オバマ時代の反省に立った政策を展開するか
2021年は新型コロナ禍からいち早く脱した中国と、米国との競争関係が注目される。気になるのは、バイデン政権が誕生することの意味合いだ。バイデン氏はオバマ政権2期8年のあいだ副大統領を務めており、4年の空白を経て、過去の政策と、今後の自らの政策をどのようにつなげていくのかが問われている。
そもそも08年にオバマ氏が大統領選に勝利したとき、米国はイラク戦争をめぐる議論の真っただ中だった。まだ若く実績もないオバマ氏が大統領になれたのも、イラク戦争に賛成した過去を持つヒラリー・クリントン氏をはじめとする民主党エスタブリッシュメントと異なり、過去に囚われない候補である清新さゆえだった。
しかし、米国が金融危機の衝撃から立ち直り、オバマ政権がイラクから撤退するとともに、アフガニスタンやリビアなどで民主化を進めようと前のめりになったその裏では、ロシアと中国が、かつて米国が想定していたのとは違う存在として立ち現れてくる。
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