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富山新聞

企業の自粛回避が呼び掛けられた金沢創造都市会議の特別セミナー=金沢市内のホテル

企業は自粛避けよ 金沢創造都市会議

2020/12/05 01:46

 金沢創造都市会議の特別セミナー「コロナと経済」は4日、金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢で開かれ、藤井聡京大大学院教授、宮沢孝幸京大ウイルス・再生医科学研究所准教授が講演した。藤井氏は、日本は過度な自粛により経済の冷え込みを招いていると指摘し、宮沢氏は企業は社員に対して会食などを自粛しないよう呼び掛けることが大切と訴えた。

 

 藤井氏は、「Go To トラベル」の東京発着旅行を巡り、東京都が65歳以上や基礎疾患のある人を対象に利用自粛を呼び掛けたことを引き合いに「危ないところだけ自粛し、危なくない部分は経済を回す『半自粛』が重要だ」と述べた。

 

 日本は欧米に比べて感染状況が深刻でないにも関わらず、4月に緊急事態宣言を出すなど、欧米並みの大規模な自粛指示が相次いでいることを疑問視。欧州連合(EU)が財政規律の縛りを外したことに触れ、「大事なのは知識の知、感情の情、意志の意だが、日本には意が欠けている」と指弾した。

 

 続いて登壇した宮沢氏は、感染拡大を防ぐには実行可能な対策が必要であり、ウイルスを完全になくすよりも感染しない量にウイルスを減らす「100分の1作戦」を進めるよう呼び掛けた。

 

 場所や状況により分類した五つの同心円で感染状況を表す「目玉焼きモデル」を紹介。夜の街など「黄身」の部分で感染が拡大し、同作戦を実施していたり巣ごもりしていたりする人など「白身」に進むにつれ収束していくと説明した。「金沢は黄身部分が小さく、これまでの感染でもう燃え尽きてしまった」とし、ピーク時ほどの再拡大はないとの見方を示した。

 

 金沢創造都市会議は金沢経済同友会などで構成する開催委員会が主催する。