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日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人 作者:アサヒ

第一章: 初めましてとご挨拶

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3話: 隣の美少女さん

※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、法律などとは関係ありません。

 一度自分の部屋に荷物を置いて、私服に着替えてアンジーの部屋に向かう。

 と言っても、アンジーの部屋は俺の部屋の隣、徒歩5秒圏内だ。


 ポーン!


 アンジーの部屋のインターホンを押す。


 俺に会わせたい人か………、一体誰だろう、見当がつかない。

 彼女は俺並みかそれ以上に多くの言語に通じているから、通訳絡みとも考え難い。


 そんな事を考えると、ガチャりとドアが開いた。

 出てきたのもちろんアンジーで、見た目は30代半ばの体の引き締まった女性。

 金色の短髪を後ろに纏め、キツめのTシャツにミリタリーパンツといかにもな軍人といった出で立ちだ。


「ハロー伊織!久しぶりじゃない!」


 俺をみて嬉しそうに顔を綻ばせるアンジー。流暢な日本語は流石と言ったところか。


「久しぶり、アンジー。いつの間に日本に帰ってたんだ?」


 答える俺も、自然と表情が緩んでしまう。

 彼女には昔から世話になっており、幼い頃にはよく遊んで貰ったものだ。

 最近は海外出張ばかりで会えないことも多いのだが、時々顔を会わせる時間をとても楽しみにしている。

 俺自身彼女を母親のように思っているのかもしれない。

 実の母が嫌いなのもあるけど。


「昨日の昼ごろね。3日後にはまた出張なんだけど」

「相変わらず忙しいな。少しくらいゆっくり出来ればいいのに」

「もう慣れちゃったわ。飛び回るのは性に合ってるし」


 いつもの世間話を交わす俺とアンジー。


 そういえば忘れてた、用事があるって話だったな。


「ところで、俺に会わせたい人がいるって聞いたんだけど?」


 少し強引だが、話を本題に持っていく。

 夏休み中も炎天下の中体動かしまくってたから、暑いのはどうということはないが、思い出してしまった以上気になってしまう。


 アンジーも、そうだったわと言う風な表情をして、話を切り出す。


「私ね……」


 妙に神妙な面持ちに、思わずこちらも身構えて次の言葉を待つ。


「子供が出来ちゃったのよ! 」

「はああああぁ!!!!?」


 いやいやいやいや!

 え、予想の斜め上どころか大気圏突破しちゃうレベルなんですが!?確かに前々から子供欲しいって言ってたけども!

 ていうか、会わせたい人がいるって話じゃ無かったの?

 あ、もしかしてお腹の子ってこと!?

 俺の知ってる限り、アンジーには旦那もボーイフレンドもいないはず!


 ……………………………もしかして、俺?


 こんな場を設けたってことは、まさか俺?いやいや俺はまだ花の童貞のはず。

 へいへい落ち着け俺!

 とりあえず……、父親を確認せねばぁ。


 半狂乱になりつつも、とりあえず聞くことは聞いておかねば!頑張れ俺!冷静になるのだ!


「ごめん、取り乱した。改めておめでとう。ところで、お相手はどんな方?」


 まだ表情はヘンテコなままだが、何とか質問は出来た。

 まあお祝いの言葉は本心だし、そこまで変には受け取られないだろう。


「お相手?いないわよ?」


 せいせいせいせいせい!

 子供欲しすぎて想像妊娠しちゃったかいガール?

 ほんともう……その………どうしたらええのん!?


 多分この時点で、俺の頭がパンクしている事も、その理由もアンジーには分かっていただろう。

 だがそこはアンジー、説明を省いて更に畳み掛けてくる。


「とりあえず上がって。奥の部屋にいるから会って欲しいの」


 アンジーはもう、ダメかもしれない。


「アンジー。まさか人形を我が子と勘違いして……………」

「そうそう!お人形さんみたいに可愛いんだからぁ!伊織もすぐに仲良くなれるわ!」


 そう言って俺を家に上げるアンジー。とりあえず俺もそれに従う。


 彼女はアメリカ人だが、家では靴を脱ぐ。

 清潔感があってこっちの方がいいらしい。

 そのために設置してある靴箱のそばに俺も靴を揃え、廊下を抜けてリビングへ。

 米軍ハウス特有の広々とした間取り、高い天井、日本より色の暗い木材を多用したフローリングなど、俺の部屋とほぼ同じ光景だ。


 リビングにはそれらしいぬいぐるみやポスターは無い。


 だとすると………


「こっちよ。使って無かった部屋をあの子の部屋にしたの」


 そう言って、アンジーは別の部屋に続く扉に手招きする。

 しゃーない。

 ここまで来たら、受け入れるしかないだろう。

 問題は、俺も人形を人間扱いしてアンジーに合わせるか、現実を突きつけるか、だ。

 あ、アンジーが早くしろって急かしてる。

 ええい!南無三!!


 そう心で叫び、アンジーが開けた扉から中を覗く。


 そこには……………


 ベッドの上で膝に顔を埋めている、女の子に見える等身大フィギュアが見えた。

 デニムのショートパンツにグレーの半袖Tシャツ。

 大胆に露出した健康的な生脚。

 光を反射して透き通る様に煌めく栗色の髪。

 中程から緩く波打つようなウェーブのかかった美しいそれが、華奢な体の胸あたりまで伸びている。


 そして、俺たちが入って来たのに合わせて、その顔が……………上がった。

 大人びた中にも確かなあどけなさがある、今までで一番…………いや、間違いなく生涯で会う一番の美少女だろう。




 思わず、見とれてしまう。




 人間に見える。どう見ても本物の美少女に見える。

 俺もイカれたか?


 フリーズしている俺の肩に手を置いて、アンジーが話し出した。


「彼女はクリスティーナ・クルニコワ、あなたと同い歳よ。可愛すぎてロシアで引き取って帰っちゃった!」


 てへぺろ!っみたいに言い切るアンジー。


 なるほど、なるほどね。

 うん。よく考えりゃ分かってた事だけど…………


「里子ならそうと先に言えぇぇえええい!」


 生涯最高の美少女の前で、生涯最大のツッコミを披露してしまった。




宜しければ、ブックマークや評価☆よろしくお願いします!


ロシア美人って、日本人好みな容姿らしいです。


実際可愛いですもんね。


なのでクリスティーナの容姿は、あなたの思う最高の外人美少女を倍可愛くしたものを当てはめてください!

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