必読!年末年始「GoToトラベル」取り扱い完全マニュアル

公開日: 更新日:

 政府の突然の方針転換で、年末年始の「Go To トラベル」事業が大混乱している。国交省は28日から始まる全国停止(~1月11日)でキャンセルを受けた旅行・宿泊事業者に対し、旅行代金の50%を補償すると発表しているが、Go Toを利用する側の取り扱いはどうなるのか?

 ◇  ◇  ◇


 Go To トラベルの一時停止で、年末年始に旅行を計画していた人たちは「キャンセルしようかどうか」と迷っている人も多いだろう。観光庁によると、25日から1月5日までの航空便の便数はほぼ前年並みに回復。今年度の年末年始の国内旅行客数予想(1泊以上)は発表されていないが、JTBによると前年は延べ2926万人が旅行を楽しんでいる。

 人出が昨年並みだとすると、突然のGo To停止で1000万人単位の人が計画の変更を余儀なくされている。そこで現時点で決まっていることをおさらいしてみよう。


■12月27日まで新規予約を停止

 大まかに言うと、今回の変更には3つの段階がある。

 まずは、東京都、大阪市、札幌市、名古屋市、広島市を目的地とする新規予約の取り扱いだ。

 これまでは札幌市と大阪市、名古屋市への旅行について新規予約を停止していたが16日から広島市、18日から東京都(17日までは自粛要請)が加わり、5都市への「新規予約」が不可となる。27日までに開始(出発)する旅行が対象になる。

 ここで早合点していけないのは、予約ができなくなるのは5都市を“目的地”にしている旅行であること。つまり、東京都民が神奈川県の箱根温泉へGo Toを使って予約を入れることは可能であるし、大阪市民が堺市のホテルを予約してもいい。もちろん、この間ならGo Toによる35%の割引(1泊最大1万4000円)と、15%の地域共通クーポン配布(同6000円)の恩恵が受けられる。

12月22日から27日までは割引の適用外

 上記の5都市を目的地とする旅行については、予約済み(14日、広島市は16日まで)であっても、22日から27日までは割引対象から除外される(広島市は24日から)。

「今後、制度が変わる可能性はありますが、この間はGo Toによる35%の割引やクーポン配布がなくなります。それでも旅行する場合、割引分の代金を別途支払ってもらうことになります」(Go To トラベル事務局)

 5都市への旅行に限っての話とはいえ、現地決済なら宿泊当日、あるいはチェックアウト時に、割引される前の正規料金をホテルや旅館のフロントで支払うことになる。また、旅行予約サイトのオンライン決済でツアーや宿泊を予約している人は、後日、メールなどで追加料金の連絡が来る(共に地域共通クーポンはなし)。

 ただし、予約済み旅行の適用除外は22日からだが、21日までに出発していれば、22日以降の旅行代金も割引対象となる(広島市は23日出発分まで)。

■28日から1月11日まで全面停止

 これまでは地域による制限だが、28日から来年1月11日までは既存・新規予約を問わず、全国一斉に適用が停止される。

「12月28日から1月11日までの間、すべてがGo To割引の対象外となります。宿泊を伴う旅行については、どこか1日でも旅行日程に含まれれば、すべて割引の対象外です」(Go To トラベル事務局)

 例えば、1月11日から3泊の予定で北海道富良野のスキー旅行に行く人は、割引にならない。どうせ行くなら、12日以降の出発に変更した方がお得となる。

「まだ詳細は煮詰まっておりませんが、すでにGo To適用外になっている札幌市と大阪市のグループホテルについては、現地で35%の追加料金をいただいております。そのため、当ホテルもこの間は追加が発生する可能性がございます」(アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

 ただし、ホテルや旅館が独自の割引を行うこともあるので、慌ててキャンセルする必要はない。

キャンセルするならいつがいいか?

 そこで、いつまでに旅行を取りやめる決断をすればいいのか。

「じゃらん」で年末年始のツアー予約をしている場合、キャンセル料は旅行開始の「20日~8日前」で20%、「7日~2日前」が30%、「前日」が40%、「当日」が50%、「開始後または無連絡」が100%となる。

 14日にGo Toの一時停止が発表された時点で取りやめても、少なくとも20%のキャンセル料金がかかっていたことになる。そこで政府は28日から1月11日までの旅行(14日まで予約済み)については、24日(広島市は26日)までに予約を取り消せば、キャンセルを無料にするとしている。

「24日までに予約を取り消せば、キャンセル料は一切いただきません。もっとも、当サイト経由の宿泊予約につきましては、宿泊されるホテル・旅館の宿泊約款に準じます」(じゃらんnetサポートデスク)

 宿泊約款とは、ホテルや旅館が任意で定める規定。宿泊者数にもよるが、「三井ガーデンホテルズ」の場合、14人までの一般客は2日前までに連絡すればキャンセル料は派生しない。群馬県の法師温泉「長寿館」も8日前までならOKだ。

「キャンセル料については、前日で20%、当日80%、不泊で100%の料金をいただいております。ただ、こんなご時世でもあり、不慮の出来事によるキャンセルについては柔軟に対処しております」(グランドニッコー東京台場)

 あえて24日までにキャンセルしなくても、グランドニッコー東京台場では、宿泊2日前までに連絡すればキャンセル料は取られないわけだ。

 ◇ ◇ ◇ 

 国内の感染拡大の状況次第では、1月12日以降もGo To トラベルの停止が継続する可能性は高い。旅行をするしないにかかわらず、大事なことは「自分が感染しない」こと、そして「他人にうつさない」ことだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

Messengerマガジンはコチラ