発明の名称     脳内神経活動検出装置、それを用いた脳機能診断装置及び思考映像表示装置        
発行国     日本国特許庁(JP)    
公報種別     公開特許公報(A)    
公開番号     特開2007-195779(P2007-195779A)    
公開日     平成19年8月9日(2007.8.9)    
出願番号     特願2006-18634(P2006-18634)    
出願日     平成18年1月27日(2006.1.27)
要約 生体頭部の神経活動をより高精度に把握することができる脳内神経活動検出装置、脳機能診断装置、思考映像表示装置の提供。

http://www.patentjp.com/19/D/D100001/DA10037.html
特許情報のため説明がわかりづらいので簡単に説明すると、

「数百MHzから、10GHzまでの電磁波を、生体頭部に照射すると、
一部は脳表面や頭蓋骨付近で反射したり、一部は脳内にまで透過した後、
反射して戻ってきたりして、それらの合成された反射波を検出する。

 脳内部まで透過した反射波は、脳内の神経活動に伴い、電場が変化するため、
生体組織の複素誘電率が時間的に変化するので、振幅と位相が変調されている。

 また、反射波は、反射してくる位置によっても、振幅と位相が変調されている。
つまり、頭部の導体部分を透過する距離が長いほど振幅が減衰する上に、
反射してくる位置が違うことによっても位相が変調されて反射されてくる。

 そのため、生体組織の誘電率などの特性値をあらかじめ調べあげて、
振幅と位相を分析することによって、反射してきた脳内の位置、箇所がわかる。

 それで、まず、検出された合成反射波は、皮膚表面からの
位置ごとに振幅と位相情報に基づいて反射波を分離、分類する。

 そして、皮膚表面からの位置ごとに分離、分類された反射波は、
位置による振幅と位相の変化は、位置によって変化するものであり
皮膚表面からの位置は常に固定されており、時間によっては変化しないので、
振幅と位相成分の時間変化を分析することにより
脳内の神経活動の情報がわかる。

暗号解読に関しての思考映像表示装置についての部分は、
従来型のパターン認識で、

青、白、黄色、円、三角などをイメージしたときの
脳内の活発に活動した場所の位置を記録していき
青をイメージしたときの情報と一致すれば青を表示する

というパターン認識型の思考映像表示装置になっている」


というのが、この特許の内容の簡単な説明です。

この特許情報において、重要な部分は、
測定に関する部分であり、暗号解読の部分に関しては
従来型のパターン認識であるため見るべき点はない。

この特許情報から重要となる測定に関する記述部分を以下に抜粋する。


①脳内部の神経活動による変調に関する部分

検出した反射波は、生体頭部、特に、脳内の神経活動に伴う生体組織の複素誘電率が時間的に変化することによって変調されている。

脳内部の神経活動をつかさどる生体組織には、数多くの神経細胞があり、互いに相互作用を及ぼしながら活動している。それぞれの神経細胞においては細胞膜を介したイオンの出入りによる電気的活動と、神経細胞間においては神経伝達物質と呼ばれる生化学物質の移動により情報が伝達される。このような神経活動等により、生体組織の物性値、特に、複素誘電率や誘電緩和時間が時間と共に変化する。なお、神経活動を行う生体組織の物性値が変化すると、電磁波の透過率、反射率が時間的に変化する。そのため、生体活動をつかさどる生体組織を通過した反射波の振幅は一定ではなく、神経活動に応じて時間的に変化する。

なお、生体頭部の電磁波媒体としての時間的変動は、上述した神経活動等以外に、脳内部の生体組織の機械的な移動(心筋の活動、血管内の血液の移動など)などによる生体組織の厚さの変動による影響も受ける。これらは、いずれも主として、反射波の位相の時間的変化として検出される。


②位置特定に関する部分

反射波分離手段5a2における反射波の位相の解析は、パルス遅延時間で行うことが好ましい。これは、生体頭部における各生体組織の厚さは、例えば、頭蓋骨で約1cm、灰白質で数mmと非常に薄いため、反射波検出手段4aで検出される反射波の位相を解析して、位相の異なる複数の反射波に分離するためには、高分解能を有するパルス遅延時間で解析することが好ましい。

反射波分離手段5a2における反射波の分離は、パルス遅延時間による解析に加え、解析された前記反射波の振幅情報に基づいて行うことがより好ましい。

以上の点から、例えば、図4でいう第1の反射波(B0)は、照射した電磁波に比べて一番振幅の減衰が小さく、続いて、第2の反射波(C0)においても、透過して減衰する生体組織が頭蓋骨のみであり、この頭蓋骨は比誘電率ε1、誘電損出tanδ1がともに相対的に小さいため、第1の反射波(B0)に比べると振幅の減衰はあるものの、比較的減衰が少ない状態で検出される。しかしながら、第3の反射波(D0)は、頭蓋骨のみならず、比誘電率、誘電損出が大きい灰白質を2回も透過するため、その振幅の減衰は非常に大きくなる。

すなわち、反射波検出手段4aで検出された反射波の振幅情報、すなわち、振幅強度の違いに関する情報を用いることで、より的確に、反射波検出手段4aで検出された反射波を、位相の異なる複数の反射波に分離することができる。

例えば、図6に示すように、検出された反射波の位相がパルス遅延時間で分析しても第2の反射波(C0)が完全に分離できない場合でも、第1の反射波(B0)の振幅をAB0、第2の反射波(C0)の振幅をAC0、第3の反射波(D0)の振幅をAD0とした場合に、その振幅強度の差を用いて、第2の反射波(C0)の振幅強度を演算することができる(図6参照)。このため、第1の反射波(B0)、第2の反射波(C0)、第3の反射波(D0)をそれぞれ分離することができる。

このように、反射波分離手段5a2は、反射波検出手段4aで検出された反射波が、生体頭部表面及び生体頭部を構成する生体組織界面でそれぞれ反射した複数の反射波の合成波であるため、この合成波の位相、より好ましくは、この合成波の位相と振幅を解析して、これらの位相情報、より好ましくは、位相情報と振幅情報に基づいて、反射波検出手段4aで検出された反射波(合成波)を位相の異なる複数の反射波に分離する。

反射位置特定手段5a3は、反射波分離手段5a2により分離された位相の異なる複数の反射波の生体組織情報記録手段5a1に記録されている生体組織構造における反射位置を特定する。

生体組織構造内での反射位置の特定は、反射波分離手段5a2において解析された反射波の位相情報又は振幅情報を用いて行う。すなわち、位相情報を用いる場合は、分離した反射波の検出順、振幅情報を用いる場合は、その振幅強度により行う。



③使用している電磁波に関する部分

生体頭部に向けて照射する電磁波の周波数は、数百MHzから、10GHzまでの範囲で行うことが好ましい。

生体に照射する電磁波の周波数が、数百MHzより低い周波数を用いる場合は、水分子の分極以外に、たんぱく質やDNAなどの他の分子がもつ分極成分が大き くなり水分子そのもの複素誘電率、誘電緩和時間の変化を、検出することが難しい。一方10GHzよりも高い周波数帯では、水分子の緩和周波数 (25GHz)に近くなるため、生体頭部内を通過する電磁波の減衰が大きくなり、生体頭部から反射する反射波の振幅強度が小さくなるため、反射波の検出が 困難となる。




< 脳内部の神経活動による変調についての解説 >

> 検出した反射波は、生体頭部、特に、脳内の神経活動に伴う
> 生体組織の複素誘電率が時間的に変化することによって変調されている。

頭部内部は、導体であるため
頭部内部における電磁波は、導体内の電磁波と同じと考えられます。

導体内部における電磁波の波動方程式は、

振幅部分は複素誘電率によって減衰する数式が得られて
位相部分は複素誘電率によって変化する数式が得られます。

具体的な式は以下のようになります。

E=E0×exp(-kiZ)×cos(krZ+ωt)

振幅 :E0×exp(-kiZ)
位相 :θ=krZ+ωt
周波数:ω
時間 :t
導体表面からの距離:Z

k=kr - jki (krが実部、kiが嘘部、kは波数)

ki=複素誘電率の関数
kr=複素誘電率の関数


詳しくは、複素誘電率
http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/makino/documents/20071030_TanDel.pdf
を参照してください。

また、脳内の神経活動に伴う生体組織の複素誘電率が時間的に変化するについては、

>電場がある程度以上の速さで変化する場合、誘電率は定数にはならず、
>電場の振動数 ω の関数である誘電関数 ε(ω) として記述される。
>誘電関数には電気伝導やバンド間遷移による損失が発生するため、
>一般に以下のような複素関数となる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%98%E9%9B%BB%E7%8E%87

を参照してください。

つまり、脳内の神経活動に伴い、電場が変化するため、
生体組織の複素誘電率が時間的に変化するので、
反射波は、振幅と位相成分が変調されて返ってくるということです。
(周波数は変調されません)


以上のように、複素誘電率が時間的に変化すれば
導体内部の電磁波は、その数式から
振幅と位相が時間的に変化するはずだとわかります。

この特許内での位相変化の説明は、

脳内部の生体組織の機械的な移動(心筋の活動、血管内の血液の移動など)など
による生体組織の厚さの変化により位相変調される

という説明になっています。

これでも位相は変化すると思いますが、
複素誘電率の時間変化でも位相は変化するはずです。



< 位置特定に関する部分について >

頭部内における反射位置特定に関して記されているわけですが、
皮膚表面からの位置による位相、振幅変調は
ある特定の皮膚表面からある頭部位置までの位置は
当然のことながら常に固定されており時間変化しないから
時間変化しない位相、振幅成分を分析することで
頭部内における反射位置がわかるとなっております。

E=E0×exp(-kiZ)×cos(krZ+ωt)

上式の導体内の電磁波の波動方程式から説明すると、

ある特定の皮膚表面からある頭部位置までの位置:Zによって
振幅:E0×exp(-kiZ)と位相:krZ+ωtは変化しますが、
ある特定の皮膚表面からある頭部位置までの位置:Zは
常に固定されていて変化しないので
位置:Zは時間:tの関数でなく
位置:Zによる振幅と位相の変化は、時間変化はないということです。

つまり、ここでの位置特定というのは、あくまで

「皮膚表面から頭部内の反射してきた部分までの距離:Z」

に関する位置:Zであるということです。

すなわち、皮膚表面:Z=0で反射してきた電磁波は、
最も振幅が減衰せず反射してくるので
振幅の減衰率が最も低いのが皮膚表面で反射してきた電磁波と分類できて、
比較的に振幅の減衰率が低い場合は、
頭蓋骨付近で反射してきた電磁波・・・

などというように、振幅や位相を分析することにより
皮膚表面から頭部内の反射してきた部分までの距離:Z
に応じて反射波を分離、分類することができるということです。

ちなみに、最も振幅の減衰率が低い反射波を解析することにより
測定機器からその測定対象の皮膚表面までの距離、位置を特定することができます。



一方、複素誘電率は時間により変化する時間の関数で、
複素誘電率による位相と振幅の変化は、時間変化することになります。

複素誘電率 = 複素誘電率(t)

ki=f1(複素誘電率(t))
kr=f2(複素誘電率(t))

振幅 = E0×exp(-f1(複素誘電率(t))Z)
位相 = f2(複素誘電率(t))Z+ωt



この情報から、脳内活動の測定電磁波が
そのまま位置特定の電磁波にも使用されているという点から

「思考盗聴に使用している測定電磁波が
そのまま位置探査のレーダーの電磁波になっている」

という私の推測は高い確率で正しいのではないかと
思える状況になりました。



< 使用する電磁波について >

>生体頭部に向けて照射する電磁波の周波数は、
>数百MHzから、10GHzまでの範囲で行うことが好ましい。

というように、やはり思考盗聴に使用している電磁波は、
水に関する強さや反射して戻ってくるという観点から

水に対する減衰にある程度強く脳内部にまで透過してから反射してきて
複素誘電率、誘電緩和時間の変化を、検出しやすい
数百MHzから、10GHzまでの電波か

水に対する減衰にある程度強く脳の表面(大脳皮質)あたりで反射して
戻ってくる近赤外線

のどちらかしかなさそうです。

なので、

「思考盗聴の防御には水が効果的」

という説がかなり現実味を帯びてきたように思います。

また、この方法で思考盗聴しているとしたら
脳波レベルの低周波の電磁波を脳に照射すると、
生体組織の複素誘電率が時間変化するので
測定電磁波の複素誘電率の時間変化による位相変調、振幅変調に
雑音を混ぜることが可能となり妨害できるだろうという私の推測も
どうやらかなり正しいとわかってきました。

また、数百MHzから、10GHzまでの電波であるなら
それらの周波数をだいたい遮断できる
電波暗室内なら思考盗聴を防御できているはずということになります。

さらに、思考盗聴に使用している電磁波が
近赤外線か数百MHzから、10GHzまでの電波であるなら

思われてるほど思考盗聴の透過率は高くないのではないか?

という可能性が考えられます。

つまり、同じような周波数帯を使っている
携帯で電話ができるような場所なら
思考盗聴もできると推測できるが、
近くに基地局はあるが携帯で電話ができない、
すなわち建物等によって囲まれていて電波がさえぎられるために
電波が届かないような場所だと、
思考盗聴もできないのではないかと推測されます。



< 米国特許3951134号との比較 >

この特許は、以下の特許とほぼ同じような内容となっています。

脳波を遠隔地からモニターし、それを変化させる装置と方法
米国特許3951134号
http://www.geocities.jp/tappingtech/monitor.html


しかしながら、上の米国特許では、変調原理がわかっておらず
変調原理はわからないが、振幅、位相、周波数のどれかが
変調されるかもしれないという曖昧な表現になってました。

それがこの特許では、具体的な変調原理について説明があり、
他にも反射位置の特定や使用する電磁波についても
より具体的な説明がありました。


つまり、この特許情報の重要な部分は、先ほど抜粋した箇所である

①脳内部の神経活動による変調に関する記述
②頭部で反射してきた電磁波の反射位置の特定に関する記述
③使用している電磁波に関する記述

の3つだと思います。

この3つに関して具体的な解説がされており、
遠隔からの思考盗聴の測定技術に関して
かなり確かなもので非常に価値がある情報だと思います。



< まとめ >

この特許情報による脳内電気信号の測定技術は、

・遠隔からの測定が可能
・時間分解能が高い
・脳内活動情報の脳内の位置の特定ができるため、
空間分解能はそれなりにある
・リアルタイム分析が可能

という特徴を備えており、
究極の思考盗聴機器の条件をかなり完璧に満たしております。

なので、加害者が用いている思考盗聴の装置は
この特許情報に基づくような測定装置である
可能性が十分にありうると思われます。

ただし、暗号解読方法は、ここで示されているようなパターン認識ではなく
信号変換型のものだと思います。

少なくとも2012年9月現在では、
思考盗聴の測定機器について調べたりするのならば
この特許情報が最有力候補として真っ先にあげられるべき特許だと思います。