蓮舫内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成23年1月20日
(平成23年1月20日(木) 18:32~18:46 於:第4合同庁舎2階220会議室)
1.発言要旨
お疲れさまでございます。
先ほど、第15回行政刷新会議を開きました。
本日の議題は、3点です。昨年行われた事業仕分け第3弾の評価結果が平成23年度予算案にどのように反映されたのか、規制仕分けを行うということについて御了承いただきました。3点目は、公共サービス改革分科会の検討状況について御報告させていただき、それぞれについて様々な御議論をいただいたところです。
事業仕分けの評価結果等の23年度予算案への反映状況については、野田財務大臣から報告をいただいたのですが、その報告によりますと、歳出について徹底した見直しを行い、約3,500億円の歳出削減を実現するとともに、事業仕分けの結果等を踏まえた独立行政法人等からの国庫納付などによりまして、約1兆4,000億円の歳入を確保した。これに加えまして、「国丸ごと仕分け(行政事業レビュー)」による各府省における概算要求段階の見直しを機械的に足し合わせますと、平成23年度予算編成における行政刷新会議の取組全体による効果は約3兆円となります。これまでの事業仕分けの評価結果等を踏まえた予算案が決定されまして、行政刷新会議の取組によって成果を上げたことができたと考えています。
また、特別会計制度の見直しについては、特会法を所管する野田財務大臣が中心となり、関係大臣と検討・調整を行うこととしています。私のほうからは、関連法案を来年の通常国会に提出できるよう検討を進めてもらう旨を発言しまして、財務大臣からは、「可能な限り早期に法案の提出ができるよう検討を進めていきたい。そのためには、まず今春をめどに論点整理を行いまして、その上で具体的な方針を今年半ばまでにまとめるべく最大限の努力をしたい」という御発言がございました。行政刷新会議の場においても、その検討状況について、適宜フォローアップをしていくことになりました。
議員の皆様方からは、この点に関して様々な御意見をいただきましたが、例えば事業仕分けと会計検査院の活動をうまく連携してほしい。あるいは、特会の制度改革そのものも進めてもらいたい。仕分け結果の反映が十分でない事業は、次の予算編成をチェックする必要があるので、結果どおりできない場合には、その理由をきちんと説明しなければいけない。行政事業レビューの本格実施に当たりまして、各府省に積極的に取り組むインセンティブを与えることが必要ではないか。あるいは、どこに無駄があるのかきちんと検証することが重要。また、仕分け結果を制度改革につなげ、生かしていくことが大切だという御意見を頂いております。
2つ目の論点ですけれども、規制仕分けの実施について会議にお諮りし、了承をいただきました。規制・制度改革は新たな成長の起爆剤ともなる取組でもありまして、政府の最大の緊急課題の一つでもございます。新成長戦略の実現に資する規制・制度改革の政府の方針を今年3月に策定すべく、検討を今、行っておるのですが、その過程で「事業仕分け」の原則でもあります「外部性」、「公開性」を生かした規制仕分けを3月の上旬に行い、規制を巡る問題の所在について、広く国民の理解を得ながら議論し、規制・制度改革の方針を提示することにしました。次回の行政刷新会議で、具体的な対象項目と評価者について審議する予定にしています。
規制仕分けにつきましても、議員の皆様方から御意見、御指摘を頂きました。キーワードは「新陳代謝」ではないか。新しい産業、新しい企業が出ていくような環境整備をすべきではないか。事後チェックを重視すべき、事前ではなくて事後チェックに移行していくべきではないか。国際的なハーモナイゼーションが必要。他の国にない規制・制度が日本にのみある場合には、基本的には見直しをしていっていただきたいというような御意見をいただいております。
最後に、公共サービス改革分科会の検討状況について報告が行われました。公共サービス改革分科会は、昨年11月以降、これまで3回の会合を開催し、各府省や独法などが行う調達の効率化、あるいは公共サービス改革の様々な課題について議論しております。無駄や非効率な調達を是正し、硬直的な制度を改め、より良質な公共サービスを提供できるように、本年3月には公共サービス改革プログラムを取りまとめる予定にしています。
こうした御報告を行ったところ、議員の間からは、今日は相当たくさんの御意見を頂きました。主に、民間の取組を基にした御提言であるとか御意見を頂いております。例えば、大きな調達のものは中央で決め、流通は地元で行って調和を図っている。あるいは、シェアードサービスを各省庁間、縦割りを廃して行うべきではないか。自社でシェアードサービスをやったところ、人件費が3分の1減少すると同時に、専門家が育ったという御意見も頂いております。あとは、関係業界、あるいは地元業界が疲弊しないような目配りもしてもらいたい。共同調達は創意工夫を推進するので、是非行うべきだ。あとは、やはり地元企業であるとか、低価格競争に陥らないような配慮をすべきではないかといったような意見を複数いただいたところでございます。
私からは以上です。何かありますか。
2.質疑応答
- (問)北海道新聞、安藤です。
さっきお話いただいた規制仕分けの件で確認させてください。次回の会議で、対象項目、評価者について審議するということなのですが、今、分科会、ワーキンググループでやってきて、第1クール、第2クールがあったと思うのですが、全ての項目、今、どれぐらいのものを取り上げていらっしゃって、実際、本番ではどれくらいの項目をやりたいというふうにお考えか伺えますでしょうか。 - (答)第2クールにおいて、今、最終的に個別具体的に取りまとめているのは、大体270弱と記憶しています。今回の規制仕分けの対象には、第2クールの分科会で御議論いただいているもの以外にも、第1クールで御議論いただいて今年度中に検討するもの、あるいはそのフォローアップという意味合いで、実際にどういう方向性になっているのかというもの、また、既に、例えば構造改革特区といったところで有効な規制改革が行われているもの、より視野を広げて幅広い観点から選定対象を選びたいと考えているところです。実際に幾つぐらいまでに絞り込むのかというのは、正直なところ、まだ詰めてはいません。今日、御了承いただいたところでございますので、実際に事務局も含めて政務三役一体となって、党とも連携を取り合いながら、どのような対象を選定していくのかを決めていきたいと考えています。
- (問)その規制の関係で、今日、分科会のワーキンググループが午後あったのですが、農林と地域活性化のワーキンググループだったのですけれども、その中で、年末に農協の改革について、信用事業と共済事業の分離を目指すという、かなり強いトーンで書いていたのですが、今日、文章が修正された形で改革案が出てきまして、信用・共済事業から経済事業への繰り入れを減らしていくという方向性でということで、かなりトーンが弱まったというふうな感じがしたのですけれども、それは大臣、御報告を受けているでしょうか。どうしてそうなったのか、それは昨日、農水のほうの部門会議でも、かなり議員の中からも批判の声が上がっていたということなのですが、そういうことが影響したのかどうか教えてください。
- (答)文言がそのように変化しているのは、正直、まだ報告を受けてはいません。そこは、平野副大臣を中心に、信頼して任せています。
ただ、やはり言葉の使い方というのは非常に難しくて、ある種、御関心が高い項目において短い取りまとめのコメントを要した場合に、我々の意図することと反して、ある種、衝撃的な報道がなされる傾向がありますので、その部分を鑑みて、若干、表現を変えるということは、農業に限らず、他の分野でも私は有り得るのだと思っています。そんなに敏感に反応しなくても大丈夫だと思います。 - (問)テレビ朝日の辻井ですけれども、農業の今の関連なのですけれども、今、政府の中でTPPへの参加というものが検討されている中で、大臣は今回の規制仕分けを通じて、日本の農業というものをどのようにしていきたいというふうにお考えでしょうか。
- (答)基本的には、新成長戦略も含めて、強い農業をどのように実現していくのか。その部分においては、既存の規制を議論することによって、緩和するところも当然あるだろうし、逆に強化するところもあるのだと思います。
- (問)フリーランスの小川裕夫と申します。よろしくお願いします。
規制仕分けに関してお伺いしたいのですけれども、例えば、法的に規制されているものと、税金をかけて、規制ではないのですが、抑制されるようなものというのもあると思うのですが、税制に踏み込んだものというのは、今後、議論に上がるのでしょうか。 - (答)ごめんなさい。税金をかけて抑制しているものというのは、具体的にどんなものでしょうか。
- (問)例えばなのですけれども、ゴルフ税というのがございまして、ゴルフ場などに課税されるものがあるのですが、こういったものになると、例えばゴルフ産業が多少抑制されるのかなという気がするのですけれども。
- (答)それは議論が全く違って、規制・制度は純粋に規制がかけられているものに対して、どのような改革を進めるのがよいのかという議論で展開しますので、税の部分に関しては、これは税制調査会のほうで話すことだと思っています。基本的には関与はしません。
- (問)医薬経済社の槇ヶ垰(まきがたお)と申します。よろしくお願いします。
規制仕分けについてなのですけれども、一部報道で、OTC薬、一般用医薬品のインターネット販売の規制がそ上に乗るといったような内容の報道が既にされていた記憶があるのですけれども、そのあたりについて大臣からコメントをいただきたいと思うのですが。 - (答)先ほども申し上げましたが、選定の対象となる規制は、基本的に例外は設けませんけれども、今の段階でどれが対象になると決めているわけではありませんので、そこはまだ時期尚早だと思っています。随分早い報道だとは思いますが。
- (問)テレビ朝日の辻井です。今のインターネットの薬の販売の関連なのですが、年末、大臣も視察されましたけれども、改めてこれに関する問題点というのをどのように認識なのかお聞かせ願えないでしょうか。
- (答)2つあると思うのですが、1つは実際に、昨年、現地で声を聞きに行きましたけれども、やはり伝統薬というものが一律に規制されることが適正なのかどうなのかは、私個人の思いとしてあります。
もう一つは、やはり薬というのは副作用を伴うものでございますので、やはり対面販売で薬剤師、それなりの免許を持った方がしっかりと説明するということは大事だと思うのです。ただ、その対象の薬品が、本当に一律的に規制してしまうことが、例えば薬局が近くにないですとか、あるいは薬を購入する足がないですとか、これから高齢化社会になって参りますので、もっと簡易な購入の在り方が、ネットという手段を使えるのであれば、それは便利なのかなという視点は当然あるのだと思います。
ただ、この部分は、やはり議論していかないと、両方の意見があるものですから、頭ごなしに全ての意見を聞かないで決定するという手法は、やや乱暴かなと思っています。
(以上)