「審査に問題なかった」大飯訴訟判決で原子力規制庁が福井県に説明 県は専門委で独自に検証へ

2020年12月17日 19時25分
 関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置許可を取り消した大阪地裁判決を受け、原子力規制庁の山本哲也地域原子力安全調整官が17日、今後の対応を説明するため福井県庁で桜本宏副知事と面談した。桜本副知事は裁判で争点となった原発の基準地震動の算出方法について、有識者でつくる県の原子力安全専門委員会で改めて検証する方針を表明した。(今井智文)

大飯原発の設置許可を取り消す判決について福井県の桜本副知事(右)に国の見解を説明する原子力規制庁の山本調整官=17日、福井県庁で

 原子力規制委員会は16日、判決が指摘した基準地震動の算出方法に科学的根拠がないとする見解をまとめている。山本調整官は見解を説明し、「大飯原発の審査に問題はなかった」と強調。国が判決を不服として控訴したことを報告した。関電が運転開始から40年超の延長運転を目指す美浜原発3号機や高浜原発1、2号機(いずれも福井県)など他の原発のこれまでの審査も適切だったと説明した。
 桜本副知事は「判決は多くの県民に、安全基準や安全審査に問題があるのではないかという不安や懸念をもたらした」と指摘。基準地震動に関する規制委の考えについて県原子力安全専門委で説明を求め、妥当性を検証するとした。今後、県民向けの説明会も開くとし、規制委が説明のため出席するよう要請。山本調整官は了承した。
 山本調整官は18日におおい町など原発立地の4市町で首長らに説明する。

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