GoTo停止で6000億円パー…参加事業社の悲鳴と“苦肉の策”
「書き入れ時に痛い」「もっと早く中止を決めてくれれば……」
菅政権が年末年始の「Go To トラベル」の全国一律停止を急転直下で決めたことに、旅行業界からは悲鳴が相次いでいる。トラベルに参加する宿泊事業者だけでも、2万2000社(今年9月時点)に上っている。菅政権の後手後手の対応のせいで、多くの事業者が頭を抱えているに違いない。
今月28日から来月11日まで、トラベルは全国で停止となる。焦眉の問題は、宿泊キャンセルによって打撃を受ける事業者への補償だ。政府は一部地域での一時停止に伴い、予約キャンセルを受けた事業者に旅行代金の35%を支援してきたが、全国に広げることでキャンセルが相次ぐと予想されることから、支援額を旅行代金の50%に引き上げた。
トラベル事業を所管する赤羽国土交通相は「これまで以上に手厚い支援」と強調したが、どれほど効果があるかは疑問だ。政府は11日、来月末までのトラベル利用者が想定を上回る見通しのため、予備費から3119億円の追加支出を決定したばかり。3000億円超の追加予算が必要になるということは、旅費の半分を負担する利用者がキャンセルすると、6000億円規模の市場がパーになってしまうも同然なのだ。