした、これによる太神の祟りで天皇が体調を崩した、と。他にも犬の穢れが神宮でいくつもの大事件を引き起している。犬の伊勢参りとは話が違うじゃないかと、調査に熱が入りました」
──犬が伊勢参りしたというのは実説?
「例えば『甲子夜話』を書いたことで知られる松浦静山は、日光東照宮に参拝しての帰り、2日間にわたって(伊勢参りの札を下げた)参宮犬が輿の脇を歩いていたことを記しています。犬が人の手を借りずに伊勢への旅をしている。不思議なこともあるものだと思いつつ、怪力乱神を語らず、で静山は事実を書くに止めている」
──犬の伊勢参りはやはり、江戸時代に起きた熱狂的な伊勢参りである「おかげ参り」の影響?
「直接はおかげ参りでしょう。江戸中期になると伊勢信仰が大衆化すると同時に、庶民の旅行熱が高まった。最初の参宮犬の記録は明和8(1771)年ですが、本格的なおかげ参りがまず起きた宝永2(1705)年にも犬が加わっていたらしい。体力に自信のない人などが、犬が伊勢参宮してよいのなら、うちの犬を代参させようと送り出した。人々にとり伊勢神宮は日本一偉い神様を祭ってあり、その神威で犬もお参りできると考えていた。神宮側でもやってきた犬にお祓い(お札)を渡しています」
──牛に引かれて善光寺参りというから、犬の善光寺参りもあった?
「あったと思います。犬も金比羅詣でがずいぶん昔からあった。実際、金比羅さんには『こんぴら狗』の像があります」
──最後の最後になって著者の見解が出てくる
「明治7(1874)年にあった東京の古道具屋の話が犬の伊勢参りの実態を示していると思う。馬の『賢いハンス』の話と同じだなと。実は江戸時代まで日本では個人が犬を飼う習慣がほとんどなかった。そこで明治になると新政府は路上にたむろする、村や町の野蛮な犬たちを一掃しようとした。結果、地犬と呼ばれるこの国の犬は滅亡に向かうわけです」
■あらすじ 江戸時代後期、全国の犬が突然、伊勢参りを始めた。人に連れられて行くわけではない。単独で街道を歩いてだ。そして伊勢神宮でお祓い(お札)をもらって帰郷する。しかし本来、神宮には2つの禁忌があった。1つは僧尼であり、もう1つが長年にわたり神域を穢してきた犬である。葛藤を続けてきた両者が、なぜ結びついたのか。なぜ犬が伊勢参りを始めたのか。本当にそういうことがあったのか。著者は奈良・平安時代から明治期に至るまでの文献を踏査、地犬と呼ばれた町や村の犬の生態を調べるなかで、同時代人が参宮犬をその眼で見たことを確認、のみならず牛や豚が伊勢参りをしている事例まで発掘する。事実は小説より奇なりというが、犬の伊勢神宮詣での謎に迫る。
■にしな・くにお 1948年、東京生まれ。70年、早稲田大学卒業後、毎日新聞社入社。『サンデー毎日』編集部、社会部などを経て2001年、出版局長。05年から11年まで毎日映画社社長。名もない日本の犬の歴史に興味を持ち、文献研究を続けている。著書に『九州動物紀行』がある。
『おかげ横丁の芝居小屋風の歴史館「おかげ座」にある伊勢参りの犬の2分の1スケールの模型』
出典:『犬の伊勢参り』仁科邦男
伊勢神宮の参宮犬石碑 宮城で発見
(河北新報2015年08月04日)
三重県の伊勢神宮に参拝した犬の石碑が宮城県栗原市金成の寺院、龍国寺の参道にあるのを、動物信仰などを調べている宮城県村田町歴史みらい館副参事の石黒伸一朗さん(57)が見つけた。明治初期に建立された可能性がある。参宮犬の石碑は全国でも珍しく、東北地方で唯一とみられる。
石碑は高さ53センチ、幅25センチ、厚さ13センチ。中央に「白毛犬参宮」と大きく彫られ、右に「明治六酉(とり)年七月廿(以下不明)」、左に「飼人菊池新(同)」と書かれている。「菊池家で飼っていた白い毛の犬が伊勢神宮まで行き、戻った記念に石碑を建てた」と石黒さんは推測する。
江戸中期から明治初期にかけ、お伊勢参りが全国で流行。経済的理由や病気、高齢で出向けない場合、飼い犬に願いを託して参拝させた。白い犬が選ばれた例が多く、目印の木札を首に提げ、伊勢神宮のお札を持ち帰った。道中は見知らぬ人に宿場から宿場まで案内してもらい、宿場では食事の提供を受けたという。
青森県から伊勢に向かった参宮犬がいたと記す古文書があるが、宮城県内では江戸末期に岩沼市で見たという文献が1例あるのみ。参宮犬の石碑も東日本では山梨県に1基あるだけだった。
今回の石碑は宮城県北部で調査している知人から連絡を受けた石黒さんが調べた。
石黒さんは「参宮犬の石碑は少なく非常に貴重。途中で行方不明になった犬も多かったと想像でき、神聖な場所から戻った犬をたたえたのだろう」と話している。
その昔、わんこが伊勢参りをしていたと聞いて驚くなど。犬を放すと、いろいろな人に導かれ伊勢まで行って帰って来る、と。「伊勢の神官は犬に気付くと、お札を竹筒に入れてやります。犬はやって来た道を、江戸へ向かって帰ってゆくわけです。」すごい。
http://t.co/dR4KhsW37f
Takashi Okumura @tweeting_drtaka? 2015-08-25 20:39:47 ???
おかげ犬かわいい 【伊勢土産】おかげ横丁で見つけた心をわしづかみにする胸キュン土産10選 - Find Travel http://t.co/gtwgiHSWuC #スマートニュース
kinoko @kinoko_no? 2015-08-31 21:39:23 ???
☆おかげ犬サブレ
【五十鈴茶屋 】
赤福にとって代わる新伊勢スイーツ?? http://t.co/6uAsRdVfaJ
★スイーツの宝庫★ @suituhouko? 2015-09-02 17:07:56 ???
@yu_guitar 昔に伊勢神宮に参詣に行きたかった人が行けなくて、代わりに犬が参詣するってゆー犬のこと
おかげ横丁のおかげ犬。 https://t.co/tMda1btSWf
こけし作家 卯三郎の孫 @usaburo_mago 2015-09-02 18:35:58
出典:http://ameblo.jp/labpeace/entry-11468002523.html
http://ise.ne.jp/omiya/2009/11/11/おかげ犬ストラップだワン。/
出典:https://www.pethomeweb.com/mag/nikukyu-150128/
出典:http://ameblo.jp/oasishause/entry-11890453971.html
出典:http://isejinguuu.com/okageinu/
出典:http://www.tripadvisor.com.ph/LocationPhotoDirectLink-g303159-d1369326-i56929757-Okage_Row-Ise_Mie_Prefecture_Kinki.html
出典:http://www.hyakugo.co.jp/mie/06/06/p05.html
出典:https://twitter.com/hashtag/おかげ犬
2015-09-02 21:57
西行と伊勢
平安の歌人・西行法師は佐藤義清として元永元年(1118)、和歌山県那賀郡打田町(現在の紀の川市)竹房に生まれた。父は武門の伝統を誇る検非違使・佐藤康清、母は監物[(けんもつ) 諸官庁に属する倉庫の鍵を管理して、出納を観察した官職]源清経(きよつね)の女(むすめ)だった。
鳥羽上皇に北面の武士として仕えたが、23歳の若さで遁世という道を選ぶ。
そして仏道修行のもと諸国を旅し、和歌に自分の魂の遍歴を重ねていった。
没後15年に成立した勅撰集「新古今和歌集」には、個人として最高の94首をも入集し当代随一の歌人とみなされていた。
高野山で修行したのち、1177年(59歳)、伊勢二見浦へ移住。1180年(62歳)、源平の乱が勃発、全国各地を戦の炎が包み込む。翌年、平家の都落ち。西行は伊勢の海を見ながら「東西南北、どこでも戦いが起こり切れ目なく人が死んでいる。これは何事の争いか」と嘆き、この戦乱を詠む。
死出の山 越ゆる絶え間はあらじかし 亡くなる人の 数続きつつ 『山家集 聞書集225番』
(天寿を全うせず戦で命を奪われ、あの世への山を越えて行く人の流れが絶える事はないのだろうか。もう戦死者の話を何人も聞き及んでいる)
出典: 花と月をこよなく愛した漂泊の歌人【 あの人の人生を知ろう ~ 西行法師 】http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/haka-topic23.html
はなれたるしららの濱の沖の石をくだかで洗ふ月の白浪 『山家集』
深く入りて神路の奥を尋ぬれば又うへもなき 峯の松風 『千載集』
何事のおはしますをば知らねどもかたじけな さに涙こぼるゝ
浪越すと 二見の松の 見えつるは 梢にかかる 霞なりけり 『山家集』
西行の歌集である『山家集』には、出家後、鈴鹿の山を越え伊勢に行くときに詠んだ歌があり、伊勢に住むまでにも何度か足を運んでいるのではないかと思われる。
最近の安養寺跡の発掘調査では、西行の草庵の可能性のある遺構や遺物が発見されている。
出典: 歴史の情報蔵 伊勢に愛着あった歌人・西行 http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/arekore/detail.asp?record=57
西行は伊勢を何度か訪れ、鈴鹿山を越えて伊勢に入ったり、熊野の新宮から伊勢に向かったりしたことがあり、晩年にあたる六十三歳から六十九歳までの約六年間は伊勢二見浦に移り住んでいた。二見(安養山)に庵を結んだ。
出典:気まま親父と母ちゃん 西行を訪ねて伊勢・志摩へ~その1
http://blogs.yahoo.co.jp/okmatrix/12227401.html
伊勢にいた間、西行は伊勢神宮の神官たちと歌のやりとりをしたり、歌を教えたりしていたようで、現在残されている歌や弟子であった神官の書き残した書物からうかがい知ることができる。また、西行自ら選んだ歌72首を伊勢神宮に奉納したりもしている。出家後まもなくに伊勢を訪れ、晩年には伊勢の地に庵を結んだことからは、僧侶であり、歌人であった西行にとって伊勢は愛着のある所だったことがうかがえる。
自然を愛し、特に月と花に関する歌を多く詠んだことから月と花の歌人とも言われた西行は、晩年を伊勢で過ごしたのち、東大寺再建のために奔走し、文治六年(1190)、歌で詠んだ願いどおりに釈迦が亡くなったとされる如月の望月、すなわち2月15日の翌16日に河内国の物静かな山里の寺で、73歳の生涯を閉じた。
出典: 歴史の情報蔵 伊勢に愛着あった歌人・西行 http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/rekishi/kenshi/asp/arekore/detail.asp?record=57
最初に結んだ庵は安養山(現在の度会郡二見町溝口の豆石山)といわれている。そして、のちに宇治(現在の伊勢市宇治館町)に移っている。俗に言う宇治の西行谷である。
出典:西行法師http://www.town.kanan.osaka.jp/kananchotte/kankogaido/rekishibunka/1394614620024.html
願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃【西行】(さいぎょう、1118年 - 1190年3月23日)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての武士・僧侶・歌人。伊勢国に数年住まったあと、河内国の弘川寺(大阪府河南町)に庵居し、1190年にこの地で入寂した。享年73。
辞世の句 @jiseino9 2015-09-02 00:07:23
2015-09-02 20:17
伊勢の河崎
かつて水運で繁栄した伊勢河崎のなごりをとどめる『河崎「川の駅』
河崎は伊勢湾を渡り、勢田川を遡(さかのぼ)って訪れる伊勢神宮の参拝客が上陸する地点である河岸(かし)を中心に室町時代から江戸時代にかけて発達した。「伊勢の台所」とも呼ばれ、伊勢神宮への参拝客をもてなすまちとして賑わった。勢田川沿いに町屋や土蔵などの歴史的景観がいまも残されている。
江戸時代になると河崎は日本各地から集まる物資を売りさばく問屋が軒を連ね、山田最大の商業地区を形成していた。
諸国から物資が集まるだけでなく、志摩国の海産物や伊勢平野の農産物の積み出し港としても機能した。
水運を利用して伊勢参宮をする「川筋参宮」は、しかし、1893年(明治30年)の参宮鉄道(現JR参宮線)の開通による交通網の発達のため、明治末頃に見られなくなった。また、陸上輸送が主流となり、河崎の物資集散地としての地位も失われたため、河崎は衰退していった。
町並み保存運動が開始され、蔵は守られている。1999年(平成11年)には活動団体が「NPO法人伊勢河崎まちづくり衆」となった。2002年(平成14年)には同法人の活動拠点「伊勢河崎商人館」が開館し、2004年(平成16年)には伊勢の伝統工芸品である伊勢春慶を復活させるべく、「伊勢春慶の会」が発足した。
出典:
『河崎(伊勢市)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/河崎_(伊勢市)
河崎在住のカナダ人落語家・桂三輝( かつらさんしゃいん)
本名はグレッグ・ロービック(Greg Robic)。両親はスロベニア人。カナダオンタリオ州トロント生まれ。三重県伊勢市在住。トロント大学卒業。上方落語協会会員。
2007年に大阪芸術大学大学院芸術研究科に入学し、相羽秋夫のもとで創作落語を研究。2008年9月1日、桂三枝(現・六代桂文枝)に弟子入し桂三輝と命名される。
『あなたの街に住みますプロジェクト』で、2011年11月から三重県伊勢市河崎の古民家に居住している。その古民家を改装し、2012年6月17日に寄席小屋「伊勢河崎輝輝亭」(いせかわさきききてい)をオープンさせた
『河崎在住のカナダ人落語家・桂三輝( かつらさんしゃいん)』
出典: https://katsurasunshine.wordpress.com/プロフィール/
参考:
桂三輝 - Wikipedia:https://ja.wikipedia.org/wiki/桂三輝
伊勢河崎商人館に行ってきました。 http://t.co/cV5XyLayfc
銀工房 源之屋 @itsuki38? 2015-09-02 18:16:10 ???
ブログを更新しました。
「伊勢市 河崎」→http://t.co/7EkVItcqkJ
フェムト @femto0518? 2015-08-31 18:37:32 ???
ブログを更新しました。 『伊勢・河崎蔵&外宮参道』
⇒ http://t.co/hbPN6584fD
BOTANY&FLOWERS @BOTANYANDFLOWER? 2015-08-29 09:01:07 ???
『竹内浩三研究会会報』創刊記念?
2015年9月6日(日)18時より三重県伊勢市河崎2丁目の河崎蔵にて会報執筆者による竹内浩三を軸とした伊勢の歴史文化を語るミニ座談会?古本屋ぽらん最寄りの喫茶店なので研究会の展示も観覧可。 http://t.co/usSxKGovqf
下原千影 @tQIYuguj5iL0oxT? 2015-08-28 18:04:29 ???
伊勢市駅から徒歩圏内、古い商家の町屋や蔵の並ぶ河崎。それらを改装した、素敵なお店がひっそり並ぶ河崎。穴場中の穴場です。
まだまだ素敵な古民家の空き物件があります。お店を始めてみたい人、相談に乗ります>_<素敵なお店、来ないかな!! http://t.co/MdSoLupW6s
Ise-tsumugiya @tsumugiya_ise? 2015-08-27 18:58:22 ???
伊勢河崎の散歩
http://www.jalan.net/news/article/7874/
蔵のあるまち河崎
http://www.ise-kanko.jp/oise/meguri.html
2015-09-02 19:49
歌舞伎のなかの伊勢
歌舞伎十八番〜伊勢音頭恋の寝刃〜は三重県伊勢にあった古市遊廓の油屋にて発生した刃傷沙汰を描いていますよ。https://t.co/WTcluvSOab
西田 伸 @ShinNishida 2016-02-06 23:39:16
伊勢の遊郭で医者が起こした事件を元にした歌舞伎『伊勢音頭?』
恋寝刃 ⇒こいのねたば
芸能エフェクトbot @Julie_Geieffe 2015-09-01 23:07:46
10月歌舞伎は伊勢音頭恋寝刃。
さて、題材にもなっている江戸時代の伊勢の遊郭の話を次の記事として準備中。
#歌舞伎 #国立劇場
「TDLで事件が起きたようなもの」? 江戸時代、世間が騒いだ殺人とは〈週刊朝日〉 http://t.co/60PLc9R0Wa #Yahooニュース
6A 伊勢の地元女子観光案内 @6a_ise 2015-08-31 19:23:29
「TDLで事件が起きたようなもの」? 江戸時代、世間が騒いだ殺人とは: 9月に東京の国立劇場で上演する伊勢音頭恋寝刃は、1796年に伊勢神宮近くの遊郭で起きた実際の殺人事件が題材になっています。お伊勢参りは、江戸時代に庶... http://t.co/z45YVdmBRe
伊勢神宮情報 @isejingu_info 2015-08-31 14:44:30
http://t.co/3KokLKl2sU
#歌舞伎 #中村梅玉 [テレ朝ニュース]歌舞伎俳優の中村梅玉(69)、中村魁春(67)、中村鴈治郎(56)が26日、東京・千代田区の東京大神宮で国立劇場10月歌舞伎公演「伊勢音頭恋寝刃」の成功祈願を行った。江戸時代に伊勢の遊郭…
歌舞伎情報 @kabukiinfo 2015-08-30 01:29:39
「伊勢音頭」。「伊勢音頭恋寝刃」ですね。伊勢の遊郭を舞台になくなった宝刀と折り紙をめぐり出世のために奔走する主人公が遊女から愛想を尽かされてしまうのですが、人を斬る度に白い浴衣に血飛沫が飛ぶ夏のお話です。人ここまで狂えるのですね。私も精進致します。
座名九郎さん歌舞伎bot @kbkzana96 2015-08-28 08:15:21
歌舞伎 on the web
梅玉、魁春、鴈治郎が成功祈願~国立劇場10月歌舞伎公演『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃』 http://t.co/i1vKzrhJxx
かよnin @keikova 2015-09-02 19:06:35
国立劇場 10月歌舞伎公演 伊勢音頭恋寝刃 1等A席花道寄 10/5(月): 現在価格:8,700 円,入札数:-,終了日時:2015/09/05 21:38 http://t.co/bBxXH6UpqA #国立劇場 #ヤフオク
国立劇場チケット @kokuritugekijou 2015-09-02 17:30:49
10月、東京・国立劇場
何かとワンピース歌舞伎に話題をもっていかれ気味ですが、、
安さ自慢で、通し狂言の面白さを改めて感じさせてくれる、
国立劇場「伊勢音頭恋寝刃」
http://t.co/Qqjmy6WoHQ
Kazutaro Hayashi @Rinta0803 2015-09-02 11:35:42
『歌舞伎 on the web-トピックス』梅玉、魁春、鴈治郎が成功祈願~国立劇場10月歌舞伎公演『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃』 http://t.co/RPT7yDeAcZ
歌舞伎日記目付 @kbkreader 2015-09-02 08:38:12
あれ、歌舞伎モバイルには詳細とかコメントとかでてたのに(´・ω・`)
【国立劇場十月公演】
中村梅玉・中村魁春・中村鴈治郎
10月歌舞伎公演『通し狂言 伊勢音頭恋寝刃』の成功を祈願しました。
http://t.co/0B2GV9nrlB
Azuma/チェッカー中 @Az_100 2015-09-02 00:01:54
伊勢の遊郭で医者が起こした事件を元にした歌舞伎『伊勢音頭?』
恋寝刃 ⇒こいのねたば
芸能エフェクトbot @Julie_Geieffe 2015-09-01 23:07:46
歌舞伎名作撰 伊勢音頭恋寝刃 野原地蔵堂の場から油屋奥庭の場まで [DVD] 最安値 ⇒ 3,735円 http://t.co/owyyxzf4BV #片岡仁左衛門 #片岡孝夫 #NHKエンタープライズ
買物上手 - DVD @movie_item_s 2015-09-01 06:35:59
10月歌舞伎は伊勢音頭恋寝刃。
さて、題材にもなっている江戸時代の伊勢の遊郭の話を次の記事として準備中。
#歌舞伎 #国立劇場
「TDLで事件が起きたようなもの」? 江戸時代、世間が騒いだ殺人とは〈週刊朝日〉 http://t.co/60PLc9R0Wa #Yahooニュース
6A 伊勢の地元女子観光案内 @6a_ise 2015-08-31 19:23:29
2015-09-02 19:25
古い旅館
『東海道中膝栗毛』にでてくる麻吉旅館 |
伊勢神宮の内宮と外宮の間の古市にむかしの遊郭にあった旅籠屋の雰囲気をつたえる麻吉旅館がある。看板には、嘉永4年(1851年)創業とあるが、それ以前の天明年間(1781-1788年)の地図に出ていたり、文化3年(1808年)に刊行された『東海道中膝栗毛』五編追加にも「麻吉」の名が見えているから、実際はそれより以前らしい。
建物は、山崖利用の積み上げ建築としても珍しく、一番下から数えると五階建てになる。
明治の始めころには、「麻吉」専用の芸者を30人ほど抱える県下一流の料理旅館として知られていた。
「名月・雪香之間」は明治から昭和にかけて、「憲政の神様」「議会政治の父」と呼ばれた政治家・尾崎行雄が書斎に使っていた。
木造三層楼の「山田館」 |
大正初期創業の老舗旅館「山田館」。
伊勢市駅と外宮さんとを繋ぐ外宮参道にあるレトロな木造三層楼の古い建物。外宮参道のシンボル的な役割も果たしている。
大正〜昭和の面影とどめる河崎の町宿「星出旅館」 |
昭和元年創業で、河崎に残る唯一の町宿。
創業明治30年の伊勢の老舗旅館「伊勢の宿 紅葉軒」 |
創業明治30年の伊勢の老舗旅館。
伊勢の宿 紅葉軒 (いせのやどこうようけん)
泊まれないが見学することはできる明治の高級旅館「賓日館(ひんじつかん)」 |
賓日館は明治20年 (1887年)、伊勢神宮に参拝する賓客の休憩・宿泊施設として、神宮の崇敬団体・神苑会によって二見が浦に建設された。命名者は神苑会総裁・有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)。
明治44年(1911)2月には隣接する二見館に払い下げられ、二見館別館として平成11年(1999)まで使用されてきたが、二見館休業に伴い二見町に寄贈された。
国指定重要文化財。
現在は資料館として一般公開されている。
「和亭 朝日館 別館清風荘」 |
伊勢二見浦。近代的な鉄筋コンクリートの新館もあるが、別館「清風荘」は大正・ 昭和の建築美の面影を留めている。
創業280年の小さな老舗旅館。
数寄屋造り2階建て。「貴賓室」がある。
創業天保元年の伝統の味わいを見せて佇む「伊勢 戸田家料唵(りょうあん)」 |
伊勢戸田家料唵。
日本庭園の中に、創業天保元年(1830年)の伝統の味わいを見せて佇む落ち着いた数寄屋造りの建物が残っている。
二百冊近い芳賀帳(芳名録)には多くの著名人の名が記され、玄関正面 の「翠光入玉簾」などを揮毫している伊藤博文は、何度も宿泊した。
純和風木造三階建ての宿「麻野館」 |
伊勢にある二見浦海岸沿いの旅館「麻野館」。
創業は1893年。明治創建当時の面影を残し、落ち着いた風情を感じさせる純和風木造三階建ての宿。
二見浦の海岸通り沿いに位置し、夫婦岩からも徒歩5分と近く、二見海水浴場へも徒歩圏内。
「孝行鰻」弥吉の息子がはじめた「料理旅館 おく文」 |
その歴史は古く、江戸末期に鰻を行商して家の窮地を救ったという「孝行鰻」弥吉の息子、文吉がうなぎの飯屋を継ぎ、伊勢市宮町の割烹旅館「奥文楼」となったのが始まり。
入母屋造りの料理旅館。
昭和4年に建てられた木造旅館「日の出旅館」 |
日の出旅館は創業約百年、昭和4年に建てられた木造旅館。
昭和4年に創業するものの第二次世界大戦で全焼、終戦後昭和24年に旅館業を再開。当初、本館は二階建てだったが、昭和35年に3階部分・別館など少しずつ増築し、現在の迷路のように入り組んだ構造になった。なりました。 伊勢市内に残っている数少ない木造今となっては3階建ての建築。
夫婦岩からの日の出の拝観に便利な「海洋楼」 |
海洋楼
三重県伊勢市二見町茶屋566-4
夫婦まで徒歩3分の二見浦海岸通りに位置し、漁師から直接仕入れた旬の食材の海鮮割烹が自慢。
明治時代創業の老舗旅館・浜千代館 |
明治時代創業の老舗旅館。ほとんどの客室から二見浦を一望できる、浜辺の宿。
商船向けの船宿として明治20年創業の老舗旅館「海月」 |
旧鳥羽街道である岩崎通りにある。
2001年に「海島遊民くらぶ」を発足させ、エコツアーに乗り出した。2007年、環境省の第3回エコツーリズム大賞優秀賞を受賞。
女将、江崎貴久は久助が興した船宿から数えると5代目の当主にあたる。
〒517-0032 三重県鳥羽市鳥羽1-10-52
「海月」
『鳥羽の台所つまみ食いウォーキング』随時開催されており、1人2100円で、鳥羽市内の寿司店やアワビ・サザエなどの専門問屋を巡って、おいしいものをつまみ食いしながら、店や町の人との会話を楽しむ。
『シースルーカヤック』に乗って、海の生き物や海草を観察する。
『海女の国スピリチャルツアー』通年で海女小屋で海女さんと会話しながら魚介を焼いてもらう。
『無人島たんけんツアー』
『ほたる&海ほたる鑑賞とワインを楽しむツアー』
など、30種以上ある。
ええじゃないか伊勢の旅 伊勢市観光協会 http://www.ise-kanko.jp/base_data/base_data.php?info_cd=00070
十三のいま昔を歩こう : 伊勢古市の麻吉旅館 http://atamatote.blog119.fc2.com/blog-entry-693.html
【伊勢 古市】創業200年以上 麻吉旅館 登録有形文化財 https://www.youtube.com/watch?v=5hzKk04TlmI
井門 隆夫 『創業200年、木造6階 伊勢「麻吉旅館」の遊郭「楼閣」』 [旅館] All About http://allabout.co.jp/gm/gc/75549/
2015-09-02 19:25
伊勢 古市
家業の妓楼を廃業し、妓女を解放し、貸衣装屋に転じ、それまで築き上げてきた財産を、牛谷坂改修のために、おしげもなく投げだした妓楼千束屋の女主人りと |
古市は妓楼七十数件、遊女は千数百人を数えるほどの賑わいだった(『膝栗毛 第五編追加』で「千束亭」として)。そんななかで、『千束屋(ちつかや)』は文化二年(1805年)に伊勢参宮に古市を訪れた十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも載せられるほどの隆盛ぶりだった。その妓楼を廃業し、妓女を解放し、金壱千両を用意し、牛谷坂改修のために投じたのがりとだった。
当時の牛谷坂(うしたにざか)は深い森のなかで湿地も多く曲がりくねった険しい坂道で人ひとりがやっと通れるほど細く、現在の猿田彦神社裏手に出ていた。猿田彦神社周辺は、一面田が広がっていた。
この決断の背景には「家運は隆盛を極めたが、いつまでも続ける商売ではない、何とか慈善事業を起こして、子孫の果報を願いたい。」という思いがあったという。外宮長官従二位松木言彦(まつき・のぶひこ)に助言を求めたところ、遊郭業は、人道に外れているため、子孫のことを思うなら、両宮へ遠くから参拝に来る人のため骨を折ることが大切と言われた。即日、抱えの娼妓には年期証文を本人に返し解放し、旅費までつけて国元に送り返した。りとが65歳の秋だった。
牛谷坂改修工事は文化2年(1805)の秋に開始され、翌3年の春、無事に完成し、その功により「苗字帯刀(みょうじたいとう)」を許され山田姓を名乗り 「山田里登(利登」と名乗るようになった。
文化5年(1808)、楠部(くすべ)に持っていた田地10町歩と、亡き夫、市右衛門の弟が経営していた舟橋屋という貸衣装店の衣装を交換し『千束屋(ちつかや)』を歌舞伎用品を中心とする貸衣装屋として再発足させた。
経営には直接たずさわらず、3代目である孫にまかせた。この商売は常に新しいものを補充し、洗濯、修繕が必要で、手のかかる仕事ではあったものの、芝居の小道具、かつら、三味線,衣裳などをあつかい繁昌した。その後、時代や文化、思想、娯楽が大きく変わり廃業する大正中期に至るまでの165年間おおいに栄えた。
「山田里登(りと女)」は八十八歳の米寿を迎え、親類縁者に配り物をしたその秋、夫を亡くしてから20年後、文政11年(1828年)10月29日、褥することなく眠るように往生したという。
りと女は、もともとは現在の三重県津市八町、魚仲買人八兵衛の娘として生まれたが、幼くして、父母と死別し、兄はいたがまだ幼く6歳未満で親類に引き取られ育った。各地を流浪していた尾張清洲海産問屋千切屋(4代目になり古市に移住し参宮客相手の薬店を経営)、4代目源助の次男、久五郎と津で知り合い、松阪に茶汲み女を二人ほど抱える「三寸山」と呼ばれる宿場茶屋を出した。しかし、この「三寸山」の家業は振るわず開店した年の瀬を越せぬほどの困窮に陥った。古市にやってくると、久五郎は藤屋市右衛門という人から人物を見込まれて、その妓楼としての名跡・千束屋を継いだ。家名の市右衛門は継承して、初代千束屋市右衛門となった。文化5年(1808年)には、夫 市右衛門がこの世を去った。天性利發であり、経済面だけでなく、夫婦として夫を操縦するのがうまく、夫を傷つけないように理屈を見つけては、夫に今あるべき道への決断を促していたといわれている。りと女は満足な教育を受けることの無い環境で育ちながら、苦楽を乗り越えられる伴侶をえて、1代で富を得て、財を惜しげもなく人のために使い、跡継ぎのために一生涯働き続けて、江戸から明治の時代にかけて「慶光院清順尼依頼の神忠者」と尊敬される存在となった。
参考:『伊勢 おいないな 日記 ~サラリーマンの写真記』
http://blogs.yahoo.co.jp/t20_in_ise/46548606.html
『いにしえの伊勢』:http://inishienoise.blog.so-net.ne.jp/archive/c228149-13
古市参宮街道ゆかりの資料を展示する伊勢古市参宮街道資料館
古市の繁栄を伝える資料館。
外宮と内宮を結ぶ参宮街道の歴史、 参宮帰りの精進落としで賑わった遊里(歓楽街)、江戸と上方の役者の登竜門だった伊勢歌舞伎など古市の文化と歴史の様子を 伝えている。 展示品は古市の妓楼の諸道具、古文書、古市歌舞伎の台本、衣装、道具類、万金丹の製薬諸道具、看板、参宮絵図、浮世絵、ビデオなど古市の歴史的、文化的な遺産。
伊勢古市参宮街道資料館
〒516-0034
三重県伊勢市中之町69
電話 0596-22-8410
http://www.amigo.ne.jp/~furuichi/
参考:
『昔日の古市歴史散策 - ふるさと三重、再発見の旅』
https://www.kankomie.or.jp/kataribe/course_6460.html
間ノ山(あいのやま)の道 が外宮と内宮の間にあった昔の参宮道だった。
その昔古市地区は長嶺とも呼ばれており、外宮と内宮へ参る尾根伝いの険しい山道であったという。当時の道路事情からも、この道を通らんければ内宮、鳥羽、志摩方面へも抜けられなかった。
その街道沿いに古市は遊廓地として賑わった。当時、江戸の吉原、京都の島原と並んで三大遊郭の一つとして知られた。
おかげ参りなどで賑わいを見せたその当時、「参宮客の精進落としなどと称し 」、歓楽街として……「伊勢参り、大神宮にも、ちょっと寄り」という川柳があるほどに活気に満ち溢れていた。
遊郭など約70軒、遊女1000人、浄瑠璃小屋3、4軒。中でも備前屋・杉本屋・油屋の遊郭は特に有名で、備前屋は古市屈指の大楼閣で、桜の間の伊勢音頭の総踊りが有名。
油屋で起こった殺傷事件は「伊勢音頭恋寝刃」として今でも歌舞伎で演じられている。
出典: 古市界隈 http://www.dairinji.com/furuiti.htm
2015-09-02 19:15
G7サミット 現地情報 (1) A
2016年1月31日まで
2016年2月1日から4月1日までの分は ☞ G7サミット 現地情報(1) B
『記事 - G7外相会合 広島』についての記事は下をクリック
G7外相会合
『記事 - G7科学技術大臣会合 つくば /茨城』については下をクリック
G7科学技術大臣会合
『記事 - G7 財務大臣・中央銀行総裁会議 仙台』については下をクリック
G7 財務大臣・中央銀行総裁会議
『記事 - G7 教育大臣会合 倉敷市』については下をクリック
G7 教育大臣会合
『記事 - G7 エネルギー大臣会合 北九州 』については下をクリック
G7 エネルギー大臣会合
『記事 - G7交通大臣会合 軽井沢』については下をクリック
G7交通大臣会合
『記事 - G7保健大臣会合 神戸』については下をクリック
G7保健大臣会合
『記事 - G7農相会合 新潟』については下をクリック
G7農相会合
『記事 - G7環境相会合 富山』については下をクリック
G7環境相会合
『記事 - G7情報通信相会合 高松 /香川』については下をクリック
G7情報通信相会合
『伊勢志摩サミットポスター』
特殊切手「伊勢志摩サミット(関係閣僚会合シート)」の発行 日本郵便 ☞https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2016/h280408_02_t.html
2016年4月2日以降のニュースは以下
☞ G7サミット 現地情報(2)
5月26、27日に三重県で開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、被爆地の広島市と長崎市が三重県伊勢市で原爆展の開催を計画していることが29日、関係者への取材で分かった。サミット開催県で被爆の実態を訴え、核兵器廃絶への機運を盛り上げようとする試み。広島市は関係費約200万円を平成28年度当初予算案に盛り込み、2月15日開会の定例市議会に提案する。
両市が開催会場として検討しているのは、伊勢市の市観光文化会館。5月のサミット前後の期間に開催を目指しており、核保有国の米、英、仏をはじめ各国首脳らに被爆地訪問だけでなく、原爆展会場への訪問も呼びかけていく方針。
会場には原爆の悲惨さを訴える和文、英文の説明がついたポスターや写真パネル、被爆資料など約80点を展示する計画。
原爆投下で立ち上るキノコ雲や焼け野原となった広島市内の惨状を訴えたポスターのほか、学徒動員で作業中に被爆し、亡くなった中学生の焼けただれた学生服、黒こげとなった女学生の弁当箱(レプリカ)などが展示候補となっている。
広島市では、サミットに先立つ4月10、11日に外相会合が開かれる。同市はサミット参加各国の首脳や外相らに、原爆資料館や原爆慰霊碑のある平和記念公園への訪問を呼びかけている。
また、広島、長崎両市による原爆展は28年度中に米国シカゴ市などでも計画されている。
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)と関係閣僚会合の開催に向け、開催地の5県6市の担当者が集まる連絡会議の初会合が28日、三重県志摩市で行われ、PRで連携する方針などを確認した。
会議には三重、茨城、長野、富山、香川の5県と仙台、新潟、神戸、倉敷、広島、北九州の6市が出席。外務省もオブザーバーとして参加した。
三重県伊勢志摩サミット推進局の大橋範秀次長が「もてなしや地域のPRなど、各開催地が取り組む共通項は多い。サミットと閣僚会合の開催が地方創生につながるよう、有意義な意見交換をしていきたい」とあいさつ。情報共有体制の確認や連携強化に向けた話し合いが行われた。【永野航太】
今年予定されていることの中で、精神史的に恐らく最も深い意味を持っているものは、5月下旬に伊勢志摩で開催される主要国首脳会議(サミット)であろう。いうまでもなく、その地には伊勢神宮があるからである。
主要国の首脳が集まることにより、外国の人々の日本の文明に対する関心も深まるであろう。伊勢神宮は、日本の文明の基層にあるものの象徴だからである。
危機の時代の伊勢志摩サミット
かつて『日本美の再発見』で桂離宮を称賛したドイツの建築家、ブルーノ・タウトや『歴史の研究』で著名なイギリスの歴史家、アーノルド・J・トインビーなども伊勢神宮を訪れ、その日本的な美と精神性に心打たれた。外国の人々に、文化の商品化戦略につながっているクールジャパンとは一線を画した日本の文明の神髄を示すことが大切ではないか。
伊勢志摩を深く愛した昭和の俳人、山口誓子に「日本がここに集る初詣」という句があるが、確かにこの神聖なる空間には本来の日本が集まっているからである。
日本人にも自国の文明の核心にあるものを改めて認識する機会になるであろう。日本人自身が、戦後教育の下70年ほどたって、もはや自らの存在の根源をあまり知らなくなってしまったからである。いってみれば、日本人は、かなり日本人ではなくなったのである。
そういう日本の文明の危機の中で、日本人の中に、日本人としてのアイデンティティーを回復したいという欲求を強く抱く人々が多くなってきているのではないか。ものを考えるに際しての軸がないことを痛切に感じているのである。日本人としてのアイデンティティーの喪失の不安を抱える危機の時代に、伊勢志摩サミット開催は、それを超克するきっかけになるかもしれない。
私は伊勢神宮には何回も参拝しているが、伊雑宮にも行ったことがある。伊雑宮は「イゾウグウ」とも呼ばれ、内宮の別宮である。内宮から南に車で半時間ほど行ったところにあるが、ここまで来ると森厳の気が宿っている。崇高なるものが身に迫ってくるようであった。誓子に「葉月潮伊雑の宮をさしてゆく」の名句がある。
日本文明の美質に心はせる
伊勢神宮が象徴している日本文明の特徴は、清潔ということである。これは、伊勢神宮を訪れた人が皆、感じ取ることであろう。日本浪曼派の保田與重郎が、近世第一の歌人と呼んだ伴林光平の漢詩の一節に「もと是れ神州清潔の民」というものがある。伴林光平は、幕末に勤王の志士として天誅組の挙兵に参加して『南山踏雲録』を書き残した人である。
日本人は、もともと清潔の民なのである。これは、物質的な意味だけではなく、精神の在り方についてもいえることである。伊勢神宮には、松坂も近い。松坂といえば、国学者、本居宣長である。宣長の有名な歌「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」にも、「大和心」は、「朝日に匂ふ山桜花」のような清潔な美しさとされている。これこそが、日本の文明の美質の最たるものであろう。
伊勢内宮の神職で、俳諧の祖といわれる荒木田守武に「元日や神代のことも思はるる」という句がある。伊勢神宮を訪ねると、その日本的な美というものに深い感銘を受けるばかりではなく、日本の歴史にもはるかに心をはせることになるであろう。「神代のことも」思うのである。
2012年の『古事記』編纂1300年を機に古代に対する関心が高まっているが、神武天皇の御東征を題材にした交声曲「海道東征」の大阪での公演が成功したのも、そのような時代思潮によるところがあるに違いない。伊勢志摩サミットが刺激となって伊勢神宮への関心がさらに高まり、神宮を訪れ「神代」に対する思いが深まっていくことが期待される。
剣刀いよよ研ぐべし」
『古事記』をはじめ『日本書紀』や『万葉集』などの世界にもっと日本人は触れるべきであり、その親しみの中から、真の愛国心もおのずから生まれてくるはずである。こういう歴史的な素養の深みに根差していない愛国心は、日本のためにはならないであろう。
『万葉集』の精神を代表する歌人は、大伴家持である。「海行かば水漬く屍(かばね) 山行かば草むす屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」とは、大伴氏言立である。その大伴家持が「族(やから)に喩(さと)す」として詠んだ歌「剣刀(つるぎたち)いよよ研ぐべし古(いにしへ)ゆ清(さや)けく負ひて来にしその名ぞ」は、今日では「族」に限定せずに、21世紀を生きる日本人に対して「喩」されるべきものであろう。ここにも、「清けく」が出てくる。清潔な精神のことである。
近来の混迷の進行がますます加速度を増している世界の中では、日本も「剣刀」を「いよよ研ぐ」べきであろう。しかし、その精神の在り方は「清けく」なければならない。そのようにして「古」代から続く日本という国家の「名」誉は、われわれ現在の日本人が、真の愛国心の中で「負」っていかなければならないのではないか。(しんぽ ゆうじ)
ロシアのプーチン大統領が、ロシア革命の指導者レーニンを「彼の思想がソ連を崩壊させた」と強く批判、賛否両論の波紋が広がっている。大統領府は発言が経済悪化に不満を募らせる国民の分裂を招く事態を懸念し、火消しに躍起だ。
レーニンは年配者の尊敬を集め、ソ連崩壊後も遺体はモスクワの赤の広場で公開されている。プーチン氏は21日、学術に関する諮問会議を開催。詩人パステルナークがレーニンを批判した詩を引用した学者の発言を受け「(レーニンは)ロシアという名の建物の下に核爆弾を仕掛けた」「世界革命はわれわれには必要なかった」などと述べた。
ロシア共産党のラシキン中央委員は「大統領はレーニンの生涯に関する本を読んでいないようだ」と批判。極右自由民主党のフジャコフ下院議員は「赤の広場は墓場ではない」として、遺体を別の場に埋葬するよう求めた。21日はレーニンの命日だが、プーチン氏は言及しなかった。(共同)
世界が伊勢志摩にやってくる――。主要7カ国首脳会議(G7サミット)が今年5月26、27の両日、三重県・賢島(かしこじま)(志摩市)を主会場に開催される。
特集:伊勢志摩サミット
米国やフランス、ドイツなどのG7首脳が日本に集まるのは、2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、約8年ぶり。訪日玄関とされる中部空港がある愛知県とともに、この地域が経験したことのない最大級の国際イベントを迎える。
伊勢志摩サミットでは事前の準備期間も含め、各国政府や報道関係者ら延べ50万人の宿泊を見込む。地元の百五銀行の試算では、三重県での経済効果は開催後5年累計で1110億円。外国人の延べ宿泊者数は14年の5倍の90万人にふくらみ、国際会議も09~13年の平均2・6回から年30回に急増するとみる。
北朝鮮は核実験の強行後も、身勝手な言い分を発信し続けているが、一切、これに耳を傾ける必要はない。
日本政府は米国などと国連安全保障理事会での新たな制裁を主導するとともに、独自の制裁強化も検討している。
拉致問題の解決が遠のく懸念を理由に制裁強化に慎重な声が与党内からも聞こえるが、これはおかしい。「対話と圧力」「行動対行動」とする対北朝鮮外交の原則に照らせば、制裁の強化しか道はない。核・ミサイル開発と拉致問題の包括的な解決へ向けて、わずかな妥協的態度もみせるべきではない。
拉致被害者の一刻も早い帰国を誰よりも待ち望んでいる家族会の中からも、制裁強化を望む声や、この機に国際社会に向けて拉致問題を強く発信することを求める声が上がっている。
交渉相手として、北朝鮮が一筋縄ではいかないことを誰よりも体感している家族の声だ。その思いや怒りを共有すべきである。
一昨年5月のストックホルム合意に基づき、同年7月に北朝鮮側が拉致問題を再調査する特別調査委員会を設置したことを受け、日本政府は独自制裁の一部を解除した。だが北朝鮮は結果報告の約束を守らず、拉致被害者の帰国へ向けて何一つ進展をみせないまま、核実験を強行した。
圧力抜きの対話はあり得ず、悪(あ)しき行動を見逃してはならない。解除した一部制裁は当然、復活すべきだし、北朝鮮への送金の原則禁止など新たな制裁も突きつけるべきだ。拉致問題交渉の停滞を危惧する声もあるが、すでに十分に停滞している。
北朝鮮の暴挙に世界の目が向けられているこの機に、日本政府は拉致問題の現状を広く国際社会に知らしめてほしい。
今月から2年間の安保理非常任理事国を務める日本は米英などと協力して拉致問題は核・ミサイル開発と並ぶ平和と安全への脅威だと訴え、包括的解決を求める国際社会の枠組みを構築したい。安保理の新たな制裁決議に、日本人拉致をはじめとする人権侵害の明記を求めるべきだ。
12日の衆院予算委では、安倍晋三首相が「拉致問題を政治利用したか」についての論戦に時間が費やされた。国論の分断を誰が望んでいるかを考え、もっと真面目にやってほしい。
年明け以来、国際政治が揺れ動いている。特に北朝鮮による自称「水爆実験」は東アジア情勢に大きな意味をもつものである。
≪水爆開発に向けた試験か≫
今回の実験が水爆であったかどうかは見解が分かれている。爆発の規模がこれまでの原爆実験とほぼ同等であり、水爆にしては小さすぎることから、水爆ではないという見方があるし、原爆を効果的にしたブースト型だという説もある。しかし核爆発が起きたことは確実だし、その規模や性質について離れた地点から得られる情報が不完全である可能性もある。
これまで世界は北朝鮮の技術力を軽視してきた。核やミサイル能力について懐疑的な見解はほぼ一貫して裏切られてきたと言ってよい。今回も、水爆開発に向けた一定程度の技術的突破を含んだ試験であったと見るべきではないだろうか。
水爆は原爆の核分裂反応を利用して水素の核融合反応を引き出し、爆発のエネルギー量を理論的には無限に拡大できる技術である。しかし巨大な破壊力は軍事的には意味が小さくなっており、水爆技術はむしろ核を小型化する能力として意味をもつものとなっている。今回の実験の成否は分からないが、北朝鮮がミサイル搭載可能な核弾頭の製造に近づきつつあることは確かだろう。
実験の意図についてもさまざまな推測が出ている。これまでの北朝鮮の行動パターンを見れば、自らの意図を隠し、関係者の間で異なる観測を生みだすことが目的の一つであるように思える。従って正確な意図を推論することは不可能だが、先月からの北朝鮮の声明を踏まえれば、予定の行動であったとみてよいであろう。
昨年来、各国の情報機関が核実験場での活動の活発化を報じていた。12月10日、金正恩第1書記は「水素爆弾の巨大な爆音を響かせることのできる強大な核保有国になることができた」と述べたことが伝えられた。今回の実験公表とともに、北朝鮮メディアは金正恩第1書記の自筆による12月15日の実験命令書を報じている。
≪米国の対北政策に変化はない≫
他方で実験の最終準備が悟られないよう偽装した形跡があり、またこれまでの核実験のように中国などに事前通知することもなかったようである。この点では今回の実験が国際的な衝撃を与える政治的、外交的効果も計算していたことがうかがえる。
政治的には5月に予定される朝鮮労働党党大会に向けて、祖父・金日成、父・金正日に比肩する金正恩第1書記の功績として水爆実験成功を打ち出すことができる。
外交的には日米両国との関係に及ぼす影響は小さいであろう。一昨年来、安倍晋三政権は「日朝ストックホルム合意」に基づき、拉致を含めた日本人問題について交渉を行っているが進展していない。また、アメリカのオバマ政権は発足以来、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」政策を取っており、核放棄を前提としない交渉には応じない方針を貫いている。
これまでクリントン政権、ブッシュ政権(子)が任期最後に北朝鮮との交渉を図って失敗した経緯を踏まえれば、オバマ政権がこの段階で新たな北朝鮮政策を打ち出すことは考えにくい。他方で両国は対北朝鮮に対するかなりのレベルの制裁措置を行っており、一定程度の制裁強化を行っても質的な変化は起きないであろう。
≪注目される周辺国の足並み≫
むしろ今回の実験で大きな変化が予想されるのは、冷却化しているとみられている中国との関係である。昨年、9月3日の北京軍事パレードへの北朝鮮要人の列席と、中国の劉雲山常務委員の訪朝によって関係改善が伝えられ、12月には北朝鮮のモランボン楽団の北京公演が大きく宣伝されていた。その直前に金正恩第1書記による水爆発言があり、楽団は理由不明のまま公演を中止した。
この経緯からは、金正恩第1書記が中国に対して水爆保有を認めるよう圧力をかけ、習近平政権がそれを拒否したと見るのが自然だろう。中国は今回の実験について不快感をあらわにしているが、従来にないレベルの強い制裁措置を取るか否かが注目点である。
一方、韓国との関係は徐々に改善しつつあった。昨年8月、両国高官による数日のマラソン会談で合意が成立し、秋には朝鮮戦争での南北離散家族の金剛山での再会事業が復活した。今年にかけて関係改善を重視する意向を朴槿恵政権が示していたが、今回の実験で韓国は対話路線を中断し、強硬路線を取らざるを得なくなった。
その際、韓国が日米との関係強化、たとえば停滞している安保協力を推進する方向に向かうのか、それとも中国との共同歩調を取ることを重視するのかも注目点だ。もちろん日米韓中が足並みをそろえることもありうるが、米中の南シナ海での対立や日韓の慰安婦問題などを考えると限界があろう。北朝鮮内部の変化を促す方策がない限り、これまで繰り返されてきた北朝鮮の悪行と制裁のサイクルを断ち切ることは困難だろう。(なかにし ひろし)
5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、各国首脳の訪日窓口とされる中部空港(常滑市)などがある愛知県は、歓迎式典やPRの関連費用として、7500万円規模を来年度予算案に計上することがわかった。12日午前、県議会の主要会派に伝えた。
特集:伊勢志摩サミット
関係筋によると、空港での歓迎式典や海外メディア向けPR、主要7カ国以外のサミット出席国への歓迎式典などを念頭に置く。警備関連費は別に計上する。
各国参加者らは、中部空港や名古屋駅(名古屋市)を経由して、サミット主会場の賢島(かしこじま)(三重県志摩市)に入るとみられている。(寺本大蔵)
1月6日午前10時半(日本時間)、北朝鮮は過去3回と同じ豊渓里(プンゲリ)で核実験を行い、「水爆の実験に成功した」と表明した。
≪狙いは体制生存のための抑止力≫
地下核実験の分析結果はまだ出ていない。核分裂と核融合は大気中に出る放射性物質の成分を分析すればわかる場合もあるが、これら物質の半減期は短いので、わが国は放射能のモニタリングを強化し、航空機による大気浮遊塵や希ガスの採取に努めている。
一部には爆発威力は、地震波規模がマグニチュード(M)4・8、推定爆発規模は6キロトンとされ、前回(2013年2月 M5・0で7・9キロトン)と比べれば規模が小さく、強化型爆弾(重水素や三重水素の核融合によって放出されるエネルギーを利用したもの)だった可能性も指摘される。
しかし、そうであったとしても、水爆製造のプロセスに向かっていることは明らかだ。その爆発威力は極めて膨大で、運搬手段たる弾道ミサイルの開発(特に潜水艦発射弾道ミサイル=SLBM=や各種の弾道ミサイル)をあわせ考えると、わが国のみならず、米国はじめアジア・太平洋全体にとって重大な脅威であることは極めて明白である。
金正恩第1書記はいまだ第1書記としての海外訪問がなく各国指導者とも会談していない。国内は貧しく、その中で核兵器・ミサイル開発に猛進している姿は異様である。しかし核兵器を保有している限りは、イラクのフセイン、リビアのカダフィ、アフガニスタンにいたビンラーディンのように、米国に殺されることはなく、核兵器は「体制生存のための抑止力」と考えているのであろう。
≪6カ国協議の在り方見直しも≫
6カ国協議は中断したままであるが、北朝鮮は(1)核保有国として認められる(2)従来の6カ国協議の合意に基づく履行を要求されない?という条件ならば参加してもよいと示唆しているので、パキスタン型の核保有国になりたいということなのであろう。虫が良すぎるにもほどがある。6カ国協議の他メンバーとしては到底受け入れがたい条件である。このため6カ国協議が止まり、北朝鮮だけが核開発の時間稼ぎをしている結果になっており、許しがたい。
中国は、北朝鮮の核開発には反対している。北朝鮮は中国の思った通りに動くわけではないが、北朝鮮が安定的に存続することが中国の国家の安全保障上の利益なので、最小限の支援を続けている。
米国は、北朝鮮の核・ミサイル開発に大きな懸念を有している。このまま核開発が進み、核の運搬手段たる弾道ミサイルに搭載されると、米国本土だけでなく同盟諸国にとって重大な脅威となることは明白である。だからといって軍事手段だけでこの問題は解決できず、まず、外交上の努力を進めざるを得ない。
しかしながら米朝対話に応じると政権側は共和党から追及され、事態が改善されなければイランの核開発凍結計画はできたが北朝鮮では何もできなかったという非難を受けかねない。すでに大統領選挙のプロセスに入っている米国としては、ドラスチックな政策を進められず、国連中心に日中韓および、ロシアなどの協力を得る以外に有効な手段はない。
北朝鮮がなぜ、この時期に核実験に踏み切ったかは各種の背景があろう。8日が金正恩生誕記念日であることもあろうし、今年は朝鮮労働党の党大会がある。
昨年12月10日に金正恩第1書記は水爆保有をほのめかし、SLBMの実験も行っていた。韓国は昨年8月の北朝鮮による地雷設置後の緊張関係を無事に乗り切り、南北対話への期待があったかもしれないが、これは一度に冷めた感じになっている。
≪日本は外交イニシアチブ発揮を≫
いずれにしても国際社会から孤立している北朝鮮が、米国を相手に核開発の進展と脅威を示威して体制生存をより確実にしようという核開発は、アジア・太平洋の安定にとっても、国際社会の不拡散体制からみても許すことのできない暴挙である。国際社会は一層団結して北朝鮮の暴挙に猛省を促すような各種の制裁を含む実効性の高い措置をとるべきである。
同時に6カ国協議の在り方も、このままで良いのか検討をすすめていく必要がある。わが国としては、日米同盟メカニズムが効果的に機能するよう、その充実を図りつつ、主要国首脳会議(サミット、G7)議長国、国連安保理非常任理事国のステータスを活用して力強い外交的イニシアチブをとる機会がきている。
同時に危機に対応する手段を強化することも必要である。わが国の周りにこれだけ危険な状態が生まれつつあることについて、国民の理解を求めつつ安全を維持するために、警戒監視・情報収集や安保法制の履行措置を整えるなどの対応を強化して万全を期すべきことは言うまでもない。さらには核活動や核実験を探知する特殊情報機の導入や、ミサイル防衛システムの在り方を包括的に再検討すべき時期でもある。(もりもと さとし)
【モスクワ=黒川信雄】2008年のリーマン・ショック時にロシア経済を下支えた、石油や天然ガスの税収を基盤とする露政府の基金が19年にも枯渇する見通しであることが明らかになった。財政赤字を補填(ほてん)するための基金からの支出に歯止めがかからないことが原因だが、資源収入頼みの経済政策の行き詰まりが背景にある。欧米の制裁で基金に要請が急増している企業支援も困難になる可能性があり、プーチン政権にも痛手となりそうだ。
露政府は石油・ガスの採掘・輸出税収が潤沢な際にその一部を積み立てており、赤字補填に使う「予備基金」と、景気刺激策に利用する「国民福祉基金」の2つの国家基金を抱えている。ロシアはリーマン・ショックの直撃で09年には経済成長率がマイナス7.9%に落ち込んだが、その後政府が実施した巨額の景気対策の原資となったのが、これらの基金だ。
しかし露中央銀行がこのほど発表したリポートによると、政府は15年1~10月に赤字の埋め合わせに予備基金から1兆5600億ルーブル(約2兆4400億円)を使い、16年にはさらに2兆1370億ルーブルを使うと予測。このペースで支出を続ければ、17年には国民福祉基金も赤字補填が必要となり、「19年初めには両者が底をつく」と指摘した。
露政府の見通しの甘さも事態の悪化に拍車をかけた。政府が昨年10月に承認した予算原案は原油価格を1バレル=50ドルに設定。現在は同30ドル台で推移し、この水準が維持されれば、石油・ガス関連の税収が想定を大幅に下回るのは確実だ。
さらに基金には欧米の経済制裁で資金調達が困難になった企業から「次々に支援要請が来ている」(日露貿易筋)状況とされる。制裁発動後、国営石油最大手ロスネフチや独立系天然ガス企業ノバテクなどが相次ぎ露政府に支援を要請。ドボルコビッチ副首相は「石油や輸送、農業分野の企業まで支援の原資として基金に言及しているが、すべてに足りる訳がない」と警告したが、企業や金融機関向けの複数の支援が承認されたもようだ。経営危機にある政府系の開発対外経済銀行(VEB)も、基金からの支援が見込まれている。
融資は返済を前提としているが、金額が増大すれば基金の運用が圧迫されるのは必至。基金の存続が困難になれば国家による企業支援も難しくなり、露経済には大きな痛手となる。
安倍晋三首相は10日のNHKの報道番組で、2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げについて「リーマン・ショック級の出来事が起こらなければ上げる」と明言した。その際に導入する軽減税率に必要な約1兆円の財源は「社会保障に回っているものを切ることはないと約束したい」と述べた。
また、ロシアのプーチン大統領の訪日が難航するなか、首相がロシアを訪問する可能性について「北朝鮮やシリア、サウジアラビアとイランの問題など、ロシアの建設的な関与が必要。G7の議長国として、大統領と会って話をすることが重要だ」と述べ、5月下旬の伊勢志摩サミット前に訪ロする可能性を示唆した。
首相は10日に山口県長門市であった集会で、核実験を実施した北朝鮮に対する日本独自の制裁について、「自民党の拉致問題対策本部が案を示している。この案を参考に厳しい対応をしていく」と述べ、一昨年7月に解除した制裁の復活や、再入国を禁止する対象者の拡大などを盛り込んだ同本部の案をもとに検討する考えを示した。
許し難い暴挙である。北朝鮮が4度目の核実験を行い、水爆実験に成功したと発表した。実際に水爆実験が成功したのかはともかく、これが世界の平和と安全を脅かす重大な挑戦であることには変わりない。
新たな厳しい制裁強化を突きつけるべく、国連安全保障理事会は速やかに行動すべきだ。日米韓は一致してこれをリードし、中国にも影響力の行使を迫ってほしい。あらゆる手段を講じて、北朝鮮の暴走を阻止しなければならない。
日本にとっては、拉致問題が全く進展しない中での核実験の強行である。「行動対行動」の原則にのっとり、一部解除した独自制裁の復活や新たな追加制裁に踏み切るべきだ。
現行の核不拡散体制下で、北朝鮮の核開発は認められていない。核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発も安保理決議が禁じている。北朝鮮はこれまでも決議違反を繰り返してきた。国際社会はこの無法国家に対し、一切の妥協的態度をみせるべきではない。
北朝鮮は今年5月、金正恩第1書記が「歴史的な分水嶺(ぶんすいれい)」と位置づける36年ぶりの朝鮮労働党大会を開催する。金第1書記は施政方針演説にあたる新年の辞で核開発には触れず、「経済強国」の建設を強調していた。
経済を立て直すには、日米韓や中国との関係改善が不可欠だったはずだが、核実験はこれに完全に背を向けるものだ。この国に、常識は通用しない。
今回の実験が、より高い技術を必要とする水爆でなかったとしても、実験を繰り返すことで、北朝鮮は核兵器能力を向上させているとみるべきだろう。
日本は核の脅威に直接さらされていると認識し、米韓との連携を強化しなくてはならない。日韓両国は昨年暮れ、慰安婦問題で合意し、関係改善を進めることを確認した。対北朝鮮での結束を、その成果として示してほしい。
日本は今月から2年間、安保理非常任理事国を務める。今回の核実験への対応は、日本が安保理内で主導権を発揮できるかどうかの試金石ともなろう。
日本は繰り返し、「拉致問題の解決なしに北朝鮮に未来はない」と訴えてきた。核開発の放棄についても同様である。国際社会が声をそろえて、北朝鮮にそう認識させなくてはならない。
今年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場となる三重県は、閣僚会合が開かれる全国の10県などと連携を深めるため、各自治体の担当職員による連絡調整会議を今月下旬にも設立する方針を固めた。
閣僚会合が分散して開催される中、各国政府関係者らの宿泊施設や移動手段といった受け入れ態勢などについて情報交換し、全体の成功につなげたい考えだ。
閣僚会合は、財務相会合が仙台市、外相会合が広島市など10県の計10市町で予定されている。三重県などによると、一部自治体から昨秋、開催地間の連携について県に提案があった。他自治体からも、広報や関連予算、警備などについて県に問い合わせが相次いでおり、担当者が情報共有できる場を設けることになった。
2016年の安倍外交は、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が当面の最大の目標となる。
難民、テロなど国際社会が直面する問題の解決に向け、議長としての安倍晋三首相の指導力が問われる。中国との関係は改善に向かい始め、韓国との間でも慰安婦問題で合意し、近隣外交は成果を上げつつあるが、なお課題は多く、先行きは楽観できない。
◇難民・テロ対応焦点
サミットは5月26、27両日に三重県志摩市で開催。シリア内戦に端を発した難民問題、過激派組織「イスラム国」(IS)への対応などが焦点となる。首相はサミットで明確な成果を示し、夏の参院選に弾みをつけたい考え。
だが、議長の役割は容易ではなさそうだ。日本は米国や欧州と比べ中東への関わりが少なく、「よほど準備をしないと議論のレベルが違ってくる」(岸田文雄外相)との懸念がある。政府はトルコ、ヨルダン、サウジアラビアなどシリア周辺国との関係を深め、サミットへの準備を進める方針。
シリア問題で首相は、サミットには参加しないロシアのプーチン大統領との協力も重視する。北方領土問題での対話を継続する狙いもあり、首相はサミット前の春ごろの訪ロも視野に入れる。ただ、「IS打倒」では共通する欧米とロシアも、シリアのアサド政権への対応では足並みがそろっておらず、首相の意図通りに事が運ぶかは分からない。
サミットで日本が重きを置くテーマは中国の海洋進出だ。だが中国と経済関係を強める欧州の関心は高いとは言えず、ドイツでの昨年のサミットは「緊張を懸念する」との確認にとどまった。政府関係者は「南・東シナ海問題で強いメッセージを盛り込めるかどうかだ」としており、どこまで各国を束ねられるかが焦点となる。
◇拉致解決、糸口見えず
中国とは昨年、習近平国家主席との2度目の首脳会談が実現し、経済や海洋協力に関する事務レベルの協議も相次いで再開した。しかし、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵犯を繰り返す構図は変わらず、関係改善の流れをどう本格化させていくかが重要となる。
日本が目指す東シナ海のガス田共同開発などの懸案解決は、「習主席と話し合わないと(中国国内に)指示が下りない」(外務省幹部)との見方が強い。日本側は日中首脳の相互訪問実現を目指すが、中国が応じるかは不透明だ。
日韓関係は慰安婦問題の合意で、改善への土台ができた。両政府は元慰安婦支援のため、10億円規模の財団設立など合意事項を実行に移すが、それぞれ国内でどう理解を得るかが課題となる。軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結など、韓国側で慎重論の強い安全保障分野での協力を進められるかも問われる。
政権が重視する日本人拉致問題では北朝鮮の再調査から1年半が過ぎたが、糸口が見えない状況が続く。
昨年9月に成立した安全保障関連法は今年3月に施行され、政府は米国などとの安保分野での連携を強めていく方針だ。国連平和維持活動(PKO)に当たる国連職員らが襲撃された場合に自衛隊員が救出に向かう「駆け付け警護」も法律上は可能となる。ただ、与党内には参院選への影響を懸念する声もあり、同法に基づく派遣部隊の任務の追加は、選挙後に先送りされることになる。
東海地域の自治体や経済団体で構成する「伊勢志摩サミット東海会議」は28日、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕に向けたカウントダウンボードを中部空港(愛知県常滑市)内に設置し、式典を開いた。
東海の空の玄関口でPRし、サミット開催への機運を盛り上げる狙い。28日は来年5月26日の開幕日の150日前に当たる。
ボードは高さ2メートル、幅2・2メートルで、開幕までの日数を赤色の発光ダイオード(LED)電球で表示。三重県伊勢市の伊勢神宮など地域の魅力を伝える写真をあしらい、名古屋鉄道の「中部国際空港駅」から空港のターミナルビルに向かう通路の前に設置した。
式典には、愛知県の大村秀章知事や中部経済連合会の三田敏雄会長らが出席した。三田会長はボードについて「地域一体となった歓迎の機運を醸成する思いを込めた」と話した。
来年5月の伊勢志摩サミットに備え、NBC(核・生物・化学)テロを想定した実技訓練が26日、三重県津市の三重大学で行われた。
全国15医療機関の医師や看護師ら75人と、消防や自衛隊など関係機関の担当者ら約50人が参加。傷病者を除染した上で病院に受け入れる手順などを確認した。
訓練は、厚生労働省の委託を受けた「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)が2006年から毎年2回実施している。この日は、津市の海浜公園で毒劇物によるテロが発生したという想定で、防護服を身に着けた参加者が、傷病者に見立てた人形の衣類を切ったり、シャワーを使って洗い流したりして除染作業に取り組んだ。
訓練に参加した県立総合医療センター(四日市市)の上山一樹・救急看護認定看護師(36)は「平常時とは全く異なる対応になるので、除染に対する知識を深め、適切に対処できるようにしたい」と話していた。
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領(63)の政敵として約10年間を獄中で過ごし、現在は海外に住む元石油王、ホドルコフスキー氏(52)が23日、17年前の地方市長殺害を首謀した容疑で露連邦捜査委員会から国際指名手配された。同氏が最近、「ロシアでは革命が不可避だ」などと発言し、政権打倒を支援する姿勢を鮮明にしたのを受けた動きだ。ロシア経済の低迷が深刻化する中、プーチン氏とホドルコフスキー氏の新たな対決の幕が開けた。
連邦捜査委員会は22日、ホドルコフスキー氏を支持する団体「開かれたロシア」のモスクワ事務所などを家宅捜索。23日には、西シベリアの産油地、ネフチユガンスクの市長が1998年に殺害された事件を首謀したとして、ホドルコフスキー氏を国際手配した。
「ユコス事件」で収監されたホドルコフスキー氏は2013年12月、ソチ冬季五輪を前にプーチン氏の恩赦で釈放された。事件から17年を経ての立件には「事実無根だ」と反論している。同氏は英国やスイスに居住しており、身柄がロシアに引き渡される可能性は低いとみられる。
米財務省は22日、ロシアによるウクライナ東部への軍事介入やクリミア半島の編入をめぐり、ロシアやウクライナの34の個人・団体を制裁対象に追加指定したと発表した。ウクライナの親ロシア派やロシアの銀行などが含まれ、米国内での資産凍結や金融取引禁止を科される。
多くは欧州連合(EU)が既に制裁対象に指定しており、財務省高官は「国際的パートナーと連携して制裁逃れを阻止する。ロシアがウクライナの安全と主権を尊重するよう、断固として圧力をかけていく」と語った。
米国は今年2月にまとまった和平合意をロシアが完全に履行するまで、経済制裁の緩和に一切応じない方針。EUは21日、ロシアに対する本格的な経済制裁を6カ月間再延長することを正式決定した。(共同)
◆仏などに打診 実現、警備が課題
伊勢志摩サミットに向け、官民でつくるサミット県民会議は15日、各国の首脳や大使らを県内の市町に招き、住民らと交流してもらう事業を実施する方針を決めた。すでにフランスなど一部の参加国に打診しているが、実現に向けては警備面が課題となりそうだ。
この日、津市で開かれた部会で事務局が説明した。伝統文化や特産品など地域の情報を発信したり、各国と地域との関係づくりにつなげたりするのが狙い。
交流が想定されるのは、姉妹都市提携や大学間の協定などを通じ、サミット参加国と歴史や文化、教育、産業面でかかわりのある市町など。事務局によると、鈴鹿市や四日市市など6市町が米国、フランス、イタリア、カナダの都市と姉妹都市提携などを結んでいる。
ただ、2008年の北海道洞爺湖サミットでは、複数の自治体が首脳の訪問を要望したが、過密日程などがネックとなり、カナダの首相が伊達市を訪れただけだった。伊勢志摩サミットでは、11月に発生したパリ同時テロなどの影響で、各国首脳らの警備はより厳重となる見通しだ。
安倍首相は16日午前、東京都内で開かれた国際会議で、「世界が直面する保健課題への取り組みを、G7(先進7か国)と手を携えながらリードしていきたい」と述べ、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で感染症対策など保健分野を優先議題として取り上げる考えを表明した。
政府は今年度補正予算案に約240億円を計上し、途上国の感染症対策などを支援する基金に拠出する方針だ。
国際会議では、感染症対策や先進国の役割などが話し合われた。世界銀行のキム総裁、世界保健機関(WHO)のチャン事務局長、マイクロソフト創業者で慈善事業に取り組むビル・ゲイツ氏らが出席した。
首相は取り組むべき課題として、エボラ出血熱の流行時に対応が遅れたことなどを踏まえ、「地球規模の感染症対策を機動的に進めていく必要がある」と指摘。「母子保健や栄養不足、非感染症疾患や高齢化まで多様な課題に対応できる保健サービス」の必要性も強調した。日本が得意とする保健分野で議論をリードし、サミットで国際的な貢献をアピールする狙いがある。
国際政治の舞台で存在感を高めるロシア プーチン大統領の“頭の中”を推測する
ロシアはグローバルなアクターとして国際政治の舞台に再登場してきた。
ウクライナへの介入、クリミアの併合に動いたロシアは西側の経済制裁を受け、エネルギー価格下落により打撃を受けた経済の低迷に一層の拍車がかかった。このような背景の中、ロシアは孤立を脱するべく、戦略的巻き返しを図っている。中東ではシリアの空爆に参加し存在感を高めている。プーチン大統領の東方戦略は中央アジアや極東で中国を巻き込み、新たな政治地図を描きつつある。
果たして、明年春にも予定されると伝えられる安倍首相の訪ロやその後のプーチン大統領の訪日により、北方領土問題は打開されるのだろうか。ロシアの動きは米国との対峙を決定的にし、「新冷戦」と言われる事態を招来する可能性はないか。ロシアは、日露関係は、何処へ行くのだろう。
戦略家と言われ、国内の支持率も高く、今後10年にもわたり大統領として君臨しそうなプーチン大統領の頭の中にはどのような国家戦略が描かれているのだろうか。大胆に推測してみれば、以下の通りである。
「ソ連邦の崩壊は20世紀最大の悲劇である。ロシアは多くの権益を失った。東欧諸国やバルト三国までEUやNATOに加盟し、西側の国境がロシアに迫ってきた。それだけではなくNATOはミサイル防衛の配備などでロシアの核抑止力の無力化を図っている。戦略の立て直しが必要である。
欧州への石油ガスの輸出は頭打ちであり、そもそもエネルギー資源の多くはアジア部に存在している。もはや欧州正面にロシアの未来はない。軍事予算を拡大し、ウクライナを中立化させ、黒海艦隊基地のあるクリミアの併合を行い、シリアの軍事基地を保全しNATOの拡大に備えるとともに、東方戦略を実現に移そう。ロシアの極東部の人口はわずか620万人であり、国境を接する東北三省で1億2000万人の人口を擁する中国に、極東の発展で過度に依存することは安全保障面から問題は大きい。
ただ欧米諸国は経済制裁を簡単には解除しないであろうし、エネルギー価格も急速に回復される見通しはない。この際、中国と連携を強化する以外に方法はあるまい。中国とは2004年に国境を画定し、長年懸案であったガス長期供給価格も合意した。従来からロシアの影響下にあった中央アジアについても既に中国の経済的影響力は拡大しているところ、思い切って連携を図ろう。
とはいえ、やはり日本との関係は、中国への依存をある程度中和し、米国との関係でも牽制材料となりうるので、重要である。懸案の北方領土問題で日本がどの程度妥協の余地があるのか揺さぶり、日本の態度を見極めたうえで、関係改善に大きく踏み出そう」
IS・シリア問題で欧州と関係改善? トルコによる撃墜事件の誤算
確かにプーチン大統領の戦略的巻き返しは、パリでの同時テロがもたらした環境変化もあり、成功しているように見受けられる。現在の欧州の最大の課題は、ISテロの再発を防ぐ意味でもシリア難民問題を解決することにある。このためにはIS壊滅の軍事的キャンペーンを成功させるとともに、シリア問題の政治的解決が必須となる。
ロシアはIS壊滅のため空爆に参加をしたが、同国の目的はIS排除と共にアサド政権を支援することにもある。ロシアにしてみればアサド政権との間の軍事的協力関係、とりわけ空軍基地や海軍基地をシリア内に確保し続けることが、NATOへの抑止力の観点から必要と考えているのだろう。ISへの空爆にしても、ロシアの場合はアサド政権の地上兵力と連携がとられているため、空爆だけのオペレーションに比べれば圧倒的に効果的である。
ISを撃つという観点から仏などの諸国とは一定の協力関係が成立している一方で、米国はアサドの排除を前提にするだけにロシアとの協調は難しい。さらにオバマ大統領は地上軍の派遣は行わないことを明確にしており、対IS軍事キャンペーンにおいても存在感が薄れつつある。
また、アサドを支持するという意味でロシアとイランの間には協力関係が強まってきている一方で、サウジやエジプトと米国の関係も従来のような堅固な関係ではなく、中東における政治地図も変わりつつある。
ただ、ここにきてロシア軍機をトルコが領空違反として撃墜した事件は、プーチン大統領にしてみれば計算違いであったのだろう。欧州と関係改善の方向に向かっているロシアがトルコ問題で水を差されたという意識は強い。
着々と進められる東方戦略 状況一変で中国との連携を強化
プーチン大統領の東方戦略は、既にかなり長い時間をかけて着々と進められてきている。プーチン大統領は首相職にあった時代を含め頻繁に極東・東シベリアを訪問しており、2012年の大統領年次教書では「発展ベクトルは東にあり」、2013年の年次教書では「21世紀全体を通じての国家プロジェクト」と述べ、極東・東シベリアの開発に力を入れてきた。
他方、中国への過度の依存を警戒する意識は強く、中国国境を一元的に管理する「東部軍管区」を2010年に創設し、軍事的備えは強化してきている。その対中関係が大きく動いたのは、ウクライナ・クリミア問題でロシアが孤立して以降のことである。2014年5月には中露首脳会談で10年以上まとまらなかった天然ガス供給契約に合意し、2015年は戦勝70周年で中露協調が演出された。
また、本年5月の中露首脳会談では、ロシアの主導する「ユーラシア経済同盟」と中国の「一帯一路」構想のもとで、中露が連携していくことに合意した。中央アジアでは従来、安全保障面で大きな影響力を持つロシアと経済的な浸透を拡大してきた中国が連携することはあまり想定されていなかったが、ここに来て状況は一変した。このほか中露の間ではAIIB、BRICS銀行、上海協力機構を通じる協力関係も強化されてきている。
このようなロシアの動きに神経を尖らせているのは米国である。プーチン大統領の対米対抗心は強いが、オバマ大統領の対露警戒心も極めて大きい。ロシアを軍事的存在として見、世界で米国に対抗できる軍事力を持つのは中国ではなく、ロシアであるという米国の意識は強い。
ロシアの軍事予算は近年拡大の一途をたどっており、2005年比で2015年には5.87倍と、中国の3.64倍(平成27年度『日本の防衛』)を超える拡大ペースとなっている。核戦力ではロシアは米国に匹敵する戦力を持っている。本年3月に放送されたロシア国営テレビのドキュメンタリーで、クリミア併合で核兵器を使う用意があったとの趣旨の発言をしたことも警戒心を一層高める要因となっている。
このような国際情勢の中で日露関係はどのように推移していくのだろうか。昨今の報道では安倍首相が来春ロシアの地方都市を訪問し、参議院選挙の後にプーチン大統領訪日を実現する検討に入ったと伝えられている。
日露関係はどう進展するか 北方領土問題の行方は
ロシアにとって日本との関係は、中国や米国との戦略上も重要である。プーチン大統領の支持率は85%にも達し、領土問題でも果敢な決断ができるのかもしれない。ただ常識的には、クリミア併合で支持率の上がった大統領が、日本との領土問題で妥協するとはなかなか考えられない。しかしプーチン大統領は稀代の戦略家と言われ、東方戦略で活路を開くことは重要と考えるのだろう。
日本にとっては、北方領土問題の長い経緯や世論の動きを考えると、従来の立場(4島の帰属を明確にし、平和条約を締結する。返還の態様は柔軟である)から大きくはずれることも困難があろう。従って、前のめりになるのは避け、ロシア側の態度も見極めたうえで、従来にはなかったような新しい発想で問題解決を図ることが必要なのだろう。
また、上述した米国の警戒心などを見れば、対ロ制裁に参加している日本が日露関係の促進を図ることが国際社会でどのように受け止められるは想像に難くない。日本の行動には同盟国米国との十分な意思疎通が必要であろう。
北方領土問題を解決していく上でも、ロシアとの関係を中長期的視野に立って考えていく必要があるのだろう。ロシアが孤立するあまり中国と結び、「新冷戦」に進むことは現段階ではなかなか考えにくい。ロシアには経済的実力はないし、中国も米国と決定的対立を望んでいるとは考えにくいからである。従って、ウクライナ問題が解決に向かえば、制裁が緩和され、欧米との一定の協調関係に戻る可能性はあるし、日露関係も進めていく余地が出てくる。
経済関係では大きな機会がある ロシアを東アジアでどう位置づけるかも課題
他方、福島事故以降ロシアに対する日本の石油・天然ガスの依存度は増え、ロシアにとっては極東の開発の必要性も高まっていることから、日露経済関係に関する限り、大きな機会がある。また北極海航路が将来開設されるようなこととなれば、日本の欧州への海運路として大きなコスト減となる。
ロシアの東方戦略上も、資源のアジアへの輸出だけではなく、経済成長率の高い東アジアとの関係増大が課題なのであろう。
ロシアは東アジアサミットや北朝鮮核問題6者協議のメンバーでもある。日本は、政治・安全保障・経済にわたって、ロシアが東アジアの中で建設的な役割を果たすよう働きかけていかねばならない。
伊勢エビのあえ物、熊野地鶏の煮込み、松阪豚のワイン煮……。来年5月の伊勢志摩サミットを前に、三重県と日本航空が12日、県監修の機内食を発表した。県産食材14品を使うメニューでPR。来年3~8月、中国やタイ行きなど中部空港発の国際便4路線のビジネスクラスで提供する。
県と日航による「食と観光に関する協定」の一環で、春と夏のメニューがある。鈴木英敬知事はこの日の締結式で「おもてなしのレベルアップを図りたい」。協定では来年4月には機内誌で三重を特集し、機内で観光ビデオを流す。
安倍首相が英医学誌「ランセット」に寄稿し、11日の電子版に掲載された。
首相は「世界が平和で、より健康であるために」と題し、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、議長国として国際保健に貢献する決意を表明した。「全ての人々が必要なときに良質の保健サービスにアクセスでき、財政的困窮に陥ることなく健康上の脅威から守られるよう、一層の貢献をしていく」と記している。
世界保健機関(WHO)や世界銀行などとの連携強化への意欲も示した。同誌への首相の寄稿は2013年9月以来、2回目。
トルコのシムシェキ副首相は7日、地元テレビNTVとのインタビューで、ロシアによる制裁が拡大し、両国間の経済関係が完全に途絶すれば「(トルコの)損失額は90億ドル(約1兆1千億円)になる」と述べた。
トルコは天然ガス需要の6割前後をロシアからの輸入に頼り、石油も輸入。また、主要産業の観光でも、ロシアからの団体客は大きな収入源だ。
シムシェキ氏は「緊張関係をさらに拡大する意図は全くない」と強調し、事態の沈静化を急ぐ姿勢を示した。(共同)
防衛省・自衛隊が検討している来年5月26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の警備態勢の骨格が28日、分かった。NBC(核・生物・化学)テロに備え、周辺の陸上自衛隊駐屯地に化学防護部隊などを配置するほか、自衛隊機が会場周辺空域を監視。警察や海上保安庁とも連携し、サミット会場周辺を標的とするテロ行為など不測の事態に備える。
サミットのメーン会場は三重県志摩市の賢島で、各国首脳らは中部国際空港(愛知県常滑市)から入国すると見込まれ、自衛隊が会場まで搬送するオペレーションが想定される。
会場周辺の上空には国土交通省が飛行制限区域を設定。航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)が滞空し、海上自衛隊の艦艇とあわせ、周辺海空域の不審な動向を警戒する。
また、会場近傍の守山(名古屋市)、明野(三重県伊勢市)、久居(津市)の陸自3駐屯地には化学防護部隊などを待機させ、NBCテロに備える。
ドローン(小型無人機)対策では、重要施設上空の飛行を禁止する法案の適用が見込めるほか、三重県が独自の規制条例案を県議会に提出している。
サイバー攻撃に対しては、昨年3月に自衛隊に創設された「サイバー防衛隊」が中心となって各省庁との連携に万全を期す。
ロシアのシリア空爆開始以降、トルコは常々領空侵犯を非難しており、10月には無人機を撃墜していた。ロシア軍機の撃墜は現場の判断による偶発的な側面が大きかったのではないか。
ただ伏線はあった。ロシアはここ10日間ほど、トルコ系民族の反体制派トルクメン人が支配するシリア北西部で空爆を強化し、トルコ政府は駐アンカラのロシア大使に抗議していた。先週末にはトルクメン人約1700人が国境を越えてトルコ側に避難した。今回の強硬措置は空爆に対する牽(けん)制(せい)だった可能性がある。
シリア国内のトルクメン人は約20万人で人口の約1%だ。大半はスンニ派のムスリムであり、シーア派系とされるアラウィ派のアサド政権からは民族的にも宗派的にも異なるため冷遇されてきた。そのため、シリアが内戦状態となってからは率先して反体制派として立ち上がり、トルコが積極的に支援してきた。
一方、アサド政権を支援するロシアは、チェチェン系(ロシア南部チェチェン共和国出身者)の過激派も含まれるとされるアルカーイダ系の「ヌスラ戦線」などが一部で共闘しているとして、トルクメン人の支配地域での空爆を強化していた。
ただし、ロシアとトルコは反体制派の位置付けとアサド政権の存立をめぐり路線は異なるものの、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の掃討という究極の目標は一致している。そのため両国は事件の早期の幕引きを図るのではないだろうか。
トルコはロシアとの経済的な結びつきも強く、関係を断絶するような事態はないと考えられる。(談)
【モスクワ=遠藤良介】トルコ軍によるロシア空軍機の撃墜を受け、ロシア政府は26日、トルコに対する経済制裁の検討を本格化させた。当局はすでにトルコへの旅行商品の販売を事実上禁止し、影響が広がっている。米欧による対露制裁の発動後、ロシアはトルコとの経済関係拡大に期待を寄せていたが、状況は一転した。対トルコ制裁が広い分野に及べば、ロシア経済のいっそうの悪化を招く自縄自縛に陥りかねない。
撃墜事件後、露外務省は「テロの危険性が高い」という理由でトルコへの渡航自粛を勧告。観光庁も旅行会社に対し、同国向けの商品販売を停止するよう指導した。トルコはエジプトと並ぶ最大の渡航先で、昨年は約450万人が訪れた。露旅客機の爆破テロでエジプトとの航空便も禁止されており、旅行・航空業界への影響は甚大だ。
ロシアにとってトルコは第5位の貿易相手国。同国のエルドアン大統領が9月に訪露した際は、年間貿易高を2023年までに3倍増とする目標も示された。しかし、ロシアが同月末、シリアでの空爆作戦に乗り出すとトルコは強く反発し、今回の撃墜で関係悪化は決定的となった。
ロシアは昨年12月、欧州向けに計画していた天然ガス・パイプライン「南ルート」の建設を中止し、代わりにトルコ向けの別ルートを敷設することで同国と基本合意。資源輸出先の多角化を象徴する一大事業とみられてきたが、実現が遠のくことは確実となった。
制裁をうたった具体的措置はまだ打ち出されていないものの、露消費者庁はトルコ産食品の集中検査と「不適格品」の押収に乗り出した。ロシアはすでに米欧産の広範な農水産品を輸入禁止としており、禁輸の幅が広がれば物価高騰の深刻化を招く可能性がある。
【カイロ=大内清】トルコのエルドアン大統領は24日の演説で、露軍機撃墜は「交戦規定の枠内だ」と正当性を主張した。今後は、加盟する北大西洋条約機構(NATO)の支持を背景に、シリア問題におけるロシアの影響力に歯止めをかけ、トルコが主張するアサド政権の排除や反体制派主導の政権移行につなげていくことを狙うとみられる。
演説でエルドアン氏は、「国籍不明機」が警告を無視したため撃墜した?と説明した。トルコはこれまでもロシアの領空侵犯に警告を発しているが、今回の撃墜では露軍機とは認識していなかったとの主張だ。
一方でエルドアン氏は、ロシアやアサド政権が撃墜地点に近いシリア北部で、反体制派の少数民族トルクメン人に攻撃を加えていると非難した。トルコには同じトルコ系民族のトルクメン人と強い連帯意識があるため、露軍機の撃墜は、同胞を救うものだと意義づけすることもできる。
また同国には、米欧はNATO加盟国のトルコを支持せざるを得ないとの計算に加え、ロシアも軍事的緊張の激化は望んでいないとの判断があるとみられる。
他方、シリア内戦をめぐってはこのところ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討を最優先とする米欧と、アサド政権存続を狙うロシアの歩み寄りが進んでいた。同政権排除を主張するトルコはこれに反発していることから、今回の撃墜を両者の間に打ち込むくさびとして利用することも十分に考えられる。
【モスクワ=遠藤良介】ロシア軍機がトルコ軍に撃墜された事件は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」打倒の大義で米欧と手を組み、国際的孤立から脱却することを狙ってきたプーチン露政権への打撃となった。ロシアはトルコへの軍事的報復は行わないとみられるが、この一件がプーチン政権の逆鱗(げきりん)に触れたのは確かだ。この問題が両国の経済関係に影響を及ぼし、ロシアが一層の閉塞(へいそく)状況に陥る可能性が高まっている。
トルコとロシアの言い分は領空侵犯の有無をめぐって食い違っている。ただ、事件の土壌となったのは、最近のロシアがシリア反体制派の一角を成すトルクメン人の地域に空爆を加え、その後ろ盾であるトルコが猛反発していたことだ。
トルコは反体制派支援を通じてシリアのアサド政権打倒を狙い、ロシアはイスラム国掃討を掲げつつ、同政権を援護する?。シリア内戦にこんな構図が生まれ、ロシアがトルコの利害を軽視したことが結果として衝突を招いた。
パリ同時多発テロで国際協調機運が高まったのに乗じ、プーチン政権は「対イスラム国」を旗印に米欧との関係を修復する戦略を描いてきた。ロシアは撃墜の影響を最小限にとどめたいとみられ、ペスコフ露大統領報道官は軍事的報復の可能性を否定している。
ただ、プーチン大統領は撃墜について、「テロの共犯者による背後からの攻撃」と厳しく批判しており、何らかの対抗措置は確実だ。メドベージェフ首相はトルコとの共同経済プロジェクトを見直す可能性に言及した。トルコはロシアにとって第5位の貿易相手国。ロシアはトルコへの天然ガス・パイプライン敷設で欧州への経済依存度を下げる思惑だったが、実現は遠のくことになった。
ロシアとトルコの近代史は、18~19世紀に起きた「露土戦争」と呼ばれる一連の戦争に象徴される、対立の歴史でもあった。
露土戦争の発端は、不凍港を求めて南方への勢力拡大を目指したロシアのピョートル大帝(1672~1725年)による南下政策とされる。ピョートルは、クリミア半島の東側にあるアゾフ海から黒海への出口を求め、オスマン帝国と対立。ロシア初の海軍艦隊を編成し、オスマン帝国の要塞を陥落させたピョートルは“若き皇帝(ツァーリ)”として名をはせた。
拡大政策を受け継いだ女帝エカテリーナ2世(1729~96年)もオスマン帝国と戦い、黒海での艦隊建造権や、欧州とアジアを隔てるボスポラス、ダーダネルスの両海峡の通航権を獲得。両国の力関係はロシア優位が決定的になった。
19世紀に入っても両国は繰り返し戦火を交えたが、1878年に結ばれたサン・ステファノ条約により、オスマン帝国はバルカン半島の大半の領土を喪失。第一次大戦でオスマン帝国は敗北し、分割された。
第二次大戦では共にドイツと戦ったが、ロシアとトルコの緊張関係は続いた。
トルコは1952年、ソ連と敵対する北大西洋条約機構(NATO)に加盟。60年代に旧ソ連がキューバにミサイル基地を建設して「キューバ危機」が起きた際、ロシアはその背景に、米国によるトルコなどへの中距離ミサイル配備があったと主張している。(モスクワ 黒川信雄)
【ベルリン=宮下日出男】トルコのロシア軍機撃墜で、フランスが「イスラム国」壊滅に向けて目指す米仏露の「大連合」構想が一段と難しくなる可能性が出てきた。オランド仏大統領は26日の仏露首脳会談を通じてその実現に尽力する考えだが、撃墜で露軍のシリア空爆に対する欧米の疑念が強まったためだ。
「一段の軍事的連携は可能だと信じている」。オランド仏大統領は24日、オバマ米大統領との共同記者会見で、ロシアとの協力強化を目指す意向を強調。モスクワでのプーチン露大統領との会談では、攻撃をイスラム国に集中するよう求める考えを示した。
オランド氏はパリ同時多発テロを受け、イスラム国掃討のため、ロシアも含めた「強力で唯一の連合」を提唱し、その実現に向け、23日のキャメロン英首相との会談を手始めにシャトル外交を展開。オバマ氏にはロシアとの協力強化の必要性を説得する狙いだった。
だが、オバマ氏は露軍機撃墜について、「ロシアがイスラム国に力を注いでいれば、こうした衝突の可能性は低い」と強調。撃墜は米国のロシアへの不信を強める結果となった。
そもそも、ロシアと「連合」を組むには米国だけでなく、有志連合に参加するアラブ諸国やトルコの理解も重要だ。しかし、トルコが撃墜でロシアとの協力に反発を強めるのは必至。大連合の実現は「より複雑」(仏メディア)になった。
仏国防省は24日、シリア沖の空母シャルル・ドゴールから出撃した戦闘機がイラクへの2日連続の空爆を米軍機と行ったと発表し、米仏の緊密な協力を誇示した。だが、オランド氏は一方で露軍ともすでに連携していることも明らかにしており、今後、フランスが米露のはざまで微妙な立場に置かれる可能性がある。
来年5月26日に三重県で開幕する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)まで残り半年となり、政府がテロ対策強化を急ピッチで進めている。パリ同時多発テロなど国境を越えて活動するテロリストの脅威が増す中、地方自治体との連携強化を図り、平成27年度補正予算に緊急経費を盛り込んで設備や人員の強化に着手する。
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は24日の記者会見で、靖国神社で起きた爆発物事件に関し「パリでテロ事件があったばかりで、日本でテロがあってはならない」と述べ、重要施設の警戒態勢を強める考えを示した。
政府は27年度補正予算に盛り込むテロ対策特別費で、設備や人員増に必要な経費をまかなう方針だ。当初は28年度本予算の執行を受けて立ち上げる予定だった外務省に設置する「国際テロ情報収集ユニット」を12月上旬に発足させる。
岸田文雄外相は24日の記者会見で、「パリの事件をみても、国際テロに関する情報収集能力を強化する必要性は論をまたない」と強調した。同ユニットで集約した情報は、官邸や国家安全保障会議(NSC)に報告され、防衛省や警察庁など関係省庁で共有する。
ただ、官邸筋は「すべてのテロ活動を未然に防ぐことは難しい」と吐露する。靖国神社での爆発物事件のように事前に動きを察知できなければ対応できない。国内に入ったテロリストを把握できていなければ、どこでテロ活動を行うか割り出すことは困難だ。
このため、自衛隊や警察が警備するサミット会場だけでなく、一般市民が集まる場所でのテロへの対応も重要になる。しかし警備人員と予算にも限界があり、政府高官は「テロ対策で最も重要なのはテロリストの動向をいち早く把握することだ」と指摘する。
テロ対策では、三重県が24日、来年3月27日からサミット終了翌日の5月28日までサミット会場周辺などでドローン(小型無人機)の飛行を制限する条例案を県議会に提出し、政府と連携を進めている。
また政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策などを開催自治体と協議する連絡協議会を27日に立ち上げることを決定。自治体間も含めた情報共有も行う。
政府はサミットやオリンピックに向け、テロ対策を最優先課題の1つと位置付けている。
国の来年度予算の政府案決定を前に、県は伊勢志摩サミット開催に要する県の負担に対する財政支援など16項目の要望をまとめた。鈴木英敬知事ら県幹部が17、18日に上京し、関係省庁などに要望する。
県はサミットに関連し、2014年度予算で準備経費として1億円、今年9月の補正予算には警備態勢の強化や道路・交通安全施設の整備などのため約59億円を計上。08年の北海道洞爺湖サミットで北海道が負担した約22億円を既に大きく上回っている。
大幅に上回っているのは、過去に国内でサミットが開かれた沖縄県や北海道は元々、担当大臣がおり、洞爺湖サミットでは会場周辺の道路整備などは国管理で整備されたことが要因。
このため、サミット関連の要望では、伊勢志摩サミットは特別な事情がない典型的な地方での初めての開催となることを指摘し、県財政に影響を与えないよう特別交付税措置の必要性を訴える。また、今後の地方都市開催のモデルとなる財政支援スキームを決め、サミットに関する特別な交付金を創設することなどを求めた。さらに、高度化・悪質化しているサイバー攻撃の被害防止のためのセキュリティー対策も必要だとして、セキュリティー機器の導入や訓練に要する費用の財政支援を要望する。
サミット関連以外では、地方創生や少子化対策、農林水産業の競争力強化、防災対策などに要する地方の財源確保などを求める。【田中功一】
〔伊賀版〕
今年のミス・インターナショナルの入賞者5人が9日、伊勢志摩サミットのPRに協力するため三重県庁を訪れ、応対した植田隆副知事に「開催おめでとうございます。美しい自然や文化のある三重を、世界に発信していきたい」と話した。
訪れたのは、ベネズエラ代表のエディマー・マーティンズさん(20)ら、5日に東京で行われた世界大会で上位入賞した5人。昨年大会の入賞者らがサミット開催地決定直前の今年6月に来県しており、決定を受け「今年の入賞者にぜひ三重をPRさせてほしい」と改めての訪問となった。
5人は8日から来県し、鳥羽市でアコヤガイから養殖真珠を取り出す作業を見学したり、伊勢市の伊勢神宮を参拝したりした。今後、各自のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて、三重の魅力を発信していくという。【永野航太】
三重県志摩市で来年5月に開催される伊勢志摩サミットまで200日前となった8日、同県東員町のショッピングモール「イオンモール東員」で記念イベントが開かれた。津市出身の女子レスリング五輪金メダリスト、吉田沙保里選手らが出席し、残り日数を示すカウントダウンボードの除幕式が行われた。
イベントは官民で組織する同サミット三重県民会議への協賛・応援事業としてイオングループが行った。鈴木英敬知事が「一人でも多くの県民が、県外や海外の知り合いに三重でサミットが開催されることを知らせてほしい」とあいさつし、吉田選手や近隣市町の首長、イオン関係者らとともに除幕した。ボードはイオングループ店舗の74台を含め、県内外に計361台が設置される。
同モールではこのほか、吉田選手のトークショーやサミットに関するクイズイベントなども行われ、同県四日市市の福祉施設職員、小林剛さん(36)は「サミット開催は自慢できることなので、県外の友人らにしっかりPRしていきたい」と話していた。【田中功一】
名古屋港で16日、来年5月の伊勢志摩サミットに向けたテロ対策で、名古屋海上保安部や愛知県警などによる合同訓練があった。
テロリスト3人が潜む船の寄港を想定。税関や入国管理局の職員が船内を捜すうち1人が陸上に逃げ、機動隊員が捕まえた。別の2人は給水で横付けされていた小型艇を奪い逃走。海保の巡視艇や県警の警備艇など4隻が追い、空砲での銃撃戦の末に降伏させた。
訓練を指揮した名古屋海保の担当者は「出入りの多い名古屋港から侵入することも考え、警備をしっかり行いたい」と話した。
安倍晋三首相は11日、三重県志摩市を訪れ、来年5月に開催する主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」の会場予定地を視察した。鈴木英敬知事らと市内のホテルや旅館を見学。伊勢市の伊勢神宮も参拝した。
会場予定地の一つ「志摩観光ホテル ベイスイート」の最上階ラウンジで、首相はリアス式海岸の英虞(あご)湾を望みながら「相当眺めが良い。海と山と森が見えて、これはきれいだ」と感想を述べた。ホテルの視察後、記者団には「地元からも期待の声をいただき、(サミットを)ぜひ成功させたい」と語った。
安倍晋三首相は11日、三重県を訪れ、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場予定地となっている志摩市の志摩観光ホテルなどを視察し、準備状況を確認した。
6月の開催地発表後、首相が現地視察するのは初めて。サミット成功に向け、要人警護やテロ対策に万全を期す決意を内外に示す狙いがある。
英虞(あご)湾を一望するホテルの展望ラウンジで説明を受けた首相は「素晴らしい景色だ」と絶賛。大口秀和志摩市長ら地元首長や住民との意見交換で「日本の素晴らしさを世界に発信する場所だ」と強調した。記者団に対しては「地元からも期待の声をいただいた。(サミットを)ぜひ成功させたい」と意気込みを示した。
首相はこれに先立ち各国首脳とともに訪問したい意向を示している伊勢神宮(伊勢市)を参拝した。
「このホテルで伊勢エビのスープを食べて、こんなにおいしいものが世の中にあるのかと思った」。安倍晋三首相は11日、来年の伊勢志摩サミットの会場となる三重県の賢島でホテルを視察した際、「子どもの時」の思い出を披露した。
「この地には海の幸、山の幸がある」。この日の伊勢神宮視察もふまえ、「伊勢志摩サミットは、日本の悠久の歴史と優れた文化、美しい自然をG7(主要7カ国)の人たちに堪能していただき、世界に発信する場」との考えを示した。
視察に同行した鈴木英敬知事は「サミットは首脳同士の議論や会話といったコミュニケーションを特に大事にする。首相の希望を実現できるよう調整していきたい」と記者団に語った。
首相は、サミット歓迎の準備を進める伊勢志摩地域4市町の首長や市民代表らを激励。三重県自治会連合会の山崎勝也会長は、「地元は熱く燃えている。地域一丸でおもてなしの機運を高めたい」と伝えた。
キリンビールマーケティング三重支社は、来年5月の伊勢志摩サミット開催を祝い、記念ビール「一番搾り」(中瓶・500ミリリットル)を12月14日から6万本の数量限定で販売する。
肩ラベルにイセエビとサザエ、アワビを持った海女と、「祝 伊勢志摩サミット開催」などの文字を書き入れる。売り上げ1本につき1円を同サミット三重県民会議に寄付する。
多くの人の目に触れるようにと、販売時期を忘年会シーズンに合わせた。県内全域と近隣7府県の一部地域の宿泊施設や飲食店に出荷する。忘年会のようにサミットを盛り上げられるか。【田中功一】
ドイツの首都ベルリンで10日、冷戦後の1991年に撤去され、地中に埋められていたレーニン像の頭部がほぼ四半世紀ぶりに掘り出された。ベルリン西部の博物館で来年初め公開されるという。ドイツのメディアが伝えた。
レーニン像は冷戦時代に東西に分かれていたベルリンの東側にあったが、89年に「ベルリンの壁」が崩壊。100以上の破片に分解され郊外で埋められ、忘れ去られた存在になっていた。
高さ約1・7メートル、重さ約4トンの頭部は重機で掘り出された後、トラックでベルリン市内を通って博物館に搬送された。2003年にドイツでヒットした映画「グッバイ、レーニン!」では、レーニン像の頭部をつり上げるシーンがあり、旧東ドイツ崩壊の象徴となっている。(共同)
9日、東海の3県1市のトップが集まり、伊勢志摩サミットや海外からの観光客誘致で連携強化を確認した。
岐阜県多治見市内で開かれた知事・市長会議。来年開かれる伊勢志摩サミットの取り組みについて意見交換が行われた。
開催県である三重県の鈴木英敬知事は、サミットを安全に開催するため警察や消防、医療要員について協力を要請した。
これを受け、名古屋市は消防面で、岐阜県は警備面での協力を確認した。
愛知県は各国首脳への歓迎や外国メディアへのPRなどについて提案した。また、海外からの観光客を増やそうと、セントレアへの国際路線の新規就航の働きかけや名古屋港などでクルーズ船の誘致についても取り組んでいく方針だ。
主要国首脳会議が来年5月26日・27日に開催されることが決定している志摩市の生涯学習センター(磯部町)で9月5日、サミットについて県民の理解を深めるため第1回「伊勢志摩サミットフォーラム」を開催した。主催は、伊勢志摩サミット三重県民会議(津市栄町、伊勢志摩サミット推進局内)。??
同会議の会長を務める鈴木英敬三重県知事は「不安を安心に変え、より期待感を持ってより多くの県民が参加できるように取り組んでいきたい。三重県にとっても千載一遇のチャンス。飛躍の舞台に上がってそのチャンスをつかんでいきたい」と挨拶。安倍安倍晋三内閣総理大臣のビデオメッセージも流れた。??
1部では、外務省大臣官房伊勢志摩サミット準備事務局長の滝崎成樹さんによる基調講演があり、これまでのサミットについてなどを説明。「伊勢志摩サミットを成功させるには、首脳たちがリラックスしていい議論ができるように環境を整えること。世界中から約5000人のメディアが集結するこの機会に日本の魅力を発信したい」と政府の見解を伝えた。また「来週には国際メディアセンターについての決定事項を公表する」と明言した。??
2部のトークセッションでは、北海道副知事で洞爺湖サミットの時にはサミット推進局長を務めた山谷吉宏さん、2012年にアメリカ・キャンプデービッドで開催されたサミットに記者として参加したフィナンシャル・タイムズ東京支局長のロビン・ハーディングさん、エコツアー企画会社「海島遊民くらぶ」代表や鳥羽市の旅館「海月」のおかみを務める江崎貴久さんと鈴木知事の4人が、過去のサミット開催地から学ぶ、伊勢志摩の魅力と発信、県民総参加への取り込みの3つのテーマで話し合った。??
山谷さんは、北海道では2カ月でサミット関係者の宿泊は約50万泊になったこと、プレスセンターを2週間前から開設し警備を含む関係者に1日2万4000食の弁当を1カ月届けたことなど、電気を消してろうそくの火の光だけで過ごす「ガイアナイト」など今でも道民運動として継続されている事業があることなど具体的な話があった。ハーディングさんは、サミットにどういうメッセージを込めるかが大切とアドバイス。江崎さんは、地元の人はついつい伊勢志摩をアピールすることだけを考えがちになるが、日本を背負わなければならないことを自覚しなければならないと話した。??
鈴木知事は、「誘致したい思った理由の一つは、伊勢神宮式年遷宮を経験・体感しみんなが一丸となってやることでパワーアップしてひとつになることが大切。182万人の三重県民揚げて前に進んでいきたい。伊勢志摩でやってよかったと言えるサミットにしていきたい」と協力を呼びかけた。
伊勢志摩サミットまであと9カ月。各国首脳を愛知の空港で受け入れ、会場の三重・賢島(かしこじま)へどう運ぶか、両県は政府と検討を進めている。6500人と見込む各国の政府、報道関係者の移動も懸案。名古屋圏から志摩半島の先まで、陸海空の交通が総動員される。
「セントレアがすべての首脳のゲートウェー(入り口)になる」。愛知県の大村秀章知事は8月31日の記者会見で、各国首脳の入国が中部空港(セントレア)になるとして準備を急ぐ考えを示した。19日には首相官邸を訪れ、警備などで協力を求めている。
開催は来年5月26、27日。今年のドイツを参考にすると、多忙な各国首脳の中部空港着は前日か当日だ。伊勢湾岸を回る陸路は時間がかかるため、首脳らは政府専用機からヘリコプターに乗り換え、賢島に向かうことになりそうだ。
中部空港の受け入れ態勢が課題になる。今も65機分の駐機場は混み、中国路線など新規就航も相次いでおり、2016年度末に向け9機分をサミットが決まる前から増設中だ。各国首脳の到着ラッシュに対応するため、工事前倒しや、通常便の近隣空港への振り分けを迫られるかもしれない。
各国要人のヘリ輸送をどうさばくかも課題だ。08年の北海道・洞爺湖サミットでは新千歳空港から会場への移動のため、空港を自衛隊の十数機や米大統領専用のヘリが使った。中部空港では、発着のためのヘリパッドは2カ所だけだ。
そもそもヘリは悪天候だと飛べない可能性がある。その場合、政府専用機の到着は愛知県営名古屋空港とし、高速道路で会場へ向かう案もある。中部空港―賢島の陸路(約180キロ)より20キロ近くなる。
随行の各国政府関係者や報道陣も伊勢・志摩地域へ向かう。サミット中に最大で6500人と三重県は想定。東京や大阪から名古屋経由での移動も想定され、名古屋から先の近鉄やJR、高速道路は混みそうだ。中日本高速道路はサミット対応で、毎年5月下旬からの東名阪自動車道のリフレッシュ工事の時期を来年はずらす方針だ。
三重県は「中部空港からは高速船プラス高速バスが現実的で効率的」(鈴木英敬知事)とみて、県道の整備も検討。ただ、賢島への立ち入りは警備で厳しく規制されそうだ。封鎖されれば、島の中央にある近鉄・賢島駅への電車も手前で運行を止め、折り返し運転になるとみられる。
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外務省は八日、来年五月の伊勢志摩サミットで国内外の報道関係者が拠点とする国際メディアセンターを、伊勢市朝熊町の県営サンアリーナに設置すると発表した。
外務省によるとメディアセンターは、二〇〇八年の洞爺湖サミットと同規模の五千人程度の利用者を見込む。各社のブースやテレビ局向けの国際放送センターのほか、県内の地域情報などを発信するスペースの設置も予定している。
サンアリーナは一九九四年に完成。一万一千人収容のメーンアリーナ、国際会議室などを備え、スポーツの大会や見本市に使われている。二○一七年の全国菓子大博覧会、二一年の三重国体でも会場となる予定。
発表を受け、アリーナを管理するスコルチャ三重(伊勢市)の山本久徳常務は「世界への発信の場に使われるのは誇らしい。無事に開催されるようサポートしたい」と歓迎。伊勢市企画調整課の辻浩利課長は「正式に決まり、動きやすくなる。周辺整備などがうまく進むよう調整していきたい」と話した。
(川原田喜子)
◆ジュニアサミット、鈴鹿市も開催要望
来年五月に開かれる伊勢志摩サミットをめぐり、鈴鹿市は八日、サミットの関連行事「ジュニアサミット」を同市で開くよう県に要望した。末松則子市長や市関係者が県庁を訪れ、石垣英一副知事に要望書を提出した。
ジュニアサミットは世界の中高生が国際問題を議論する。同市は会場として鈴鹿サーキットを想定。要望では英語教育に力を入れる小学校を交流の場として提供したり、茶摘み体験をしてもらったりすることも提案。北勢地域を中心に、県内全域に波及効果が及ぶようにも求めた。
要望書ではさらに、市の推薦食材として「鈴鹿抹茶」「鈴鹿のたまご」「さくらポーク」などの十品目を挙げた。
県は外務省にジュニアサミットの県内開催を要望。鈴鹿市をはじめ八市が地元誘致に意欲を示している。
(相馬敬)
来年五月に志摩市で開催される伊勢志摩サミットまで九カ月を切った。準備期間が限られ、概要や警備体制など情報が不足する中で、住民の間には期待と不安が交錯する。歓喜に沸いた開催地決定から三カ月。受け入れの準備を進める伊勢志摩地域の動きを探った。
「これまで何十年とかけて志摩を発信しているが、サミット決定で瞬く間に世界中に志摩が浸透した。あらゆる国から注目されている」。志摩市の大口秀和市長は先月二十四日の鈴木英敬知事との対談で、伊勢志摩サミット決定による知名度アップの手応えを口にした。
主会場となる予定の賢島はメディア露出が増え、この夏の観光客は増加した。島内にある水族館「志摩マリンランド」ではサミットが決定した六月から来館者が増え始め、七月の来館者数は前年比23%増の一万七千人に上った。
隣接する鳥羽市は開催地決定から間もなく、各国首脳の夫人が集う配偶者プログラムの誘致を目標に据えた。木田久主一市長は「開催地の志摩市、伊勢神宮がある伊勢市の間にある鳥羽市にとって、夫人が参加する配偶者プログラムが一番大きい」と強調。鈴木知事に誘致を要請した。
地元が期待しているサミット効果。開催前後は数万人といわれる警備やメディア関係者が訪れ、宿泊や飲食などの需要が高まる。メディアに取り上げられることで知名度が上がり、開催後の国内外からの観光客の増加も見込まれる。この商機をつかもうと民間企業からはサミット関連商品も続々と登場している。
伊勢市は幹部を中心とした職員二百人から、市ができる取り組みについて提案を募集した。鈴木健一市長は「斬新なアイデアも多く集まった。サミットは職員や市民が新しいものを創造できる絶好の挑戦の機会でもあると改めて実感した」と話す。
二〇一三年に営まれた伊勢神宮の式年遷宮後、伊勢志摩地域を訪れる観光客は減っているだけに、伊勢商工会議所の増田敏宏事務局長(56)も「遷宮の二十年サイクルで地域の景況が落ち込み始める時期にサミットが重なった」と歓迎し、「外国人観光客を呼び込めれば、より効果は大きい」と期待を込める。
鳥羽市はサミット後のまちづくりも見据え、全国最多の約五百人の海女が活躍している市を「日本一海女の多いまち」として情報発信に乗り出した。中部国際空港への看板設置、東京都営バスのラッピングなどで海女文化をPRする。
サミット後、来秋には志摩半島の四市町を区域とする伊勢志摩国立公園が指定から七十周年を迎え、翌年春には伊勢市で全国菓子大博覧会を控える。伊勢市企画調整課の辻浩利課長(52)は「さらに国体、東京五輪と続き、伊勢志摩地域の国内外への情報発信の流れを作りたい」と意気込む。
民俗学者、折口信夫(しのぶ)(1887~1953年)が見た光景から始めたい。
若いころ、折口は三重の伊勢志摩方面を旅した。太平洋を望む大王崎(志摩市)という岬に立ち、光を含んだ海をながめた。海のかなたに魂のふるさとを見た気がした。神話でスサノオノミコトが母を慕って激しく泣いた妣(はは)の国を折口はそこに重ね、また古代人があこがれた不変の国、常世(とこよ)に思いを巡らせた(「妣が国へ・常世へ」)。
常世は古代からある言葉。「日本書紀」によるとアマテラスオオミカミは伊勢の国をして「常世の浪の重浪帰(しきなみよ)する国」とし、「是(こ)の国に居(を)らむと欲(おも)ふ」とした。伊勢神宮にまつられるゆえんである。
筆者も何年か前、大王崎を訪ねたことがある。快晴だった。澄んで広がる海と空は、確かにかなたの常世を感得させた。祖先を動かしていた力は今もなおわれわれの心に生きていると信じる、そう折口は先の文章で書いている。筆者なりにいえば、高潔なもの、神々しいものを仰ぐ精神の働きが、連綿とこの国の人のうちに流れている。
自由、民主という価値
こんなことから書き始めたのはほかでもなく、来年の伊勢志摩での主要国首脳会議(サミット)開催を機に、何かにつけこのような日本の歴史と国柄が再確認される機会が増えると思うからである。しかしまず、現代の国際情勢のなかでサミットが持つべき意義を確認しておきたい。
世界が急速に流動化し、主要国とそれ以外の国々、という構図が色あせかけているようには見える。主要8カ国(G8)からはずされたロシアのプーチン大統領は、現在のG7を「利害を共にするクラブにすぎない」と批判した。中国が従来の国際秩序を塗り替えようとしていることは、南シナ海での埋め立てなどに見る通りである。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、イギリスなどG7諸国からもなし崩し的な参加があった。
しかしこれをもってして、G7にはすでに世界をリードする力はないとするのは早計にすぎる。G7は自由や民主といった価値を共有してきた国々である。その価値が世界中あまねく実現されているとはいえない現代、むしろそれが危うくすらなっている時代に、G7が担うべき役割はなお大きい。
ことに6月、ドイツで開かれた今年のサミットは、このような流動的な時代に日本が立つべき位置をはっきりと示した。安倍晋三首相は議論をリードし、南シナ海での埋め立てに「強く反対する」との首脳宣言を導いた。AIIBについても警戒を促した。安倍外交が世界をリードしているといってよい。来年、サミット開催国として日本に期待される役割はさらに大きくなろう。
戦後の束縛を脱する
しかし先に記したように筆者は、何にもまして日本の歴史、国柄がこの機会に内外で再確認されることを願う。伊勢志摩での開催を発表した際、安倍首相は伊勢神宮の存在を強調し、日本の精神性に触れてほしいと述べた。私たちも、自らの来し方に思いをこらしてみたい。
戦後の折口の詩集に「神 やぶれたまふ」という詩がある。「神こゝに 敗れたまひぬ」と始まる、痛々しい詩である。スサノオもオオクニヌシも宮を出てさすらっておられる、と。
単なる修辞ではあるまい。終戦直後から、日本の「精神的武装解除」(当時のバーンズ米国務長官)を図るため、連合国軍総司令部(GHQ)は日本の徹底した改革を進めた。憲法、教育、報道検閲など多岐に及ぶ。以前も当欄で触れたが宗教に関しては終戦の年の12月、いわゆる神道指令を出した。国や自治体、あるいは公教育が神道にかかわることが禁じられた。神道に関する慣例や礼式、神話、伝説までその対象になったのだから、ほとんど神々の追放であったといってよい。
そのように敷かれた軌道の上を独立後も歩んできたのは、日本人自身である。神道を戦争と結びつけてことさらにまがまがしくみなす勢力が、日本にはあった。神社への公費支出などが違憲に問われる訴訟が起こってきたのも、そんな背景を持つ。
しかしあえていえば、神々は敗れてなどいなかった。それは若い折口が大王崎で感知したように、神々しい世界を感じ思慕する精神が日本人のなかに連綿と流れているから、としかいいようがない。GHQのさかしらな宗教改革などが及ばない、はるかな高みにこの国の神はいたともいえる。
反米的になる必要はない。しかし戦後のいわばからくりは、きちんと知っておきたい。そのうえで自国の国柄を自覚し、世界に貢献する道を日本は選ぶべきだろう。来年のサミットはその過程にすぎまい。
最晩年、折口は鳥羽市にある県立鳥羽高校の校歌を作詞した。曲を付けたのは信時潔(のぶとき・きよし)。「海ゆかば」、交声曲「海道東征」の作曲で知られる。いずれも戦後封印されていたが再評価されている。校歌の曲調は明るく弾んでいる。「青一(ひと)色の海原に」と歌われるその海原のかなたに、折口は常世を見ていた気もする。海と空と山がなす日本の原風景的な伊勢志摩の景観とともに、古代にも連なる神聖さが継がれていることを私たちは誇りとしたい。 (大阪正論室長・河村直哉)
来年の伊勢志摩サミットの開催地、三重県志摩市への「ふるさと納税」が急増している。市がお礼として特産品の提供を6月から始めた直後に開催地に決定したこともあり、申し込みは、1カ月で1年間の見込み額の3千万円を超えた。
ふるさと納税制度による寄付に対し、礼状だけを送っていた市は、「ブームに乗り、地場産業を支援できれば」と方針転換。6月1日から海産物や真珠製品などの返礼品を送ることにした。サミット開催地に決まったのは5日だった。
反応はすぐに表れた。市によると、返礼品の紹介サイト「ふるさとチョイス」の1日当たりのページビューは、6月1~4日で635~719件だったが、5~8日には1049~1264件に跳ね上がった。
市ホームページへのアクセスも増え、寄付申し込みは1~5日の1日当たりの平均22件58万円から翌週は32件132万円に急増。月末までに804件3141万円が集まり、同制度が始まった2008年度から昨年度までの7年間の合計額2141万円も上回った。
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2016年に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる三重県の鈴木英敬知事が14日、共同通信のインタビューに応じ、開催地決定時に首相官邸側から、会場となる志摩市賢島から取った「賢島サミット」との名称を提示されたが、鈴木氏が「伊勢志摩サミット」と逆提案したと明らかにした。
鈴木氏によると、6月5日夕、開催地を公表する約20分前に安倍晋三首相から電話で、賢島を選んだと伝えられた。直後に秘書官から電話で「名称は『賢島サミット』でいいか」と問われたが、鈴木氏は「『伊勢志摩サミット』でお願いします」と答え、正式名称に決まった。広域性を持たせたかったという。
#三重 #動画
タイトル
伊勢志摩サミット賢島(三重県)
ディスクリプション
来年(H28)賢島でサミット... http://t.co/HDdG3MdDjX http://t.co/6AYwnlIpml
三重プレクサス @MiePlexus? 2015-09-02 16:36:03 ???
外国人観光客に観光地は熱視線
中日新聞 2015年6月6日 夕刊
三重県の伊勢志摩地域では、サミット開催が世界に名を売り込む「ポスト遷宮」の
一大イベントになる。数百億円規模とも言われる経済効果に地元経済界からは期待と
不安の声が入り交じる。
志摩市のリゾート施設「志摩スペイン村」を経営する近畿日本鉄道の広報担当者は
「波及効果は未知数だが、活性化につながるはず」と話す。
近年では、伊勢神宮の式年遷宮の効果で百四十万人を突破した二〇一三年の観光客数が最も多い。
「今後、サミットに絡めた催しや商品も展開していくのでは」と、遷宮時の再現に期待を込めた。
一方で慎重な声も。サミット会場が予定される賢島の近隣の旅館やホテルが加盟する
賢島旅館組合の大東珠光組合長(65)は「志摩」の知名度アップを歓迎しつつ、
「大きなホテルは集客が見込まれるが、四十~五十人規模の旅館は正直に言って
効果が読めない」。サミット期間中は警備強化で交通の便が悪化することも不安要素に挙げた。
「遷宮が終わって休眠状態だったので、いい刺激になる。日本だけでなく世界中の人に
来てもらえるようになれば」。伊勢市の伊勢神宮内宮前の土産物店「岩戸屋」の
牧戸福詞社長(65)は大きな期待を寄せる。
内宮前の「おはらい町」は朝から多くの観光客でにぎわうが、一千万人以上の参拝者を
集めた遷宮が終わり、今年の春は一昨年や昨年よりも大幅に客足が落ちているという。
「V字回復」のカギとして注目するのが、「観光立国」の掛け声と円安で増加傾向に
ある外国人観光客。世界の首脳が集うとなれば、海外へのPR効果は計り知れない。
牧戸さんは「外国語でのおもてなしや人気の商品をそろえるなどの対応を考えたい」と意気込む。
◆海女文化の発信 遺産登録に弾み
サミット開催に、海女漁の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を
目指している伊勢志摩地域の海女関係者は「登録に向けて弾みがつく」と期待を膨らませている。
同地域には国内最多の七百人を超える海女がいる。鳥羽、志摩両市の海女でつくる
海女保存会の三橋まゆみさん(66)は「各国の首脳に、ここで海女の素潜り漁
が昔から続いていることを知ってもらい、登録につながってほしい」と願う。
無形文化遺産への登録は、日本と同様に海女漁がある韓国・済州島からの働きかけで
二〇〇七年に動きだした。日本側の窓口になっている海女振興協議会の石原義剛さん(77)も
「サミットが開かれれば海女文化が注目される。世界の首脳に認められれば登録が
促進されるのでは」と歓迎した。
◆「喜び湧いてきた」鈴木・三重県知事
サミット誘致の中心となった鈴木英敬三重県知事は六日、同県尾鷲市の会合であいさつし
「昨日は身の引き締まる思いが強かったが、けさ、シャワーを浴びている時に喜びが湧いてきた」
と朗報をかみしめた。
鈴木知事は、決定前日の四日が長男の三歳の誕生日だったことを明かし
「翌日のビッグプレゼントになった。新聞をとっておき、大きくなったら見せてあげたい」と笑顔。
「子どもたちが、サミットが開かれる自分たちの地域が、どんな地域かを知るきっかけにしたい」と述べた。
伊勢志摩サミット開催記念イベント 賢島シーカヤックツアー http://t.co/HAy6VesEzq
観光三重 @kankomie_bot? 2015-09-02 15:27:34 ???
賢島サミット開催地PRポイントは①4千年続く海女文化②二千年続く伊勢神宮③シャパンジュエル真珠④参宮街道、熊野古道,古道文化⑤多島海の景色と御座国府等のビーチ④伊賀忍者文化⑤松尾芭,...
http://t.co/Ha2PA8dWZ7
知恵袋問題集 BOT @Gene_cc? 2015-09-06 13:48:54 ???
2016年2月1日から4月1日までの分は ☞ G7サミット 現地情報(1) B
『記事 - G7外相会合 広島』についての記事は下をクリック
G7外相会合
『記事 - G7科学技術大臣会合 つくば /茨城』については下をクリック
G7科学技術大臣会合
『記事 - G7 財務大臣・中央銀行総裁会議 仙台』については下をクリック
G7 財務大臣・中央銀行総裁会議
『記事 - G7 教育大臣会合 倉敷市』については下をクリック
G7 教育大臣会合
『記事 - G7 エネルギー大臣会合 北九州 』については下をクリック
G7 エネルギー大臣会合
『記事 - G7交通大臣会合 軽井沢』については下をクリック
G7交通大臣会合
『記事 - G7保健大臣会合 神戸』については下をクリック
G7保健大臣会合
『記事 - G7農相会合 新潟』については下をクリック
G7農相会合
『記事 - G7環境相会合 富山』については下をクリック
G7環境相会合
『記事 - G7情報通信相会合 高松 /香川』については下をクリック
G7情報通信相会合
『伊勢志摩サミットポスター』
特殊切手「伊勢志摩サミット(関係閣僚会合シート)」の発行 日本郵便 ☞https://www.post.japanpost.jp/kitte_hagaki/stamp/tokusyu/2016/h280408_02_t.html
2016年4月2日以降のニュースは以下
☞ G7サミット 現地情報(2)
サミット機に伊勢で原爆展 広島・長崎市が開催計画
産経新聞 2016年1月30日
5月26、27日に三重県で開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、被爆地の広島市と長崎市が三重県伊勢市で原爆展の開催を計画していることが29日、関係者への取材で分かった。サミット開催県で被爆の実態を訴え、核兵器廃絶への機運を盛り上げようとする試み。広島市は関係費約200万円を平成28年度当初予算案に盛り込み、2月15日開会の定例市議会に提案する。
両市が開催会場として検討しているのは、伊勢市の市観光文化会館。5月のサミット前後の期間に開催を目指しており、核保有国の米、英、仏をはじめ各国首脳らに被爆地訪問だけでなく、原爆展会場への訪問も呼びかけていく方針。
会場には原爆の悲惨さを訴える和文、英文の説明がついたポスターや写真パネル、被爆資料など約80点を展示する計画。
原爆投下で立ち上るキノコ雲や焼け野原となった広島市内の惨状を訴えたポスターのほか、学徒動員で作業中に被爆し、亡くなった中学生の焼けただれた学生服、黒こげとなった女学生の弁当箱(レプリカ)などが展示候補となっている。
広島市では、サミットに先立つ4月10、11日に外相会合が開かれる。同市はサミット参加各国の首脳や外相らに、原爆資料館や原爆慰霊碑のある平和記念公園への訪問を呼びかけている。
また、広島、長崎両市による原爆展は28年度中に米国シカゴ市などでも計画されている。
<伊勢志摩サミット>開催地の5県6市が連絡会議初会合
毎日新聞 2016年1月28日
主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)と関係閣僚会合の開催に向け、開催地の5県6市の担当者が集まる連絡会議の初会合が28日、三重県志摩市で行われ、PRで連携する方針などを確認した。
会議には三重、茨城、長野、富山、香川の5県と仙台、新潟、神戸、倉敷、広島、北九州の6市が出席。外務省もオブザーバーとして参加した。
三重県伊勢志摩サミット推進局の大橋範秀次長が「もてなしや地域のPRなど、各開催地が取り組む共通項は多い。サミットと閣僚会合の開催が地方創生につながるよう、有意義な意見交換をしていきたい」とあいさつ。情報共有体制の確認や連携強化に向けた話し合いが行われた。【永野航太】
伊勢志摩サミット 各国首脳は清けき神代の日本精神に触れよ 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司
産経ニュース 2016年1月26日
今年予定されていることの中で、精神史的に恐らく最も深い意味を持っているものは、5月下旬に伊勢志摩で開催される主要国首脳会議(サミット)であろう。いうまでもなく、その地には伊勢神宮があるからである。
主要国の首脳が集まることにより、外国の人々の日本の文明に対する関心も深まるであろう。伊勢神宮は、日本の文明の基層にあるものの象徴だからである。
危機の時代の伊勢志摩サミット
かつて『日本美の再発見』で桂離宮を称賛したドイツの建築家、ブルーノ・タウトや『歴史の研究』で著名なイギリスの歴史家、アーノルド・J・トインビーなども伊勢神宮を訪れ、その日本的な美と精神性に心打たれた。外国の人々に、文化の商品化戦略につながっているクールジャパンとは一線を画した日本の文明の神髄を示すことが大切ではないか。
伊勢志摩を深く愛した昭和の俳人、山口誓子に「日本がここに集る初詣」という句があるが、確かにこの神聖なる空間には本来の日本が集まっているからである。
日本人にも自国の文明の核心にあるものを改めて認識する機会になるであろう。日本人自身が、戦後教育の下70年ほどたって、もはや自らの存在の根源をあまり知らなくなってしまったからである。いってみれば、日本人は、かなり日本人ではなくなったのである。
そういう日本の文明の危機の中で、日本人の中に、日本人としてのアイデンティティーを回復したいという欲求を強く抱く人々が多くなってきているのではないか。ものを考えるに際しての軸がないことを痛切に感じているのである。日本人としてのアイデンティティーの喪失の不安を抱える危機の時代に、伊勢志摩サミット開催は、それを超克するきっかけになるかもしれない。
私は伊勢神宮には何回も参拝しているが、伊雑宮にも行ったことがある。伊雑宮は「イゾウグウ」とも呼ばれ、内宮の別宮である。内宮から南に車で半時間ほど行ったところにあるが、ここまで来ると森厳の気が宿っている。崇高なるものが身に迫ってくるようであった。誓子に「葉月潮伊雑の宮をさしてゆく」の名句がある。
日本文明の美質に心はせる
伊勢神宮が象徴している日本文明の特徴は、清潔ということである。これは、伊勢神宮を訪れた人が皆、感じ取ることであろう。日本浪曼派の保田與重郎が、近世第一の歌人と呼んだ伴林光平の漢詩の一節に「もと是れ神州清潔の民」というものがある。伴林光平は、幕末に勤王の志士として天誅組の挙兵に参加して『南山踏雲録』を書き残した人である。
日本人は、もともと清潔の民なのである。これは、物質的な意味だけではなく、精神の在り方についてもいえることである。伊勢神宮には、松坂も近い。松坂といえば、国学者、本居宣長である。宣長の有名な歌「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」にも、「大和心」は、「朝日に匂ふ山桜花」のような清潔な美しさとされている。これこそが、日本の文明の美質の最たるものであろう。
伊勢内宮の神職で、俳諧の祖といわれる荒木田守武に「元日や神代のことも思はるる」という句がある。伊勢神宮を訪ねると、その日本的な美というものに深い感銘を受けるばかりではなく、日本の歴史にもはるかに心をはせることになるであろう。「神代のことも」思うのである。
2012年の『古事記』編纂1300年を機に古代に対する関心が高まっているが、神武天皇の御東征を題材にした交声曲「海道東征」の大阪での公演が成功したのも、そのような時代思潮によるところがあるに違いない。伊勢志摩サミットが刺激となって伊勢神宮への関心がさらに高まり、神宮を訪れ「神代」に対する思いが深まっていくことが期待される。
剣刀いよよ研ぐべし」
『古事記』をはじめ『日本書紀』や『万葉集』などの世界にもっと日本人は触れるべきであり、その親しみの中から、真の愛国心もおのずから生まれてくるはずである。こういう歴史的な素養の深みに根差していない愛国心は、日本のためにはならないであろう。
『万葉集』の精神を代表する歌人は、大伴家持である。「海行かば水漬く屍(かばね) 山行かば草むす屍 大君の辺にこそ死なめ 顧みはせじ」とは、大伴氏言立である。その大伴家持が「族(やから)に喩(さと)す」として詠んだ歌「剣刀(つるぎたち)いよよ研ぐべし古(いにしへ)ゆ清(さや)けく負ひて来にしその名ぞ」は、今日では「族」に限定せずに、21世紀を生きる日本人に対して「喩」されるべきものであろう。ここにも、「清けく」が出てくる。清潔な精神のことである。
近来の混迷の進行がますます加速度を増している世界の中では、日本も「剣刀」を「いよよ研ぐ」べきであろう。しかし、その精神の在り方は「清けく」なければならない。そのようにして「古」代から続く日本という国家の「名」誉は、われわれ現在の日本人が、真の愛国心の中で「負」っていかなければならないのではないか。(しんぽ ゆうじ)
プーチン大統領がレーニン批判、「彼の思想がソ連崩壊させた」 大統領府、分裂招く事態懸念し火消しに躍起
産経ニュース 2016年1月24日
ロシアのプーチン大統領が、ロシア革命の指導者レーニンを「彼の思想がソ連を崩壊させた」と強く批判、賛否両論の波紋が広がっている。大統領府は発言が経済悪化に不満を募らせる国民の分裂を招く事態を懸念し、火消しに躍起だ。
レーニンは年配者の尊敬を集め、ソ連崩壊後も遺体はモスクワの赤の広場で公開されている。プーチン氏は21日、学術に関する諮問会議を開催。詩人パステルナークがレーニンを批判した詩を引用した学者の発言を受け「(レーニンは)ロシアという名の建物の下に核爆弾を仕掛けた」「世界革命はわれわれには必要なかった」などと述べた。
ロシア共産党のラシキン中央委員は「大統領はレーニンの生涯に関する本を読んでいないようだ」と批判。極右自由民主党のフジャコフ下院議員は「赤の広場は墓場ではない」として、遺体を別の場に埋葬するよう求めた。21日はレーニンの命日だが、プーチン氏は言及しなかった。(共同)
世界が伊勢志摩へ集結 G7サミット、5月26・27日
朝日新聞(2016年1月14日)
世界が伊勢志摩にやってくる――。主要7カ国首脳会議(G7サミット)が今年5月26、27の両日、三重県・賢島(かしこじま)(志摩市)を主会場に開催される。
特集:伊勢志摩サミット
米国やフランス、ドイツなどのG7首脳が日本に集まるのは、2008年の北海道・洞爺湖サミット以来、約8年ぶり。訪日玄関とされる中部空港がある愛知県とともに、この地域が経験したことのない最大級の国際イベントを迎える。
伊勢志摩サミットでは事前の準備期間も含め、各国政府や報道関係者ら延べ50万人の宿泊を見込む。地元の百五銀行の試算では、三重県での経済効果は開催後5年累計で1110億円。外国人の延べ宿泊者数は14年の5倍の90万人にふくらみ、国際会議も09~13年の平均2・6回から年30回に急増するとみる。
拉致と核実験 包括解決へ制裁の強化を
産経ニュース 2016年1月13日
北朝鮮は核実験の強行後も、身勝手な言い分を発信し続けているが、一切、これに耳を傾ける必要はない。
日本政府は米国などと国連安全保障理事会での新たな制裁を主導するとともに、独自の制裁強化も検討している。
拉致問題の解決が遠のく懸念を理由に制裁強化に慎重な声が与党内からも聞こえるが、これはおかしい。「対話と圧力」「行動対行動」とする対北朝鮮外交の原則に照らせば、制裁の強化しか道はない。核・ミサイル開発と拉致問題の包括的な解決へ向けて、わずかな妥協的態度もみせるべきではない。
拉致被害者の一刻も早い帰国を誰よりも待ち望んでいる家族会の中からも、制裁強化を望む声や、この機に国際社会に向けて拉致問題を強く発信することを求める声が上がっている。
交渉相手として、北朝鮮が一筋縄ではいかないことを誰よりも体感している家族の声だ。その思いや怒りを共有すべきである。
一昨年5月のストックホルム合意に基づき、同年7月に北朝鮮側が拉致問題を再調査する特別調査委員会を設置したことを受け、日本政府は独自制裁の一部を解除した。だが北朝鮮は結果報告の約束を守らず、拉致被害者の帰国へ向けて何一つ進展をみせないまま、核実験を強行した。
圧力抜きの対話はあり得ず、悪(あ)しき行動を見逃してはならない。解除した一部制裁は当然、復活すべきだし、北朝鮮への送金の原則禁止など新たな制裁も突きつけるべきだ。拉致問題交渉の停滞を危惧する声もあるが、すでに十分に停滞している。
北朝鮮の暴挙に世界の目が向けられているこの機に、日本政府は拉致問題の現状を広く国際社会に知らしめてほしい。
今月から2年間の安保理非常任理事国を務める日本は米英などと協力して拉致問題は核・ミサイル開発と並ぶ平和と安全への脅威だと訴え、包括的解決を求める国際社会の枠組みを構築したい。安保理の新たな制裁決議に、日本人拉致をはじめとする人権侵害の明記を求めるべきだ。
12日の衆院予算委では、安倍晋三首相が「拉致問題を政治利用したか」についての論戦に時間が費やされた。国論の分断を誰が望んでいるかを考え、もっと真面目にやってほしい。
北朝鮮「水爆実験」悪行は断ち切れるか 周辺国の足並みに限界 京都大学大学院教授・中西寛
産経ニュース 2016年1月13日
年明け以来、国際政治が揺れ動いている。特に北朝鮮による自称「水爆実験」は東アジア情勢に大きな意味をもつものである。
≪水爆開発に向けた試験か≫
今回の実験が水爆であったかどうかは見解が分かれている。爆発の規模がこれまでの原爆実験とほぼ同等であり、水爆にしては小さすぎることから、水爆ではないという見方があるし、原爆を効果的にしたブースト型だという説もある。しかし核爆発が起きたことは確実だし、その規模や性質について離れた地点から得られる情報が不完全である可能性もある。
これまで世界は北朝鮮の技術力を軽視してきた。核やミサイル能力について懐疑的な見解はほぼ一貫して裏切られてきたと言ってよい。今回も、水爆開発に向けた一定程度の技術的突破を含んだ試験であったと見るべきではないだろうか。
水爆は原爆の核分裂反応を利用して水素の核融合反応を引き出し、爆発のエネルギー量を理論的には無限に拡大できる技術である。しかし巨大な破壊力は軍事的には意味が小さくなっており、水爆技術はむしろ核を小型化する能力として意味をもつものとなっている。今回の実験の成否は分からないが、北朝鮮がミサイル搭載可能な核弾頭の製造に近づきつつあることは確かだろう。
実験の意図についてもさまざまな推測が出ている。これまでの北朝鮮の行動パターンを見れば、自らの意図を隠し、関係者の間で異なる観測を生みだすことが目的の一つであるように思える。従って正確な意図を推論することは不可能だが、先月からの北朝鮮の声明を踏まえれば、予定の行動であったとみてよいであろう。
昨年来、各国の情報機関が核実験場での活動の活発化を報じていた。12月10日、金正恩第1書記は「水素爆弾の巨大な爆音を響かせることのできる強大な核保有国になることができた」と述べたことが伝えられた。今回の実験公表とともに、北朝鮮メディアは金正恩第1書記の自筆による12月15日の実験命令書を報じている。
≪米国の対北政策に変化はない≫
他方で実験の最終準備が悟られないよう偽装した形跡があり、またこれまでの核実験のように中国などに事前通知することもなかったようである。この点では今回の実験が国際的な衝撃を与える政治的、外交的効果も計算していたことがうかがえる。
政治的には5月に予定される朝鮮労働党党大会に向けて、祖父・金日成、父・金正日に比肩する金正恩第1書記の功績として水爆実験成功を打ち出すことができる。
外交的には日米両国との関係に及ぼす影響は小さいであろう。一昨年来、安倍晋三政権は「日朝ストックホルム合意」に基づき、拉致を含めた日本人問題について交渉を行っているが進展していない。また、アメリカのオバマ政権は発足以来、北朝鮮に対する「戦略的忍耐」政策を取っており、核放棄を前提としない交渉には応じない方針を貫いている。
これまでクリントン政権、ブッシュ政権(子)が任期最後に北朝鮮との交渉を図って失敗した経緯を踏まえれば、オバマ政権がこの段階で新たな北朝鮮政策を打ち出すことは考えにくい。他方で両国は対北朝鮮に対するかなりのレベルの制裁措置を行っており、一定程度の制裁強化を行っても質的な変化は起きないであろう。
≪注目される周辺国の足並み≫
むしろ今回の実験で大きな変化が予想されるのは、冷却化しているとみられている中国との関係である。昨年、9月3日の北京軍事パレードへの北朝鮮要人の列席と、中国の劉雲山常務委員の訪朝によって関係改善が伝えられ、12月には北朝鮮のモランボン楽団の北京公演が大きく宣伝されていた。その直前に金正恩第1書記による水爆発言があり、楽団は理由不明のまま公演を中止した。
この経緯からは、金正恩第1書記が中国に対して水爆保有を認めるよう圧力をかけ、習近平政権がそれを拒否したと見るのが自然だろう。中国は今回の実験について不快感をあらわにしているが、従来にないレベルの強い制裁措置を取るか否かが注目点である。
一方、韓国との関係は徐々に改善しつつあった。昨年8月、両国高官による数日のマラソン会談で合意が成立し、秋には朝鮮戦争での南北離散家族の金剛山での再会事業が復活した。今年にかけて関係改善を重視する意向を朴槿恵政権が示していたが、今回の実験で韓国は対話路線を中断し、強硬路線を取らざるを得なくなった。
その際、韓国が日米との関係強化、たとえば停滞している安保協力を推進する方向に向かうのか、それとも中国との共同歩調を取ることを重視するのかも注目点だ。もちろん日米韓中が足並みをそろえることもありうるが、米中の南シナ海での対立や日韓の慰安婦問題などを考えると限界があろう。北朝鮮内部の変化を促す方策がない限り、これまで繰り返されてきた北朝鮮の悪行と制裁のサイクルを断ち切ることは困難だろう。(なかにし ひろし)
愛知県、伊勢志摩サミットのPR費計上へ 来年度予算
寺本大蔵
朝日新聞 (2016年1月12日)
5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、各国首脳の訪日窓口とされる中部空港(常滑市)などがある愛知県は、歓迎式典やPRの関連費用として、7500万円規模を来年度予算案に計上することがわかった。12日午前、県議会の主要会派に伝えた。
特集:伊勢志摩サミット
関係筋によると、空港での歓迎式典や海外メディア向けPR、主要7カ国以外のサミット出席国への歓迎式典などを念頭に置く。警備関連費は別に計上する。
各国参加者らは、中部空港や名古屋駅(名古屋市)を経由して、サミット主会場の賢島(かしこじま)(三重県志摩市)に入るとみられている。(寺本大蔵)
北の核実験に猛省促す制裁を 拓殖大学特任教授・森本敏
産経ニュース 2016年1月11日
1月6日午前10時半(日本時間)、北朝鮮は過去3回と同じ豊渓里(プンゲリ)で核実験を行い、「水爆の実験に成功した」と表明した。
≪狙いは体制生存のための抑止力≫
地下核実験の分析結果はまだ出ていない。核分裂と核融合は大気中に出る放射性物質の成分を分析すればわかる場合もあるが、これら物質の半減期は短いので、わが国は放射能のモニタリングを強化し、航空機による大気浮遊塵や希ガスの採取に努めている。
一部には爆発威力は、地震波規模がマグニチュード(M)4・8、推定爆発規模は6キロトンとされ、前回(2013年2月 M5・0で7・9キロトン)と比べれば規模が小さく、強化型爆弾(重水素や三重水素の核融合によって放出されるエネルギーを利用したもの)だった可能性も指摘される。
しかし、そうであったとしても、水爆製造のプロセスに向かっていることは明らかだ。その爆発威力は極めて膨大で、運搬手段たる弾道ミサイルの開発(特に潜水艦発射弾道ミサイル=SLBM=や各種の弾道ミサイル)をあわせ考えると、わが国のみならず、米国はじめアジア・太平洋全体にとって重大な脅威であることは極めて明白である。
金正恩第1書記はいまだ第1書記としての海外訪問がなく各国指導者とも会談していない。国内は貧しく、その中で核兵器・ミサイル開発に猛進している姿は異様である。しかし核兵器を保有している限りは、イラクのフセイン、リビアのカダフィ、アフガニスタンにいたビンラーディンのように、米国に殺されることはなく、核兵器は「体制生存のための抑止力」と考えているのであろう。
≪6カ国協議の在り方見直しも≫
6カ国協議は中断したままであるが、北朝鮮は(1)核保有国として認められる(2)従来の6カ国協議の合意に基づく履行を要求されない?という条件ならば参加してもよいと示唆しているので、パキスタン型の核保有国になりたいということなのであろう。虫が良すぎるにもほどがある。6カ国協議の他メンバーとしては到底受け入れがたい条件である。このため6カ国協議が止まり、北朝鮮だけが核開発の時間稼ぎをしている結果になっており、許しがたい。
中国は、北朝鮮の核開発には反対している。北朝鮮は中国の思った通りに動くわけではないが、北朝鮮が安定的に存続することが中国の国家の安全保障上の利益なので、最小限の支援を続けている。
米国は、北朝鮮の核・ミサイル開発に大きな懸念を有している。このまま核開発が進み、核の運搬手段たる弾道ミサイルに搭載されると、米国本土だけでなく同盟諸国にとって重大な脅威となることは明白である。だからといって軍事手段だけでこの問題は解決できず、まず、外交上の努力を進めざるを得ない。
しかしながら米朝対話に応じると政権側は共和党から追及され、事態が改善されなければイランの核開発凍結計画はできたが北朝鮮では何もできなかったという非難を受けかねない。すでに大統領選挙のプロセスに入っている米国としては、ドラスチックな政策を進められず、国連中心に日中韓および、ロシアなどの協力を得る以外に有効な手段はない。
北朝鮮がなぜ、この時期に核実験に踏み切ったかは各種の背景があろう。8日が金正恩生誕記念日であることもあろうし、今年は朝鮮労働党の党大会がある。
昨年12月10日に金正恩第1書記は水爆保有をほのめかし、SLBMの実験も行っていた。韓国は昨年8月の北朝鮮による地雷設置後の緊張関係を無事に乗り切り、南北対話への期待があったかもしれないが、これは一度に冷めた感じになっている。
≪日本は外交イニシアチブ発揮を≫
いずれにしても国際社会から孤立している北朝鮮が、米国を相手に核開発の進展と脅威を示威して体制生存をより確実にしようという核開発は、アジア・太平洋の安定にとっても、国際社会の不拡散体制からみても許すことのできない暴挙である。国際社会は一層団結して北朝鮮の暴挙に猛省を促すような各種の制裁を含む実効性の高い措置をとるべきである。
同時に6カ国協議の在り方も、このままで良いのか検討をすすめていく必要がある。わが国としては、日米同盟メカニズムが効果的に機能するよう、その充実を図りつつ、主要国首脳会議(サミット、G7)議長国、国連安保理非常任理事国のステータスを活用して力強い外交的イニシアチブをとる機会がきている。
同時に危機に対応する手段を強化することも必要である。わが国の周りにこれだけ危険な状態が生まれつつあることについて、国民の理解を求めつつ安全を維持するために、警戒監視・情報収集や安保法制の履行措置を整えるなどの対応を強化して万全を期すべきことは言うまでもない。さらには核活動や核実験を探知する特殊情報機の導入や、ミサイル防衛システムの在り方を包括的に再検討すべき時期でもある。(もりもと さとし)
露の国家基金「2019年初めに底つく」 資源頼み、欧米制裁…プーチン政権さらに窮地
産経ニュース 2016年1月11日
【モスクワ=黒川信雄】2008年のリーマン・ショック時にロシア経済を下支えた、石油や天然ガスの税収を基盤とする露政府の基金が19年にも枯渇する見通しであることが明らかになった。財政赤字を補填(ほてん)するための基金からの支出に歯止めがかからないことが原因だが、資源収入頼みの経済政策の行き詰まりが背景にある。欧米の制裁で基金に要請が急増している企業支援も困難になる可能性があり、プーチン政権にも痛手となりそうだ。
露政府は石油・ガスの採掘・輸出税収が潤沢な際にその一部を積み立てており、赤字補填に使う「予備基金」と、景気刺激策に利用する「国民福祉基金」の2つの国家基金を抱えている。ロシアはリーマン・ショックの直撃で09年には経済成長率がマイナス7.9%に落ち込んだが、その後政府が実施した巨額の景気対策の原資となったのが、これらの基金だ。
しかし露中央銀行がこのほど発表したリポートによると、政府は15年1~10月に赤字の埋め合わせに予備基金から1兆5600億ルーブル(約2兆4400億円)を使い、16年にはさらに2兆1370億ルーブルを使うと予測。このペースで支出を続ければ、17年には国民福祉基金も赤字補填が必要となり、「19年初めには両者が底をつく」と指摘した。
露政府の見通しの甘さも事態の悪化に拍車をかけた。政府が昨年10月に承認した予算原案は原油価格を1バレル=50ドルに設定。現在は同30ドル台で推移し、この水準が維持されれば、石油・ガス関連の税収が想定を大幅に下回るのは確実だ。
さらに基金には欧米の経済制裁で資金調達が困難になった企業から「次々に支援要請が来ている」(日露貿易筋)状況とされる。制裁発動後、国営石油最大手ロスネフチや独立系天然ガス企業ノバテクなどが相次ぎ露政府に支援を要請。ドボルコビッチ副首相は「石油や輸送、農業分野の企業まで支援の原資として基金に言及しているが、すべてに足りる訳がない」と警告したが、企業や金融機関向けの複数の支援が承認されたもようだ。経営危機にある政府系の開発対外経済銀行(VEB)も、基金からの支援が見込まれている。
融資は返済を前提としているが、金額が増大すれば基金の運用が圧迫されるのは必至。基金の存続が困難になれば国家による企業支援も難しくなり、露経済には大きな痛手となる。
安倍首相、伊勢志摩サミット前に訪ロの可能性示唆
朝日新聞(2016年1月10日)
安倍晋三首相は10日のNHKの報道番組で、2017年4月に予定される消費税率10%への引き上げについて「リーマン・ショック級の出来事が起こらなければ上げる」と明言した。その際に導入する軽減税率に必要な約1兆円の財源は「社会保障に回っているものを切ることはないと約束したい」と述べた。
また、ロシアのプーチン大統領の訪日が難航するなか、首相がロシアを訪問する可能性について「北朝鮮やシリア、サウジアラビアとイランの問題など、ロシアの建設的な関与が必要。G7の議長国として、大統領と会って話をすることが重要だ」と述べ、5月下旬の伊勢志摩サミット前に訪ロする可能性を示唆した。
首相は10日に山口県長門市であった集会で、核実験を実施した北朝鮮に対する日本独自の制裁について、「自民党の拉致問題対策本部が案を示している。この案を参考に厳しい対応をしていく」と述べ、一昨年7月に解除した制裁の復活や、再入国を禁止する対象者の拡大などを盛り込んだ同本部の案をもとに検討する考えを示した。
北朝鮮の核実験 厳しい制裁を突きつけよ産経ニュース 2016年1月7日
許し難い暴挙である。北朝鮮が4度目の核実験を行い、水爆実験に成功したと発表した。実際に水爆実験が成功したのかはともかく、これが世界の平和と安全を脅かす重大な挑戦であることには変わりない。
新たな厳しい制裁強化を突きつけるべく、国連安全保障理事会は速やかに行動すべきだ。日米韓は一致してこれをリードし、中国にも影響力の行使を迫ってほしい。あらゆる手段を講じて、北朝鮮の暴走を阻止しなければならない。
日本にとっては、拉致問題が全く進展しない中での核実験の強行である。「行動対行動」の原則にのっとり、一部解除した独自制裁の復活や新たな追加制裁に踏み切るべきだ。
現行の核不拡散体制下で、北朝鮮の核開発は認められていない。核兵器の運搬手段である弾道ミサイルの開発も安保理決議が禁じている。北朝鮮はこれまでも決議違反を繰り返してきた。国際社会はこの無法国家に対し、一切の妥協的態度をみせるべきではない。
北朝鮮は今年5月、金正恩第1書記が「歴史的な分水嶺(ぶんすいれい)」と位置づける36年ぶりの朝鮮労働党大会を開催する。金第1書記は施政方針演説にあたる新年の辞で核開発には触れず、「経済強国」の建設を強調していた。
経済を立て直すには、日米韓や中国との関係改善が不可欠だったはずだが、核実験はこれに完全に背を向けるものだ。この国に、常識は通用しない。
今回の実験が、より高い技術を必要とする水爆でなかったとしても、実験を繰り返すことで、北朝鮮は核兵器能力を向上させているとみるべきだろう。
日本は核の脅威に直接さらされていると認識し、米韓との連携を強化しなくてはならない。日韓両国は昨年暮れ、慰安婦問題で合意し、関係改善を進めることを確認した。対北朝鮮での結束を、その成果として示してほしい。
日本は今月から2年間、安保理非常任理事国を務める。今回の核実験への対応は、日本が安保理内で主導権を発揮できるかどうかの試金石ともなろう。
日本は繰り返し、「拉致問題の解決なしに北朝鮮に未来はない」と訴えてきた。核開発の放棄についても同様である。国際社会が声をそろえて、北朝鮮にそう認識させなくてはならない。
サミットへ10県と連携…三重、調整会議設立へ
読売新聞 (2016年01月05日)
今年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場となる三重県は、閣僚会合が開かれる全国の10県などと連携を深めるため、各自治体の担当職員による連絡調整会議を今月下旬にも設立する方針を固めた。
閣僚会合が分散して開催される中、各国政府関係者らの宿泊施設や移動手段といった受け入れ態勢などについて情報交換し、全体の成功につなげたい考えだ。
閣僚会合は、財務相会合が仙台市、外相会合が広島市など10県の計10市町で予定されている。三重県などによると、一部自治体から昨秋、開催地間の連携について県に提案があった。他自治体からも、広報や関連予算、警備などについて県に問い合わせが相次いでおり、担当者が情報共有できる場を設けることになった。
安倍首相、手腕問われるサミット=中韓改善なお課題―2016年外交展望
時事通信 (2016年1月2日)
2016年の安倍外交は、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が当面の最大の目標となる。
難民、テロなど国際社会が直面する問題の解決に向け、議長としての安倍晋三首相の指導力が問われる。中国との関係は改善に向かい始め、韓国との間でも慰安婦問題で合意し、近隣外交は成果を上げつつあるが、なお課題は多く、先行きは楽観できない。
◇難民・テロ対応焦点
サミットは5月26、27両日に三重県志摩市で開催。シリア内戦に端を発した難民問題、過激派組織「イスラム国」(IS)への対応などが焦点となる。首相はサミットで明確な成果を示し、夏の参院選に弾みをつけたい考え。
だが、議長の役割は容易ではなさそうだ。日本は米国や欧州と比べ中東への関わりが少なく、「よほど準備をしないと議論のレベルが違ってくる」(岸田文雄外相)との懸念がある。政府はトルコ、ヨルダン、サウジアラビアなどシリア周辺国との関係を深め、サミットへの準備を進める方針。
シリア問題で首相は、サミットには参加しないロシアのプーチン大統領との協力も重視する。北方領土問題での対話を継続する狙いもあり、首相はサミット前の春ごろの訪ロも視野に入れる。ただ、「IS打倒」では共通する欧米とロシアも、シリアのアサド政権への対応では足並みがそろっておらず、首相の意図通りに事が運ぶかは分からない。
サミットで日本が重きを置くテーマは中国の海洋進出だ。だが中国と経済関係を強める欧州の関心は高いとは言えず、ドイツでの昨年のサミットは「緊張を懸念する」との確認にとどまった。政府関係者は「南・東シナ海問題で強いメッセージを盛り込めるかどうかだ」としており、どこまで各国を束ねられるかが焦点となる。
◇拉致解決、糸口見えず
中国とは昨年、習近平国家主席との2度目の首脳会談が実現し、経済や海洋協力に関する事務レベルの協議も相次いで再開した。しかし、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵犯を繰り返す構図は変わらず、関係改善の流れをどう本格化させていくかが重要となる。
日本が目指す東シナ海のガス田共同開発などの懸案解決は、「習主席と話し合わないと(中国国内に)指示が下りない」(外務省幹部)との見方が強い。日本側は日中首脳の相互訪問実現を目指すが、中国が応じるかは不透明だ。
日韓関係は慰安婦問題の合意で、改善への土台ができた。両政府は元慰安婦支援のため、10億円規模の財団設立など合意事項を実行に移すが、それぞれ国内でどう理解を得るかが課題となる。軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結など、韓国側で慎重論の強い安全保障分野での協力を進められるかも問われる。
政権が重視する日本人拉致問題では北朝鮮の再調査から1年半が過ぎたが、糸口が見えない状況が続く。
昨年9月に成立した安全保障関連法は今年3月に施行され、政府は米国などとの安保分野での連携を強めていく方針だ。国連平和維持活動(PKO)に当たる国連職員らが襲撃された場合に自衛隊員が救出に向かう「駆け付け警護」も法律上は可能となる。ただ、与党内には参院選への影響を懸念する声もあり、同法に基づく派遣部隊の任務の追加は、選挙後に先送りされることになる。
伊勢志摩サミット開幕へボード設置 中部空港でカウントダウン
産経WEST (2015.12.28)
東海地域の自治体や経済団体で構成する「伊勢志摩サミット東海会議」は28日、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開幕に向けたカウントダウンボードを中部空港(愛知県常滑市)内に設置し、式典を開いた。
東海の空の玄関口でPRし、サミット開催への機運を盛り上げる狙い。28日は来年5月26日の開幕日の150日前に当たる。
ボードは高さ2メートル、幅2・2メートルで、開幕までの日数を赤色の発光ダイオード(LED)電球で表示。三重県伊勢市の伊勢神宮など地域の魅力を伝える写真をあしらい、名古屋鉄道の「中部国際空港駅」から空港のターミナルビルに向かう通路の前に設置した。
式典には、愛知県の大村秀章知事や中部経済連合会の三田敏雄会長らが出席した。三田会長はボードについて「地域一体となった歓迎の機運を醸成する思いを込めた」と話した。
核・生物・化学テロに備え…三重大で実技訓練
読売新聞(2015年12月27日)
来年5月の伊勢志摩サミットに備え、NBC(核・生物・化学)テロを想定した実技訓練が26日、三重県津市の三重大学で行われた。
全国15医療機関の医師や看護師ら75人と、消防や自衛隊など関係機関の担当者ら約50人が参加。傷病者を除染した上で病院に受け入れる手順などを確認した。
訓練は、厚生労働省の委託を受けた「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)が2006年から毎年2回実施している。この日は、津市の海浜公園で毒劇物によるテロが発生したという想定で、防護服を身に着けた参加者が、傷病者に見立てた人形の衣類を切ったり、シャワーを使って洗い流したりして除染作業に取り組んだ。
訓練に参加した県立総合医療センター(四日市市)の上山一樹・救急看護認定看護師(36)は「平常時とは全く異なる対応になるので、除染に対する知識を深め、適切に対処できるようにしたい」と話していた。
プーチン氏vs元石油王、新たな対決幕開け 「革命は不可避」との発言に国際手配で応酬
産経ニュース 2015年12月24日
【モスクワ=遠藤良介】ロシアのプーチン大統領(63)の政敵として約10年間を獄中で過ごし、現在は海外に住む元石油王、ホドルコフスキー氏(52)が23日、17年前の地方市長殺害を首謀した容疑で露連邦捜査委員会から国際指名手配された。同氏が最近、「ロシアでは革命が不可避だ」などと発言し、政権打倒を支援する姿勢を鮮明にしたのを受けた動きだ。ロシア経済の低迷が深刻化する中、プーチン氏とホドルコフスキー氏の新たな対決の幕が開けた。
連邦捜査委員会は22日、ホドルコフスキー氏を支持する団体「開かれたロシア」のモスクワ事務所などを家宅捜索。23日には、西シベリアの産油地、ネフチユガンスクの市長が1998年に殺害された事件を首謀したとして、ホドルコフスキー氏を国際手配した。
「ユコス事件」で収監されたホドルコフスキー氏は2013年12月、ソチ冬季五輪を前にプーチン氏の恩赦で釈放された。事件から17年を経ての立件には「事実無根だ」と反論している。同氏は英国やスイスに居住しており、身柄がロシアに引き渡される可能性は低いとみられる。
米、対ロシア追加制裁を発表 資産凍結など、ウクライナ軍事介入めぐり
産経ニュース 2015年12月23日
米財務省は22日、ロシアによるウクライナ東部への軍事介入やクリミア半島の編入をめぐり、ロシアやウクライナの34の個人・団体を制裁対象に追加指定したと発表した。ウクライナの親ロシア派やロシアの銀行などが含まれ、米国内での資産凍結や金融取引禁止を科される。
多くは欧州連合(EU)が既に制裁対象に指定しており、財務省高官は「国際的パートナーと連携して制裁逃れを阻止する。ロシアがウクライナの安全と主権を尊重するよう、断固として圧力をかけていく」と語った。
米国は今年2月にまとまった和平合意をロシアが完全に履行するまで、経済制裁の緩和に一切応じない方針。EUは21日、ロシアに対する本格的な経済制裁を6カ月間再延長することを正式決定した。(共同)
サミット 首脳ら市町に招き交流
読売新聞2015年12月16日
◆仏などに打診 実現、警備が課題
伊勢志摩サミットに向け、官民でつくるサミット県民会議は15日、各国の首脳や大使らを県内の市町に招き、住民らと交流してもらう事業を実施する方針を決めた。すでにフランスなど一部の参加国に打診しているが、実現に向けては警備面が課題となりそうだ。
この日、津市で開かれた部会で事務局が説明した。伝統文化や特産品など地域の情報を発信したり、各国と地域との関係づくりにつなげたりするのが狙い。
交流が想定されるのは、姉妹都市提携や大学間の協定などを通じ、サミット参加国と歴史や文化、教育、産業面でかかわりのある市町など。事務局によると、鈴鹿市や四日市市など6市町が米国、フランス、イタリア、カナダの都市と姉妹都市提携などを結んでいる。
ただ、2008年の北海道洞爺湖サミットでは、複数の自治体が首脳の訪問を要望したが、過密日程などがネックとなり、カナダの首相が伊達市を訪れただけだった。伊勢志摩サミットでは、11月に発生したパリ同時テロなどの影響で、各国首脳らの警備はより厳重となる見通しだ。
感染症対策、サミット優先議題に…安倍首相表明
読売新聞 (2015年12月16日)
安倍首相は16日午前、東京都内で開かれた国際会議で、「世界が直面する保健課題への取り組みを、G7(先進7か国)と手を携えながらリードしていきたい」と述べ、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で感染症対策など保健分野を優先議題として取り上げる考えを表明した。
政府は今年度補正予算案に約240億円を計上し、途上国の感染症対策などを支援する基金に拠出する方針だ。
国際会議では、感染症対策や先進国の役割などが話し合われた。世界銀行のキム総裁、世界保健機関(WHO)のチャン事務局長、マイクロソフト創業者で慈善事業に取り組むビル・ゲイツ氏らが出席した。
首相は取り組むべき課題として、エボラ出血熱の流行時に対応が遅れたことなどを踏まえ、「地球規模の感染症対策を機動的に進めていく必要がある」と指摘。「母子保健や栄養不足、非感染症疾患や高齢化まで多様な課題に対応できる保健サービス」の必要性も強調した。日本が得意とする保健分野で議論をリードし、サミットで国際的な貢献をアピールする狙いがある。
プーチンが進める“東方戦略”で
北方領土問題は進展するか
田中 均の「世界を見る眼」【第51回】 2015年12月16日
田中 均 [日本総合研究所国際戦略研究所理事長]
ダイヤモンド・オンライン 2015年12月16日
国際政治の舞台で存在感を高めるロシア プーチン大統領の“頭の中”を推測する
ロシアはグローバルなアクターとして国際政治の舞台に再登場してきた。
ウクライナへの介入、クリミアの併合に動いたロシアは西側の経済制裁を受け、エネルギー価格下落により打撃を受けた経済の低迷に一層の拍車がかかった。このような背景の中、ロシアは孤立を脱するべく、戦略的巻き返しを図っている。中東ではシリアの空爆に参加し存在感を高めている。プーチン大統領の東方戦略は中央アジアや極東で中国を巻き込み、新たな政治地図を描きつつある。
果たして、明年春にも予定されると伝えられる安倍首相の訪ロやその後のプーチン大統領の訪日により、北方領土問題は打開されるのだろうか。ロシアの動きは米国との対峙を決定的にし、「新冷戦」と言われる事態を招来する可能性はないか。ロシアは、日露関係は、何処へ行くのだろう。
戦略家と言われ、国内の支持率も高く、今後10年にもわたり大統領として君臨しそうなプーチン大統領の頭の中にはどのような国家戦略が描かれているのだろうか。大胆に推測してみれば、以下の通りである。
「ソ連邦の崩壊は20世紀最大の悲劇である。ロシアは多くの権益を失った。東欧諸国やバルト三国までEUやNATOに加盟し、西側の国境がロシアに迫ってきた。それだけではなくNATOはミサイル防衛の配備などでロシアの核抑止力の無力化を図っている。戦略の立て直しが必要である。
欧州への石油ガスの輸出は頭打ちであり、そもそもエネルギー資源の多くはアジア部に存在している。もはや欧州正面にロシアの未来はない。軍事予算を拡大し、ウクライナを中立化させ、黒海艦隊基地のあるクリミアの併合を行い、シリアの軍事基地を保全しNATOの拡大に備えるとともに、東方戦略を実現に移そう。ロシアの極東部の人口はわずか620万人であり、国境を接する東北三省で1億2000万人の人口を擁する中国に、極東の発展で過度に依存することは安全保障面から問題は大きい。
ただ欧米諸国は経済制裁を簡単には解除しないであろうし、エネルギー価格も急速に回復される見通しはない。この際、中国と連携を強化する以外に方法はあるまい。中国とは2004年に国境を画定し、長年懸案であったガス長期供給価格も合意した。従来からロシアの影響下にあった中央アジアについても既に中国の経済的影響力は拡大しているところ、思い切って連携を図ろう。
とはいえ、やはり日本との関係は、中国への依存をある程度中和し、米国との関係でも牽制材料となりうるので、重要である。懸案の北方領土問題で日本がどの程度妥協の余地があるのか揺さぶり、日本の態度を見極めたうえで、関係改善に大きく踏み出そう」
IS・シリア問題で欧州と関係改善? トルコによる撃墜事件の誤算
確かにプーチン大統領の戦略的巻き返しは、パリでの同時テロがもたらした環境変化もあり、成功しているように見受けられる。現在の欧州の最大の課題は、ISテロの再発を防ぐ意味でもシリア難民問題を解決することにある。このためにはIS壊滅の軍事的キャンペーンを成功させるとともに、シリア問題の政治的解決が必須となる。
ロシアはIS壊滅のため空爆に参加をしたが、同国の目的はIS排除と共にアサド政権を支援することにもある。ロシアにしてみればアサド政権との間の軍事的協力関係、とりわけ空軍基地や海軍基地をシリア内に確保し続けることが、NATOへの抑止力の観点から必要と考えているのだろう。ISへの空爆にしても、ロシアの場合はアサド政権の地上兵力と連携がとられているため、空爆だけのオペレーションに比べれば圧倒的に効果的である。
ISを撃つという観点から仏などの諸国とは一定の協力関係が成立している一方で、米国はアサドの排除を前提にするだけにロシアとの協調は難しい。さらにオバマ大統領は地上軍の派遣は行わないことを明確にしており、対IS軍事キャンペーンにおいても存在感が薄れつつある。
また、アサドを支持するという意味でロシアとイランの間には協力関係が強まってきている一方で、サウジやエジプトと米国の関係も従来のような堅固な関係ではなく、中東における政治地図も変わりつつある。
ただ、ここにきてロシア軍機をトルコが領空違反として撃墜した事件は、プーチン大統領にしてみれば計算違いであったのだろう。欧州と関係改善の方向に向かっているロシアがトルコ問題で水を差されたという意識は強い。
着々と進められる東方戦略 状況一変で中国との連携を強化
プーチン大統領の東方戦略は、既にかなり長い時間をかけて着々と進められてきている。プーチン大統領は首相職にあった時代を含め頻繁に極東・東シベリアを訪問しており、2012年の大統領年次教書では「発展ベクトルは東にあり」、2013年の年次教書では「21世紀全体を通じての国家プロジェクト」と述べ、極東・東シベリアの開発に力を入れてきた。
他方、中国への過度の依存を警戒する意識は強く、中国国境を一元的に管理する「東部軍管区」を2010年に創設し、軍事的備えは強化してきている。その対中関係が大きく動いたのは、ウクライナ・クリミア問題でロシアが孤立して以降のことである。2014年5月には中露首脳会談で10年以上まとまらなかった天然ガス供給契約に合意し、2015年は戦勝70周年で中露協調が演出された。
また、本年5月の中露首脳会談では、ロシアの主導する「ユーラシア経済同盟」と中国の「一帯一路」構想のもとで、中露が連携していくことに合意した。中央アジアでは従来、安全保障面で大きな影響力を持つロシアと経済的な浸透を拡大してきた中国が連携することはあまり想定されていなかったが、ここに来て状況は一変した。このほか中露の間ではAIIB、BRICS銀行、上海協力機構を通じる協力関係も強化されてきている。
このようなロシアの動きに神経を尖らせているのは米国である。プーチン大統領の対米対抗心は強いが、オバマ大統領の対露警戒心も極めて大きい。ロシアを軍事的存在として見、世界で米国に対抗できる軍事力を持つのは中国ではなく、ロシアであるという米国の意識は強い。
ロシアの軍事予算は近年拡大の一途をたどっており、2005年比で2015年には5.87倍と、中国の3.64倍(平成27年度『日本の防衛』)を超える拡大ペースとなっている。核戦力ではロシアは米国に匹敵する戦力を持っている。本年3月に放送されたロシア国営テレビのドキュメンタリーで、クリミア併合で核兵器を使う用意があったとの趣旨の発言をしたことも警戒心を一層高める要因となっている。
このような国際情勢の中で日露関係はどのように推移していくのだろうか。昨今の報道では安倍首相が来春ロシアの地方都市を訪問し、参議院選挙の後にプーチン大統領訪日を実現する検討に入ったと伝えられている。
日露関係はどう進展するか 北方領土問題の行方は
ロシアにとって日本との関係は、中国や米国との戦略上も重要である。プーチン大統領の支持率は85%にも達し、領土問題でも果敢な決断ができるのかもしれない。ただ常識的には、クリミア併合で支持率の上がった大統領が、日本との領土問題で妥協するとはなかなか考えられない。しかしプーチン大統領は稀代の戦略家と言われ、東方戦略で活路を開くことは重要と考えるのだろう。
日本にとっては、北方領土問題の長い経緯や世論の動きを考えると、従来の立場(4島の帰属を明確にし、平和条約を締結する。返還の態様は柔軟である)から大きくはずれることも困難があろう。従って、前のめりになるのは避け、ロシア側の態度も見極めたうえで、従来にはなかったような新しい発想で問題解決を図ることが必要なのだろう。
また、上述した米国の警戒心などを見れば、対ロ制裁に参加している日本が日露関係の促進を図ることが国際社会でどのように受け止められるは想像に難くない。日本の行動には同盟国米国との十分な意思疎通が必要であろう。
北方領土問題を解決していく上でも、ロシアとの関係を中長期的視野に立って考えていく必要があるのだろう。ロシアが孤立するあまり中国と結び、「新冷戦」に進むことは現段階ではなかなか考えにくい。ロシアには経済的実力はないし、中国も米国と決定的対立を望んでいるとは考えにくいからである。従って、ウクライナ問題が解決に向かえば、制裁が緩和され、欧米との一定の協調関係に戻る可能性はあるし、日露関係も進めていく余地が出てくる。
経済関係では大きな機会がある ロシアを東アジアでどう位置づけるかも課題
他方、福島事故以降ロシアに対する日本の石油・天然ガスの依存度は増え、ロシアにとっては極東の開発の必要性も高まっていることから、日露経済関係に関する限り、大きな機会がある。また北極海航路が将来開設されるようなこととなれば、日本の欧州への海運路として大きなコスト減となる。
ロシアの東方戦略上も、資源のアジアへの輸出だけではなく、経済成長率の高い東アジアとの関係増大が課題なのであろう。
ロシアは東アジアサミットや北朝鮮核問題6者協議のメンバーでもある。日本は、政治・安全保障・経済にわたって、ロシアが東アジアの中で建設的な役割を果たすよう働きかけていかねばならない。
伊勢エビ、JAL機内食に サミットへ三重の食材PR
朝日新聞 (2015年12月12日)
伊勢エビのあえ物、熊野地鶏の煮込み、松阪豚のワイン煮……。来年5月の伊勢志摩サミットを前に、三重県と日本航空が12日、県監修の機内食を発表した。県産食材14品を使うメニューでPR。来年3~8月、中国やタイ行きなど中部空港発の国際便4路線のビジネスクラスで提供する。
県と日航による「食と観光に関する協定」の一環で、春と夏のメニューがある。鈴木英敬知事はこの日の締結式で「おもてなしのレベルアップを図りたい」。協定では来年4月には機内誌で三重を特集し、機内で観光ビデオを流す。
「国際保健に貢献」…安倍首相、英医学誌に寄稿
読売新聞 (2015年12月12日)
安倍首相が英医学誌「ランセット」に寄稿し、11日の電子版に掲載された。
首相は「世界が平和で、より健康であるために」と題し、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、議長国として国際保健に貢献する決意を表明した。「全ての人々が必要なときに良質の保健サービスにアクセスでき、財政的困窮に陥ることなく健康上の脅威から守られるよう、一層の貢献をしていく」と記している。
世界保健機関(WHO)や世界銀行などとの連携強化への意欲も示した。同誌への首相の寄稿は2013年9月以来、2回目。
ロシア制裁、損失1兆円も トルコ副首相
産経ニュース 2015年12月8日
トルコのシムシェキ副首相は7日、地元テレビNTVとのインタビューで、ロシアによる制裁が拡大し、両国間の経済関係が完全に途絶すれば「(トルコの)損失額は90億ドル(約1兆1千億円)になる」と述べた。
トルコは天然ガス需要の6割前後をロシアからの輸入に頼り、石油も輸入。また、主要産業の観光でも、ロシアからの団体客は大きな収入源だ。
シムシェキ氏は「緊張関係をさらに拡大する意図は全くない」と強調し、事態の沈静化を急ぐ姿勢を示した。(共同)
伊勢志摩サミットの防衛省・自衛隊警戒態勢骨格判明 化学防護部隊配置、AWAで警戒
産経新聞 (2015.11.29)
防衛省・自衛隊が検討している来年5月26、27両日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の警備態勢の骨格が28日、分かった。NBC(核・生物・化学)テロに備え、周辺の陸上自衛隊駐屯地に化学防護部隊などを配置するほか、自衛隊機が会場周辺空域を監視。警察や海上保安庁とも連携し、サミット会場周辺を標的とするテロ行為など不測の事態に備える。
サミットのメーン会場は三重県志摩市の賢島で、各国首脳らは中部国際空港(愛知県常滑市)から入国すると見込まれ、自衛隊が会場まで搬送するオペレーションが想定される。
会場周辺の上空には国土交通省が飛行制限区域を設定。航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)が滞空し、海上自衛隊の艦艇とあわせ、周辺海空域の不審な動向を警戒する。
また、会場近傍の守山(名古屋市)、明野(三重県伊勢市)、久居(津市)の陸自3駐屯地には化学防護部隊などを待機させ、NBCテロに備える。
ドローン(小型無人機)対策では、重要施設上空の飛行を禁止する法案の適用が見込めるほか、三重県が独自の規制条例案を県議会に提出している。
サイバー攻撃に対しては、昨年3月に自衛隊に創設された「サイバー防衛隊」が中心となって各省庁との連携に万全を期す。
シリア北西部、トルコ系民族支配地域への空爆が伏線に 日本学術振興会特別研究員 今井宏平氏(いまい・こうへい)=現代トルコ外交
産経ニュース 2015年11月26日
ロシアのシリア空爆開始以降、トルコは常々領空侵犯を非難しており、10月には無人機を撃墜していた。ロシア軍機の撃墜は現場の判断による偶発的な側面が大きかったのではないか。
ただ伏線はあった。ロシアはここ10日間ほど、トルコ系民族の反体制派トルクメン人が支配するシリア北西部で空爆を強化し、トルコ政府は駐アンカラのロシア大使に抗議していた。先週末にはトルクメン人約1700人が国境を越えてトルコ側に避難した。今回の強硬措置は空爆に対する牽(けん)制(せい)だった可能性がある。
シリア国内のトルクメン人は約20万人で人口の約1%だ。大半はスンニ派のムスリムであり、シーア派系とされるアラウィ派のアサド政権からは民族的にも宗派的にも異なるため冷遇されてきた。そのため、シリアが内戦状態となってからは率先して反体制派として立ち上がり、トルコが積極的に支援してきた。
一方、アサド政権を支援するロシアは、チェチェン系(ロシア南部チェチェン共和国出身者)の過激派も含まれるとされるアルカーイダ系の「ヌスラ戦線」などが一部で共闘しているとして、トルクメン人の支配地域での空爆を強化していた。
ただし、ロシアとトルコは反体制派の位置付けとアサド政権の存立をめぐり路線は異なるものの、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の掃討という究極の目標は一致している。そのため両国は事件の早期の幕引きを図るのではないだろうか。
トルコはロシアとの経済的な結びつきも強く、関係を断絶するような事態はないと考えられる。(談)
プーチン政権、トルコに経済制裁へ 渡航自粛、食料品押収 パイプライン建設計画に暗雲 自暴自縛も
産経ニュース 2015年11月26日
【モスクワ=遠藤良介】トルコ軍によるロシア空軍機の撃墜を受け、ロシア政府は26日、トルコに対する経済制裁の検討を本格化させた。当局はすでにトルコへの旅行商品の販売を事実上禁止し、影響が広がっている。米欧による対露制裁の発動後、ロシアはトルコとの経済関係拡大に期待を寄せていたが、状況は一転した。対トルコ制裁が広い分野に及べば、ロシア経済のいっそうの悪化を招く自縄自縛に陥りかねない。
撃墜事件後、露外務省は「テロの危険性が高い」という理由でトルコへの渡航自粛を勧告。観光庁も旅行会社に対し、同国向けの商品販売を停止するよう指導した。トルコはエジプトと並ぶ最大の渡航先で、昨年は約450万人が訪れた。露旅客機の爆破テロでエジプトとの航空便も禁止されており、旅行・航空業界への影響は甚大だ。
ロシアにとってトルコは第5位の貿易相手国。同国のエルドアン大統領が9月に訪露した際は、年間貿易高を2023年までに3倍増とする目標も示された。しかし、ロシアが同月末、シリアでの空爆作戦に乗り出すとトルコは強く反発し、今回の撃墜で関係悪化は決定的となった。
ロシアは昨年12月、欧州向けに計画していた天然ガス・パイプライン「南ルート」の建設を中止し、代わりにトルコ向けの別ルートを敷設することで同国と基本合意。資源輸出先の多角化を象徴する一大事業とみられてきたが、実現が遠のくことは確実となった。
制裁をうたった具体的措置はまだ打ち出されていないものの、露消費者庁はトルコ産食品の集中検査と「不適格品」の押収に乗り出した。ロシアはすでに米欧産の広範な農水産品を輸入禁止としており、禁輸の幅が広がれば物価高騰の深刻化を招く可能性がある。
トルコ、「交戦規定の枠内」と正当性主張 米露接近へのくさびに利用も ロシア影響拡大に歯止め狙う
産経ニュース 2015年11月25日
【カイロ=大内清】トルコのエルドアン大統領は24日の演説で、露軍機撃墜は「交戦規定の枠内だ」と正当性を主張した。今後は、加盟する北大西洋条約機構(NATO)の支持を背景に、シリア問題におけるロシアの影響力に歯止めをかけ、トルコが主張するアサド政権の排除や反体制派主導の政権移行につなげていくことを狙うとみられる。
演説でエルドアン氏は、「国籍不明機」が警告を無視したため撃墜した?と説明した。トルコはこれまでもロシアの領空侵犯に警告を発しているが、今回の撃墜では露軍機とは認識していなかったとの主張だ。
一方でエルドアン氏は、ロシアやアサド政権が撃墜地点に近いシリア北部で、反体制派の少数民族トルクメン人に攻撃を加えていると非難した。トルコには同じトルコ系民族のトルクメン人と強い連帯意識があるため、露軍機の撃墜は、同胞を救うものだと意義づけすることもできる。
また同国には、米欧はNATO加盟国のトルコを支持せざるを得ないとの計算に加え、ロシアも軍事的緊張の激化は望んでいないとの判断があるとみられる。
他方、シリア内戦をめぐってはこのところ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討を最優先とする米欧と、アサド政権存続を狙うロシアの歩み寄りが進んでいた。同政権排除を主張するトルコはこれに反発していることから、今回の撃墜を両者の間に打ち込むくさびとして利用することも十分に考えられる。
プーチン露大統領の逆鱗に触れる 実現遠のくロシアの孤立脱却 トルコ利害軽視のツケ
産経ニュース 2015年11月25日
【モスクワ=遠藤良介】ロシア軍機がトルコ軍に撃墜された事件は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」打倒の大義で米欧と手を組み、国際的孤立から脱却することを狙ってきたプーチン露政権への打撃となった。ロシアはトルコへの軍事的報復は行わないとみられるが、この一件がプーチン政権の逆鱗(げきりん)に触れたのは確かだ。この問題が両国の経済関係に影響を及ぼし、ロシアが一層の閉塞(へいそく)状況に陥る可能性が高まっている。
トルコとロシアの言い分は領空侵犯の有無をめぐって食い違っている。ただ、事件の土壌となったのは、最近のロシアがシリア反体制派の一角を成すトルクメン人の地域に空爆を加え、その後ろ盾であるトルコが猛反発していたことだ。
トルコは反体制派支援を通じてシリアのアサド政権打倒を狙い、ロシアはイスラム国掃討を掲げつつ、同政権を援護する?。シリア内戦にこんな構図が生まれ、ロシアがトルコの利害を軽視したことが結果として衝突を招いた。
パリ同時多発テロで国際協調機運が高まったのに乗じ、プーチン政権は「対イスラム国」を旗印に米欧との関係を修復する戦略を描いてきた。ロシアは撃墜の影響を最小限にとどめたいとみられ、ペスコフ露大統領報道官は軍事的報復の可能性を否定している。
ただ、プーチン大統領は撃墜について、「テロの共犯者による背後からの攻撃」と厳しく批判しており、何らかの対抗措置は確実だ。メドベージェフ首相はトルコとの共同経済プロジェクトを見直す可能性に言及した。トルコはロシアにとって第5位の貿易相手国。ロシアはトルコへの天然ガス・パイプライン敷設で欧州への経済依存度を下げる思惑だったが、実現は遠のくことになった。
因縁の歴史、ロシアとトルコ 露の「南下政策」発端に続く対立
産経ニュース 2015年11月25日
ロシアとトルコの近代史は、18~19世紀に起きた「露土戦争」と呼ばれる一連の戦争に象徴される、対立の歴史でもあった。
露土戦争の発端は、不凍港を求めて南方への勢力拡大を目指したロシアのピョートル大帝(1672~1725年)による南下政策とされる。ピョートルは、クリミア半島の東側にあるアゾフ海から黒海への出口を求め、オスマン帝国と対立。ロシア初の海軍艦隊を編成し、オスマン帝国の要塞を陥落させたピョートルは“若き皇帝(ツァーリ)”として名をはせた。
拡大政策を受け継いだ女帝エカテリーナ2世(1729~96年)もオスマン帝国と戦い、黒海での艦隊建造権や、欧州とアジアを隔てるボスポラス、ダーダネルスの両海峡の通航権を獲得。両国の力関係はロシア優位が決定的になった。
19世紀に入っても両国は繰り返し戦火を交えたが、1878年に結ばれたサン・ステファノ条約により、オスマン帝国はバルカン半島の大半の領土を喪失。第一次大戦でオスマン帝国は敗北し、分割された。
第二次大戦では共にドイツと戦ったが、ロシアとトルコの緊張関係は続いた。
トルコは1952年、ソ連と敵対する北大西洋条約機構(NATO)に加盟。60年代に旧ソ連がキューバにミサイル基地を建設して「キューバ危機」が起きた際、ロシアはその背景に、米国によるトルコなどへの中距離ミサイル配備があったと主張している。(モスクワ 黒川信雄)
米仏露「大連合」構想は困難に 「イスラム国」対策、フランスは“板挟み”
産経ニュース 2015年11月25日
【ベルリン=宮下日出男】トルコのロシア軍機撃墜で、フランスが「イスラム国」壊滅に向けて目指す米仏露の「大連合」構想が一段と難しくなる可能性が出てきた。オランド仏大統領は26日の仏露首脳会談を通じてその実現に尽力する考えだが、撃墜で露軍のシリア空爆に対する欧米の疑念が強まったためだ。
「一段の軍事的連携は可能だと信じている」。オランド仏大統領は24日、オバマ米大統領との共同記者会見で、ロシアとの協力強化を目指す意向を強調。モスクワでのプーチン露大統領との会談では、攻撃をイスラム国に集中するよう求める考えを示した。
オランド氏はパリ同時多発テロを受け、イスラム国掃討のため、ロシアも含めた「強力で唯一の連合」を提唱し、その実現に向け、23日のキャメロン英首相との会談を手始めにシャトル外交を展開。オバマ氏にはロシアとの協力強化の必要性を説得する狙いだった。
だが、オバマ氏は露軍機撃墜について、「ロシアがイスラム国に力を注いでいれば、こうした衝突の可能性は低い」と強調。撃墜は米国のロシアへの不信を強める結果となった。
そもそも、ロシアと「連合」を組むには米国だけでなく、有志連合に参加するアラブ諸国やトルコの理解も重要だ。しかし、トルコが撃墜でロシアとの協力に反発を強めるのは必至。大連合の実現は「より複雑」(仏メディア)になった。
仏国防省は24日、シリア沖の空母シャルル・ドゴールから出撃した戦闘機がイラクへの2日連続の空爆を米軍機と行ったと発表し、米仏の緊密な協力を誇示した。だが、オランド氏は一方で露軍ともすでに連携していることも明らかにしており、今後、フランスが米露のはざまで微妙な立場に置かれる可能性がある。
伊勢志摩サミットまで半年 情報、予算、人員…政府、テロ封じに全力
(産経新聞2015.11.25)
来年5月26日に三重県で開幕する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)まで残り半年となり、政府がテロ対策強化を急ピッチで進めている。パリ同時多発テロなど国境を越えて活動するテロリストの脅威が増す中、地方自治体との連携強化を図り、平成27年度補正予算に緊急経費を盛り込んで設備や人員の強化に着手する。
菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は24日の記者会見で、靖国神社で起きた爆発物事件に関し「パリでテロ事件があったばかりで、日本でテロがあってはならない」と述べ、重要施設の警戒態勢を強める考えを示した。
政府は27年度補正予算に盛り込むテロ対策特別費で、設備や人員増に必要な経費をまかなう方針だ。当初は28年度本予算の執行を受けて立ち上げる予定だった外務省に設置する「国際テロ情報収集ユニット」を12月上旬に発足させる。
岸田文雄外相は24日の記者会見で、「パリの事件をみても、国際テロに関する情報収集能力を強化する必要性は論をまたない」と強調した。同ユニットで集約した情報は、官邸や国家安全保障会議(NSC)に報告され、防衛省や警察庁など関係省庁で共有する。
ただ、官邸筋は「すべてのテロ活動を未然に防ぐことは難しい」と吐露する。靖国神社での爆発物事件のように事前に動きを察知できなければ対応できない。国内に入ったテロリストを把握できていなければ、どこでテロ活動を行うか割り出すことは困難だ。
このため、自衛隊や警察が警備するサミット会場だけでなく、一般市民が集まる場所でのテロへの対応も重要になる。しかし警備人員と予算にも限界があり、政府高官は「テロ対策で最も重要なのはテロリストの動向をいち早く把握することだ」と指摘する。
テロ対策では、三重県が24日、来年3月27日からサミット終了翌日の5月28日までサミット会場周辺などでドローン(小型無人機)の飛行を制限する条例案を県議会に提出し、政府と連携を進めている。
また政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのテロ対策などを開催自治体と協議する連絡協議会を27日に立ち上げることを決定。自治体間も含めた情報共有も行う。
政府はサミットやオリンピックに向け、テロ対策を最優先課題の1つと位置付けている。
伊勢志摩サミット2016
「特別交付税措置を」 県、国へ財政支援要望 /三重
毎日新聞 (2015年11月13日)
国の来年度予算の政府案決定を前に、県は伊勢志摩サミット開催に要する県の負担に対する財政支援など16項目の要望をまとめた。鈴木英敬知事ら県幹部が17、18日に上京し、関係省庁などに要望する。
県はサミットに関連し、2014年度予算で準備経費として1億円、今年9月の補正予算には警備態勢の強化や道路・交通安全施設の整備などのため約59億円を計上。08年の北海道洞爺湖サミットで北海道が負担した約22億円を既に大きく上回っている。
大幅に上回っているのは、過去に国内でサミットが開かれた沖縄県や北海道は元々、担当大臣がおり、洞爺湖サミットでは会場周辺の道路整備などは国管理で整備されたことが要因。
このため、サミット関連の要望では、伊勢志摩サミットは特別な事情がない典型的な地方での初めての開催となることを指摘し、県財政に影響を与えないよう特別交付税措置の必要性を訴える。また、今後の地方都市開催のモデルとなる財政支援スキームを決め、サミットに関する特別な交付金を創設することなどを求めた。さらに、高度化・悪質化しているサイバー攻撃の被害防止のためのセキュリティー対策も必要だとして、セキュリティー機器の導入や訓練に要する費用の財政支援を要望する。
サミット関連以外では、地方創生や少子化対策、農林水産業の競争力強化、防災対策などに要する地方の財源確保などを求める。【田中功一】
〔伊賀版〕
<伊勢志摩サミット>私たちがPR…ミス入賞者5人が申し出
毎日新聞 (2015年11月9日)
今年のミス・インターナショナルの入賞者5人が9日、伊勢志摩サミットのPRに協力するため三重県庁を訪れ、応対した植田隆副知事に「開催おめでとうございます。美しい自然や文化のある三重を、世界に発信していきたい」と話した。
訪れたのは、ベネズエラ代表のエディマー・マーティンズさん(20)ら、5日に東京で行われた世界大会で上位入賞した5人。昨年大会の入賞者らがサミット開催地決定直前の今年6月に来県しており、決定を受け「今年の入賞者にぜひ三重をPRさせてほしい」と改めての訪問となった。
5人は8日から来県し、鳥羽市でアコヤガイから養殖真珠を取り出す作業を見学したり、伊勢市の伊勢神宮を参拝したりした。今後、各自のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて、三重の魅力を発信していくという。【永野航太】
伊勢志摩サミット:200日前記念に吉田沙保里選手も登場
毎日新聞 (2015年11月09日)
三重県志摩市で来年5月に開催される伊勢志摩サミットまで200日前となった8日、同県東員町のショッピングモール「イオンモール東員」で記念イベントが開かれた。津市出身の女子レスリング五輪金メダリスト、吉田沙保里選手らが出席し、残り日数を示すカウントダウンボードの除幕式が行われた。
イベントは官民で組織する同サミット三重県民会議への協賛・応援事業としてイオングループが行った。鈴木英敬知事が「一人でも多くの県民が、県外や海外の知り合いに三重でサミットが開催されることを知らせてほしい」とあいさつし、吉田選手や近隣市町の首長、イオン関係者らとともに除幕した。ボードはイオングループ店舗の74台を含め、県内外に計361台が設置される。
同モールではこのほか、吉田選手のトークショーやサミットに関するクイズイベントなども行われ、同県四日市市の福祉施設職員、小林剛さん(36)は「サミット開催は自慢できることなので、県外の友人らにしっかりPRしていきたい」と話していた。【田中功一】
伊勢志摩サミットに向け、テロ対策訓練 名古屋港
朝日新聞 (2015年10月17日)
名古屋港で16日、来年5月の伊勢志摩サミットに向けたテロ対策で、名古屋海上保安部や愛知県警などによる合同訓練があった。
テロリスト3人が潜む船の寄港を想定。税関や入国管理局の職員が船内を捜すうち1人が陸上に逃げ、機動隊員が捕まえた。別の2人は給水で横付けされていた小型艇を奪い逃走。海保の巡視艇や県警の警備艇など4隻が追い、空砲での銃撃戦の末に降伏させた。
訓練を指揮した名古屋海保の担当者は「出入りの多い名古屋港から侵入することも考え、警備をしっかり行いたい」と話した。
首相、伊勢志摩サミットの予定地視察「成功させたい」
朝日新聞 (2015年10月11日)
安倍晋三首相は11日、三重県志摩市を訪れ、来年5月に開催する主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」の会場予定地を視察した。鈴木英敬知事らと市内のホテルや旅館を見学。伊勢市の伊勢神宮も参拝した。
会場予定地の一つ「志摩観光ホテル ベイスイート」の最上階ラウンジで、首相はリアス式海岸の英虞(あご)湾を望みながら「相当眺めが良い。海と山と森が見えて、これはきれいだ」と感想を述べた。ホテルの視察後、記者団には「地元からも期待の声をいただき、(サミットを)ぜひ成功させたい」と語った。
首相、サミット会場の眺望絶賛「日本の素晴らしさ、発信する場所だ」 伊勢神宮も参拝
(産経新聞 2015.10.11 )
安倍晋三首相は11日、三重県を訪れ、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の会場予定地となっている志摩市の志摩観光ホテルなどを視察し、準備状況を確認した。
6月の開催地発表後、首相が現地視察するのは初めて。サミット成功に向け、要人警護やテロ対策に万全を期す決意を内外に示す狙いがある。
英虞(あご)湾を一望するホテルの展望ラウンジで説明を受けた首相は「素晴らしい景色だ」と絶賛。大口秀和志摩市長ら地元首長や住民との意見交換で「日本の素晴らしさを世界に発信する場所だ」と強調した。記者団に対しては「地元からも期待の声をいただいた。(サミットを)ぜひ成功させたい」と意気込みを示した。
首相はこれに先立ち各国首脳とともに訪問したい意向を示している伊勢神宮(伊勢市)を参拝した。
晋三少年、伊勢エビスープの思い出 「このホテルで…」
朝日新聞2015年10月12日
「このホテルで伊勢エビのスープを食べて、こんなにおいしいものが世の中にあるのかと思った」。安倍晋三首相は11日、来年の伊勢志摩サミットの会場となる三重県の賢島でホテルを視察した際、「子どもの時」の思い出を披露した。
「この地には海の幸、山の幸がある」。この日の伊勢神宮視察もふまえ、「伊勢志摩サミットは、日本の悠久の歴史と優れた文化、美しい自然をG7(主要7カ国)の人たちに堪能していただき、世界に発信する場」との考えを示した。
視察に同行した鈴木英敬知事は「サミットは首脳同士の議論や会話といったコミュニケーションを特に大事にする。首相の希望を実現できるよう調整していきたい」と記者団に語った。
首相は、サミット歓迎の準備を進める伊勢志摩地域4市町の首長や市民代表らを激励。三重県自治会連合会の山崎勝也会長は、「地元は熱く燃えている。地域一丸でおもてなしの機運を高めたい」と伝えた。
雑記帳:キリンビールマーケティング三重支社は、来年5月の伊勢志摩サミット開催を祝い…
毎日新聞 2015年09月23日 中部朝刊
キリンビールマーケティング三重支社は、来年5月の伊勢志摩サミット開催を祝い、記念ビール「一番搾り」(中瓶・500ミリリットル)を12月14日から6万本の数量限定で販売する。
肩ラベルにイセエビとサザエ、アワビを持った海女と、「祝 伊勢志摩サミット開催」などの文字を書き入れる。売り上げ1本につき1円を同サミット三重県民会議に寄付する。
多くの人の目に触れるようにと、販売時期を忘年会シーズンに合わせた。県内全域と近隣7府県の一部地域の宿泊施設や飲食店に出荷する。忘年会のようにサミットを盛り上げられるか。【田中功一】
四半世紀ぶり、レーニン像の頭部掘り出し ドイツ
産経ニュース 2015年9月11日
ドイツの首都ベルリンで10日、冷戦後の1991年に撤去され、地中に埋められていたレーニン像の頭部がほぼ四半世紀ぶりに掘り出された。ベルリン西部の博物館で来年初め公開されるという。ドイツのメディアが伝えた。
レーニン像は冷戦時代に東西に分かれていたベルリンの東側にあったが、89年に「ベルリンの壁」が崩壊。100以上の破片に分解され郊外で埋められ、忘れ去られた存在になっていた。
高さ約1・7メートル、重さ約4トンの頭部は重機で掘り出された後、トラックでベルリン市内を通って博物館に搬送された。2003年にドイツでヒットした映画「グッバイ、レーニン!」では、レーニン像の頭部をつり上げるシーンがあり、旧東ドイツ崩壊の象徴となっている。(共同)
東海3県1市トップ会議、サミット協力確認?(岐阜県)
中京テレビ (2015年9月9日 )
9日、東海の3県1市のトップが集まり、伊勢志摩サミットや海外からの観光客誘致で連携強化を確認した。
岐阜県多治見市内で開かれた知事・市長会議。来年開かれる伊勢志摩サミットの取り組みについて意見交換が行われた。
開催県である三重県の鈴木英敬知事は、サミットを安全に開催するため警察や消防、医療要員について協力を要請した。
これを受け、名古屋市は消防面で、岐阜県は警備面での協力を確認した。
愛知県は各国首脳への歓迎や外国メディアへのPRなどについて提案した。また、海外からの観光客を増やそうと、セントレアへの国際路線の新規就航の働きかけや名古屋港などでクルーズ船の誘致についても取り組んでいく方針だ。
志摩市で「第1回伊勢志摩サミットフォーラム」 北海道副知事もゲストスピーカー
伊勢志摩経済新聞 2015年09月06日
主要国首脳会議が来年5月26日・27日に開催されることが決定している志摩市の生涯学習センター(磯部町)で9月5日、サミットについて県民の理解を深めるため第1回「伊勢志摩サミットフォーラム」を開催した。主催は、伊勢志摩サミット三重県民会議(津市栄町、伊勢志摩サミット推進局内)。??
同会議の会長を務める鈴木英敬三重県知事は「不安を安心に変え、より期待感を持ってより多くの県民が参加できるように取り組んでいきたい。三重県にとっても千載一遇のチャンス。飛躍の舞台に上がってそのチャンスをつかんでいきたい」と挨拶。安倍安倍晋三内閣総理大臣のビデオメッセージも流れた。??
1部では、外務省大臣官房伊勢志摩サミット準備事務局長の滝崎成樹さんによる基調講演があり、これまでのサミットについてなどを説明。「伊勢志摩サミットを成功させるには、首脳たちがリラックスしていい議論ができるように環境を整えること。世界中から約5000人のメディアが集結するこの機会に日本の魅力を発信したい」と政府の見解を伝えた。また「来週には国際メディアセンターについての決定事項を公表する」と明言した。??
2部のトークセッションでは、北海道副知事で洞爺湖サミットの時にはサミット推進局長を務めた山谷吉宏さん、2012年にアメリカ・キャンプデービッドで開催されたサミットに記者として参加したフィナンシャル・タイムズ東京支局長のロビン・ハーディングさん、エコツアー企画会社「海島遊民くらぶ」代表や鳥羽市の旅館「海月」のおかみを務める江崎貴久さんと鈴木知事の4人が、過去のサミット開催地から学ぶ、伊勢志摩の魅力と発信、県民総参加への取り込みの3つのテーマで話し合った。??
山谷さんは、北海道では2カ月でサミット関係者の宿泊は約50万泊になったこと、プレスセンターを2週間前から開設し警備を含む関係者に1日2万4000食の弁当を1カ月届けたことなど、電気を消してろうそくの火の光だけで過ごす「ガイアナイト」など今でも道民運動として継続されている事業があることなど具体的な話があった。ハーディングさんは、サミットにどういうメッセージを込めるかが大切とアドバイス。江崎さんは、地元の人はついつい伊勢志摩をアピールすることだけを考えがちになるが、日本を背負わなければならないことを自覚しなければならないと話した。??
鈴木知事は、「誘致したい思った理由の一つは、伊勢神宮式年遷宮を経験・体感しみんなが一丸となってやることでパワーアップしてひとつになることが大切。182万人の三重県民揚げて前に進んでいきたい。伊勢志摩でやってよかったと言えるサミットにしていきたい」と協力を呼びかけた。
伊勢志摩サミット、各国首脳どう運ぶ 賢島へ陸海空作戦
朝日新聞 (2015年9月4日)
伊勢志摩サミットまであと9カ月。各国首脳を愛知の空港で受け入れ、会場の三重・賢島(かしこじま)へどう運ぶか、両県は政府と検討を進めている。6500人と見込む各国の政府、報道関係者の移動も懸案。名古屋圏から志摩半島の先まで、陸海空の交通が総動員される。
「セントレアがすべての首脳のゲートウェー(入り口)になる」。愛知県の大村秀章知事は8月31日の記者会見で、各国首脳の入国が中部空港(セントレア)になるとして準備を急ぐ考えを示した。19日には首相官邸を訪れ、警備などで協力を求めている。
開催は来年5月26、27日。今年のドイツを参考にすると、多忙な各国首脳の中部空港着は前日か当日だ。伊勢湾岸を回る陸路は時間がかかるため、首脳らは政府専用機からヘリコプターに乗り換え、賢島に向かうことになりそうだ。
中部空港の受け入れ態勢が課題になる。今も65機分の駐機場は混み、中国路線など新規就航も相次いでおり、2016年度末に向け9機分をサミットが決まる前から増設中だ。各国首脳の到着ラッシュに対応するため、工事前倒しや、通常便の近隣空港への振り分けを迫られるかもしれない。
各国要人のヘリ輸送をどうさばくかも課題だ。08年の北海道・洞爺湖サミットでは新千歳空港から会場への移動のため、空港を自衛隊の十数機や米大統領専用のヘリが使った。中部空港では、発着のためのヘリパッドは2カ所だけだ。
そもそもヘリは悪天候だと飛べない可能性がある。その場合、政府専用機の到着は愛知県営名古屋空港とし、高速道路で会場へ向かう案もある。中部空港―賢島の陸路(約180キロ)より20キロ近くなる。
随行の各国政府関係者や報道陣も伊勢・志摩地域へ向かう。サミット中に最大で6500人と三重県は想定。東京や大阪から名古屋経由での移動も想定され、名古屋から先の近鉄やJR、高速道路は混みそうだ。中日本高速道路はサミット対応で、毎年5月下旬からの東名阪自動車道のリフレッシュ工事の時期を来年はずらす方針だ。
三重県は「中部空港からは高速船プラス高速バスが現実的で効率的」(鈴木英敬知事)とみて、県道の整備も検討。ただ、賢島への立ち入りは警備で厳しく規制されそうだ。封鎖されれば、島の中央にある近鉄・賢島駅への電車も手前で運行を止め、折り返し運転になるとみられる。
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報道センターはサンアリーナに サミット、5000人利用想定
中日新聞 (2015年9月9日)
外務省は八日、来年五月の伊勢志摩サミットで国内外の報道関係者が拠点とする国際メディアセンターを、伊勢市朝熊町の県営サンアリーナに設置すると発表した。
外務省によるとメディアセンターは、二〇〇八年の洞爺湖サミットと同規模の五千人程度の利用者を見込む。各社のブースやテレビ局向けの国際放送センターのほか、県内の地域情報などを発信するスペースの設置も予定している。
サンアリーナは一九九四年に完成。一万一千人収容のメーンアリーナ、国際会議室などを備え、スポーツの大会や見本市に使われている。二○一七年の全国菓子大博覧会、二一年の三重国体でも会場となる予定。
発表を受け、アリーナを管理するスコルチャ三重(伊勢市)の山本久徳常務は「世界への発信の場に使われるのは誇らしい。無事に開催されるようサポートしたい」と歓迎。伊勢市企画調整課の辻浩利課長は「正式に決まり、動きやすくなる。周辺整備などがうまく進むよう調整していきたい」と話した。
(川原田喜子)
◆ジュニアサミット、鈴鹿市も開催要望
来年五月に開かれる伊勢志摩サミットをめぐり、鈴鹿市は八日、サミットの関連行事「ジュニアサミット」を同市で開くよう県に要望した。末松則子市長や市関係者が県庁を訪れ、石垣英一副知事に要望書を提出した。
ジュニアサミットは世界の中高生が国際問題を議論する。同市は会場として鈴鹿サーキットを想定。要望では英語教育に力を入れる小学校を交流の場として提供したり、茶摘み体験をしてもらったりすることも提案。北勢地域を中心に、県内全域に波及効果が及ぶようにも求めた。
要望書ではさらに、市の推薦食材として「鈴鹿抹茶」「鈴鹿のたまご」「さくらポーク」などの十品目を挙げた。
県は外務省にジュニアサミットの県内開催を要望。鈴鹿市をはじめ八市が地元誘致に意欲を示している。
(相馬敬)
<サミットを読む 地元は今…>(上) 準備始動
中日新聞 (2015年9月4日)
来年五月に志摩市で開催される伊勢志摩サミットまで九カ月を切った。準備期間が限られ、概要や警備体制など情報が不足する中で、住民の間には期待と不安が交錯する。歓喜に沸いた開催地決定から三カ月。受け入れの準備を進める伊勢志摩地域の動きを探った。
「これまで何十年とかけて志摩を発信しているが、サミット決定で瞬く間に世界中に志摩が浸透した。あらゆる国から注目されている」。志摩市の大口秀和市長は先月二十四日の鈴木英敬知事との対談で、伊勢志摩サミット決定による知名度アップの手応えを口にした。
主会場となる予定の賢島はメディア露出が増え、この夏の観光客は増加した。島内にある水族館「志摩マリンランド」ではサミットが決定した六月から来館者が増え始め、七月の来館者数は前年比23%増の一万七千人に上った。
隣接する鳥羽市は開催地決定から間もなく、各国首脳の夫人が集う配偶者プログラムの誘致を目標に据えた。木田久主一市長は「開催地の志摩市、伊勢神宮がある伊勢市の間にある鳥羽市にとって、夫人が参加する配偶者プログラムが一番大きい」と強調。鈴木知事に誘致を要請した。
地元が期待しているサミット効果。開催前後は数万人といわれる警備やメディア関係者が訪れ、宿泊や飲食などの需要が高まる。メディアに取り上げられることで知名度が上がり、開催後の国内外からの観光客の増加も見込まれる。この商機をつかもうと民間企業からはサミット関連商品も続々と登場している。
伊勢市は幹部を中心とした職員二百人から、市ができる取り組みについて提案を募集した。鈴木健一市長は「斬新なアイデアも多く集まった。サミットは職員や市民が新しいものを創造できる絶好の挑戦の機会でもあると改めて実感した」と話す。
二〇一三年に営まれた伊勢神宮の式年遷宮後、伊勢志摩地域を訪れる観光客は減っているだけに、伊勢商工会議所の増田敏宏事務局長(56)も「遷宮の二十年サイクルで地域の景況が落ち込み始める時期にサミットが重なった」と歓迎し、「外国人観光客を呼び込めれば、より効果は大きい」と期待を込める。
鳥羽市はサミット後のまちづくりも見据え、全国最多の約五百人の海女が活躍している市を「日本一海女の多いまち」として情報発信に乗り出した。中部国際空港への看板設置、東京都営バスのラッピングなどで海女文化をPRする。
サミット後、来秋には志摩半島の四市町を区域とする伊勢志摩国立公園が指定から七十周年を迎え、翌年春には伊勢市で全国菓子大博覧会を控える。伊勢市企画調整課の辻浩利課長(52)は「さらに国体、東京五輪と続き、伊勢志摩地域の国内外への情報発信の流れを作りたい」と意気込む。
伊勢志摩サミット 日本の歴史と国柄 内外で再確認される機会に
産経WEST 2015年7月17日
民俗学者、折口信夫(しのぶ)(1887~1953年)が見た光景から始めたい。
若いころ、折口は三重の伊勢志摩方面を旅した。太平洋を望む大王崎(志摩市)という岬に立ち、光を含んだ海をながめた。海のかなたに魂のふるさとを見た気がした。神話でスサノオノミコトが母を慕って激しく泣いた妣(はは)の国を折口はそこに重ね、また古代人があこがれた不変の国、常世(とこよ)に思いを巡らせた(「妣が国へ・常世へ」)。
常世は古代からある言葉。「日本書紀」によるとアマテラスオオミカミは伊勢の国をして「常世の浪の重浪帰(しきなみよ)する国」とし、「是(こ)の国に居(を)らむと欲(おも)ふ」とした。伊勢神宮にまつられるゆえんである。
筆者も何年か前、大王崎を訪ねたことがある。快晴だった。澄んで広がる海と空は、確かにかなたの常世を感得させた。祖先を動かしていた力は今もなおわれわれの心に生きていると信じる、そう折口は先の文章で書いている。筆者なりにいえば、高潔なもの、神々しいものを仰ぐ精神の働きが、連綿とこの国の人のうちに流れている。
自由、民主という価値
こんなことから書き始めたのはほかでもなく、来年の伊勢志摩での主要国首脳会議(サミット)開催を機に、何かにつけこのような日本の歴史と国柄が再確認される機会が増えると思うからである。しかしまず、現代の国際情勢のなかでサミットが持つべき意義を確認しておきたい。
世界が急速に流動化し、主要国とそれ以外の国々、という構図が色あせかけているようには見える。主要8カ国(G8)からはずされたロシアのプーチン大統領は、現在のG7を「利害を共にするクラブにすぎない」と批判した。中国が従来の国際秩序を塗り替えようとしていることは、南シナ海での埋め立てなどに見る通りである。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、イギリスなどG7諸国からもなし崩し的な参加があった。
しかしこれをもってして、G7にはすでに世界をリードする力はないとするのは早計にすぎる。G7は自由や民主といった価値を共有してきた国々である。その価値が世界中あまねく実現されているとはいえない現代、むしろそれが危うくすらなっている時代に、G7が担うべき役割はなお大きい。
ことに6月、ドイツで開かれた今年のサミットは、このような流動的な時代に日本が立つべき位置をはっきりと示した。安倍晋三首相は議論をリードし、南シナ海での埋め立てに「強く反対する」との首脳宣言を導いた。AIIBについても警戒を促した。安倍外交が世界をリードしているといってよい。来年、サミット開催国として日本に期待される役割はさらに大きくなろう。
戦後の束縛を脱する
しかし先に記したように筆者は、何にもまして日本の歴史、国柄がこの機会に内外で再確認されることを願う。伊勢志摩での開催を発表した際、安倍首相は伊勢神宮の存在を強調し、日本の精神性に触れてほしいと述べた。私たちも、自らの来し方に思いをこらしてみたい。
戦後の折口の詩集に「神 やぶれたまふ」という詩がある。「神こゝに 敗れたまひぬ」と始まる、痛々しい詩である。スサノオもオオクニヌシも宮を出てさすらっておられる、と。
単なる修辞ではあるまい。終戦直後から、日本の「精神的武装解除」(当時のバーンズ米国務長官)を図るため、連合国軍総司令部(GHQ)は日本の徹底した改革を進めた。憲法、教育、報道検閲など多岐に及ぶ。以前も当欄で触れたが宗教に関しては終戦の年の12月、いわゆる神道指令を出した。国や自治体、あるいは公教育が神道にかかわることが禁じられた。神道に関する慣例や礼式、神話、伝説までその対象になったのだから、ほとんど神々の追放であったといってよい。
そのように敷かれた軌道の上を独立後も歩んできたのは、日本人自身である。神道を戦争と結びつけてことさらにまがまがしくみなす勢力が、日本にはあった。神社への公費支出などが違憲に問われる訴訟が起こってきたのも、そんな背景を持つ。
しかしあえていえば、神々は敗れてなどいなかった。それは若い折口が大王崎で感知したように、神々しい世界を感じ思慕する精神が日本人のなかに連綿と流れているから、としかいいようがない。GHQのさかしらな宗教改革などが及ばない、はるかな高みにこの国の神はいたともいえる。
反米的になる必要はない。しかし戦後のいわばからくりは、きちんと知っておきたい。そのうえで自国の国柄を自覚し、世界に貢献する道を日本は選ぶべきだろう。来年のサミットはその過程にすぎまい。
最晩年、折口は鳥羽市にある県立鳥羽高校の校歌を作詞した。曲を付けたのは信時潔(のぶとき・きよし)。「海ゆかば」、交声曲「海道東征」の作曲で知られる。いずれも戦後封印されていたが再評価されている。校歌の曲調は明るく弾んでいる。「青一(ひと)色の海原に」と歌われるその海原のかなたに、折口は常世を見ていた気もする。海と空と山がなす日本の原風景的な伊勢志摩の景観とともに、古代にも連なる神聖さが継がれていることを私たちは誇りとしたい。 (大阪正論室長・河村直哉)
志摩市のふるさと納税、サミット効果 1カ月で7年分
朝日新聞-2015/07/11 荻野好弘
来年の伊勢志摩サミットの開催地、三重県志摩市への「ふるさと納税」が急増している。市がお礼として特産品の提供を6月から始めた直後に開催地に決定したこともあり、申し込みは、1カ月で1年間の見込み額の3千万円を超えた。
ふるさと納税制度による寄付に対し、礼状だけを送っていた市は、「ブームに乗り、地場産業を支援できれば」と方針転換。6月1日から海産物や真珠製品などの返礼品を送ることにした。サミット開催地に決まったのは5日だった。
反応はすぐに表れた。市によると、返礼品の紹介サイト「ふるさとチョイス」の1日当たりのページビューは、6月1~4日で635~719件だったが、5~8日には1049~1264件に跳ね上がった。
市ホームページへのアクセスも増え、寄付申し込みは1~5日の1日当たりの平均22件58万円から翌週は32件132万円に急増。月末までに804件3141万円が集まり、同制度が始まった2008年度から昨年度までの7年間の合計額2141万円も上回った。
(残り:299文字/本文:733文字)
サミット名称、知事が提案 「賢島でなく伊勢志摩に」
西日本新聞 (2015年07月14日)
2016年に主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれる三重県の鈴木英敬知事が14日、共同通信のインタビューに応じ、開催地決定時に首相官邸側から、会場となる志摩市賢島から取った「賢島サミット」との名称を提示されたが、鈴木氏が「伊勢志摩サミット」と逆提案したと明らかにした。
鈴木氏によると、6月5日夕、開催地を公表する約20分前に安倍晋三首相から電話で、賢島を選んだと伝えられた。直後に秘書官から電話で「名称は『賢島サミット』でいいか」と問われたが、鈴木氏は「『伊勢志摩サミット』でお願いします」と答え、正式名称に決まった。広域性を持たせたかったという。
#三重 #動画
タイトル
伊勢志摩サミット賢島(三重県)
ディスクリプション
来年(H28)賢島でサミット... http://t.co/HDdG3MdDjX http://t.co/6AYwnlIpml
三重プレクサス @MiePlexus? 2015-09-02 16:36:03 ???
外国人観光客に観光地は熱視線
中日新聞 2015年6月6日 夕刊
三重県の伊勢志摩地域では、サミット開催が世界に名を売り込む「ポスト遷宮」の
一大イベントになる。数百億円規模とも言われる経済効果に地元経済界からは期待と
不安の声が入り交じる。
志摩市のリゾート施設「志摩スペイン村」を経営する近畿日本鉄道の広報担当者は
「波及効果は未知数だが、活性化につながるはず」と話す。
近年では、伊勢神宮の式年遷宮の効果で百四十万人を突破した二〇一三年の観光客数が最も多い。
「今後、サミットに絡めた催しや商品も展開していくのでは」と、遷宮時の再現に期待を込めた。
一方で慎重な声も。サミット会場が予定される賢島の近隣の旅館やホテルが加盟する
賢島旅館組合の大東珠光組合長(65)は「志摩」の知名度アップを歓迎しつつ、
「大きなホテルは集客が見込まれるが、四十~五十人規模の旅館は正直に言って
効果が読めない」。サミット期間中は警備強化で交通の便が悪化することも不安要素に挙げた。
「遷宮が終わって休眠状態だったので、いい刺激になる。日本だけでなく世界中の人に
来てもらえるようになれば」。伊勢市の伊勢神宮内宮前の土産物店「岩戸屋」の
牧戸福詞社長(65)は大きな期待を寄せる。
内宮前の「おはらい町」は朝から多くの観光客でにぎわうが、一千万人以上の参拝者を
集めた遷宮が終わり、今年の春は一昨年や昨年よりも大幅に客足が落ちているという。
「V字回復」のカギとして注目するのが、「観光立国」の掛け声と円安で増加傾向に
ある外国人観光客。世界の首脳が集うとなれば、海外へのPR効果は計り知れない。
牧戸さんは「外国語でのおもてなしや人気の商品をそろえるなどの対応を考えたい」と意気込む。
◆海女文化の発信 遺産登録に弾み
サミット開催に、海女漁の国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を
目指している伊勢志摩地域の海女関係者は「登録に向けて弾みがつく」と期待を膨らませている。
同地域には国内最多の七百人を超える海女がいる。鳥羽、志摩両市の海女でつくる
海女保存会の三橋まゆみさん(66)は「各国の首脳に、ここで海女の素潜り漁
が昔から続いていることを知ってもらい、登録につながってほしい」と願う。
無形文化遺産への登録は、日本と同様に海女漁がある韓国・済州島からの働きかけで
二〇〇七年に動きだした。日本側の窓口になっている海女振興協議会の石原義剛さん(77)も
「サミットが開かれれば海女文化が注目される。世界の首脳に認められれば登録が
促進されるのでは」と歓迎した。
◆「喜び湧いてきた」鈴木・三重県知事
サミット誘致の中心となった鈴木英敬三重県知事は六日、同県尾鷲市の会合であいさつし
「昨日は身の引き締まる思いが強かったが、けさ、シャワーを浴びている時に喜びが湧いてきた」
と朗報をかみしめた。
鈴木知事は、決定前日の四日が長男の三歳の誕生日だったことを明かし
「翌日のビッグプレゼントになった。新聞をとっておき、大きくなったら見せてあげたい」と笑顔。
「子どもたちが、サミットが開かれる自分たちの地域が、どんな地域かを知るきっかけにしたい」と述べた。
伊勢志摩サミット開催記念イベント 賢島シーカヤックツアー http://t.co/HAy6VesEzq
観光三重 @kankomie_bot? 2015-09-02 15:27:34 ???
賢島サミット開催地PRポイントは①4千年続く海女文化②二千年続く伊勢神宮③シャパンジュエル真珠④参宮街道、熊野古道,古道文化⑤多島海の景色と御座国府等のビーチ④伊賀忍者文化⑤松尾芭,...
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知恵袋問題集 BOT @Gene_cc? 2015-09-06 13:48:54 ???
2015-09-02 19:10
伊勢志摩サミット ロゴ
3つのロゴ乱立「どれを使えば…!?」 三重県・志摩市も独自作成、関係者困惑「まず開催に関心持って」
産経WEST 2016.3.6
5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え、開催をPRするロゴマークが複数存在していることに、開催地の三重県内を中心に戸惑いが広がっている。ロゴをめぐっては、政府版の決定より早く、三重県などのサミット三重県民会議が独自ロゴを作成。主会場の賢島を抱える同県志摩市もロゴを決めており、PRに役立てたい関係者らは「どれを使えばいいのか」と頭を悩ませている。
政府のロゴは、小中高生らを対象に公募し、昨年12月28日に応募作7084点から大分県立鶴崎工業高校3年、宇津宮志歩さん(18)の作品を安倍晋三首相が選び、決定した。外務省から承認を受けた約100団体が商品などに使用している。
一方、三重県は政府版の決定が昨年末だったことから、少しでも早く独自ロゴを作ってPRに乗り出そうと、県民会議が昨年10月にデザインを決定。現在約150社、約千点の商品で使われているという。デザインは、2008(平成20)年の北海道洞爺湖サミットのロゴを考案した三重県四日市市在住のデザイナー、近藤敦也さんに複数案を依頼し、インターネット投票などを経て発表された。
さらに、志摩市も昨年9月、平成26年の市誕生10周年で作ったロゴをサミット版として一部変更し、イベントなどで活用している。
3つのロゴが乱立する状況に、伊勢市の菓子製造業者は「後から政府のロゴが登場して、どれが良いのか分からない…」と困惑気味だが、「地元への貢献として県民会議のロゴを使っている」と話す。
こうした声に対し、県民会議事務局は「どれを使ってもらっても構わない。まだサミット開催の意義がすべての県民に浸透していないので、関心を持ってもらえれば」と説明している。
サミットロゴ案、優秀賞 西本さん(松山高浜中)
愛媛新聞ONLINE 2016年1月12日
5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のロゴマーク案の最終候補6点の一つに、高浜中学校3年の西本帆波さん(14)=愛媛県松山市新浜町=の作品が選ばれ、最優秀賞に次ぐ優秀賞に輝いた。全国の小中高と特別支援学校からの公募で集まった7084点からの選出に、西本さんは「驚いたけど素晴らしい賞をもらえて感謝」と喜ぶ。
作品は、青い水平線と昇りゆく赤い太陽で「日出(い)づる国日本」を表現したデザイン。「G7」に見立てた、七つに分かれて波打つ水平線に、鳳凰(ほうおう)の羽根のイメージを重ね、強く美しい日本を強調した。
西本さんは美術部で「中学校最後の記念に」とロゴ案への応募を決意。「日本の素晴らしさをイメージした作品」という募集要項の条件に近づけようと、日本の情報や外国人からみた印象などをインターネットで調べることに時間をかけた。
入念に類似の有無確認、サミットロゴに高3作品
(読売新聞2015年12月28日)
政府は28日、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のロゴマークを発表した。
全国の小中高校と特別支援学校の児童・生徒の応募作品7084点から、桜や青い海をモチーフにした大分県立鶴崎工業高校3年の宇津宮志歩さん(18)の作品が選ばれた。
安倍首相は同日午前、首相官邸で開かれた表彰式で「日本の美しい自然がシンプルに表現されている」と評価した。ロゴマークは伝統や文化、美しい自然など日本の素晴らしさをテーマに募集。選考会で6点に絞り込み、首相が最終決定した。
宇津宮さんの作品はサミット参加国数の七つの桜の花びらが日の丸を囲み、背景で伊勢志摩の海を表現した。宇津宮さんは「美しい海は世界につながる。これからも世界が平和であるように」との思いを込めたという。
今回の選考は、2020年東京五輪・パラリンピックのロゴマークで盗用疑惑が持ち上がったことから、入念に類似品の有無を確認した。著作権や商標登録のチェックのほか、インターネット上での調査も行ったという。
安倍首相、サミットロゴ決定へ
産経新聞 (2015年12月28日)
政府は28日、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)ロゴマークの発表・表彰式を官邸で開く。安倍晋三首相が出席し、公募作品から最優秀賞の1作品を採用する。
ロゴマークは、全国の小中高校と特別支援学校の児童・生徒を対象に募集し、7084点が寄せられた。採用作品は首脳会議のほか、全国10カ所で開催される関係閣僚会合でも使われる。当初は来年1月に発表予定だったが「年内に決めて、サミットの年頭を新たな気持ちでスタートしたい」(政権幹部)として前倒しした。
<伊勢志摩サミット>ロゴは大分18歳宇津宮志歩さん作品
毎日新聞 2015年12月28日
政府は28日、三重県で来年5月に行われる伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)のロゴマークを、大分県立鶴崎工業高3年の宇津宮志歩さん(18)の作品に決定した。首相官邸で行われた表彰式で、安倍晋三首相は「日本の美しい自然がシンプルに表現されている」と述べ、宇津宮さんに表彰状を手渡した。
中央に日の丸を模した赤い丸を配し、主要7カ国を桜の花びら7枚で表現。青い背景は伊勢志摩の海が世界につながっていることを表現した。
宇津宮さんは表彰式後、記者団に「両親や指導してくれた先生に感謝の気持ちを改めて伝えたい」と喜びを語った。作品の狙いについて、「桜の花びらを七角形にレイアウトし、7カ国が平等であることを表現した。世界が平和であるように思いを込めた」と話した。卒業後は歯科衛生士を目指すという。【前田洋平】
伊勢志摩サミット ロゴマークに大分の高校生の作品を採用 「平和」祈り込め
産経新聞 (2015年12月28日)
政府は28日午前、来年5月に三重県で開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で使用するロゴマークに、桜や海をモチーフとした大分県立鶴崎工業高校(大分市)3年の宇津宮志歩さん(18)のデザインを採用すると発表した。首脳会議と、全国10カ所で開催される関係閣僚会合で使用する。
安倍晋三首相は同日の表彰式に出席し、「世界のリーダーたちに、ロゴマークに表現されている志摩の豊かな海を見てもらいながら、日本と世界の平和と繁栄のために大いに語り合いたい」と抱負を語った。
採用作品は、中央の赤い丸が日の丸で、背景は伊勢志摩の海を表現し、桜の花びらをちりばめ、サミットに参加する7カ国を表した。宇津宮さんは「海は世界につながっている。世界が平和であるよう祈っている」というメッセージを込めたという。
伊勢志摩サミットロゴ、高3女子の作「平和の思い」
日刊スポーツ (2015年12月29日)
政府は28日、来年5月に三重県で開催する主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のロゴマークを発表した。全国の小中高生などから7084件の応募があり、大分県立鶴崎工高3年、宇津宮志歩さん(18)の作品が採用された。日の丸の周りに、参加国数と同じ7枚の桜の花びらをあしらい、背景に青い海を表現。最終的に残った6点から選んだ安倍首相は「美しい(日本の)自然がシンプルに表現されている」と評価した。
首相は表彰式で「伊勢志摩の豊かな海を世界のリーダーに見てもらいながら、大いに語り合いたい」と強調。宇津宮さんは「世界が平和であるようにと思いを込めました」と話した。
「伊勢志摩サミット」のロゴ、候補6点に
読売新聞 2015年12月12日
来年5月の主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」のロゴマークを選考する審査委員会は11日、首相官邸で会合を開き、候補を6点に絞り込んだ。
安倍首相が、早ければ年内にも最優秀作品1点を決めて、発表する。
選考会は、11月の前回会合で、小中学生らによる7000点超の応募作品から、14点まで候補を絞り込んでいた。座長でアートディレクターの佐藤可士和かしわ氏は11日の会合後、記者団に対し、「レベルが高く、バリエーションのある6点を選ぶことができた。首相は迷うかもしれない」と述べた。
サミットのロゴ、透明性重視…五輪の混乱踏まえ
読売新聞 (2015年9月2日)
来年5月の主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」のロゴマークを選考する審査委員会の初会合が2日、首相官邸で開かれた。
2020年東京五輪の大会エンブレムを巡る混乱を踏まえ、審査では透明性や公平性を重視する方針を確認した。
会合には、政府関係者のほか、三重県の鈴木英敬知事やファッションデザイナーのドン小西氏、社会学者の古市憲寿氏ら7人の有識者が出席した。座長に選ばれたアートディレクターの佐藤可士和
かしわ氏は会合後、「国民の理解を得られるような審査過程にしようと話をした。国民に愛されるマークになってほしい」と語った。
ロゴマークは小中高生を対象に今月25日まで募集している。政府は同委員会での選考を経て、年明けにも決定する予定。
伊勢志摩サミットのロゴ審査ピリピリ「間違いないよう」
朝日新聞-2015/09/02
来年5月にある伊勢志摩サミットのロゴマークを審査する有識者懇談会の初会合が2日、首相官邸で開かれた。2020年東京五輪・パラリンピックのエンブレム使用中止が決まった直後だけに、懇談会も緊張感が漂い、「五輪のようにはしてはならない」などの発言も相次いだ。
懇談会は政府が主催し、この日は選考の方法や日程について意見が交わされた。クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏、ファッションデザイナーのドン小西氏、社会学者の古市憲寿氏らが出席。ドン小西氏は「オリンピックが大変なことになって、ネットで炎上している。間違いのないように選考したい」とあいさつ。古市氏も「できるだけ透明で納得できる形で選ぶのがいい。炎上騒ぎには絶対にするべきではない」と続いた。
佐野氏師匠の佐藤可士和氏、伊勢志摩サミットロゴ選考で座長
スポーツ報知 (2015年9月2日)
政府は2日、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)のロゴマークを選考する有識者らの初会合を官邸で開いた。座長には、撤回された東京五輪エンブレムの作者・佐野研二郎氏が博報堂時代に師事していた、クリエーティブディレクターの佐藤可士和氏が座長に就任。五輪エンブレム撤回を念頭に、審査の透明性を重視していくことを確認した。
小中高校生らから作品を募集している。会合後、佐藤氏は「透明性と公平性に重点を置く。国民に愛されるマークになってほしい」と話した。
終了後、鈴木英敬三重県知事は「サミットは短期間であり、やり直しはできない。政治的にも重要な会議で、混乱がないように十分留意をしてほしい」と記者団に語った。ロゴマークは、小、中、高校、特別支援学校などの児童・生徒が応募した作品のなかから選ぶことになっており、今月25日まで受け付けて
いる。(冨名腰隆)
伊勢志摩サミットのロゴも慎重に審査ってか・・・東京五輪のこともあるしね
四十肩さとやん@目標8.21 @ssf7_horse_rail 2015-09-02 17:12:25
伊勢志摩サミットのロゴ?知事の顔のイラストでええやんか。
( ̄▽ ̄)
大黒屋 @daikokuya_udai 2015-09-02 17:10:30
伊勢志摩サミットロゴ選定委員に、ドン小西さん、登場。w 三重県出身で観光大使を務めたりした華麗な履歴。w
閑居 @doatease2313 2015-09-02 14:57:17
サミットにロゴマークが必要だろうか? > “@doatease2313: 折も折、「伊勢志摩サミット」ロゴマークも選定プロセスに入って、大変だー。w 官邸に勢揃いした選定委員の面々も神妙な面持ち。w”
kenyama @kenyama 2015-09-02 14:56:43
折も折、「伊勢志摩サミット」ロゴマークも選定プロセスに入って、大変だー。w 官邸に勢揃いした選定委員の面々も神妙な面持ち。w
閑居 @doatease2313 2015-09-02 14:46:13
さて
来年の伊勢志摩サミットロゴは「お友達からの公募」やったっけね
(原案で実際に使えるように、デザイナーが修正するやろうけど
ikadanna @ikadanna 2015-09-02 11:09:10
まって伊勢志摩サミットの審査員ってなに?またロゴ考えるのに無駄な税金使うってこと?てかロゴいるの?必要じゃないものに税金かけてんじゃねえよふざけんな。
ユキト @hellbuddha 2015-09-01 23:17:44
伊勢志摩サミットのロゴマークは児童生徒から募集してんだから→ http://t.co/c3pYAHMDoR オリンピックも子供に限定するかはともかくとして広く一般公募してもよかったのにね
皇后ぺんぎん @empress_penguin 2015-09-01 22:55:37
伊勢志摩サミットみたいにロゴを子供から募集ってええなぁって一瞬思ったけどそればっかりすると佐野さんみたいな人は職を失うんだな。。。
Yuichiro Yamamoto @you1ro1979 2015-09-01 22:37:25
伊勢志摩サミットのロゴも募集中です(小中校生限定)!どこかのスポーツ大会と同じような騒ぎが起こらないように、とにかく審査過程を透明にしようよ!とは言っておきます(僕もなぜか審査員なので)。。。
http://t.co/VGzbxwCUgq
古市憲寿 @poe1985 2015-09-01 20:41:28
パクリロゴの使用中止は安倍さんのおかげだ
遠藤大臣は猛省しろ!
これが伊勢志摩サミットのロゴだったら大変なことになってた
サミットのロゴは小中高校生からの募集だけど工作員は小中高校生の名前をつかって日本を侮辱する変なデザインを紛れ込ませてくるかもしれないので官邸は審査に要注意です
HAM @NEWS_HAM 2015-09-01 18:46:07
@shirokumakotaro 今日、専門家(伊勢志摩サミットロゴの選考委員とか)が言ってたのは、こういうコンペの場合、修正させる事はあり得ないんだって。修正が必要=落選。で次点の人になるはずが、なぜか2回も修正をさせてると。佐野氏ありきだったのではって言ってた。
ふにっと @mpipanda 2015-09-01 18:26:37
マスコミでも取り上げたけど、この梅野隆児さんのデザイン私案の方の方が日本を感じさせる素敵なデザインだと思う。
伊勢志摩サミットのロゴは、小中学高生からの公募にして良かったかも。
胸張って気持ちよく東京五輪を歓迎、盛り上げたいし。 https://t.co/EBd6BYtZor
moetabi @moetabi_live 2015-09-01 13:14:50
いきなり伊勢志摩サミットのロゴ書いてと言われましても笑
しおり @0206_oor 2015-09-01 10:48:39
伊勢志摩サミットのロゴマーク募集要領 | 首相官邸ホームページ http://t.co/mp1424oTG1 http://t.co/hy1PPYGcLe
Q-Tommy @Tommy0079 2015-08-31 19:53:59
2015-09-02 17:20