満ちて、足りるまで
博麗神社の一室にて。
数日前からそろそろか、と感じていたが、空気が、そして己の勘が告げている。「今だ」と。
博麗霊夢はそっと立ち上がり、目の前に現れたスキマが開くその瞬間を待った。
「霊夢〜!漸く仕事がひと段落したから遊びにきt」
「かかったわね!飛んで火に入るスキマ妖怪!対八雲紫専用結界、食らいなさい!」
「へ」
それは一瞬の出来事だった。
紫が気付いた時には、神社の一室は強固な結界に閉ざされていており、見るまでもなくそれが周到に準備されていた
ものであると肌で感じ取ることができるほどのものだった。
浮かれた気分も一転、紫は訝しんだまま戦闘態勢の霊夢に対峙した。
「…霊夢。これはどういうことかしら。この感じだとこの周囲に至るまで何層か結界が張られてるみたいだけど」
「…訊きたい?そう」
そう呟くと、霊夢は結界を張る際に集中するための戦闘態勢を解き、深妙な面持ちで紫に一歩ずつ近付いてゆく。
紫の目の前で立ち止まり、一度深く息を吸い込み、一息でこう告げた。
「こんなめんどくさい結界張る理由なんてそんなの誰にも邪魔されずにあんたとイチャイチャする為に決まってるでしょうが!!!」
「は?」
聞き間違いかと紫が思った瞬間に霊夢と紫の距離はゼロになった。紫に近付いた霊夢が背伸びをして紫に口付けたのだから。
「んぶっ」
「…っ」
半ば強引な口付けはただ唇をぶつけたようなもので、ごく短い時間で終わった。
唇を離し、紫の首元に顔を埋めた霊夢の表情が紫には見えなかったが、抱きしめてやると普段より温かい体温を感じて
紫は久しぶりの感覚に目を細めた。
「私が…そう思うのは…おかしい?」
おかしいところもなくはないが、甘えたな声はちょっとだけレアなほうのいつもの霊夢だったので紫は内心安堵した。
霊夢が語った内容はこうだ。
博麗神社には、主に日中に不特定多数の来客がある。魔理沙や茨歌仙、早苗や他の妖怪達。
しかしそれは呑みの約束を除いては霊夢には予測ができない。
その中で、ただひとりの恋人ーーー八雲紫が日中にふらりとやってきた時に、ふたりきりで過ごすことが出来た事が実は少ない。
ましてや「そういうこと」をいざ始めようとした時に誰かの元気な挨拶が聞こえてきて急いで着衣を直すこともままあった。
そこで霊夢が考えたのは「次に紫がやってきたタイミングで神社全体に結界を張り巡らせ、好きなだけイチャイチャしてみたい」
という不純極まりない作戦だった。
全て話し終えると、霊夢はまた紫の首元に顔を埋めた。久しぶりとはいえ、慣れた匂いと感触は紫を安堵させた。
「霊夢」
「ん」
「それはちょっと誘い方としてはエクストリームすぎると思うのだけど」
「う、うるさい!あんたがいつ来るか教えてくれないのが悪い!!」
これに関しては紫は反論できない。自分や幻想郷の結界にいつ何が起こるとも分からない。
霊夢の為にも自分の為にも守れない約束をしたくはなかった。そういう理由で紫は霊夢に事前に会いに行くことは
伝えないことがほとんどだった。
「ああ、それもそうね」
「『それもそうね』じゃない!…私がどんだけ準備してどんだけ待ったと」
「ごめんなさいね…でも嬉しい」
霊夢は我慢が得意ではない。その事を分かってはいてもこんなに自分のことを求めてくれていたと行動で示されたことに
紫は内心ひどく喜んだ。頭をひと撫ですると、すりと顔を寄せる霊夢は猫のようだと紫は思った。
今誰も来ていなくてよかったわね。
そう言ってにこりと笑い霊夢を諌めるように口付ける。
今度は先程のような乱暴な口付けではなく、舌を絡ませ合う深いものとなった。
最初は僅かに驚き、びくりと身を強張らせた霊夢もすぐに順応していった。
同様に紫も霊夢の隠さない情欲に身も心も引き寄せられていた。
「はっ…ん…ん…ぁ…紫…」
「いやらしい霊夢。そんなに待っててくれたなんて」
「んぅっ…!ふぁ…ゃ…いやらしい…私は…嫌い?」
「いいえ?…可愛くて仕方ないに決まってる」
座り込んで、音を立てることも気にせずお互いの唇と唇を重ね合わせる。
普段はこういったことには消極的な霊夢も、自分からしたいという気持ちが先行しているのだろう。
普段よりも積極的に快感を拾い上げてゆき、それを素直に全身で感じている。
それに熱された紫の指先が霊夢の理性をじわりじわりと溶かして、2人の呼吸が少しずつ深くなっていった。
「…それなりに我慢したんだから」
「どうやって?」
「っ…ひとりで…してみたり」
「それで、首尾は如何程に?」
満面の笑みで尋ねる紫から霊夢は顔を真っ赤にして目を背けた。
「…中途半端に一層あんたが欲しくなった」
「…本当に」
誰がこの子をこんなにいやらしくしてしまったのかしら?と紫が仰々しく言うと、あんたでしょうが!
と霊夢は顔を赤らめて手を振り上げたが、それもまた紫は受け止める。
指先を口に含み甘噛みすれば、霊夢はまた呼吸を乱して下半身を震わせた。
「ぁっ…はっ…今日はもう…誰にも…邪魔されない…から…」
霊夢はゆるやかに紫を押し倒した。
「最後まで…私が満足するまで…したい」
霊夢は紫に強請るように見つめて、触れるだけの口付けをした。先刻の乱暴にしたそれよりもずっと冷静で、しかし情熱的だった。
情欲に染まりきった霊夢の瞳を見つめて、紫はくすりと笑って目を細めた。
障子を僅かに開け放しているが隙間程度とはいえ外から見えても大丈夫なの?と紫が尋ねると、
結界の外から見た場合この中の風景は実際の見え方と違うものになるらしい。
それ以前にある程度の距離は人間妖怪問わず近づくことも出来ない。いつの間にこんな結界の張り方を覚えたやら。
結界のない場所は1番近くてもせいぜい賽銭箱前だが、今いる部屋とは完全に別方向だったので見えることはまず無いだろう。
では何故障子を少しだけ開けているかを訊くと絶対に熱くなるからとのこと。
つまり初夏の密室の和室でそういう行為をするには暑過ぎるので換気を優先した結果だ。
しかしそれではいくら見えないと言っても少し大胆過ぎはしないだろうか?
という野暮な考えを紫は胸の内にそっと仕舞い込んで、目の前の自分で自分を追い詰めた巫女を美味しく頂くことにした。
「自分から誘ったんだから、あなたが私をその気にしてみて頂戴」
霊夢が恐ろしく手際よく用意した布団の上で衣服を乱し合いながら紫は霊夢にそう命じた。
もちろんこんな事を言わずとも紫は既に「その気」だ。霊夢がここまでなりふり構わず紫とまぐわおうとすることが珍しかった。
こんな機会を逃しては後悔してしまうだろうと紫が考えるほどに。
紫の下半身のそれは霊夢との触れ合いで多少の兆候は見せていたが、まだ挿入には早い。
紫が示した言葉の意味を理解した霊夢は顔を赤らめながらも頷いて、屈む。
衣服を寛げおずおずと手に取り、丸みを帯びた先端を慈しむように口付けた。
「ん、っふ…っ…っ…ぅっ」
くぽ、くぽ、と音を立てながら、霊夢は先程より硬度を増した紫のものを咥えていた。
何度か経験のある行為ではあったが、霊夢はまだ慣れていない様子で表情はやや苦しそうだ。
両脚の間で這いつくばって上下する霊夢の頭部に手を添えて紫はその快感を一身に受け止めていた。
労うように霊夢の頭を撫でると、霊夢も上目遣いに紫を見つめて目を細めた。
ちゅぽ、と音を立てて口を離し、先端にちゅう、と音を立てて吸い付く。
半ば強引なシチュエーションでの誘いではあったが、普段はあまり見られない霊夢の痴態に紫はひどく興奮していた。
「んむ、ぅ…」
「霊夢…もう」
「…だめ」
「…!」
準備だけのつもりが霊夢はこのまま一度紫を遂情させるつもりであることを紫は察した。
普段は嫌がるのに、大盤振る舞いね。と紫は内心ごちて霊夢の愛撫に身を任せる事にした。
勃ち上がったものを更に熱するように、霊夢は口いっぱいに頬張り、時に手を使って懸命に奉仕した。
期待で溢れた霊夢の唾液と紫の先走りが混ざり合ってぐちゅぐちゅと音を立てる。
しかしこのままでは口に出してしまう、と思ったが、霊夢は咥えたままのものを口から離そうとする気配が無い。
普段は見られない姿と性器への強烈な快感に紫は無意識に腰を揺らした。
「霊夢っ…霊夢…っ!…ぅっ…くっ……っ!!」
「ん”ぅっ…!!…ん”…!…っ!…んくっ…」
間も無く霊夢の口内のそれが震え、びゅ、と白濁を弾けさせた。
数度に分けてどく、どくん、と喉奥に流し込むと、霊夢は必死にそれらを飲みこんだ。
それでも飲みきれずに口の端からこぼれてしまったものがぱたぱたと布団の上に散ったが、
普段は口淫でここまでするのは嫌がるのだから十分に頑張ってくれたほうだ。紫はまた霊夢の頭を撫でると、
口に紫のものが入ったままではあるが微笑えむ。最後まで出し切り口内から少しだけ萎えたそれをずるりと抜き出すと、
とろりと潤ませた目に快楽を隠さない霊夢の姿があった。
「…ぷぁ」
「…っ…飲まなくてもよかったのに」
擬似的な精液ではあるが味まではコントロールできない。
だが霊夢は鈴口に残ったものまでちゅう、と吸い上げてまた紫を煽った。
「…ん…だめ…だって」
今日は私が満足するまでするんだから。と耳元で囁かれて、紫は歓びで脳が痺れる様な感覚を味わった。
「…必ず、満足させてあげる」
「は…あっ!…あっ、そんな、の…っ」
「そう?」
紫が意地の悪い顔で笑うと、霊夢は反論が出来なくなった。今は紫に霊夢が凭れ掛かっているが、胸と秘部への両方を紫の細く長い指が責め立てていた。
二箇所を一度に嬲られ、霊夢の理性はもう風前の灯火だった。
「やだ、意地悪、ん、ぁ、しない…っでぇ…!」
「ね、でももうこんなに」
ぐちゃぐちゃね。
「ひ、ぅっ」
紫のものを口淫している間に、霊夢は既に期待しすぎていたのだ。
今自分が口で育てたものを、突き立てられるその時を。
自分の膣内を猛ったものでかき混ぜられるその瞬間を。
紫の細い指先をきゅうと締め付け、霊夢の秘部は期待で十分過ぎるほど濡れていた。
「準備はちゃんとしなくちゃ、ほら、我慢しないで」
「や、あ”ぁ”っ!?んっ、あ”っ、あっ!…ぁ!!ゆか、り、やだっ、ちくび、やめっ…っ!
やだぁっ…そこ…ばっかりぃ…っ!!」
紫が言うな否や、親指と人差し指できゅう、とつねるように乳首への刺激を加え、
それと同時に秘部への指遣いを一層強く、速いものにすると、霊夢は言葉にならない嬌声を上げることしか出来なくなった。
「やだっ、どっちも、とか…そんなの…っあ!…ふっ、んぷ、ゆか、んっ、んぅ…!」
「霊夢…本当に…ん…全部いやらしい、わね」
くにくにと乳首を捏ね上げると、秘部からは愛液が溢れそこはもうぐちゃぐちゃだった。
駄目押しされるように唇も塞がれて、口内と秘部を同じ様に暴かれると、もう霊夢は何も考えられなかった。
「んんっ、ふっ…む…っ!!」
「ね、我慢しないの。…ほら」
(あ…だめ…いく)
「だめ、や、ぁくっ…あああぁっっ!!!」
強い刺激に全身をびくびくと震わせて霊夢は絶頂を迎えた。
「は……あ…っ」
押し寄せた快感と疲労感に霊夢は全身をくたりとさせた。
紫は霊夢への拘束を解き、一度布団に横たわらせたが、すぐさま両脚を抱え上げた。
とろとろになった秘部も開け放され、あられもない状態だったが半ば放心状態の霊夢は為すがままにされて、
わずかに残された思考回路は寸断しかけだった。
「…ゆか…り…?」
「意地悪しちゃってごめんなさいね」
そう言いながら、紫は既に準備の整った霊夢の秘部へ、先程よりも硬度を増した猛るものをあてがった。
いれられる。
その事を理解した霊夢は目を見開いて慌てたが、一度達してしまったことで力の抜け切った身体は思い通りにならない。
まって、と言おうとしたその前に、紫は霊夢の熱い膣内へずぷりと挿入した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっッ!!!」
その嬌声ももはや声にならない。
裏腹に熱い内部は紫のそれを歓迎するようにうねり、きゅうきゅうと締め付ける。
それでも溢れる体液のおかげで進入はスムーズに進み、すぐに根元まで埋まるに至った。
しかし達した直後で全身が敏感になっていた霊夢にとっては過ぎた快感のようで、
紫がゆるく律動を始めた時には呼吸も上手く出来ずに、はくはくと口を開き涎を流す。
程なくして紫は一層容赦なく霊夢の膣内を抉り、室内にぱちゅ、ぱん、と肉のぶつかり合う音が鳴り響いた。
「あ、あ、ぁっ、ゆか、り…ぃっ!まだ、あっ!いった、ばっかり、なのにぃっ!」
「…っ、霊夢っ…れい…、あぁ、ねえ、ここ」
「は、あ”!ん”、んっ、ゃ、おくっ!ぶつかって…!ごりごり、しないでぇっ」
「…っ…大好きなくせ、にっ!」
紫が霊夢の両脚を抱えているせいで結合は深い。
「やっ…!あっ、ゆかり、そこ、だめ、え!」
「あなたの「だめ」はもっと、でしょ?」
「はぁっ、あっ、あ!や、あっ…!意地…悪っ!!」
ストロークの果てに紫が霊夢の内部を突き上げると鈴口がぐり、と最奥まで到達する。
それがまたお互いへの刺激となり、達する兆候を知らせた。
「霊夢っ、…霊夢っ霊夢っ…!」
「いいっ、いいからっ!おくにっ!ゆかりぃっ…!!」
「霊夢…全部っ…奥にっ…全部受け止めてっ…!!…はっ…く、ぅっ…!!…っ!!!」
「ゆかりっ…や、あ”あ”ぁ”っ!!!ん、…は…ぁ…!」
自分の絶頂を悟った紫は霊夢の肩口に噛みつき、その声を殺した。
快感と痛みの狭間で霊夢の内壁は抱きしめるようにぎゅうっとそれを締め付けた。
その刺激に埋められた紫の性器が一層震えて、膣内にびゅるると熱い体液を注ぎ込んだ。
白濁としたものがどくどくと内側に吐き出される感覚に霊夢は全身を痙攣させた。
「…ぁっ」
ずる、と萎えたものを抜き取ると、内壁が擦れる感覚にまた霊夢は小さく声を漏らした。
紫が額に口付けると、仰向けのまま呼吸を整えていたた霊夢がのそりと身体を起こして紫に近づいた。
「っはぁ…大丈夫?痛くなかった?」
気遣いを他所に、霊夢は紫を一瞥してそれから下半身に手を伸ばした。
「!?…霊夢?」
「…まだ」
「…え?」
まだ、まだ足りない。
霊夢は紫の耳元で囁きながら、紫の性器に手を添えぬちゅぬちゅと扱き始めた。
「!っ…ふふ…」
身体を気遣ったつもりが却って煽られるなんて。
紫は驚いて目を見開いたが、とろりとした目で訴えた霊夢の強請りにそれはまた反応し、間も無く硬度を増して反り返った。
それを確認して霊夢は満足げに微笑んで、紫を仰向けに押し倒した。
「痛いのは…ヤだけど…強いのは…嫌いじゃない、から…もっと、いっぱい…遠慮なんかしないで、奥まで…ねえ、紫」
もっと、たくさん、隙間なく満たして。
「…っ…霊夢」
「んっ…ぁ、紫、ゆかり…っ」
「そんなお願いされたら…断れないじゃないの」
「あははっ…いれる、ね」
霊夢そのまま勃ち上がったそれに手を添えて、とろりと精液の流れ出る自身の秘部に自ら再び挿入した。
一度挿入した後なのと、霊夢の体液と紫の精液のおかげでゆっくりとではあるがすぐに根元まで埋められた。
「あ”っ…!…はぅ…っ…さっきより、おっき…」
「…霊夢…っ」
霊夢が紫に跨り、ぬちゅぬちゅと自分のペースで動かしていたが刺激が足りない。
もどかしさを覚えた紫は挿入した状態を保ったままで押し倒し返し、今度は霊夢の片脚だけを抱え上げた。
先程よりもぐっと奥まで押し拡げられ、より好い場所にぶつかった。
「えっ、あっ…?んぅっ…!」
「…っ…ごめんね、脚、少し頑張って」
欲しがった自分から跨ったつもりが、今度は紫が耐えきれなくなったその姿に堪らなくなる。
霊夢は紫にしがみついて頷き、その体勢を受け入れる。体位の安定したのを見計らって、紫は抽挿を再開させた。
「やっ、すごっ、紫ぃ、あっ、だめ、はや…っ」
「霊夢っ……はっ…」
「はっ…あっ、や、奥ぐちゃぐちゃで…きもちぃ…っ」
ずちゅずちゅと遠慮のない動きに未だ敏感なままの秘部が疼いて紫の性器を絞り上げる。
既に余裕のない紫もまたスピードを緩める事なく霊夢を揺さぶった。肌と肌が滑りあって、
触れる場所は全て熱くて仕方がなかった。
「あ、あっ、あっゆかりっ、ゆかりぃっ!!」
「霊夢…!霊夢っ…っく……ぅ!」
ひだをかき分けてごちゅごちゅと子宮口に鈴口がぶつかる刺激に、先に限界を迎えたのは霊夢だった。
「だめ、あっ、あぁっ!!あっ、ゆか、りぃっ!そこだめっ!あっ、きもちいの!だめぇ!もう、きちゃうっ!!」
「はっ、いいわよ、霊夢っ…!あなたの好きなだけ…っ!」
「あっ…いくっ、いっ……あ”、あーーーーーっ!」
びくんと全身が一際跳ねて、霊夢はまた達した。
その衝撃で熱くどろどろになった膣内の紫をぎゅうと締め付ると、紫もまた小さく呻いて霊夢の内側に白濁を吐き出した。
腰を押し当てられたまま己の下腹部で紫の性器がどくっどくっと震える感覚に、霊夢は涙目ながらも恍惚とした笑みを浮かべた。
「あ…は…おくに…いっぱい…でてる…」
はぁはぁと肩で息をしながら、紫は霊夢をぎゅっと抱きしめて最後まで出し切るように奥まで注ぎ込んだ。
「はーっ、はぁっ、霊夢っ…」
「…紫…ありがと…もう…いっぱい、ね」
「…霊夢…」
途中でタガの外れたのはお互い様なのでもはや慎ましく羞恥を感じらるような状態ではなかった。
心地良い倦怠感に包まれながら、紫はいっぱいがどちらの意味かしらとぼんやりとした頭で考えたが、
目の前ではあはあと肩で息をしながらも「全身紫でいっぱいになっちゃった」と
へにゃりと笑う霊夢の顔を見てどうでもよくなった。
「…まったく、誰がこんな煽り方教えたんだか」
あんたでしょこのすけべ妖怪。そう言って霊夢は紫の鼻先に口付けてくすりと笑った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(あー、はしたなっ…)
昨晩の事を思い出し、霊夢は少しばかり反省した。
結局あれから空腹に負けてしまい、湯浴みをして夕食を取ってからまた性懲りも無く抱き合っていたのだ。
おかげで夜は紫の腕の中でぐっすり眠ったが、朝目覚めたら布団の上ではまるで夢でも見ていたかのようにひとりだった。
「また貴女から誘ってね」とだけ書き置きなんて残して。
紫がこの神社に居ないのは、ごく普通のことだ。
心の片隅がほんの少しまた寂れていくのを感じながらも、肩に残った紫の噛み跡や酷使した身体の痛みが
夢ではなかったことに僅かばかり安堵した。しかし昨晩開きすぎた股関節が少しばかり痛んで、
歩くのに支障が出そうになり霊夢はひとり苦笑した。
「ま、いっか、いっぱい充電…できたし」
そんな状態で多少のろのろと、しかしいつものように境内の掃除をする。
程なくして背後からわざとらしい咳払いが聞こえたので振り返ると、音の主は茨木華仙だった。
「おはよう。その…昨日は人払いしてたのね?…珍しく。」
神社への来訪があったことに少しだけ動揺しそうになったが、想定はしていたのですぐに切り返す。
「ああ、なんだ来てたの。大事な神事があって。第一ここは神聖な場所だってのに部外者や妖怪が簡単に立ち入りすぎなのよ。」
その神聖な場所で妖怪相手に淫猥な行為に耽っていたという事実に蓋をして霊夢はつらつらと嘘を述べた。この嘘までが霊夢のしてきた「準備」だ。
しかし華仙の様子はどこかおかしい。
「その…えっとね」
「何よ、あんたにしては歯切れが悪いじゃない」
なぜか赤面し口ごもる華仙にしびれを切らす。すると漸く観念したようでその口を開いた。
「…結界はその…別に良いんだけど…声…がね?聞こえちゃってた…から…」
「は……?あっ」
あなたのアレな声とか紫のアレな言葉とか。
いつもならば説教ものだろうに、内容が内容だけに「ぜ、全部聞いた訳じゃないの!すぐ帰ったから!」とあまり
意味のないフォローをされたが、そんな華仙を余所に、最中に紫が呟いた「大丈夫なの?」の意味を霊夢は今ようやく理解した。
あいつ、誰か来てたのがわかってたのか。
というか紫と「そう」したい一心過ぎてそんな肝心なことが頭から抜けていたなんて。
妖怪の聴覚が人間よりもずっと良いことを。
そう思うと同時に顔面を真っ赤にした霊夢はもうその場にいない恋人と
最後の詰めが甘かった自分に対してぶつけようのない怒りを撒き散らすのだった。
紫からの書き置きの裏面には「結界で音も完全に遮断するには、まだまだ修行が足りないわね」と書いてあったとかなんとか。
おしまい
博麗神社の一室にて。
数日前からそろそろか、と感じていたが、空気が、そして己の勘が告げている。「今だ」と。
博麗霊夢はそっと立ち上がり、目の前に現れたスキマが開くその瞬間を待った。
「霊夢〜!漸く仕事がひと段落したから遊びにきt」
「かかったわね!飛んで火に入るスキマ妖怪!対八雲紫専用結界、食らいなさい!」
「へ」
それは一瞬の出来事だった。
紫が気付いた時には、神社の一室は強固な結界に閉ざされていており、見るまでもなくそれが周到に準備されていた
ものであると肌で感じ取ることができるほどのものだった。
浮かれた気分も一転、紫は訝しんだまま戦闘態勢の霊夢に対峙した。
「…霊夢。これはどういうことかしら。この感じだとこの周囲に至るまで何層か結界が張られてるみたいだけど」
「…訊きたい?そう」
そう呟くと、霊夢は結界を張る際に集中するための戦闘態勢を解き、深妙な面持ちで紫に一歩ずつ近付いてゆく。
紫の目の前で立ち止まり、一度深く息を吸い込み、一息でこう告げた。
「こんなめんどくさい結界張る理由なんてそんなの誰にも邪魔されずにあんたとイチャイチャする為に決まってるでしょうが!!!」
「は?」
聞き間違いかと紫が思った瞬間に霊夢と紫の距離はゼロになった。紫に近付いた霊夢が背伸びをして紫に口付けたのだから。
「んぶっ」
「…っ」
半ば強引な口付けはただ唇をぶつけたようなもので、ごく短い時間で終わった。
唇を離し、紫の首元に顔を埋めた霊夢の表情が紫には見えなかったが、抱きしめてやると普段より温かい体温を感じて
紫は久しぶりの感覚に目を細めた。
「私が…そう思うのは…おかしい?」
おかしいところもなくはないが、甘えたな声はちょっとだけレアなほうのいつもの霊夢だったので紫は内心安堵した。
霊夢が語った内容はこうだ。
博麗神社には、主に日中に不特定多数の来客がある。魔理沙や茨歌仙、早苗や他の妖怪達。
しかしそれは呑みの約束を除いては霊夢には予測ができない。
その中で、ただひとりの恋人ーーー八雲紫が日中にふらりとやってきた時に、ふたりきりで過ごすことが出来た事が実は少ない。
ましてや「そういうこと」をいざ始めようとした時に誰かの元気な挨拶が聞こえてきて急いで着衣を直すこともままあった。
そこで霊夢が考えたのは「次に紫がやってきたタイミングで神社全体に結界を張り巡らせ、好きなだけイチャイチャしてみたい」
という不純極まりない作戦だった。
全て話し終えると、霊夢はまた紫の首元に顔を埋めた。久しぶりとはいえ、慣れた匂いと感触は紫を安堵させた。
「霊夢」
「ん」
「それはちょっと誘い方としてはエクストリームすぎると思うのだけど」
「う、うるさい!あんたがいつ来るか教えてくれないのが悪い!!」
これに関しては紫は反論できない。自分や幻想郷の結界にいつ何が起こるとも分からない。
霊夢の為にも自分の為にも守れない約束をしたくはなかった。そういう理由で紫は霊夢に事前に会いに行くことは
伝えないことがほとんどだった。
「ああ、それもそうね」
「『それもそうね』じゃない!…私がどんだけ準備してどんだけ待ったと」
「ごめんなさいね…でも嬉しい」
霊夢は我慢が得意ではない。その事を分かってはいてもこんなに自分のことを求めてくれていたと行動で示されたことに
紫は内心ひどく喜んだ。頭をひと撫ですると、すりと顔を寄せる霊夢は猫のようだと紫は思った。
今誰も来ていなくてよかったわね。
そう言ってにこりと笑い霊夢を諌めるように口付ける。
今度は先程のような乱暴な口付けではなく、舌を絡ませ合う深いものとなった。
最初は僅かに驚き、びくりと身を強張らせた霊夢もすぐに順応していった。
同様に紫も霊夢の隠さない情欲に身も心も引き寄せられていた。
「はっ…ん…ん…ぁ…紫…」
「いやらしい霊夢。そんなに待っててくれたなんて」
「んぅっ…!ふぁ…ゃ…いやらしい…私は…嫌い?」
「いいえ?…可愛くて仕方ないに決まってる」
座り込んで、音を立てることも気にせずお互いの唇と唇を重ね合わせる。
普段はこういったことには消極的な霊夢も、自分からしたいという気持ちが先行しているのだろう。
普段よりも積極的に快感を拾い上げてゆき、それを素直に全身で感じている。
それに熱された紫の指先が霊夢の理性をじわりじわりと溶かして、2人の呼吸が少しずつ深くなっていった。
「…それなりに我慢したんだから」
「どうやって?」
「っ…ひとりで…してみたり」
「それで、首尾は如何程に?」
満面の笑みで尋ねる紫から霊夢は顔を真っ赤にして目を背けた。
「…中途半端に一層あんたが欲しくなった」
「…本当に」
誰がこの子をこんなにいやらしくしてしまったのかしら?と紫が仰々しく言うと、あんたでしょうが!
と霊夢は顔を赤らめて手を振り上げたが、それもまた紫は受け止める。
指先を口に含み甘噛みすれば、霊夢はまた呼吸を乱して下半身を震わせた。
「ぁっ…はっ…今日はもう…誰にも…邪魔されない…から…」
霊夢はゆるやかに紫を押し倒した。
「最後まで…私が満足するまで…したい」
霊夢は紫に強請るように見つめて、触れるだけの口付けをした。先刻の乱暴にしたそれよりもずっと冷静で、しかし情熱的だった。
情欲に染まりきった霊夢の瞳を見つめて、紫はくすりと笑って目を細めた。
障子を僅かに開け放しているが隙間程度とはいえ外から見えても大丈夫なの?と紫が尋ねると、
結界の外から見た場合この中の風景は実際の見え方と違うものになるらしい。
それ以前にある程度の距離は人間妖怪問わず近づくことも出来ない。いつの間にこんな結界の張り方を覚えたやら。
結界のない場所は1番近くてもせいぜい賽銭箱前だが、今いる部屋とは完全に別方向だったので見えることはまず無いだろう。
では何故障子を少しだけ開けているかを訊くと絶対に熱くなるからとのこと。
つまり初夏の密室の和室でそういう行為をするには暑過ぎるので換気を優先した結果だ。
しかしそれではいくら見えないと言っても少し大胆過ぎはしないだろうか?
という野暮な考えを紫は胸の内にそっと仕舞い込んで、目の前の自分で自分を追い詰めた巫女を美味しく頂くことにした。
「自分から誘ったんだから、あなたが私をその気にしてみて頂戴」
霊夢が恐ろしく手際よく用意した布団の上で衣服を乱し合いながら紫は霊夢にそう命じた。
もちろんこんな事を言わずとも紫は既に「その気」だ。霊夢がここまでなりふり構わず紫とまぐわおうとすることが珍しかった。
こんな機会を逃しては後悔してしまうだろうと紫が考えるほどに。
紫の下半身のそれは霊夢との触れ合いで多少の兆候は見せていたが、まだ挿入には早い。
紫が示した言葉の意味を理解した霊夢は顔を赤らめながらも頷いて、屈む。
衣服を寛げおずおずと手に取り、丸みを帯びた先端を慈しむように口付けた。
「ん、っふ…っ…っ…ぅっ」
くぽ、くぽ、と音を立てながら、霊夢は先程より硬度を増した紫のものを咥えていた。
何度か経験のある行為ではあったが、霊夢はまだ慣れていない様子で表情はやや苦しそうだ。
両脚の間で這いつくばって上下する霊夢の頭部に手を添えて紫はその快感を一身に受け止めていた。
労うように霊夢の頭を撫でると、霊夢も上目遣いに紫を見つめて目を細めた。
ちゅぽ、と音を立てて口を離し、先端にちゅう、と音を立てて吸い付く。
半ば強引なシチュエーションでの誘いではあったが、普段はあまり見られない霊夢の痴態に紫はひどく興奮していた。
「んむ、ぅ…」
「霊夢…もう」
「…だめ」
「…!」
準備だけのつもりが霊夢はこのまま一度紫を遂情させるつもりであることを紫は察した。
普段は嫌がるのに、大盤振る舞いね。と紫は内心ごちて霊夢の愛撫に身を任せる事にした。
勃ち上がったものを更に熱するように、霊夢は口いっぱいに頬張り、時に手を使って懸命に奉仕した。
期待で溢れた霊夢の唾液と紫の先走りが混ざり合ってぐちゅぐちゅと音を立てる。
しかしこのままでは口に出してしまう、と思ったが、霊夢は咥えたままのものを口から離そうとする気配が無い。
普段は見られない姿と性器への強烈な快感に紫は無意識に腰を揺らした。
「霊夢っ…霊夢…っ!…ぅっ…くっ……っ!!」
「ん”ぅっ…!!…ん”…!…っ!…んくっ…」
間も無く霊夢の口内のそれが震え、びゅ、と白濁を弾けさせた。
数度に分けてどく、どくん、と喉奥に流し込むと、霊夢は必死にそれらを飲みこんだ。
それでも飲みきれずに口の端からこぼれてしまったものがぱたぱたと布団の上に散ったが、
普段は口淫でここまでするのは嫌がるのだから十分に頑張ってくれたほうだ。紫はまた霊夢の頭を撫でると、
口に紫のものが入ったままではあるが微笑えむ。最後まで出し切り口内から少しだけ萎えたそれをずるりと抜き出すと、
とろりと潤ませた目に快楽を隠さない霊夢の姿があった。
「…ぷぁ」
「…っ…飲まなくてもよかったのに」
擬似的な精液ではあるが味まではコントロールできない。
だが霊夢は鈴口に残ったものまでちゅう、と吸い上げてまた紫を煽った。
「…ん…だめ…だって」
今日は私が満足するまでするんだから。と耳元で囁かれて、紫は歓びで脳が痺れる様な感覚を味わった。
「…必ず、満足させてあげる」
「は…あっ!…あっ、そんな、の…っ」
「そう?」
紫が意地の悪い顔で笑うと、霊夢は反論が出来なくなった。今は紫に霊夢が凭れ掛かっているが、胸と秘部への両方を紫の細く長い指が責め立てていた。
二箇所を一度に嬲られ、霊夢の理性はもう風前の灯火だった。
「やだ、意地悪、ん、ぁ、しない…っでぇ…!」
「ね、でももうこんなに」
ぐちゃぐちゃね。
「ひ、ぅっ」
紫のものを口淫している間に、霊夢は既に期待しすぎていたのだ。
今自分が口で育てたものを、突き立てられるその時を。
自分の膣内を猛ったものでかき混ぜられるその瞬間を。
紫の細い指先をきゅうと締め付け、霊夢の秘部は期待で十分過ぎるほど濡れていた。
「準備はちゃんとしなくちゃ、ほら、我慢しないで」
「や、あ”ぁ”っ!?んっ、あ”っ、あっ!…ぁ!!ゆか、り、やだっ、ちくび、やめっ…っ!
やだぁっ…そこ…ばっかりぃ…っ!!」
紫が言うな否や、親指と人差し指できゅう、とつねるように乳首への刺激を加え、
それと同時に秘部への指遣いを一層強く、速いものにすると、霊夢は言葉にならない嬌声を上げることしか出来なくなった。
「やだっ、どっちも、とか…そんなの…っあ!…ふっ、んぷ、ゆか、んっ、んぅ…!」
「霊夢…本当に…ん…全部いやらしい、わね」
くにくにと乳首を捏ね上げると、秘部からは愛液が溢れそこはもうぐちゃぐちゃだった。
駄目押しされるように唇も塞がれて、口内と秘部を同じ様に暴かれると、もう霊夢は何も考えられなかった。
「んんっ、ふっ…む…っ!!」
「ね、我慢しないの。…ほら」
(あ…だめ…いく)
「だめ、や、ぁくっ…あああぁっっ!!!」
強い刺激に全身をびくびくと震わせて霊夢は絶頂を迎えた。
「は……あ…っ」
押し寄せた快感と疲労感に霊夢は全身をくたりとさせた。
紫は霊夢への拘束を解き、一度布団に横たわらせたが、すぐさま両脚を抱え上げた。
とろとろになった秘部も開け放され、あられもない状態だったが半ば放心状態の霊夢は為すがままにされて、
わずかに残された思考回路は寸断しかけだった。
「…ゆか…り…?」
「意地悪しちゃってごめんなさいね」
そう言いながら、紫は既に準備の整った霊夢の秘部へ、先程よりも硬度を増した猛るものをあてがった。
いれられる。
その事を理解した霊夢は目を見開いて慌てたが、一度達してしまったことで力の抜け切った身体は思い通りにならない。
まって、と言おうとしたその前に、紫は霊夢の熱い膣内へずぷりと挿入した。
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっッ!!!」
その嬌声ももはや声にならない。
裏腹に熱い内部は紫のそれを歓迎するようにうねり、きゅうきゅうと締め付ける。
それでも溢れる体液のおかげで進入はスムーズに進み、すぐに根元まで埋まるに至った。
しかし達した直後で全身が敏感になっていた霊夢にとっては過ぎた快感のようで、
紫がゆるく律動を始めた時には呼吸も上手く出来ずに、はくはくと口を開き涎を流す。
程なくして紫は一層容赦なく霊夢の膣内を抉り、室内にぱちゅ、ぱん、と肉のぶつかり合う音が鳴り響いた。
「あ、あ、ぁっ、ゆか、り…ぃっ!まだ、あっ!いった、ばっかり、なのにぃっ!」
「…っ、霊夢っ…れい…、あぁ、ねえ、ここ」
「は、あ”!ん”、んっ、ゃ、おくっ!ぶつかって…!ごりごり、しないでぇっ」
「…っ…大好きなくせ、にっ!」
紫が霊夢の両脚を抱えているせいで結合は深い。
「やっ…!あっ、ゆかり、そこ、だめ、え!」
「あなたの「だめ」はもっと、でしょ?」
「はぁっ、あっ、あ!や、あっ…!意地…悪っ!!」
ストロークの果てに紫が霊夢の内部を突き上げると鈴口がぐり、と最奥まで到達する。
それがまたお互いへの刺激となり、達する兆候を知らせた。
「霊夢っ、…霊夢っ霊夢っ…!」
「いいっ、いいからっ!おくにっ!ゆかりぃっ…!!」
「霊夢…全部っ…奥にっ…全部受け止めてっ…!!…はっ…く、ぅっ…!!…っ!!!」
「ゆかりっ…や、あ”あ”ぁ”っ!!!ん、…は…ぁ…!」
自分の絶頂を悟った紫は霊夢の肩口に噛みつき、その声を殺した。
快感と痛みの狭間で霊夢の内壁は抱きしめるようにぎゅうっとそれを締め付けた。
その刺激に埋められた紫の性器が一層震えて、膣内にびゅるると熱い体液を注ぎ込んだ。
白濁としたものがどくどくと内側に吐き出される感覚に霊夢は全身を痙攣させた。
「…ぁっ」
ずる、と萎えたものを抜き取ると、内壁が擦れる感覚にまた霊夢は小さく声を漏らした。
紫が額に口付けると、仰向けのまま呼吸を整えていたた霊夢がのそりと身体を起こして紫に近づいた。
「っはぁ…大丈夫?痛くなかった?」
気遣いを他所に、霊夢は紫を一瞥してそれから下半身に手を伸ばした。
「!?…霊夢?」
「…まだ」
「…え?」
まだ、まだ足りない。
霊夢は紫の耳元で囁きながら、紫の性器に手を添えぬちゅぬちゅと扱き始めた。
「!っ…ふふ…」
身体を気遣ったつもりが却って煽られるなんて。
紫は驚いて目を見開いたが、とろりとした目で訴えた霊夢の強請りにそれはまた反応し、間も無く硬度を増して反り返った。
それを確認して霊夢は満足げに微笑んで、紫を仰向けに押し倒した。
「痛いのは…ヤだけど…強いのは…嫌いじゃない、から…もっと、いっぱい…遠慮なんかしないで、奥まで…ねえ、紫」
もっと、たくさん、隙間なく満たして。
「…っ…霊夢」
「んっ…ぁ、紫、ゆかり…っ」
「そんなお願いされたら…断れないじゃないの」
「あははっ…いれる、ね」
霊夢そのまま勃ち上がったそれに手を添えて、とろりと精液の流れ出る自身の秘部に自ら再び挿入した。
一度挿入した後なのと、霊夢の体液と紫の精液のおかげでゆっくりとではあるがすぐに根元まで埋められた。
「あ”っ…!…はぅ…っ…さっきより、おっき…」
「…霊夢…っ」
霊夢が紫に跨り、ぬちゅぬちゅと自分のペースで動かしていたが刺激が足りない。
もどかしさを覚えた紫は挿入した状態を保ったままで押し倒し返し、今度は霊夢の片脚だけを抱え上げた。
先程よりもぐっと奥まで押し拡げられ、より好い場所にぶつかった。
「えっ、あっ…?んぅっ…!」
「…っ…ごめんね、脚、少し頑張って」
欲しがった自分から跨ったつもりが、今度は紫が耐えきれなくなったその姿に堪らなくなる。
霊夢は紫にしがみついて頷き、その体勢を受け入れる。体位の安定したのを見計らって、紫は抽挿を再開させた。
「やっ、すごっ、紫ぃ、あっ、だめ、はや…っ」
「霊夢っ……はっ…」
「はっ…あっ、や、奥ぐちゃぐちゃで…きもちぃ…っ」
ずちゅずちゅと遠慮のない動きに未だ敏感なままの秘部が疼いて紫の性器を絞り上げる。
既に余裕のない紫もまたスピードを緩める事なく霊夢を揺さぶった。肌と肌が滑りあって、
触れる場所は全て熱くて仕方がなかった。
「あ、あっ、あっゆかりっ、ゆかりぃっ!!」
「霊夢…!霊夢っ…っく……ぅ!」
ひだをかき分けてごちゅごちゅと子宮口に鈴口がぶつかる刺激に、先に限界を迎えたのは霊夢だった。
「だめ、あっ、あぁっ!!あっ、ゆか、りぃっ!そこだめっ!あっ、きもちいの!だめぇ!もう、きちゃうっ!!」
「はっ、いいわよ、霊夢っ…!あなたの好きなだけ…っ!」
「あっ…いくっ、いっ……あ”、あーーーーーっ!」
びくんと全身が一際跳ねて、霊夢はまた達した。
その衝撃で熱くどろどろになった膣内の紫をぎゅうと締め付ると、紫もまた小さく呻いて霊夢の内側に白濁を吐き出した。
腰を押し当てられたまま己の下腹部で紫の性器がどくっどくっと震える感覚に、霊夢は涙目ながらも恍惚とした笑みを浮かべた。
「あ…は…おくに…いっぱい…でてる…」
はぁはぁと肩で息をしながら、紫は霊夢をぎゅっと抱きしめて最後まで出し切るように奥まで注ぎ込んだ。
「はーっ、はぁっ、霊夢っ…」
「…紫…ありがと…もう…いっぱい、ね」
「…霊夢…」
途中でタガの外れたのはお互い様なのでもはや慎ましく羞恥を感じらるような状態ではなかった。
心地良い倦怠感に包まれながら、紫はいっぱいがどちらの意味かしらとぼんやりとした頭で考えたが、
目の前ではあはあと肩で息をしながらも「全身紫でいっぱいになっちゃった」と
へにゃりと笑う霊夢の顔を見てどうでもよくなった。
「…まったく、誰がこんな煽り方教えたんだか」
あんたでしょこのすけべ妖怪。そう言って霊夢は紫の鼻先に口付けてくすりと笑った。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(あー、はしたなっ…)
昨晩の事を思い出し、霊夢は少しばかり反省した。
結局あれから空腹に負けてしまい、湯浴みをして夕食を取ってからまた性懲りも無く抱き合っていたのだ。
おかげで夜は紫の腕の中でぐっすり眠ったが、朝目覚めたら布団の上ではまるで夢でも見ていたかのようにひとりだった。
「また貴女から誘ってね」とだけ書き置きなんて残して。
紫がこの神社に居ないのは、ごく普通のことだ。
心の片隅がほんの少しまた寂れていくのを感じながらも、肩に残った紫の噛み跡や酷使した身体の痛みが
夢ではなかったことに僅かばかり安堵した。しかし昨晩開きすぎた股関節が少しばかり痛んで、
歩くのに支障が出そうになり霊夢はひとり苦笑した。
「ま、いっか、いっぱい充電…できたし」
そんな状態で多少のろのろと、しかしいつものように境内の掃除をする。
程なくして背後からわざとらしい咳払いが聞こえたので振り返ると、音の主は茨木華仙だった。
「おはよう。その…昨日は人払いしてたのね?…珍しく。」
神社への来訪があったことに少しだけ動揺しそうになったが、想定はしていたのですぐに切り返す。
「ああ、なんだ来てたの。大事な神事があって。第一ここは神聖な場所だってのに部外者や妖怪が簡単に立ち入りすぎなのよ。」
その神聖な場所で妖怪相手に淫猥な行為に耽っていたという事実に蓋をして霊夢はつらつらと嘘を述べた。この嘘までが霊夢のしてきた「準備」だ。
しかし華仙の様子はどこかおかしい。
「その…えっとね」
「何よ、あんたにしては歯切れが悪いじゃない」
なぜか赤面し口ごもる華仙にしびれを切らす。すると漸く観念したようでその口を開いた。
「…結界はその…別に良いんだけど…声…がね?聞こえちゃってた…から…」
「は……?あっ」
あなたのアレな声とか紫のアレな言葉とか。
いつもならば説教ものだろうに、内容が内容だけに「ぜ、全部聞いた訳じゃないの!すぐ帰ったから!」とあまり
意味のないフォローをされたが、そんな華仙を余所に、最中に紫が呟いた「大丈夫なの?」の意味を霊夢は今ようやく理解した。
あいつ、誰か来てたのがわかってたのか。
というか紫と「そう」したい一心過ぎてそんな肝心なことが頭から抜けていたなんて。
妖怪の聴覚が人間よりもずっと良いことを。
そう思うと同時に顔面を真っ赤にした霊夢はもうその場にいない恋人と
最後の詰めが甘かった自分に対してぶつけようのない怒りを撒き散らすのだった。
紫からの書き置きの裏面には「結界で音も完全に遮断するには、まだまだ修行が足りないわね」と書いてあったとかなんとか。
おしまい
今度は、オリ主と霊夢とのお話を読んでみたいです。