日銀短観、2期連続で改善…「Go To」で宿泊・飲食業は持ち直すも、先行き不安

2020年12月14日 12時47分
 日銀が14日公表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の業況判断指数(DI)が9月の前回調査から17ポイント改善のマイナス10となった。大企業非製造業も7ポイント改善のマイナス5で、ともに2.4半期連続で改善した。一方、大企業、中小ともに非製造業の3カ月先の予測は新型コロナウイルスの感染拡大で、景気が再び悪化するとみる企業が多い。
 大企業では製造業の改善幅が、2002年6月調査に次ぐ大きさ。国内外の販売が回復した自動車がプラス48ポイントとけん引し、造船・重機を除く15業種で改善した。非製造業は宿泊・飲食が政府の「Go To キャンペーン」を受けて21ポイント改善したが、DIはマイナス66と低水準のままだ。
 中小企業は製造業が17ポイント改善のマイナス27、非製造業が10ポイント改善のマイナス12。宿泊・飲食は33ポイント改善し、マイナス41となった。
 3カ月先の予測は、大企業、中小企業とも製造業が改善を予測する一方、大企業で1ポイント悪化のマイナス6を見込むなど非製造業でいずれも悪化する結果となった。
 DIは、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした割合を引いた指数。調査は先月11日~今月11日に実施した。対象は全国の9507社で回答率は99.5%だった。(皆川剛)

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