人が妖怪を好きになる。
そんなことが有って良いのだろうか。
最近私はそんな事ばかり考えてしまっている。
妖怪を好きになるなんて、博麗の巫女としてあるまじき事。
それでも私は、あいつの事ばかり考えてしまう。
何を考えてるのか分からない、あいつの事を。
そして何故か、あいつはこういう時に限って姿を見せるのだ。
「またぼーっとしてるのね、霊夢」
「…考え事をしてただけよ。何か用?」
嬉しさと気恥ずかしさで顔が赤くなりそうなのを抑えながら返事をする。
「あら、冷たい反応。まぁそうね、さっさと用事を済まそうかしら」
「用事って?」
「今日はあなたにお仕置きをしなくては、と思いまして」
「…は?」
なんで私が紫にお仕置きされなければならないのだろうか。
「霊夢。あなたは巫女という立場でありながら神をないがしろにし過ぎている」
「何の事…?」
「先日の落雷で割れてしまった木…あそこに神を呼んだでしょう」
「あ…」
すっかり忘れてしまっていた。
「あの木には確かに神が宿った。にも関わらずあなたはそれを忘れ、神は力を失った」
「…」
「だから、あなたにはちょっと痛い目にあわせて懲りて貰います」
紫は話しながら距離を取る。
「それで、何をするの?」
「今から殺さない程度の本気で勝負をしましょう。それであなたが勝ったら無罪放免。負けたら、その時は…」
「その時は?」
「負けてからのお楽しみ」
それは卑怯だと思う。
しかし今回は自分にも非が有るので、何も言えなかった。
「さて、始めましょうか」
にこりと笑って、何もしない紫。
なにをしてくるか分からない。
しかし、仕掛けなければどうせ勝ちは無いだろう。
ならば…
「言うだけ言って何もしてこないのね。だったら…」
先手必勝!
「はぁぁぁっ!」
使うスペルは、夢符「封魔陣」。
もちろん、こんなスペルで紫が倒せるなどと思ってはいない。
これは、後の布石。
「なるほど、まずは結界で動きを制限してくるのね」
紫は結界に触れぬよう動きながらこちらの考えを読もうとしている。
回避に専念しているのか、攻撃は来ない。
「余裕じゃない。早めに仕掛けないと後悔するわよ!」
挑発しているが、その理由はあまり動かれたくないからだ。
先程の封魔陣は、周りに結界を巡らせると同時に札を隠してある。
そこから次のスペルを撃つ予定だが、多少発動に時間が掛かる上に完全に紫が範囲内で無ければ意味がない。
なので出来るだけ私自身に目を向けさせようと言うのが本音だった。
「ふふっ」
相変わらず紫は動こうとしない。
冷静にこちらを見続けている様だ。
こちらとしては好都合ではある。
既に次の準備は整った。
後は必勝のタイミングで仕掛けるのみ。
その為には、考える余裕を無くさせる…!
「それなら、これよ!」
紫では無いが、境界を用い相手の背後に瞬間的に移動し、直接打撃を狙う「亜空穴」。
「「キマイラの翼」…」
蹴りが当たる直前に紫の姿が消える。
そして、先程私が居た辺りに紫が現れていた。
「っ!準備してたなんてずるいじゃない!」
「これ位の事は仕込んでおくものですわ」
私が動き始めてから、仕掛ける様な素振りは無かった。
ならば必然的に始まる前に仕掛けたという事になる。
「でも、それじゃ甘いわ」
そう、これ位の事は読めていた。
だから、次の手は自分自身の居た場所に仕掛けておいたのだ。
「神技「八方龍殺陣」!」
「あら?」
封魔陣と同時に置いた札が、強烈な光を発する。
光は八方向を巡り、範囲内に居る相手を襲う結界となる。
「それこそ甘いのではなくて?」
紫は至極当然と言わんばかりに結界を抜ける。
「博麗の結界も所詮は境界。私に抜けられない道理は有りませんわ」
「そうね、だから、これが最後の一手よ」
抜けられる事も、折込済み。
最後の一手は、力。
「宝具「陰陽鬼神玉」」
対妖怪、対人共に使用できる、陰陽玉を用いた半物理攻撃。
「なかなか良い作戦だったわ。私が相手と言う事を除けば」
「なっ…!?」
紫は、持っていた傘を自らの前に開いた。
ただそれだけの事で、陰陽玉がそれ以上先へと進まない。
「そんな、まさか…」
「呆然としている暇は無くてよ、霊夢。周りを見て御覧なさい」
言われ、周囲に目をやる。
360度全てから得体の知れない瞳がこちらを見ていた。
「魔眼「ラプラスの魔」」
紫が言葉を紡いだ次の瞬間、全ての眼から光弾が発せられる。
「っく!」
避ける事は出来ず、結界も使えない。
これに対抗するには、これしかない。
焦る気持ちを静め、目を閉じ、集中する。
ふっ、と身体が軽くなる。
この世の全てから乖離する様な浮遊感。
名付けたのは、魔理沙。
私のとっておき。
「「夢想天生」」
次の瞬間、全ての光弾が私を通り抜ける。
そして、無数の札が紫を襲う。
その後、私は地に膝をつく。
「はぁ、はぁ…」
強力なスペルを連発した為、立っている事も出来ない。
「…」
周囲を伺う。
紫の姿が見当たらないのだ。
まさか、私はやりすぎてしまったのだろうか。
「紫…?」
「呼んだかしら?」
とん、と後ろから扇子を当てられる。
「どうやって、避けたの?」
「それは…」
札が紫を襲う。
しかし、札は紫には当たらず、まるで紫を避けるかの様に左右に分かれていく。
「捌器「全てを二つに別ける物」」
あの瞬間紫もまたスペルを発動していた。
「あれでも倒せないなんて…あんた弱点とか無いわけ?」
精一杯の悪態をついてみせる。
「霊夢にだけ特別に教えてあげましょう。私に弱点は…何にも無いのですよ」
やっぱりこいつは、ずるい。
「さて、私の勝ちですし、お仕置きですわね」
「…何をする気なのよ」
「私は何もしませんわ。あなたがするのです」
「どういう事…?」
紫は隙間から一着の服を取り出す。
「…巫女装束?」
「これを着なさい」
「それならもう着てるじゃない」
「いいから、こっちに着替えなさい」
良く分からないが、どうしてもあれを着る必要があるらしい。
仕方なく受け取って、中で着替える事にしよう。
着ていた服をたたみ、渡された装束に手を通す。
着慣れた感覚の中に、違和感を覚える。
「っ!これ…」
着てみてやっと気付いた。
この服には、決定的な違いが有った。
局部を覆う部分だけ切り取られている。
丸見えになってしまうのだ。
「なんなのよこれ…」
こんな服を着せて、紫は私に何をしろと言うのか。
紫の考えている事が全く分からない。
「着替えは済んだかしら?」
障子越しに紫が問いかけてくる。
「紫…あんた一体何考えてるの?」
「とりあえず姿を見せて貰えるかしら」
「こんな格好で出れるわけないでしょう!」
「大丈夫よ。今、ここには私とあなた以外誰も居ないし、入れない」
「どういう事…?」
「境界を弄ってあるわ。だから誰もこの神社には入れない。例え事件が好きな天狗だろうと、面白い事に首を突っ込みたがる魔法使いでもね」
…信用は出来ないが、おそるおそる障子を開ける。
空を見ても、普段あれほど飛んでいる鳥の姿が一羽たりとも見えない。
そして、雲ですらここの上を避けている様だ。
仕方なく、紫の前に出る。
「あら、似合ってるわ」
「こんなのが似合ってても嬉しくない…」
もっと違う時ならどれほど喜んでいたことだろう。
「さて、始めましょうか」
「何を…?」
「あなたにはこれから、神に奉納する演舞をその格好でしてもらいます」
「馬鹿な事言わないでよ!こんな格好で出来るわけない!」
今、私は胸も、あそこも、完全に露出してしまっているのだ。
こんな状態でまともな神事なんて、出来るわけが無い。
「それこそ神様に対する冒涜じゃない!」
「そうかしら?あなたは天照大御神の事を知らない訳ではないでしょう」
天照大御神…天岩戸に閉じこもってしまった、三貴子の一柱。
当然知らない訳では無い。
「それとこれが何の関係が有るのよ」
「天照大御神が天岩戸に閉じこもってしまい、世には災厄が訪れた。それに困った八百万の神は何とか天照大御神に出てきてもらおうとした」
「…」
「八咫鏡、八尺瓊勾玉を創り、祝詞を唱え…アメノウズメが踊った」
「それで…?」
「一説によるとこの時アメノウズメは胸や陰部をさらけ出した姿で踊ったそうよ」
つまり、それをやれという事なのだろうか。
「何でこんな事に…」
「言ったでしょう、お仕置きよ」
こうなったら紫は意地でも私にやらせるだろう。
気は勿論乗らないが、やるしかない。
さっさと終わらせる事を考えよう。
準備はすぐに終わった。
そもそもひとかけらも負ける気の無かった紫が、神事に必要な道具を揃えていたからだ。
身体を清める水を一振り。
口に含み、軽く口の中を漱ぐ。
「始めるわ…」
「私はここで見ているから、しっかりやるのよ」
集中し、演舞を始める。
普段は神事の時は本当に無の状態でするのだが、今回は違った。
一つの雑念が拭い切れない。
(こんな姿を、紫に見られてる…)
まるで痴女の様な格好で演舞している姿を、紫に見られているのだ。
霊夢の感情が、恥ずかしさとは別の感覚で支配されていく。
(あいつに見られて興奮してる…?)
顔が朱に染まり、息が荒くなる。
少しづつ動きは大きくなり、それに合わせ当然局部などはより見られる事になる。
(こんなにはしたない人間じゃないのに…でも、もっと紫に見て欲しい)
そんな事を考えていたせいで、紫が背後に迫っている事にも全く気がつかなかった。
「霊夢、集中しなきゃ駄目よ」
「やっ、あぁ!」
後ろから抱きしめられ、胸に触れられる。
「こんなに先を硬くして…こっちはどうなってるのかしら?」
「んぁぁ!ゆか、りぃ…!」
紫の手が私の股間に伸びる。
細くしなやかな指が私の陰部に触れ、なぞっていく。
「ふぁっ!んうぅ!」
「ふふっ、もうこんなに濡れてる。そんなに興奮してたの?」
「そんなことっ…あぁぁっ!」
否定の言葉は紫の指の動きで止められる。
「言いなさい。どうしてこんなにびしょびしょなの?」
「んあぁ!それ、っはぁ…」
「それは?」
「ゆか、りにぃ!ゆかりにっ、みられてたからなのぉっ!」
「ふうん、私にこんな姿を見られて興奮してたのね」
「やあぁっ!ゆ、かりぃっ!もっと…もっとしてぇ!」
普段の私からは考えられない様な言葉が無意識に飛び出す。
「こんなにひくひくさせて…もうイっちゃいそうなの?」
「ふぁぁぁ!っく、る…き、ちゃうっ!」
「そう。じゃあ神様にはしたない巫女の聖水、捧げてしまいなさい」
「ひっ、あぁぁ!だめっ、でちゃ、でちゃうぅぅっ!」
まるでおしっこをするかの様に潮が噴き出す。
下半身に力が入らず、紫にもたれ掛かる。
「いやらしい子ね、霊夢は」
「いわ、ないで…」
「そうだ、一つ良い事を教えてあげましょう」
良い事…?
「私がちゃんと境界を弄ってある事を確認させてあげるわ」
「ちょ、紫、どこに連れてく気なの?」
力の入らない私を抱きかかえ、紫は神社から出る方へと歩いていく。
「ほら、ここに触って御覧なさい」
そこは何も無いただの空間。
しかし触れてみると確かに壁の様な感触があった。
「どうなってるのかしら…きゃっ!」
触れていると紫に後ろから押され、壁に手をついた態勢になってしまう。
「良い眺めね。霊夢のいやらしいここ、丸見えよ?」
「ちょっと、紫っ、こんなところで…やぁっ!」
先ほど達したばかりでまだ濡れそぼっている陰部を紫が弄る。
「んぁっ!だ、だれか来たら、どうするのよっ!」
「大丈夫よ、反対側からはこっちが見えないし入れない様にしてあるから」
「だからって、こんな…あぁっ!」
「こんなに喜んでるじゃない。ほら、指がこんなに簡単に入っちゃうわ」
つぷ、と紫の指が私の中に侵入してくる。
「ふぁっ、くぅ、ん!」
「あら?丁度良い所に誰か来たみたい」
「やっ、みられ、ちゃうぅ!」
「言ったでしょ?見えないから大丈夫よ。あ、でも…」
「でも…?」
「声は聞こえちゃうかしら?」
「そんな…っ!」
こんな声聞かれたら、何をしているかきっと分かってしまう。
普段この神社に居るのは当然私なんだから、私がそれをしているのも分かってしまうだろう。
「やだっ、やめて、ゆかりぃ!」
「大丈夫よ。霊夢が声を出すのを我慢すれば良いだけなんだから」
そう言って紫は指の動きを加速させる。
「んっあぁ!そんなの…む、りよぉ!」
「仕方ないわねぇ、これでも咥えてなさいな」
「む、うぅぅ!」
紫のもう片方の手の指が口に咥えさせられる。
「んーっ!んうぅぅ!」
「なぁに?何を言っているのか全然分からないわ」
顔を近づけ、わざとらしく耳元で呟く紫。
そうこうしているうちに人が通りかかる。
「ほら…見えてないでしょ?」
「ふぅっ!っぐ、ぅん!」
確かに、今私の目の前の人は何事も無いかの様に通り過ぎようとしている。
「だから、ね?霊夢。知らない人の前でイっても良いのよ?」
「っむ、うぅぅ!んーっ!」
どこで感づかれたのか、紫は私の絶頂が近い事を感じ取っていた。
「人に見られるかも、って想像して興奮してるんでしょ?人が見えてから、霊夢のここきゅうっ、て締まって私の指を離そうとしないもの」
「うぅぅっ!むぅぅぅっ!」
必死に首を横に振って否定の意思を示す。
「そんなに必死になっちゃって…可愛いわ、霊夢。余計虐めたくなっちゃう位」
後ろで紫が笑った気がした。
その直後。
「っひ、うぅぅん!」
紫は陰部だけでなく、後ろ…肛門にまで指を滑らせる。
「霊夢ので私の指もびしょ濡れだったから、簡単に入っちゃったわね」
ぐちゅぐちゅと前後の穴を弄られ、何も考えられない程の快感が頭を支配していく。
「イっちゃいなさい、霊夢。知らない人に、はしたない巫女の姿を晒してしまいなさい!」
「んっむ、うぅぅぅぅっ!」
さっき感じた快感よりも更に強い快感が全身を駆け巡る。
膝ががくがくと震え、涎が口の端から垂れる。
「っは…ぁっ…ふ、あっぁ…」
「気持ち良かった?私は…少し痛かったわ」
「…?」
紫の手を見ると、血が流れ落ちていた。
口の中に、血の味がする。
おそらく、声を我慢する為に口に力が入り噛んでしまったのだろう。
「ごめん…」
「良いのよ、霊夢。その代わり、舐めて消毒してくれる?」
差し出された指を咥え、丁寧に血を舐め取っていく。
「っちゅ、ぺろ…ちゅうっ…」
「あぁ…良いわ、霊夢…」
紫が、陶酔した表情を浮かべる。
口に広がる紫の血の味。
普段なら鉄の味と思うのだろうが、紫の物と考えただけで極上の美酒の様に感じてしまう。
「ぷぁっ…ゆかり…」
「ありがとう、霊夢。もう血も止まったわ」
指を抜かれるのがとても残念だった。
もう、私は身も心も紫に支配されてしまったのだろうか?
「ねぇ、霊夢。お互い汗もかいてるし、湯浴みでもしましょう」
「お風呂…?沸かしてなんて無いわよ…?」
「大丈夫。さぁ、行きましょう?」
紫に連れられ、お風呂場へと向かう。
お互いに衣服を脱ぎ、私はタオル一枚になる。
紫はと言うと…
「なんでタオルなんか巻いてるの?外しなさいな」
完全に裸になっていた。
適度に締まった身体、その中で存在を主張する豊満な胸、程よく肉が付いて女性の色気を感じさせる太もも…
それら全てを惜しげもなく披露していた。
「なんか凄く負けた気がするから嫌よ…」
「霊夢はこれから成長するかもしれないんだから、今は良いじゃない」
「良く分からない理屈には屈しないわ」
「それにどんな姿でも私は霊夢の事、愛せるわよ」
「っ…!」
恥ずかしい台詞をなんのためらいも無く言う紫。
こういう所が、本当にずるいと思う。
「顔が赤いわ。湯浴みする前に逆上せちゃったのかしら?」
「不意打ちは卑怯よ…」
照れているのを隠す為に、湯船に向かう。
「つめたっ!どこが大丈夫なのよ、やっぱりただの水じゃない。水風呂に入る趣味は無いわよ」
「せっかちさんねぇ。ちょっと待ってなさい」
紫が湯船に近づき、手をかざす。
数秒の後、ほのかに湯気が立ち上り始めた。
「これで満足してくれたかしら?」
「あんたの能力って本当にずるいわ…」
「褒め言葉として受け取っておきますわ」
湯船につかると丁度いい温かさだった。
「はぁ…」
「どうしたの、ため息なんかついて」
「主にあんたのせいよ…」
いきなり戦闘させられ、神事を行い、しかも二度も絶頂に導かれている。
これで疲れない方がおかしいというものだろう。
「ではマッサージでもしてあげますわ」
「遠慮しとくわ。あんたに頼んだら何されるか分かったもんじゃないし」
「あらつれない。折角肩を揉んだり腰を揉んだり胸を揉んだりお尻を揉んであげようと思っていましたのに」
「後半おかしかったのは気にしないでおくわ」
「ねぇ、霊夢ぅ」
「何よいきなりそんな猫撫で声出して」
この声だけ聞くと私より遥かに生きている妖怪とは思えない。
「もっとくっついていちゃいちゃしましょうよぉ。折角一緒に湯浴みしてるんだからぁ」
「折角の意味がわからないわ」
「むぅ~!良いですわ、それなら無理矢理抱きしめるだけですわ」
いつの間にか背後を取られ、腕を回される。
「ちょっと、紫、やめなさいって」
「ん~…やっぱり霊夢の抱き心地は最高ですわ…」
「…」
今の一言で全てを許してしまいそうな自分が嫌になりそうだった。
「はむっ」
「ひゃあっ!いきなり何してんのよ!」
「霊夢のみみたぶ柔らかくておいしいわ」
はむはむと私のみみたぶを甘噛みする紫。
「胸も感度が良くて丁度私の手に収まりますし」
「んんっ…紫、逆上せちゃうから…」
「倒れたら介抱してあげますわ」
「そういう問題じゃ…ふあぁっ!」
先ほどまでとは違う、優しい攻め。
それが否応無く私を昂ぶらせていく。
しかし、紫はそれ以上の事をしようとはしない。
「紫…?」
「霊夢、キスして?」
突然真剣な顔で頼まれる。
(そんな顔をされたら、断れないじゃない…)
自分から、紫の薄く紅に染まった唇に唇を重ねる。
「ちゅ…ん…」
最初はただ重ねるだけの軽いもの。
そこから少しづつ、お互いの舌を絡めて行く。
「んちゅ、ちゅ…っ」
「んんっ…んあっ」
少し口を離すと、どちらともわからない唾液が糸を引く。
「ねぇ、霊夢…」
「何…?」
「我慢できなくなってしまいましたわ」
「仕方ないわね…続きは部屋でしましょう…?」
お風呂から上がり、私の部屋に行く。
布団を敷き、二人で横になる。
「紫…」
「霊夢、愛してますわ」
「私は、博麗の巫女失格ね…」
「何故?」
「だって、退治しなきゃいけないはずの妖怪を好きになってしまったんだもの」
それだけ言って、再びキスをする。
「嬉しいわ、霊夢」
私も頷いてみせる。
「ね、霊夢。上になって」
「上…?」
言われたまま紫の身体の上に乗る。
「そうではなくて、顔の上。私の顔に跨って?」
「それは…ちょっと…」
さすがに、恥ずかしい。
「大丈夫よ。気持ちよくさせてあげますから」
「そういう問題じゃないんだけど…」
仕方なく紫の顔の上に乗る。
今、私は下着などは何も着ていない。
つまり、私の陰部が紫に全て見られているという事だ。
「霊夢のここ…綺麗だけど、ひくひくしていやらしいわね」
「そんなの、いちいち言わなくていいわよ。これでも、恥ずかしいんだから…」
「それじゃ、始めるわね」
「んっく…んうっ!」
紫の舌が私のあそこを愛撫する。
外側から、まるでなめくじか何かが這うように、ゆっくりと、なぞりあげていく。
「っふ、あぁんっ!」
お風呂で焦らされていた分、直接の刺激による快感が増幅されている。
「ねぇ、霊夢。私にも、して…?」
「いい、わ…」
私は上に乗ったまま身体を反転させ、顔を紫の股へと近づける。
お互いがお互いの陰部を愛撫できる状態である。
「なによ…紫だってこんなに濡れて、すごくいやらしい…」
「だから、我慢出来ないと言ったじゃない」
少し指で触れるだけでぴちゃぴちゃと音がする程、紫のも濡れていた。
「んっ…んんっ!」
「ふ…あぁっ!」
お互いの嬌声がよりお互いの興奮の度合いを高めていく。
「っじゅ、じゅるるっ」
「やぁっ!そんな、音立てて吸わないでぇ!」
「ひぁぁん!指と舌、どっちも気持ち良いのぉっ!」
「んんんんっ!」
しばらくその状態で交わった後、紫が言う。
「霊夢、一つに、なりましょう…?」
「良いわ…来て、紫…」
紫が私の足を持ち上げ、間に入る。
お互いの足を組み合わせ、より深く陰部が触れ合う状態になる。
「んんっ…霊夢、どう…?」
「ひあぁ!すご、い…私のと、紫のが、溶け合って一つになってるみたいなのぉ…」
「私もよ、霊夢…すごく、気持ちいいの…!」
お互いのあそこが擦れる度に、びりびりとした快感が脳を襲う。
加えて、擦れるたびに鳴るくちゅくちゅという水音がより快感を高め、興奮させる。
「霊夢っ、霊夢ぅ!」
「んあぁっ!ゆかり…はげし…っ!」
「ごめんなさい霊夢、もう、我慢できない…っ!」
「いいっ!いいのぉ!」
快感は快感を呼び、動きは更に激しくなっていく。
速さを増した動きはお互いの絶頂を呼び寄せる。
「やっ…ゆか、りっ!わたしっ、もうっ…!」
「私も、ですわ…!霊夢、一緒にっ!」
「「んあぁぁぁぁっ!」」
部屋に二つの嬌声が響き渡る。
お互いに絶頂に達し、力が抜けたのかぱたりと布団に倒れこむ。
少し時間を置いて、やっと話が出来る程度に回復してきた。
時間を置くと自分の乱れた姿を思い出して、急に恥ずかしくなってきた。
「ねぇ霊夢、こっち向いてちょうだい?」
「今は、駄目」
「どうしてですの?」
「顔、赤くなってると思うから」
というか間違いなくなってる。
逆上せた時よりも、お酒に酔っている時よりも赤くなっているに違いない。
そんな顔を見せるのが、恥ずかしかった。
「そういう顔とか含めて、霊夢の全部を見たいのですわ」
またそういう事平気で言うんだから…
多分こいつには一生敵わないんだろうな、なんて考えながら紫の方を向く。
「赤くなった顔も、とっても可愛いですわ」
「こんな姿…見せるのは紫にだけなんだからぁ…」
「だから…?」
「もっと、いろんなこと、して…?」
――紫と私の淫らな神事は、まだ始まったばかりだった。
そんなことが有って良いのだろうか。
最近私はそんな事ばかり考えてしまっている。
妖怪を好きになるなんて、博麗の巫女としてあるまじき事。
それでも私は、あいつの事ばかり考えてしまう。
何を考えてるのか分からない、あいつの事を。
そして何故か、あいつはこういう時に限って姿を見せるのだ。
「またぼーっとしてるのね、霊夢」
「…考え事をしてただけよ。何か用?」
嬉しさと気恥ずかしさで顔が赤くなりそうなのを抑えながら返事をする。
「あら、冷たい反応。まぁそうね、さっさと用事を済まそうかしら」
「用事って?」
「今日はあなたにお仕置きをしなくては、と思いまして」
「…は?」
なんで私が紫にお仕置きされなければならないのだろうか。
「霊夢。あなたは巫女という立場でありながら神をないがしろにし過ぎている」
「何の事…?」
「先日の落雷で割れてしまった木…あそこに神を呼んだでしょう」
「あ…」
すっかり忘れてしまっていた。
「あの木には確かに神が宿った。にも関わらずあなたはそれを忘れ、神は力を失った」
「…」
「だから、あなたにはちょっと痛い目にあわせて懲りて貰います」
紫は話しながら距離を取る。
「それで、何をするの?」
「今から殺さない程度の本気で勝負をしましょう。それであなたが勝ったら無罪放免。負けたら、その時は…」
「その時は?」
「負けてからのお楽しみ」
それは卑怯だと思う。
しかし今回は自分にも非が有るので、何も言えなかった。
「さて、始めましょうか」
にこりと笑って、何もしない紫。
なにをしてくるか分からない。
しかし、仕掛けなければどうせ勝ちは無いだろう。
ならば…
「言うだけ言って何もしてこないのね。だったら…」
先手必勝!
「はぁぁぁっ!」
使うスペルは、夢符「封魔陣」。
もちろん、こんなスペルで紫が倒せるなどと思ってはいない。
これは、後の布石。
「なるほど、まずは結界で動きを制限してくるのね」
紫は結界に触れぬよう動きながらこちらの考えを読もうとしている。
回避に専念しているのか、攻撃は来ない。
「余裕じゃない。早めに仕掛けないと後悔するわよ!」
挑発しているが、その理由はあまり動かれたくないからだ。
先程の封魔陣は、周りに結界を巡らせると同時に札を隠してある。
そこから次のスペルを撃つ予定だが、多少発動に時間が掛かる上に完全に紫が範囲内で無ければ意味がない。
なので出来るだけ私自身に目を向けさせようと言うのが本音だった。
「ふふっ」
相変わらず紫は動こうとしない。
冷静にこちらを見続けている様だ。
こちらとしては好都合ではある。
既に次の準備は整った。
後は必勝のタイミングで仕掛けるのみ。
その為には、考える余裕を無くさせる…!
「それなら、これよ!」
紫では無いが、境界を用い相手の背後に瞬間的に移動し、直接打撃を狙う「亜空穴」。
「「キマイラの翼」…」
蹴りが当たる直前に紫の姿が消える。
そして、先程私が居た辺りに紫が現れていた。
「っ!準備してたなんてずるいじゃない!」
「これ位の事は仕込んでおくものですわ」
私が動き始めてから、仕掛ける様な素振りは無かった。
ならば必然的に始まる前に仕掛けたという事になる。
「でも、それじゃ甘いわ」
そう、これ位の事は読めていた。
だから、次の手は自分自身の居た場所に仕掛けておいたのだ。
「神技「八方龍殺陣」!」
「あら?」
封魔陣と同時に置いた札が、強烈な光を発する。
光は八方向を巡り、範囲内に居る相手を襲う結界となる。
「それこそ甘いのではなくて?」
紫は至極当然と言わんばかりに結界を抜ける。
「博麗の結界も所詮は境界。私に抜けられない道理は有りませんわ」
「そうね、だから、これが最後の一手よ」
抜けられる事も、折込済み。
最後の一手は、力。
「宝具「陰陽鬼神玉」」
対妖怪、対人共に使用できる、陰陽玉を用いた半物理攻撃。
「なかなか良い作戦だったわ。私が相手と言う事を除けば」
「なっ…!?」
紫は、持っていた傘を自らの前に開いた。
ただそれだけの事で、陰陽玉がそれ以上先へと進まない。
「そんな、まさか…」
「呆然としている暇は無くてよ、霊夢。周りを見て御覧なさい」
言われ、周囲に目をやる。
360度全てから得体の知れない瞳がこちらを見ていた。
「魔眼「ラプラスの魔」」
紫が言葉を紡いだ次の瞬間、全ての眼から光弾が発せられる。
「っく!」
避ける事は出来ず、結界も使えない。
これに対抗するには、これしかない。
焦る気持ちを静め、目を閉じ、集中する。
ふっ、と身体が軽くなる。
この世の全てから乖離する様な浮遊感。
名付けたのは、魔理沙。
私のとっておき。
「「夢想天生」」
次の瞬間、全ての光弾が私を通り抜ける。
そして、無数の札が紫を襲う。
その後、私は地に膝をつく。
「はぁ、はぁ…」
強力なスペルを連発した為、立っている事も出来ない。
「…」
周囲を伺う。
紫の姿が見当たらないのだ。
まさか、私はやりすぎてしまったのだろうか。
「紫…?」
「呼んだかしら?」
とん、と後ろから扇子を当てられる。
「どうやって、避けたの?」
「それは…」
札が紫を襲う。
しかし、札は紫には当たらず、まるで紫を避けるかの様に左右に分かれていく。
「捌器「全てを二つに別ける物」」
あの瞬間紫もまたスペルを発動していた。
「あれでも倒せないなんて…あんた弱点とか無いわけ?」
精一杯の悪態をついてみせる。
「霊夢にだけ特別に教えてあげましょう。私に弱点は…何にも無いのですよ」
やっぱりこいつは、ずるい。
「さて、私の勝ちですし、お仕置きですわね」
「…何をする気なのよ」
「私は何もしませんわ。あなたがするのです」
「どういう事…?」
紫は隙間から一着の服を取り出す。
「…巫女装束?」
「これを着なさい」
「それならもう着てるじゃない」
「いいから、こっちに着替えなさい」
良く分からないが、どうしてもあれを着る必要があるらしい。
仕方なく受け取って、中で着替える事にしよう。
着ていた服をたたみ、渡された装束に手を通す。
着慣れた感覚の中に、違和感を覚える。
「っ!これ…」
着てみてやっと気付いた。
この服には、決定的な違いが有った。
局部を覆う部分だけ切り取られている。
丸見えになってしまうのだ。
「なんなのよこれ…」
こんな服を着せて、紫は私に何をしろと言うのか。
紫の考えている事が全く分からない。
「着替えは済んだかしら?」
障子越しに紫が問いかけてくる。
「紫…あんた一体何考えてるの?」
「とりあえず姿を見せて貰えるかしら」
「こんな格好で出れるわけないでしょう!」
「大丈夫よ。今、ここには私とあなた以外誰も居ないし、入れない」
「どういう事…?」
「境界を弄ってあるわ。だから誰もこの神社には入れない。例え事件が好きな天狗だろうと、面白い事に首を突っ込みたがる魔法使いでもね」
…信用は出来ないが、おそるおそる障子を開ける。
空を見ても、普段あれほど飛んでいる鳥の姿が一羽たりとも見えない。
そして、雲ですらここの上を避けている様だ。
仕方なく、紫の前に出る。
「あら、似合ってるわ」
「こんなのが似合ってても嬉しくない…」
もっと違う時ならどれほど喜んでいたことだろう。
「さて、始めましょうか」
「何を…?」
「あなたにはこれから、神に奉納する演舞をその格好でしてもらいます」
「馬鹿な事言わないでよ!こんな格好で出来るわけない!」
今、私は胸も、あそこも、完全に露出してしまっているのだ。
こんな状態でまともな神事なんて、出来るわけが無い。
「それこそ神様に対する冒涜じゃない!」
「そうかしら?あなたは天照大御神の事を知らない訳ではないでしょう」
天照大御神…天岩戸に閉じこもってしまった、三貴子の一柱。
当然知らない訳では無い。
「それとこれが何の関係が有るのよ」
「天照大御神が天岩戸に閉じこもってしまい、世には災厄が訪れた。それに困った八百万の神は何とか天照大御神に出てきてもらおうとした」
「…」
「八咫鏡、八尺瓊勾玉を創り、祝詞を唱え…アメノウズメが踊った」
「それで…?」
「一説によるとこの時アメノウズメは胸や陰部をさらけ出した姿で踊ったそうよ」
つまり、それをやれという事なのだろうか。
「何でこんな事に…」
「言ったでしょう、お仕置きよ」
こうなったら紫は意地でも私にやらせるだろう。
気は勿論乗らないが、やるしかない。
さっさと終わらせる事を考えよう。
準備はすぐに終わった。
そもそもひとかけらも負ける気の無かった紫が、神事に必要な道具を揃えていたからだ。
身体を清める水を一振り。
口に含み、軽く口の中を漱ぐ。
「始めるわ…」
「私はここで見ているから、しっかりやるのよ」
集中し、演舞を始める。
普段は神事の時は本当に無の状態でするのだが、今回は違った。
一つの雑念が拭い切れない。
(こんな姿を、紫に見られてる…)
まるで痴女の様な格好で演舞している姿を、紫に見られているのだ。
霊夢の感情が、恥ずかしさとは別の感覚で支配されていく。
(あいつに見られて興奮してる…?)
顔が朱に染まり、息が荒くなる。
少しづつ動きは大きくなり、それに合わせ当然局部などはより見られる事になる。
(こんなにはしたない人間じゃないのに…でも、もっと紫に見て欲しい)
そんな事を考えていたせいで、紫が背後に迫っている事にも全く気がつかなかった。
「霊夢、集中しなきゃ駄目よ」
「やっ、あぁ!」
後ろから抱きしめられ、胸に触れられる。
「こんなに先を硬くして…こっちはどうなってるのかしら?」
「んぁぁ!ゆか、りぃ…!」
紫の手が私の股間に伸びる。
細くしなやかな指が私の陰部に触れ、なぞっていく。
「ふぁっ!んうぅ!」
「ふふっ、もうこんなに濡れてる。そんなに興奮してたの?」
「そんなことっ…あぁぁっ!」
否定の言葉は紫の指の動きで止められる。
「言いなさい。どうしてこんなにびしょびしょなの?」
「んあぁ!それ、っはぁ…」
「それは?」
「ゆか、りにぃ!ゆかりにっ、みられてたからなのぉっ!」
「ふうん、私にこんな姿を見られて興奮してたのね」
「やあぁっ!ゆ、かりぃっ!もっと…もっとしてぇ!」
普段の私からは考えられない様な言葉が無意識に飛び出す。
「こんなにひくひくさせて…もうイっちゃいそうなの?」
「ふぁぁぁ!っく、る…き、ちゃうっ!」
「そう。じゃあ神様にはしたない巫女の聖水、捧げてしまいなさい」
「ひっ、あぁぁ!だめっ、でちゃ、でちゃうぅぅっ!」
まるでおしっこをするかの様に潮が噴き出す。
下半身に力が入らず、紫にもたれ掛かる。
「いやらしい子ね、霊夢は」
「いわ、ないで…」
「そうだ、一つ良い事を教えてあげましょう」
良い事…?
「私がちゃんと境界を弄ってある事を確認させてあげるわ」
「ちょ、紫、どこに連れてく気なの?」
力の入らない私を抱きかかえ、紫は神社から出る方へと歩いていく。
「ほら、ここに触って御覧なさい」
そこは何も無いただの空間。
しかし触れてみると確かに壁の様な感触があった。
「どうなってるのかしら…きゃっ!」
触れていると紫に後ろから押され、壁に手をついた態勢になってしまう。
「良い眺めね。霊夢のいやらしいここ、丸見えよ?」
「ちょっと、紫っ、こんなところで…やぁっ!」
先ほど達したばかりでまだ濡れそぼっている陰部を紫が弄る。
「んぁっ!だ、だれか来たら、どうするのよっ!」
「大丈夫よ、反対側からはこっちが見えないし入れない様にしてあるから」
「だからって、こんな…あぁっ!」
「こんなに喜んでるじゃない。ほら、指がこんなに簡単に入っちゃうわ」
つぷ、と紫の指が私の中に侵入してくる。
「ふぁっ、くぅ、ん!」
「あら?丁度良い所に誰か来たみたい」
「やっ、みられ、ちゃうぅ!」
「言ったでしょ?見えないから大丈夫よ。あ、でも…」
「でも…?」
「声は聞こえちゃうかしら?」
「そんな…っ!」
こんな声聞かれたら、何をしているかきっと分かってしまう。
普段この神社に居るのは当然私なんだから、私がそれをしているのも分かってしまうだろう。
「やだっ、やめて、ゆかりぃ!」
「大丈夫よ。霊夢が声を出すのを我慢すれば良いだけなんだから」
そう言って紫は指の動きを加速させる。
「んっあぁ!そんなの…む、りよぉ!」
「仕方ないわねぇ、これでも咥えてなさいな」
「む、うぅぅ!」
紫のもう片方の手の指が口に咥えさせられる。
「んーっ!んうぅぅ!」
「なぁに?何を言っているのか全然分からないわ」
顔を近づけ、わざとらしく耳元で呟く紫。
そうこうしているうちに人が通りかかる。
「ほら…見えてないでしょ?」
「ふぅっ!っぐ、ぅん!」
確かに、今私の目の前の人は何事も無いかの様に通り過ぎようとしている。
「だから、ね?霊夢。知らない人の前でイっても良いのよ?」
「っむ、うぅぅ!んーっ!」
どこで感づかれたのか、紫は私の絶頂が近い事を感じ取っていた。
「人に見られるかも、って想像して興奮してるんでしょ?人が見えてから、霊夢のここきゅうっ、て締まって私の指を離そうとしないもの」
「うぅぅっ!むぅぅぅっ!」
必死に首を横に振って否定の意思を示す。
「そんなに必死になっちゃって…可愛いわ、霊夢。余計虐めたくなっちゃう位」
後ろで紫が笑った気がした。
その直後。
「っひ、うぅぅん!」
紫は陰部だけでなく、後ろ…肛門にまで指を滑らせる。
「霊夢ので私の指もびしょ濡れだったから、簡単に入っちゃったわね」
ぐちゅぐちゅと前後の穴を弄られ、何も考えられない程の快感が頭を支配していく。
「イっちゃいなさい、霊夢。知らない人に、はしたない巫女の姿を晒してしまいなさい!」
「んっむ、うぅぅぅぅっ!」
さっき感じた快感よりも更に強い快感が全身を駆け巡る。
膝ががくがくと震え、涎が口の端から垂れる。
「っは…ぁっ…ふ、あっぁ…」
「気持ち良かった?私は…少し痛かったわ」
「…?」
紫の手を見ると、血が流れ落ちていた。
口の中に、血の味がする。
おそらく、声を我慢する為に口に力が入り噛んでしまったのだろう。
「ごめん…」
「良いのよ、霊夢。その代わり、舐めて消毒してくれる?」
差し出された指を咥え、丁寧に血を舐め取っていく。
「っちゅ、ぺろ…ちゅうっ…」
「あぁ…良いわ、霊夢…」
紫が、陶酔した表情を浮かべる。
口に広がる紫の血の味。
普段なら鉄の味と思うのだろうが、紫の物と考えただけで極上の美酒の様に感じてしまう。
「ぷぁっ…ゆかり…」
「ありがとう、霊夢。もう血も止まったわ」
指を抜かれるのがとても残念だった。
もう、私は身も心も紫に支配されてしまったのだろうか?
「ねぇ、霊夢。お互い汗もかいてるし、湯浴みでもしましょう」
「お風呂…?沸かしてなんて無いわよ…?」
「大丈夫。さぁ、行きましょう?」
紫に連れられ、お風呂場へと向かう。
お互いに衣服を脱ぎ、私はタオル一枚になる。
紫はと言うと…
「なんでタオルなんか巻いてるの?外しなさいな」
完全に裸になっていた。
適度に締まった身体、その中で存在を主張する豊満な胸、程よく肉が付いて女性の色気を感じさせる太もも…
それら全てを惜しげもなく披露していた。
「なんか凄く負けた気がするから嫌よ…」
「霊夢はこれから成長するかもしれないんだから、今は良いじゃない」
「良く分からない理屈には屈しないわ」
「それにどんな姿でも私は霊夢の事、愛せるわよ」
「っ…!」
恥ずかしい台詞をなんのためらいも無く言う紫。
こういう所が、本当にずるいと思う。
「顔が赤いわ。湯浴みする前に逆上せちゃったのかしら?」
「不意打ちは卑怯よ…」
照れているのを隠す為に、湯船に向かう。
「つめたっ!どこが大丈夫なのよ、やっぱりただの水じゃない。水風呂に入る趣味は無いわよ」
「せっかちさんねぇ。ちょっと待ってなさい」
紫が湯船に近づき、手をかざす。
数秒の後、ほのかに湯気が立ち上り始めた。
「これで満足してくれたかしら?」
「あんたの能力って本当にずるいわ…」
「褒め言葉として受け取っておきますわ」
湯船につかると丁度いい温かさだった。
「はぁ…」
「どうしたの、ため息なんかついて」
「主にあんたのせいよ…」
いきなり戦闘させられ、神事を行い、しかも二度も絶頂に導かれている。
これで疲れない方がおかしいというものだろう。
「ではマッサージでもしてあげますわ」
「遠慮しとくわ。あんたに頼んだら何されるか分かったもんじゃないし」
「あらつれない。折角肩を揉んだり腰を揉んだり胸を揉んだりお尻を揉んであげようと思っていましたのに」
「後半おかしかったのは気にしないでおくわ」
「ねぇ、霊夢ぅ」
「何よいきなりそんな猫撫で声出して」
この声だけ聞くと私より遥かに生きている妖怪とは思えない。
「もっとくっついていちゃいちゃしましょうよぉ。折角一緒に湯浴みしてるんだからぁ」
「折角の意味がわからないわ」
「むぅ~!良いですわ、それなら無理矢理抱きしめるだけですわ」
いつの間にか背後を取られ、腕を回される。
「ちょっと、紫、やめなさいって」
「ん~…やっぱり霊夢の抱き心地は最高ですわ…」
「…」
今の一言で全てを許してしまいそうな自分が嫌になりそうだった。
「はむっ」
「ひゃあっ!いきなり何してんのよ!」
「霊夢のみみたぶ柔らかくておいしいわ」
はむはむと私のみみたぶを甘噛みする紫。
「胸も感度が良くて丁度私の手に収まりますし」
「んんっ…紫、逆上せちゃうから…」
「倒れたら介抱してあげますわ」
「そういう問題じゃ…ふあぁっ!」
先ほどまでとは違う、優しい攻め。
それが否応無く私を昂ぶらせていく。
しかし、紫はそれ以上の事をしようとはしない。
「紫…?」
「霊夢、キスして?」
突然真剣な顔で頼まれる。
(そんな顔をされたら、断れないじゃない…)
自分から、紫の薄く紅に染まった唇に唇を重ねる。
「ちゅ…ん…」
最初はただ重ねるだけの軽いもの。
そこから少しづつ、お互いの舌を絡めて行く。
「んちゅ、ちゅ…っ」
「んんっ…んあっ」
少し口を離すと、どちらともわからない唾液が糸を引く。
「ねぇ、霊夢…」
「何…?」
「我慢できなくなってしまいましたわ」
「仕方ないわね…続きは部屋でしましょう…?」
お風呂から上がり、私の部屋に行く。
布団を敷き、二人で横になる。
「紫…」
「霊夢、愛してますわ」
「私は、博麗の巫女失格ね…」
「何故?」
「だって、退治しなきゃいけないはずの妖怪を好きになってしまったんだもの」
それだけ言って、再びキスをする。
「嬉しいわ、霊夢」
私も頷いてみせる。
「ね、霊夢。上になって」
「上…?」
言われたまま紫の身体の上に乗る。
「そうではなくて、顔の上。私の顔に跨って?」
「それは…ちょっと…」
さすがに、恥ずかしい。
「大丈夫よ。気持ちよくさせてあげますから」
「そういう問題じゃないんだけど…」
仕方なく紫の顔の上に乗る。
今、私は下着などは何も着ていない。
つまり、私の陰部が紫に全て見られているという事だ。
「霊夢のここ…綺麗だけど、ひくひくしていやらしいわね」
「そんなの、いちいち言わなくていいわよ。これでも、恥ずかしいんだから…」
「それじゃ、始めるわね」
「んっく…んうっ!」
紫の舌が私のあそこを愛撫する。
外側から、まるでなめくじか何かが這うように、ゆっくりと、なぞりあげていく。
「っふ、あぁんっ!」
お風呂で焦らされていた分、直接の刺激による快感が増幅されている。
「ねぇ、霊夢。私にも、して…?」
「いい、わ…」
私は上に乗ったまま身体を反転させ、顔を紫の股へと近づける。
お互いがお互いの陰部を愛撫できる状態である。
「なによ…紫だってこんなに濡れて、すごくいやらしい…」
「だから、我慢出来ないと言ったじゃない」
少し指で触れるだけでぴちゃぴちゃと音がする程、紫のも濡れていた。
「んっ…んんっ!」
「ふ…あぁっ!」
お互いの嬌声がよりお互いの興奮の度合いを高めていく。
「っじゅ、じゅるるっ」
「やぁっ!そんな、音立てて吸わないでぇ!」
「ひぁぁん!指と舌、どっちも気持ち良いのぉっ!」
「んんんんっ!」
しばらくその状態で交わった後、紫が言う。
「霊夢、一つに、なりましょう…?」
「良いわ…来て、紫…」
紫が私の足を持ち上げ、間に入る。
お互いの足を組み合わせ、より深く陰部が触れ合う状態になる。
「んんっ…霊夢、どう…?」
「ひあぁ!すご、い…私のと、紫のが、溶け合って一つになってるみたいなのぉ…」
「私もよ、霊夢…すごく、気持ちいいの…!」
お互いのあそこが擦れる度に、びりびりとした快感が脳を襲う。
加えて、擦れるたびに鳴るくちゅくちゅという水音がより快感を高め、興奮させる。
「霊夢っ、霊夢ぅ!」
「んあぁっ!ゆかり…はげし…っ!」
「ごめんなさい霊夢、もう、我慢できない…っ!」
「いいっ!いいのぉ!」
快感は快感を呼び、動きは更に激しくなっていく。
速さを増した動きはお互いの絶頂を呼び寄せる。
「やっ…ゆか、りっ!わたしっ、もうっ…!」
「私も、ですわ…!霊夢、一緒にっ!」
「「んあぁぁぁぁっ!」」
部屋に二つの嬌声が響き渡る。
お互いに絶頂に達し、力が抜けたのかぱたりと布団に倒れこむ。
少し時間を置いて、やっと話が出来る程度に回復してきた。
時間を置くと自分の乱れた姿を思い出して、急に恥ずかしくなってきた。
「ねぇ霊夢、こっち向いてちょうだい?」
「今は、駄目」
「どうしてですの?」
「顔、赤くなってると思うから」
というか間違いなくなってる。
逆上せた時よりも、お酒に酔っている時よりも赤くなっているに違いない。
そんな顔を見せるのが、恥ずかしかった。
「そういう顔とか含めて、霊夢の全部を見たいのですわ」
またそういう事平気で言うんだから…
多分こいつには一生敵わないんだろうな、なんて考えながら紫の方を向く。
「赤くなった顔も、とっても可愛いですわ」
「こんな姿…見せるのは紫にだけなんだからぁ…」
「だから…?」
「もっと、いろんなこと、して…?」
――紫と私の淫らな神事は、まだ始まったばかりだった。
うん。どうせなら人里のど真ん中で能力使った半羞恥プレイやって欲しかったな。
だってこのカップルの羞恥プレイはすごく燃えるんだもん。
見られて興奮するってエロいよね!
ということで、霊夢でも別のキャラでも、もっと恥ずかしいメに遭わせてもいいんじゃよ?(チラッ
あ、ゆかれいむディスってるわけじゃないので
これは俺の中のイメージする2人そのものだ(笑)!
文章も読みやすかったです。
そして、遅くなりましたが、どうも、有難うございます。
私のようなものの妄言を形にして頂いて。
貴方に、最大級の感謝を――。