テレビや雑誌などさまざまなメディアで発信を続ける国際政治学者の三浦瑠麗氏。なかでも政治や文化について一段深い議論を展開するのがプレジデント社の公式メールマガジン「三浦瑠麗の『自分で考えるための政治の話』」(毎週水曜日配信)だ。同メールマガジンから抜粋・再編集した記事をお届けする。
米中経済貿易戦争、パートナーシップ、外交概念
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オバマ時代の反省に立った政策を展開するか

2021年は新型コロナ禍からいち早く脱した中国と、米国との競争関係が注目される。気になるのは、バイデン政権が誕生することの意味合いだ。バイデン氏はオバマ政権2期8年のあいだ副大統領を務めており、4年の空白を経て、過去の政策と、今後の自らの政策をどのようにつなげていくのかが問われている。 

そもそも08年にオバマ氏が大統領選に勝利したとき、米国はイラク戦争をめぐる議論の真っただ中だった。まだ若く実績もないオバマ氏が大統領になれたのも、イラク戦争に賛成した過去を持つヒラリー・クリントン氏をはじめとする民主党エスタブリッシュメントと異なり、過去に囚われない候補である清新さゆえだった。

しかし、米国が金融危機の衝撃から立ち直り、オバマ政権がイラクから撤退するとともに、アフガニスタンやリビアなどで民主化を進めようと前のめりになったその裏では、ロシアと中国が、かつて米国が想定していたのとは違う存在として立ち現れてくる。

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言うまでもないことですが、政治は私たちの暮らしに密接です。その一方、選挙のたびに政局に振り回され、結局は「無党派層」を自認し、政治に距離を感じている人も多いはず。本メルマガでは、三浦さんの本分である国際政治学者としての知見をもとに、混迷する政局と日本社会を取り巻く状況を読み解くための情報をお届けします。また、話題となっている政治ニュースを取り上げ、その裏にある背景を、メルマガ読者だけにお伝えしてまいります。