馬渕 12月3日の記者会見で前田会長は「物事には手順があり、下げたいのはやまやまだが、ただ下げれば済むということではない」と述べ、慎重な姿勢を示しています。武田大臣とお話をしている中では、改革に対しては「やっていきます」といった“同意”のスタンスを示しているのですか。
武田 同意されています。スリム化、強靱化を進めていく意向です。先ほど述べたように、NHKの剰余金は約3700億円あります。受信料の引き下げや、子会社の整理もできるでしょう。
NHKは子会社が多過ぎる
給与も民間企業と冷静に見比べてほしい
馬渕 少なくとも大臣から見て、ここは、すぐ対応できるんじゃないかと思えるところはございますか。
武田 子会社が多過ぎる。なぜそんなに子会社が必要なのか。今ある本体のセクションで十分賄えるところもあります。給与も民間の企業と冷静に比べてもらいたい。
馬渕 決算データから、平均給与額は1090万円と、1000万円を超えます。
武田 その通りです。NHKの実態は、前田さんの出身である銀行(※編集部注 NHKの前田会長はみずほフィナンシャルグループ出身)とも比べて、どこがどう違うかを照らし合わせていけば、おのずと改革案は出てくると思うんですよね。
私がNHKの皆さんにお伝えしているのは、「政府が言っているうちはまだいいです。燎原の火のごとく世論に火が付いたときは、存亡の機になりますよ」ということです。そうなればNHKは立ち行かなくなるわけです。その前に、国民から納得してもらえる受信料の料金水準とコンテンツのクオリティーを保つべきです。
馬渕 何が無駄なのでしょうか。