――――注意―――――
「紅紫」の後日談的な話です。
美鈴が紫の義理の娘の八雲紅という設定です。
紫視点です。
―――――――――――
紅が娘になってから四度目の夏が来た。
私は娘のために立派な母親になろうと思い、家事も仕事もしっかりこなした。
……最初の内は。
やはり妖怪なので月が欠け始めるとやる気がなくなったり、疲れた日の翌日なんかは一日中寝てしまったりするもの。
仮に起きていても妖怪ふかふか布団が私の道を阻む。
というか今も阻まれてる。
おのれ布団め。やはり長年続けてきた生活を変えるのは無理だということなのかしら? いいえ、私はやればできる女よ!
今日こそ自分を変えてみせると布団に手をかけたそのとき、部屋に紅が入ってきた。
「紫様~ご飯できましたよ~起きてくださーい」
「はーい、起きてるわよー」
ああ、今日も紅の笑顔はまぶしいわね。
私が家事をしないとなると当然紅が代わりにすることになる。
すると紅はエプロン姿で鼻歌交じりに朝食を用意してくれる。
昔から考えると彼女は随分明るくなったと思う。それは私も何でしょうけれど。
今の紅を見ていると、何も母の形は一つじゃないわけだし、このままでもいいのかななどと考えてしまう。
そういえば今日の紅は少し前屈みになっている気がするけど腰でも痛いのかしら。
「ふんふんふふん~」
まあそれはそれとして最近の明るい紅の姿を見ているとこうむらむらしてしまう。
歌に合わせて腰を揺らす姿とか誘っているようにしか見えないわ。
そんな姿を見せられたらそっと近付き抱きしめて耳元で愛を囁きたいとか育ち盛りの胸を揉みし抱きたいとか耳朶を甘噛みしたいとかいう衝動に駆られてしまうじゃないの。
いや、さすがにそんなことしないけど。
一応これでもお母さんだし、また紅を傷つけたくないし。
でも頭の中で妄想したり、夜のおかずにするくらいなら問題ないわよね。
「はい、ご飯できましたよ」
「ええ、ありがとう」
「それではいただきます」
「いただきます」
朝食を食べ始めても私は紅ばかり見ている。
真っ白なご飯が柔らかそうな朱色の唇を越え、紅の口の中へと入っていく。
頬が歯の動きに合わせて揺れ動く。
この子は本当にご飯を美味しそうに食べるから見ていて飽きないわ。
ああ、それにしても私も紅に食べられたいわ。もちろん性的な意味でも大歓迎よ。
「ん、紫様、ほっぺにご飯粒がついてますよ」
「へっ? ど、どこ?」
いけない。私のような淑女がいくら他のことに気を取られていたからと言って頬にご飯粒を付けるようなみっともないことをしてしまうなんて。
慌てて頬を触ろうとしたところ、紅がすっと手を伸ばし私の頬に触れた。
「はい取れましたよ。あむ」
「っ!! あ、ありがと」
危ない危ない。危うく押し倒して口の中のご飯粒を一緒に味わってしまうところだった。
しかし頬についたご飯粒を食べるとはなんて積極的なのかしら。
これは貴女を食べちゃいたいってことなの!? やだ、あとでお風呂入らなきゃ!
なんて下らないことを考えてしまうのも気を紛らわせるためには必要なこと。
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
食事を終えると紅は食器を片付け、洗濯物を干しに庭へと出て行った。
このときは前屈みじゃなかったから腰を痛めているとかいうわけではなかったようね。安心安心。
本当は洗濯も元々は私の仕事だったりするのだけれど、今日はゆっくり紅の仕事ぶりでも眺めておこうかと思う。
だって外は暑いので冷房結界の張ってある室内から出たくないのよ。
それに紅の紅い髪ってお日様の下が映えるのよね。
夏の暑さにしたたる汗、それによって透ける服、そして健康的な四肢が調和して実に美しいわ。
ああ、それにしても改めてみると出会ったときはあんなに平らだった胸が今ではそれなりの大きさに育っているわね。
私としてはあの頃の平らな胸にぴんと立つ二つの突起もそそられるものがあったのだけど、少し小ぶりな果実もなかなか。
「そういえば今って透けてるから乳首が見えたりするのかしら」
「はい? 紫様何か言いましたか?」
「何でもないわ。独り言よ」
見えた。今日はいい日になりそうだ。
しかしすごく小声で言ったのによく聞こえたわね。注意しないと。夜の声とか漏れてるかも知れない。
そういえば未だに紫様なのよね。
そろそろお母さんって呼んでくれても……
『お母さん大好き(はあと)』
ぐふっ、だめね……想像しただけで鼻血が出そうだわ。
実際に言われたら死んじゃうかもしれないわね。
こうして私は次々と洗濯物を干していく紅を眺め、妄想しながら午前中を過ごした。
昼ご飯も二人で食べた後、紅が屋敷の掃除を始めたので邪魔にならないように縁側で日向ぼっこをした。
すると、温かい日差しと冷房のひんやりとした空気で徐々に眠気が襲ってきた。
――――――――――――――――――――――
「ん……」
ふと気がつくと真っ赤な夕日が目に入った。
どうやらあのまま眠ってしまったらしい。
身体には布団が掛かっていた。紅が掛けてくれたようだ。
布団は少し湿気ていた。恐らく寝汗をかいたのだろう。冷房が効いているとは言え寝れば汗はかいてしまうのよね。
ちょっと身体の匂いを嗅いでみる。
「……汗臭いわね。少し早いけどお風呂に行こうかしら」
お風呂に向かってみると水音が聞こえた。
恐らく紅が使っているのだろう。
朝は外で汗をかき、昼は埃を浴びただろうし当然か。
「出直そうかしら……いや」
ふと思い返してみると最近一緒にお風呂に入っていない。
紅も一人では入れる年なのだから当たり前なのだけれど。
でもやっぱりたまには娘と一緒に身体の流しっこをしてみたいわけで。
それに最後に一緒に入ったのも私たちが家族になるより前なわけだし、ここは親交を深めるためにも一緒に入るべきな気がする。
私が紅の裸をまじまじと見たいとか、背中を流しながらおっぱい揉んだりしたいとかとは関係なく。母親として。
「うん、どう考えても一緒に入るべきよね。合理的かつ論理的に考えても間違いないわ」
というわけでゆかりん入ります。
一瞬で服を脱いだ私は早速お風呂のドアを開けて跳び込んだ。
「紅ちゃんたまには一緒に背中流しっこしよ!」
「へっ? ゆ、紫様ぁぐふお」
あまりにも勢いよく入りすぎたので中の紅とぶつかってしまった。
するとむにっと何か温かい物が顔に当たった。
「んーこれは胸……にしては硬いわよね。なんだか細長い気がするし。じゃあ腕……でもないわよね」
何だろうと思いながら顔を離してみるとそこには立派な男性器のような物が!
「は、はいいいいいい!? ななな、なんで?」
「あ、いや、これは、はううう」
紅は恥ずかしそうに顔を赤らめるといそいそとタオルでそれを隠した。
「す、すみませんこんな物を紫様のお顔に当ててしまって」
「それはいいけど……どうしたの、それ」
紅はそう言う物を生やす技は持っていなかったはず。
「その、昨日から急に生えてきまして……」
「もう、どうして早く私に言わなかったの」
「その、変に心配させるのもあれなので……しばらく様子を見ようかなって」
「駄目でしょ。ちゃんと言わなきゃ。こういうのは早めに対処するのが肝心なんだから」
「はい……」
あれ? 今日の私お母さんっぽいんじゃない?
っとそんなことより、これは一体どういう物なのかしらね。
「見た感じ男性器っみたいに見えるけど……ん、これは場所から察するに肥大化した陰核なのかしら」
「うう、昔色々したから大きくなっちゃたんでしょうか」
「それなら一日で突然こうはならないでしょ。とすると……第一次妖怪性徴かしらね」
「びょ、病気ですか!?」
「いいえ。妖怪ならみんななるわよ」
人間と違い妖怪は子どもから大人になる年齢は一人一人にかなり差がある。
それは妖怪の精神成長に依存するからなんだけど、紅みたいに大きくなってからなるといろいろ大変なのよね。
なまじ体が性徴の際に増加する妖力に堪え切れちゃうから溜まった分が放出できずにどこかに溜まっちゃうのよね。
まあ放って置いても勝手に身体から漏れ出して元に戻るんだけど。
「そうですか。じゃあ放っておけば治るんですね」
「ええ、そう……あっ」
このとき私はあることに気がついてしまった。
今なら紅と身体を重ねるのに理由が存在すると。
確かにそのままでも治るが、肥大化した箇所に刺激を与えて放出した方が早く治る。
しかも普通こうなった妖怪は性欲に突き動かされてそこらの人間をつかまえて行為に及ぶとも言う。
つまり擬似的な性交渉を行うことは選択肢としてありだということ。
私は紅の母親だからと自分に言い訳して律してきたけれど、今度は逆に紅の仕事に支障が出ないよう早く治してあげるためという言い訳で自身の欲望を正当化できてしまう。
そんな心の中の煩悩と戦いながら口を開いた。
「どうしたんですか?」
「……確かに放って置いても治るのだけど、やっぱり早く治したいわよね?」
「はい。朝とか立ってしまってすごく痛いですし」
「そうよね。そこでちょっとした処置をすることで早く治るわ」
「処置、ですか?」
くっ! 何あっさり誘惑に負けてるのよ私!
落ち着いて。まだ間に合うわ。
ここから元の方向に軌道修正を……
「あ、あの……処置ってやっぱりその、そっち方面でしょうか」
……はい、軌道修正完了しました。
真っ赤な顔でそんなこと言うなんて反則よ。
私の最後のリミッターが外れてしまうじゃないの。
でも、最後にこれだけは言っておかなければ。
「そうよ。ああでも、私が相手じゃ嫌なら道具を使うとか他の方法もあるけれど」
「いえ……紫様になら、いいですよ」
その言葉が気遣いや遠慮から出た言葉でないことに私は安堵する。
「そ、そう。じゃあ、始めましょう」
私はそっと左手を紅の頬に添え、ゆっくりと顔を寄せる。
その意味を理解した紅は目を閉じ、私の口付けを、そして舌を入れることを受け入れた。
「ん、んちゅ、紅……んちゅう」
「んむ、紫様……ふあ、んちゅ」
唇が離れると紅はすっかり女の顔になっていた。もしかしたら自分もそうなのかもしれない。
左手で頬を撫でてあげると安心した子どものような顔で照れたように笑った。
それに私も優しく微笑み返し、そっと抱き寄せる。
「わかる? 今、貴女と私のお腹の間に温かい物があるのが」
「はい。紫様のお腹、すべすべしてて柔らかいです」
紅は小刻みに腰を揺らしながら私のお腹にそれを擦りつけてくる。
「あら、お腹なんかでいいの?」
「はあはあ、だって紫様のお腹、すごく気持ちいいんです」
まるでセックスをしたことのない子どものようね。
いえ、女を武器にしてきた紅もこんな経験はないのだから当たり前か。
私は紅の腰に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
二人のお腹に挟まれ、それは強く締め付けられた。
「ふううう、これ、まるで、おまんこみたいですっ」
「ふふ、温かいのが脈打ってるわ。出したいのね」
紅の動きに少しずらすように私はゆっくりと腰を振る。
どくんどくんと脈打つ早さが次第に増してきているのがわかる。
時折二人のへその穴が紅のカリを引っかけ擦る。
「ふぅぅっ! で、出ます!」
どくんっ……びゅるるるるる!!
「あふうん、おなか、あついわ」
吐き出された妖力はまるで本物の精液のように白濁としていた。
とろっとして如何にも人間を誘いそうな甘く厭らしい匂いがした。
「ん、んちゅ、くちゃ」
二人の間に溜まったその液体を一掬いして口に含んでみたら熟しているようで完全には熟していない、紅そのものの味のように感じた。
紅にもこれが貴女の味なのよって味わわせて上げたいけれど、そんなことしたらせっかく出した妖力が戻っちゃうからできない。
紅の方を見ると初めての感覚に放心したような様子だった。
「紅、大丈夫?」
「は、はい……らいじょうぶです……」
余韻がまだ残っているのでしょう。
私は紅の手を引いて座らせた。
もう少しゆっくりさせてあげたいけれど、たった一発で溜まっていた物ができるはずもなく、一気に抜かないとすぐに元の状態に戻ってしまう可能性もある。
そこで私は一発出して落ち着きかけたそれをもう一度勃たせるために、紅のおまんこに中指を差し入れる。
「はぐふっ!? ゆ、紫様、そこは!」
「一突きで身体ができあがっちゃったわね。乳首もピンと勃ってるわ」
おまんこに軽く指を挿れるだけで、すぐに男性器を挿入できるように体ができあがる。
紅の奴隷時代の名残みたいなものだからできれば利用したくないんだけど、今回ばかりは仕方ないわよね。
私は紅の膣から指を抜き、そこについた愛液を舐め取る。
「これならいけそうね、いただきます」
「――――ッ!!」
再びギンギンに勃ったそれに私は口を大きく拡げてしゃぶりつく。
反射的に閉じようとする紅の太ももを手でがっしりと抑える。
舌を鈴口に当て吸い込むと残っていた液体が口の中いっぱいに拡がり、紅の全てを味わっている感じがしてくらっとした。
わざとじゅるじゅると厭らしい音を立ててみると音に合わせて紅の肩がびくんと揺れる。
しゃぶったことはあってもしゃぶられたことの無い紅は未知の感覚に口から涎を零しながらだらしない顔をしていた。
「ろお、ほん……ひもひいい?」
「ふひっは、はい気持ちよくて、あたまちかちかします。男の人ってこんな気持ちなんですね」
「んちゅ、そうね、ぷはあ、紅が望むなら、んく、生やし方教えてあげるわよ?」
「ほあ、そ、それは、んひっ、ちょっと、んん、考えさせて、うひっ、ください、んんっ」
生やし方は覚えて置いて損はないわよね。
紅の好きになる人が男性とは限らないし、というか昔のことを考えると男性とするのは難しいかもしれないのよね。
おっと、またぴくぴく震えてるわね。そろそろかしら。
いつでも大丈夫なように少し口を離れさせておこうかしらね。
「んー」
「ふあっ、だ、だめ! はなれちゃいやです!」
突然紅は私の頭を掴むとぐっと根元まで押し込んだ。
紅の亀頭が私の喉奥をつき、食道近くまで入り込む。
その刺激に急激な吐き気がこみ上げてきたが必死に堪えた。
「ふんぐぅっふぬぅおぐうぅ!?」
「ひひっゆ、ゆかりさまののど、きもちいいです! で、でますよ? のんでください!」
ぶりゅっ、ぶりゅぅぅぅぅ!
待ってと声を出そうにも、肝心の喉は紅のそれが塞いでしまっている。
そして今までよりも大きくそれが震えるとともに先ほどよりもドロッとした液が口の中に放たれた。
喉奥から胃の腑へと直接熱い液体が押し込まれる。
二回目とは思えない程の量と粘りに喉が液で詰まり、口内にとどまりきらない液体は鼻から漏れ出した。
息ができずに意識が朦朧とし始めた頃に、紅がゆっくりとそれを口から抜いた。
「うっぷ、ぶへえっ、んん、ん、ううぅ……はあ……はあ……」
喉に詰まったものを指で掻き出し、鼻に詰まった物も取って呼吸を整える。
どうしてこんなことをと問い詰めようと紅の顔を見上げたら、顔面を蒼白にして固まっている紅の姿があった。
「ほ、紅?」
「す、すみません! 私、とんでもないことを……」
気が動転している紅の頭にそっと手を乗せ、落ち着くようにゆっくりと撫でる。
「落ち着いた?」
「は、はい……ありがとうございます」
「どうしてあんなことしたの?」
「その……傍にいて欲しくて……気がついたら手で頭を掴んでて」
「そう……そんなに私のこと求めてくれたんだ」
「あっ」
私がそう言うと紅は顔を真っ赤にして慌てて俯いた。
改めて考えてみると紅がここまで自分の気持ちを前に出すのは初めてかも知れない。
つまりそれだけ私のことを信頼してくれるようになったってことなのかな。
……それならこれくらいのお願いはしてもいいわよね。
「ねえ、紅」
「はい、なんですか紫様」
「その紫様ってそろそろ止めて欲しいな。お母さんって言って欲しいなあ」
「で、でもそんな私たち親子である以前に主従ですし……」
「主従である以前に親子でしょ。例え血は繋がっていなくても、ね?」
いきなりはやっぱり無理かしらね。
私だってこの子を義娘にしてからいろいろと戸惑うこともあったわけだし。心の準備が必要よね。
「紅、今すぐにじゃなくても……」
「お……ぁさま」
「えっ?」
「お、お母様」
「――――ッ!」
お母さんじゃなくてお母様! なんだか少し高貴な感じがするわ!
しかも紅潮した顔で! うふふふ、紅かわいいよ紅。
ああそれにしても思っていたよりも心地いい響きね。ぐふふ。
「あ、あのお母様?」
「うふふ、なあに紅ちゃん。ああ、そういえばまだ生えたままだったわね」
「はい……あんなに出したのに……」
「確実に量は出ているわけだし、あと数発抜けば大丈夫だと思うわよ」
さて、ひたすら手で扱くだけでもいいんだけど、味気ないというか作業っぽくなっていけないわよね。
ここはやはり……
「ねえ、紅。私のここ、使ってみない」
私は自身のおまんこを指で開いてみせる。開かれたそこからは愛液が糸を垂らしている。こんなことをしているんだから当然か。
自分で言うのも何だがこう見えて毛の処理は怠っていないし、あまり使い込んでもいないので綺麗だ。
使い込んでいないと言っても経験が少ないわけでは無く、むらむらしてきたら触手を使って一気に数発出しちゃう方が楽だから使っていないだけなんだけどね。
「っ!? だ、だめですよ! 私たち親子ですし」
「それはすごく今更だと思うの」
「ううっ……確かに」
なんせ今はこうやってしちゃってるわけだし、私は以前に紅をレイプしちゃってるわけだし。
「大丈夫よ。別にこれが初めてってわけでもなし。それにそれから出るのは妖力であって精液じゃないのよ」
「それはまあ、たしかにそうかもしれませんけど」
「それに紅も興味あるでしょ? 男の人が女の人とするのがどんな感じなのか」
「むう……本当はお母様がしたいだけだったりしないでしょうか」
「ななな、何を言ってるのかしら!? お母さんは決して紅とあんなことやこんなことしたいだなんて思ってないんだからね!」
「本音がダダ漏れですよ……」
「はうっ!」
だって仕方ないじゃない……紅と四六時中一緒にいて厭らしいことを考えるななんてどんな拷問よ。
「でも……私としてはそっちの方が嬉しかったりします」
「へっ?」
「私のためにお母様が無理してるんじゃないってわかりましたから」
「紅……貴女そんなことを思って……ふふ、全くしょうのない子ね」
ううん、子どもに心配されてるなんて私もまだまだね。これからはもう少し私がリードしてあげないといけないようね。
私は紅を大理石の床に押し倒すように寝かせると身体の上に跨がった。裸だから少し冷たいかも知れない。
「お母さんのあそこを見て興奮した? 紅のそれ、また元気になってるわよ」
「ん、はい。お母様のがすごく綺麗ですから」
この年でそういうセリフを言ってもらえるとは思わなかったわ。今日まで手入れしてきてよかったわ。
いやでもなんだか年甲斐もなく恥ずかしくなってきたんだけど。
言うにしてももうちょっと恥じらった感じかと思ってたのに真顔で言うんだもの。
うう、リードしようと思った矢先にこれとか先が思いやられるわね。
「う、うん、まあお互いに準備万端というわけで、それじゃあ、ちゃっちゃっと挿れちゃいましょう」
「は、はい!」
ふふふ、やっぱり紅も緊張してるみたいね。挿入したらすごく気持ちよくてトロ顔になるでしょうけどお母さんがしっかりリードしてあげるわよ。
そうして私は意気揚々と腰を上げ、紅のそれの上に穴を移動させると、紅が痛くならないようにゆっくりと腰を下ろした。
千年と少しの間、自身の指くらいしか入れていなかった場所が他人の温もりで埋まっていくのを感じる。
「あっ、はあぁぁぁぁ……こんな充足した気持ち、久しぶりだわ。紅、貴女はどう?」
「す、すごいです……満遍なく締め付けてきて、搾り取ろうとしてくる……これが女性器なんですね」
紅もいい感じに雌の顔になって気持ちよさそう。
やっぱり同じ快楽でも女の身で男の快楽を得るのって違う物なのよね。
でも、こうして久しぶりに味わうと女の快楽も馬鹿にできない物ね。子宮が疼いてしまうわ。
「紅、もう動くけどいいわよね?」
「は、はい……あ、でも手をつないでもらえますか……安心するんです」
「ふふ、いいわよ」
私の指と紅の指を絡めるようにして私たちは手をつないだ。お互いの呼吸が手の平を通じて伝わる。
紅が安心すると言った気持ちがわかったかも知れない。二人の呼吸が徐々に合わさって落ち着いてきた。
「じゃあ、いくわね」
「はい」
私はゆっくりと腰を上げる。じゅぷじゅぷと愛液の擦れる厭らしい音が響く。膣内から出てきたそれは私の愛液で艶めかしく輝いていた。
腰を降ろし始めると紅が手に力を入れて、小さく「んっ」と綺麗な声色で鳴いた。
そんなが可愛くて、私は紅の手を強く引いて起きさせると唇を啄んだ。ちゅっちゅっと音を立てながら何度も何度も。
唇が離れると紅は再び床に背を預けた。
それから私たちは腰を降ろす度にキスをする。まるでそういう機械であるかのように、それが当たり前であるかのように身体が勝手に動いた。
回数を重ねる度にそれは早くなり、身体は熱を帯びていく。私からだけではなく、紅からも私の手を引いて唇を啄みに来るようになった。
頭の中がふやけて、他のことなんて考えることができなくなると私たちはどちらからともなく互いの名を口にしていた。
私が紅と叫ぶ度に紅のそれは嬉しそうに脈打ち、紅がお母様と呼びかける度に私の子宮は疼き、膣は力強く締め付ける。
すでに私自身は何度か絶頂していた。けれど紅がまだだからと、私は敏感なまま腰を振り続けた。
私の振り乱す金の髪と汗がきらきらと輝いていた。
「んく、ああああっ! 紅、紅!」
「はああ、んはあ! んっお母様! で、でます!」
「はあ、きてえ、奥に押しつけて、たっぷり射精してちょうだい!!」
「んくぅああああああ」
どびゅっどびゅるるるるるるうううぅぅ!!
「んはああああきたああああ!」
「おかあさまっ!」
私が深く腰を降ろすと同時に紅は腰を上げて私の膣奥を大きく突いた。
そして一際強く手が握りしめられるとともに紅の妖力が私の中で爆発した。
激しい快楽が身体を走り抜け、余韻が全身を痺れさせる。
とても熱い液体がお腹の中で未だに存在を主張している。
腰の砕けた私は紅の側に倒れ込む。柔らかい胸と腕が私を受け止めてくれた。
涙と涎でぐちゃぐちゃになった紅の顔はそれでもどこかすっきりとしていて、落ち着いていた。
「お母様の中、すごく気持ちよかったです」
「そう……ありがとう。紅のもなかなか立派だったわよ」
そう言って私たちは少し照れ隠しするように笑った。
「ん、お母様、私まだ全然し足りないです……」
「わかってるわ。私の中でまた大きくなってるもの。空になるまで相手してあげるわよ」
私は結んでいた手をほどき抱きしめると、紅の頭を撫でながら言った。
この子もスイッチが入ってしまったようだ。目が本気だ。
「大好きです、お母様」
「私もよ、紅」
軽くキスを交わすと、紅は私の腰を手で掴む。
そして紅は私の腰を上下に動かしながら自らの腰を強く打ち付ける。肌と肌とがぶつかる乾いた音と水音が激しくこだました。
だんだんと知性が失われていくのがわかる。連続しての絶頂に脳が焼き切れそう。
一突きされる度に、母と呼ばれる度に私の思考は暗い海へと沈んでいく。
それは紅も同じなのでしょう。だんだん顔が犯すことしか考えられなくなっている。
そして私は十二度目の絶頂で意識が白濁とし、何十度目かの絶頂と数回目の膣内射精で気を失った。
――――――――――――――――――――――
空腹と寒さで目が覚めた。起きると腰と股のあたりが痛い。
明日は一日中寝て過ごすことになるかも知れない。まあ、今日もほとんどそんな感じだったけど。
そういえばここは風呂場だったのだと、今更になって思い出す。
こんなところで寝てしまったら風邪を引いてしまうかも知れないわねと思いながら隣を見やると、猫のように丸くなって寝ている紅がいた。
股間部を覗き見てみると肥大化していた陰核は元の大きさに戻っていた。ただ、使いすぎたためか赤く腫れていたけれど。
「紅、おきなさい。風邪を引くわよ」
「ん……ふわ……お母様、おはようございます」
「おはよう。まだ夜だけどね」
紅はまだ寝ぼけていたようだけど、このままにして置くわけにも行かないので身体を洗い一緒にお風呂に入った。
風呂を出る頃には紅も目が覚めてきていて、さっさと着替えるとすぐに夕食を作ってくれた。
疲れていたこともあって食は進まないかと思ったけれどあっさりした物だったので意外に箸が進んだ。
ご飯を食べ終え、布団を敷き始めると普段は別々の部屋で寝ている紅が今日は同じ部屋で寝たいと言ってきた。
灯りを消し、真っ暗な中で目を閉じる。
「お母様」
「なあに」
「今日ちょっと思ったことがあります」
「うん?」
「性行為をしてるときって、心の中がすごくよく現れるんです」
「そうかもしれないわね」
「今までの人はみんな自分勝手な欲望がよく出てました。……あの時のお母様も」
「……」
「でも、今日のお母様は違いました。自分のこと以上に私のことを見てくれていてすごく温かかったです」
「そう、かしら」
「はい。だから、お母様となら、その、またしてもいいかなって……」
「ぶっ! い、いいの? また前みたいに無茶苦茶に犯しちゃうかもしれないわよ?」
「大丈夫ですよ。今のお母様なら。信頼、してますよ」
私が何か言おうと考えている内に、隣から紅の寝息が聞こえてきた。
こうしてその日私は珍しく、緊張してなかなか眠ることができなかった。
翌朝、寝起きの私に紅が笑顔でお母様と言ってくれたのだけど、それで軽くイってしまった。
それからもお母様と言われる度に身体が反応して軽くイってしまう。私はバター犬か何かか。
そこで泣く泣く紅には元の紫様呼びに戻してもらった。
私のお母さんと呼ばれたいという夢は水の泡に、いや愛液の泡に消えた。
「紅紫」の後日談的な話です。
美鈴が紫の義理の娘の八雲紅という設定です。
紫視点です。
―――――――――――
紅が娘になってから四度目の夏が来た。
私は娘のために立派な母親になろうと思い、家事も仕事もしっかりこなした。
……最初の内は。
やはり妖怪なので月が欠け始めるとやる気がなくなったり、疲れた日の翌日なんかは一日中寝てしまったりするもの。
仮に起きていても妖怪ふかふか布団が私の道を阻む。
というか今も阻まれてる。
おのれ布団め。やはり長年続けてきた生活を変えるのは無理だということなのかしら? いいえ、私はやればできる女よ!
今日こそ自分を変えてみせると布団に手をかけたそのとき、部屋に紅が入ってきた。
「紫様~ご飯できましたよ~起きてくださーい」
「はーい、起きてるわよー」
ああ、今日も紅の笑顔はまぶしいわね。
私が家事をしないとなると当然紅が代わりにすることになる。
すると紅はエプロン姿で鼻歌交じりに朝食を用意してくれる。
昔から考えると彼女は随分明るくなったと思う。それは私も何でしょうけれど。
今の紅を見ていると、何も母の形は一つじゃないわけだし、このままでもいいのかななどと考えてしまう。
そういえば今日の紅は少し前屈みになっている気がするけど腰でも痛いのかしら。
「ふんふんふふん~」
まあそれはそれとして最近の明るい紅の姿を見ているとこうむらむらしてしまう。
歌に合わせて腰を揺らす姿とか誘っているようにしか見えないわ。
そんな姿を見せられたらそっと近付き抱きしめて耳元で愛を囁きたいとか育ち盛りの胸を揉みし抱きたいとか耳朶を甘噛みしたいとかいう衝動に駆られてしまうじゃないの。
いや、さすがにそんなことしないけど。
一応これでもお母さんだし、また紅を傷つけたくないし。
でも頭の中で妄想したり、夜のおかずにするくらいなら問題ないわよね。
「はい、ご飯できましたよ」
「ええ、ありがとう」
「それではいただきます」
「いただきます」
朝食を食べ始めても私は紅ばかり見ている。
真っ白なご飯が柔らかそうな朱色の唇を越え、紅の口の中へと入っていく。
頬が歯の動きに合わせて揺れ動く。
この子は本当にご飯を美味しそうに食べるから見ていて飽きないわ。
ああ、それにしても私も紅に食べられたいわ。もちろん性的な意味でも大歓迎よ。
「ん、紫様、ほっぺにご飯粒がついてますよ」
「へっ? ど、どこ?」
いけない。私のような淑女がいくら他のことに気を取られていたからと言って頬にご飯粒を付けるようなみっともないことをしてしまうなんて。
慌てて頬を触ろうとしたところ、紅がすっと手を伸ばし私の頬に触れた。
「はい取れましたよ。あむ」
「っ!! あ、ありがと」
危ない危ない。危うく押し倒して口の中のご飯粒を一緒に味わってしまうところだった。
しかし頬についたご飯粒を食べるとはなんて積極的なのかしら。
これは貴女を食べちゃいたいってことなの!? やだ、あとでお風呂入らなきゃ!
なんて下らないことを考えてしまうのも気を紛らわせるためには必要なこと。
「ごちそうさま」
「お粗末様でした」
食事を終えると紅は食器を片付け、洗濯物を干しに庭へと出て行った。
このときは前屈みじゃなかったから腰を痛めているとかいうわけではなかったようね。安心安心。
本当は洗濯も元々は私の仕事だったりするのだけれど、今日はゆっくり紅の仕事ぶりでも眺めておこうかと思う。
だって外は暑いので冷房結界の張ってある室内から出たくないのよ。
それに紅の紅い髪ってお日様の下が映えるのよね。
夏の暑さにしたたる汗、それによって透ける服、そして健康的な四肢が調和して実に美しいわ。
ああ、それにしても改めてみると出会ったときはあんなに平らだった胸が今ではそれなりの大きさに育っているわね。
私としてはあの頃の平らな胸にぴんと立つ二つの突起もそそられるものがあったのだけど、少し小ぶりな果実もなかなか。
「そういえば今って透けてるから乳首が見えたりするのかしら」
「はい? 紫様何か言いましたか?」
「何でもないわ。独り言よ」
見えた。今日はいい日になりそうだ。
しかしすごく小声で言ったのによく聞こえたわね。注意しないと。夜の声とか漏れてるかも知れない。
そういえば未だに紫様なのよね。
そろそろお母さんって呼んでくれても……
『お母さん大好き(はあと)』
ぐふっ、だめね……想像しただけで鼻血が出そうだわ。
実際に言われたら死んじゃうかもしれないわね。
こうして私は次々と洗濯物を干していく紅を眺め、妄想しながら午前中を過ごした。
昼ご飯も二人で食べた後、紅が屋敷の掃除を始めたので邪魔にならないように縁側で日向ぼっこをした。
すると、温かい日差しと冷房のひんやりとした空気で徐々に眠気が襲ってきた。
――――――――――――――――――――――
「ん……」
ふと気がつくと真っ赤な夕日が目に入った。
どうやらあのまま眠ってしまったらしい。
身体には布団が掛かっていた。紅が掛けてくれたようだ。
布団は少し湿気ていた。恐らく寝汗をかいたのだろう。冷房が効いているとは言え寝れば汗はかいてしまうのよね。
ちょっと身体の匂いを嗅いでみる。
「……汗臭いわね。少し早いけどお風呂に行こうかしら」
お風呂に向かってみると水音が聞こえた。
恐らく紅が使っているのだろう。
朝は外で汗をかき、昼は埃を浴びただろうし当然か。
「出直そうかしら……いや」
ふと思い返してみると最近一緒にお風呂に入っていない。
紅も一人では入れる年なのだから当たり前なのだけれど。
でもやっぱりたまには娘と一緒に身体の流しっこをしてみたいわけで。
それに最後に一緒に入ったのも私たちが家族になるより前なわけだし、ここは親交を深めるためにも一緒に入るべきな気がする。
私が紅の裸をまじまじと見たいとか、背中を流しながらおっぱい揉んだりしたいとかとは関係なく。母親として。
「うん、どう考えても一緒に入るべきよね。合理的かつ論理的に考えても間違いないわ」
というわけでゆかりん入ります。
一瞬で服を脱いだ私は早速お風呂のドアを開けて跳び込んだ。
「紅ちゃんたまには一緒に背中流しっこしよ!」
「へっ? ゆ、紫様ぁぐふお」
あまりにも勢いよく入りすぎたので中の紅とぶつかってしまった。
するとむにっと何か温かい物が顔に当たった。
「んーこれは胸……にしては硬いわよね。なんだか細長い気がするし。じゃあ腕……でもないわよね」
何だろうと思いながら顔を離してみるとそこには立派な男性器のような物が!
「は、はいいいいいい!? ななな、なんで?」
「あ、いや、これは、はううう」
紅は恥ずかしそうに顔を赤らめるといそいそとタオルでそれを隠した。
「す、すみませんこんな物を紫様のお顔に当ててしまって」
「それはいいけど……どうしたの、それ」
紅はそう言う物を生やす技は持っていなかったはず。
「その、昨日から急に生えてきまして……」
「もう、どうして早く私に言わなかったの」
「その、変に心配させるのもあれなので……しばらく様子を見ようかなって」
「駄目でしょ。ちゃんと言わなきゃ。こういうのは早めに対処するのが肝心なんだから」
「はい……」
あれ? 今日の私お母さんっぽいんじゃない?
っとそんなことより、これは一体どういう物なのかしらね。
「見た感じ男性器っみたいに見えるけど……ん、これは場所から察するに肥大化した陰核なのかしら」
「うう、昔色々したから大きくなっちゃたんでしょうか」
「それなら一日で突然こうはならないでしょ。とすると……第一次妖怪性徴かしらね」
「びょ、病気ですか!?」
「いいえ。妖怪ならみんななるわよ」
人間と違い妖怪は子どもから大人になる年齢は一人一人にかなり差がある。
それは妖怪の精神成長に依存するからなんだけど、紅みたいに大きくなってからなるといろいろ大変なのよね。
なまじ体が性徴の際に増加する妖力に堪え切れちゃうから溜まった分が放出できずにどこかに溜まっちゃうのよね。
まあ放って置いても勝手に身体から漏れ出して元に戻るんだけど。
「そうですか。じゃあ放っておけば治るんですね」
「ええ、そう……あっ」
このとき私はあることに気がついてしまった。
今なら紅と身体を重ねるのに理由が存在すると。
確かにそのままでも治るが、肥大化した箇所に刺激を与えて放出した方が早く治る。
しかも普通こうなった妖怪は性欲に突き動かされてそこらの人間をつかまえて行為に及ぶとも言う。
つまり擬似的な性交渉を行うことは選択肢としてありだということ。
私は紅の母親だからと自分に言い訳して律してきたけれど、今度は逆に紅の仕事に支障が出ないよう早く治してあげるためという言い訳で自身の欲望を正当化できてしまう。
そんな心の中の煩悩と戦いながら口を開いた。
「どうしたんですか?」
「……確かに放って置いても治るのだけど、やっぱり早く治したいわよね?」
「はい。朝とか立ってしまってすごく痛いですし」
「そうよね。そこでちょっとした処置をすることで早く治るわ」
「処置、ですか?」
くっ! 何あっさり誘惑に負けてるのよ私!
落ち着いて。まだ間に合うわ。
ここから元の方向に軌道修正を……
「あ、あの……処置ってやっぱりその、そっち方面でしょうか」
……はい、軌道修正完了しました。
真っ赤な顔でそんなこと言うなんて反則よ。
私の最後のリミッターが外れてしまうじゃないの。
でも、最後にこれだけは言っておかなければ。
「そうよ。ああでも、私が相手じゃ嫌なら道具を使うとか他の方法もあるけれど」
「いえ……紫様になら、いいですよ」
その言葉が気遣いや遠慮から出た言葉でないことに私は安堵する。
「そ、そう。じゃあ、始めましょう」
私はそっと左手を紅の頬に添え、ゆっくりと顔を寄せる。
その意味を理解した紅は目を閉じ、私の口付けを、そして舌を入れることを受け入れた。
「ん、んちゅ、紅……んちゅう」
「んむ、紫様……ふあ、んちゅ」
唇が離れると紅はすっかり女の顔になっていた。もしかしたら自分もそうなのかもしれない。
左手で頬を撫でてあげると安心した子どものような顔で照れたように笑った。
それに私も優しく微笑み返し、そっと抱き寄せる。
「わかる? 今、貴女と私のお腹の間に温かい物があるのが」
「はい。紫様のお腹、すべすべしてて柔らかいです」
紅は小刻みに腰を揺らしながら私のお腹にそれを擦りつけてくる。
「あら、お腹なんかでいいの?」
「はあはあ、だって紫様のお腹、すごく気持ちいいんです」
まるでセックスをしたことのない子どものようね。
いえ、女を武器にしてきた紅もこんな経験はないのだから当たり前か。
私は紅の腰に手を回し、ぎゅっと抱きしめた。
二人のお腹に挟まれ、それは強く締め付けられた。
「ふううう、これ、まるで、おまんこみたいですっ」
「ふふ、温かいのが脈打ってるわ。出したいのね」
紅の動きに少しずらすように私はゆっくりと腰を振る。
どくんどくんと脈打つ早さが次第に増してきているのがわかる。
時折二人のへその穴が紅のカリを引っかけ擦る。
「ふぅぅっ! で、出ます!」
どくんっ……びゅるるるるる!!
「あふうん、おなか、あついわ」
吐き出された妖力はまるで本物の精液のように白濁としていた。
とろっとして如何にも人間を誘いそうな甘く厭らしい匂いがした。
「ん、んちゅ、くちゃ」
二人の間に溜まったその液体を一掬いして口に含んでみたら熟しているようで完全には熟していない、紅そのものの味のように感じた。
紅にもこれが貴女の味なのよって味わわせて上げたいけれど、そんなことしたらせっかく出した妖力が戻っちゃうからできない。
紅の方を見ると初めての感覚に放心したような様子だった。
「紅、大丈夫?」
「は、はい……らいじょうぶです……」
余韻がまだ残っているのでしょう。
私は紅の手を引いて座らせた。
もう少しゆっくりさせてあげたいけれど、たった一発で溜まっていた物ができるはずもなく、一気に抜かないとすぐに元の状態に戻ってしまう可能性もある。
そこで私は一発出して落ち着きかけたそれをもう一度勃たせるために、紅のおまんこに中指を差し入れる。
「はぐふっ!? ゆ、紫様、そこは!」
「一突きで身体ができあがっちゃったわね。乳首もピンと勃ってるわ」
おまんこに軽く指を挿れるだけで、すぐに男性器を挿入できるように体ができあがる。
紅の奴隷時代の名残みたいなものだからできれば利用したくないんだけど、今回ばかりは仕方ないわよね。
私は紅の膣から指を抜き、そこについた愛液を舐め取る。
「これならいけそうね、いただきます」
「――――ッ!!」
再びギンギンに勃ったそれに私は口を大きく拡げてしゃぶりつく。
反射的に閉じようとする紅の太ももを手でがっしりと抑える。
舌を鈴口に当て吸い込むと残っていた液体が口の中いっぱいに拡がり、紅の全てを味わっている感じがしてくらっとした。
わざとじゅるじゅると厭らしい音を立ててみると音に合わせて紅の肩がびくんと揺れる。
しゃぶったことはあってもしゃぶられたことの無い紅は未知の感覚に口から涎を零しながらだらしない顔をしていた。
「ろお、ほん……ひもひいい?」
「ふひっは、はい気持ちよくて、あたまちかちかします。男の人ってこんな気持ちなんですね」
「んちゅ、そうね、ぷはあ、紅が望むなら、んく、生やし方教えてあげるわよ?」
「ほあ、そ、それは、んひっ、ちょっと、んん、考えさせて、うひっ、ください、んんっ」
生やし方は覚えて置いて損はないわよね。
紅の好きになる人が男性とは限らないし、というか昔のことを考えると男性とするのは難しいかもしれないのよね。
おっと、またぴくぴく震えてるわね。そろそろかしら。
いつでも大丈夫なように少し口を離れさせておこうかしらね。
「んー」
「ふあっ、だ、だめ! はなれちゃいやです!」
突然紅は私の頭を掴むとぐっと根元まで押し込んだ。
紅の亀頭が私の喉奥をつき、食道近くまで入り込む。
その刺激に急激な吐き気がこみ上げてきたが必死に堪えた。
「ふんぐぅっふぬぅおぐうぅ!?」
「ひひっゆ、ゆかりさまののど、きもちいいです! で、でますよ? のんでください!」
ぶりゅっ、ぶりゅぅぅぅぅ!
待ってと声を出そうにも、肝心の喉は紅のそれが塞いでしまっている。
そして今までよりも大きくそれが震えるとともに先ほどよりもドロッとした液が口の中に放たれた。
喉奥から胃の腑へと直接熱い液体が押し込まれる。
二回目とは思えない程の量と粘りに喉が液で詰まり、口内にとどまりきらない液体は鼻から漏れ出した。
息ができずに意識が朦朧とし始めた頃に、紅がゆっくりとそれを口から抜いた。
「うっぷ、ぶへえっ、んん、ん、ううぅ……はあ……はあ……」
喉に詰まったものを指で掻き出し、鼻に詰まった物も取って呼吸を整える。
どうしてこんなことをと問い詰めようと紅の顔を見上げたら、顔面を蒼白にして固まっている紅の姿があった。
「ほ、紅?」
「す、すみません! 私、とんでもないことを……」
気が動転している紅の頭にそっと手を乗せ、落ち着くようにゆっくりと撫でる。
「落ち着いた?」
「は、はい……ありがとうございます」
「どうしてあんなことしたの?」
「その……傍にいて欲しくて……気がついたら手で頭を掴んでて」
「そう……そんなに私のこと求めてくれたんだ」
「あっ」
私がそう言うと紅は顔を真っ赤にして慌てて俯いた。
改めて考えてみると紅がここまで自分の気持ちを前に出すのは初めてかも知れない。
つまりそれだけ私のことを信頼してくれるようになったってことなのかな。
……それならこれくらいのお願いはしてもいいわよね。
「ねえ、紅」
「はい、なんですか紫様」
「その紫様ってそろそろ止めて欲しいな。お母さんって言って欲しいなあ」
「で、でもそんな私たち親子である以前に主従ですし……」
「主従である以前に親子でしょ。例え血は繋がっていなくても、ね?」
いきなりはやっぱり無理かしらね。
私だってこの子を義娘にしてからいろいろと戸惑うこともあったわけだし。心の準備が必要よね。
「紅、今すぐにじゃなくても……」
「お……ぁさま」
「えっ?」
「お、お母様」
「――――ッ!」
お母さんじゃなくてお母様! なんだか少し高貴な感じがするわ!
しかも紅潮した顔で! うふふふ、紅かわいいよ紅。
ああそれにしても思っていたよりも心地いい響きね。ぐふふ。
「あ、あのお母様?」
「うふふ、なあに紅ちゃん。ああ、そういえばまだ生えたままだったわね」
「はい……あんなに出したのに……」
「確実に量は出ているわけだし、あと数発抜けば大丈夫だと思うわよ」
さて、ひたすら手で扱くだけでもいいんだけど、味気ないというか作業っぽくなっていけないわよね。
ここはやはり……
「ねえ、紅。私のここ、使ってみない」
私は自身のおまんこを指で開いてみせる。開かれたそこからは愛液が糸を垂らしている。こんなことをしているんだから当然か。
自分で言うのも何だがこう見えて毛の処理は怠っていないし、あまり使い込んでもいないので綺麗だ。
使い込んでいないと言っても経験が少ないわけでは無く、むらむらしてきたら触手を使って一気に数発出しちゃう方が楽だから使っていないだけなんだけどね。
「っ!? だ、だめですよ! 私たち親子ですし」
「それはすごく今更だと思うの」
「ううっ……確かに」
なんせ今はこうやってしちゃってるわけだし、私は以前に紅をレイプしちゃってるわけだし。
「大丈夫よ。別にこれが初めてってわけでもなし。それにそれから出るのは妖力であって精液じゃないのよ」
「それはまあ、たしかにそうかもしれませんけど」
「それに紅も興味あるでしょ? 男の人が女の人とするのがどんな感じなのか」
「むう……本当はお母様がしたいだけだったりしないでしょうか」
「ななな、何を言ってるのかしら!? お母さんは決して紅とあんなことやこんなことしたいだなんて思ってないんだからね!」
「本音がダダ漏れですよ……」
「はうっ!」
だって仕方ないじゃない……紅と四六時中一緒にいて厭らしいことを考えるななんてどんな拷問よ。
「でも……私としてはそっちの方が嬉しかったりします」
「へっ?」
「私のためにお母様が無理してるんじゃないってわかりましたから」
「紅……貴女そんなことを思って……ふふ、全くしょうのない子ね」
ううん、子どもに心配されてるなんて私もまだまだね。これからはもう少し私がリードしてあげないといけないようね。
私は紅を大理石の床に押し倒すように寝かせると身体の上に跨がった。裸だから少し冷たいかも知れない。
「お母さんのあそこを見て興奮した? 紅のそれ、また元気になってるわよ」
「ん、はい。お母様のがすごく綺麗ですから」
この年でそういうセリフを言ってもらえるとは思わなかったわ。今日まで手入れしてきてよかったわ。
いやでもなんだか年甲斐もなく恥ずかしくなってきたんだけど。
言うにしてももうちょっと恥じらった感じかと思ってたのに真顔で言うんだもの。
うう、リードしようと思った矢先にこれとか先が思いやられるわね。
「う、うん、まあお互いに準備万端というわけで、それじゃあ、ちゃっちゃっと挿れちゃいましょう」
「は、はい!」
ふふふ、やっぱり紅も緊張してるみたいね。挿入したらすごく気持ちよくてトロ顔になるでしょうけどお母さんがしっかりリードしてあげるわよ。
そうして私は意気揚々と腰を上げ、紅のそれの上に穴を移動させると、紅が痛くならないようにゆっくりと腰を下ろした。
千年と少しの間、自身の指くらいしか入れていなかった場所が他人の温もりで埋まっていくのを感じる。
「あっ、はあぁぁぁぁ……こんな充足した気持ち、久しぶりだわ。紅、貴女はどう?」
「す、すごいです……満遍なく締め付けてきて、搾り取ろうとしてくる……これが女性器なんですね」
紅もいい感じに雌の顔になって気持ちよさそう。
やっぱり同じ快楽でも女の身で男の快楽を得るのって違う物なのよね。
でも、こうして久しぶりに味わうと女の快楽も馬鹿にできない物ね。子宮が疼いてしまうわ。
「紅、もう動くけどいいわよね?」
「は、はい……あ、でも手をつないでもらえますか……安心するんです」
「ふふ、いいわよ」
私の指と紅の指を絡めるようにして私たちは手をつないだ。お互いの呼吸が手の平を通じて伝わる。
紅が安心すると言った気持ちがわかったかも知れない。二人の呼吸が徐々に合わさって落ち着いてきた。
「じゃあ、いくわね」
「はい」
私はゆっくりと腰を上げる。じゅぷじゅぷと愛液の擦れる厭らしい音が響く。膣内から出てきたそれは私の愛液で艶めかしく輝いていた。
腰を降ろし始めると紅が手に力を入れて、小さく「んっ」と綺麗な声色で鳴いた。
そんなが可愛くて、私は紅の手を強く引いて起きさせると唇を啄んだ。ちゅっちゅっと音を立てながら何度も何度も。
唇が離れると紅は再び床に背を預けた。
それから私たちは腰を降ろす度にキスをする。まるでそういう機械であるかのように、それが当たり前であるかのように身体が勝手に動いた。
回数を重ねる度にそれは早くなり、身体は熱を帯びていく。私からだけではなく、紅からも私の手を引いて唇を啄みに来るようになった。
頭の中がふやけて、他のことなんて考えることができなくなると私たちはどちらからともなく互いの名を口にしていた。
私が紅と叫ぶ度に紅のそれは嬉しそうに脈打ち、紅がお母様と呼びかける度に私の子宮は疼き、膣は力強く締め付ける。
すでに私自身は何度か絶頂していた。けれど紅がまだだからと、私は敏感なまま腰を振り続けた。
私の振り乱す金の髪と汗がきらきらと輝いていた。
「んく、ああああっ! 紅、紅!」
「はああ、んはあ! んっお母様! で、でます!」
「はあ、きてえ、奥に押しつけて、たっぷり射精してちょうだい!!」
「んくぅああああああ」
どびゅっどびゅるるるるるるうううぅぅ!!
「んはああああきたああああ!」
「おかあさまっ!」
私が深く腰を降ろすと同時に紅は腰を上げて私の膣奥を大きく突いた。
そして一際強く手が握りしめられるとともに紅の妖力が私の中で爆発した。
激しい快楽が身体を走り抜け、余韻が全身を痺れさせる。
とても熱い液体がお腹の中で未だに存在を主張している。
腰の砕けた私は紅の側に倒れ込む。柔らかい胸と腕が私を受け止めてくれた。
涙と涎でぐちゃぐちゃになった紅の顔はそれでもどこかすっきりとしていて、落ち着いていた。
「お母様の中、すごく気持ちよかったです」
「そう……ありがとう。紅のもなかなか立派だったわよ」
そう言って私たちは少し照れ隠しするように笑った。
「ん、お母様、私まだ全然し足りないです……」
「わかってるわ。私の中でまた大きくなってるもの。空になるまで相手してあげるわよ」
私は結んでいた手をほどき抱きしめると、紅の頭を撫でながら言った。
この子もスイッチが入ってしまったようだ。目が本気だ。
「大好きです、お母様」
「私もよ、紅」
軽くキスを交わすと、紅は私の腰を手で掴む。
そして紅は私の腰を上下に動かしながら自らの腰を強く打ち付ける。肌と肌とがぶつかる乾いた音と水音が激しくこだました。
だんだんと知性が失われていくのがわかる。連続しての絶頂に脳が焼き切れそう。
一突きされる度に、母と呼ばれる度に私の思考は暗い海へと沈んでいく。
それは紅も同じなのでしょう。だんだん顔が犯すことしか考えられなくなっている。
そして私は十二度目の絶頂で意識が白濁とし、何十度目かの絶頂と数回目の膣内射精で気を失った。
――――――――――――――――――――――
空腹と寒さで目が覚めた。起きると腰と股のあたりが痛い。
明日は一日中寝て過ごすことになるかも知れない。まあ、今日もほとんどそんな感じだったけど。
そういえばここは風呂場だったのだと、今更になって思い出す。
こんなところで寝てしまったら風邪を引いてしまうかも知れないわねと思いながら隣を見やると、猫のように丸くなって寝ている紅がいた。
股間部を覗き見てみると肥大化していた陰核は元の大きさに戻っていた。ただ、使いすぎたためか赤く腫れていたけれど。
「紅、おきなさい。風邪を引くわよ」
「ん……ふわ……お母様、おはようございます」
「おはよう。まだ夜だけどね」
紅はまだ寝ぼけていたようだけど、このままにして置くわけにも行かないので身体を洗い一緒にお風呂に入った。
風呂を出る頃には紅も目が覚めてきていて、さっさと着替えるとすぐに夕食を作ってくれた。
疲れていたこともあって食は進まないかと思ったけれどあっさりした物だったので意外に箸が進んだ。
ご飯を食べ終え、布団を敷き始めると普段は別々の部屋で寝ている紅が今日は同じ部屋で寝たいと言ってきた。
灯りを消し、真っ暗な中で目を閉じる。
「お母様」
「なあに」
「今日ちょっと思ったことがあります」
「うん?」
「性行為をしてるときって、心の中がすごくよく現れるんです」
「そうかもしれないわね」
「今までの人はみんな自分勝手な欲望がよく出てました。……あの時のお母様も」
「……」
「でも、今日のお母様は違いました。自分のこと以上に私のことを見てくれていてすごく温かかったです」
「そう、かしら」
「はい。だから、お母様となら、その、またしてもいいかなって……」
「ぶっ! い、いいの? また前みたいに無茶苦茶に犯しちゃうかもしれないわよ?」
「大丈夫ですよ。今のお母様なら。信頼、してますよ」
私が何か言おうと考えている内に、隣から紅の寝息が聞こえてきた。
こうしてその日私は珍しく、緊張してなかなか眠ることができなかった。
翌朝、寝起きの私に紅が笑顔でお母様と言ってくれたのだけど、それで軽くイってしまった。
それからもお母様と言われる度に身体が反応して軽くイってしまう。私はバター犬か何かか。
そこで泣く泣く紅には元の紫様呼びに戻してもらった。
私のお母さんと呼ばれたいという夢は水の泡に、いや愛液の泡に消えた。
ご馳走様でした。
ゆかめー最高です!