冬のボーナスシーズンだが、新型コロナウイルスの影響で去年よりもボーナスが減った──貰えるのはまだいい方で、ゼロになった人もいることだろう。大黒屋(東京)がこのほど、全国の30代~50代の会社員男女500人を対象に実施した「収入とお金の使い道に関する調査」でも、厳しい実態が明らかになった。
この調査によると、自身の収入について昨年と比べて変わらない人が約65%と多数を占めたものの、3人に1人は収入が減少。昨年までは、比較的景気が良いと言われていただけに、増えない人が9割以上と、コロナ禍は給与所得者の生活を暗くした。一方で増えた人も6%とわずかながらいる。テレワーク化の進展でIT業界など一部の企業では、むしろコロナ禍が追い風となって業績が絶好調なところもあるなど、うらやましいケースもあるのだ。
今シーズンのボーナスに関しては、年棒制でそもそもボーナスがない人を除くと、44.0%が支給されないと回答。支給された人は41.8%で、その支給額の平均は48万7200円だった。支出が外出自粛時に比べて増えた人が約4割いるなど、収入が減る一方で支出は増えるというように、コロナ禍が生活に悪影響を及ぼしている様子がうかがえる。
そうなると、何か対策が必要になってくるが、収入を増やす工夫をしている人が約4割。その内容は副業が53.0%、資産運用が45.5%、不用品の売却が40.9%となっている。株価が30年ぶりの水準まで上昇、ネットオークションが活況──こうした現況を踏まえると、副業以外で工夫している人が多いことも納得だ。
さて、春から夏にかけて、収入が減った時に大助かりとなったのが、1人あたり10万円配られた定額給付金だ。今後も政府から新たな給付金を受けたいと思っている人は8割以上──具体的にいくら欲しいか聞いたところ、平均値は15万6055円となった。