容赦ないいじり「怖かった」 神戸・女子中学生自殺、弁護人会見

2020/12/18 20:19

自殺した女子生徒が残したメモ。「学校疲れた」「死にたいな」などの文字が並ぶ=神戸市中央区(撮影・村上晃宏)

 神戸市立中学校の生徒がいじめを苦に自殺した可能性がある問題で、遺族の代理人弁護士が18日、神戸市内で記者会見を開き、いじめの被害をほのめかす手紙を残していたと明らかにした。生徒は同市垂水区の中学3年の女子生徒=当時(14)=で、9月に自宅で自殺したと公表。「学校疲れた」などと書いたメモも残され、遺族は「なぜ娘が死ななければいけなかったのかを知りたい」と話しているという。 関連ニュース 「死にたい、でもこわいの苦しい」 いじめSOS学校見逃す 小5女児自殺 中学教諭がいじめ隠蔽「転んだことにしておけ」 同僚に指示 いじめで「人生どうにでもなれって」 18歳女子高生の夢と葛藤

 弁護士によると、9月5日朝、女子生徒が自宅の自室で亡くなっているのを家族が発見。前夜に自ら命を絶ったとみられる。
 自室の机には「学校疲れた」「死にたいな」などと書かれたメモと、同級生の女子生徒6人に宛てた手紙と封筒があったという。
 そのうちの1通には「部活でも学校でも容赦なくいじってきますね。まあどちらかと言えば楽しんでいるのでいいけど…部活の時と教室におる時、雰囲気ちがいすぎて怖かった」(原文)と書かれていた。ほかの手紙にも無視されるなどの仲間外れと思われる行為が記されていた。
 また、8月中旬には、会員制交流サイト(SNS)でやりとりをする人に「学校始まって欲しくない」「始まったらまたいじめ」などと送っていたという。
 代理人弁護士によると、女子生徒は父親の誕生日にケーキを作ってあげる、素直で明るい子だった。自殺を図ったとみられる日も登校し、家族も生前はいじめがあったと認識せず、学校側も弁護士から訴えがあった10月中旬までいじめは把握していなかったという。
 一方、同市教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定し、18日に第三者による調査委員会の初会合を開いた。委員長には松本隆行弁護士(兵庫県弁護士会)が選ばれ、「いじめの有無など、中立公正な立場で客観的に調査し、具体的な再発防止の提言につなげたい」と話した。(斉藤絵美)

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