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【重要】佐藤正久参議院議員の発言等に対する旭川医科大学の見解
2020年12月15日

第1 はじめに
 旭川市にある慶友会吉田病院(以下「吉田病院」といいます。)への自衛隊看護官派遣に関連して,佐藤正久参議院議員(以下「佐藤議員」といいます。)が,2020年(以下,同年は省略します。)12月9日放送のBS日テレ「深層NEWS」および佐藤議員のオフィシャルブログ「守るべき人がいる」12月10日公開文面において,行政や周辺医療機関の役割についてお考えを述べられました。その中で,佐藤議員は,「旭川医大の対応は間違っている」等とご発言されましたが,その内容に旭川市民および本学内外の関係者に困惑が広がっております。
 佐藤議員のご発言は,自衛隊の皆様に過度な負担がかかることを憂慮されたためになされたものと推察いたしますが,旭川医科大学(以下「本学」といいます。)の新型コロナウイルス感染症対応の現状と異なる事実誤認が多く含まれており,本学としてはそのまま受け入れることが難しい内容でした。佐藤議員のような見識のある国会議員の先生が,12月9日以前に本学が公表している内容を事前に確認されずに,マス・メディア等でご発言されたことは,その内容が社会に独り歩きしていることを含めまして,極めて遺憾です。
 そこで,本学は,旭川市民の皆様ひいては国民の皆様の不安を払拭するため,以下の5点について謹んで訂正させていただきます。

第2 佐藤議員のご発言の事実誤認
 佐藤議員のご発言で事実誤認があるのは,以下の5点です。
1 旭川医科大学病院は,重症患者を受け入れない。
2 旭川医科大学は,吉田病院に派遣していた医員を引き上げた。
3 旭川医科大学病院長は,吉田病院の患者を受け入れたいと言っているのに対して,旭川医科大学学長が吉田病院の患者の受入れを拒否している。
4 厚生労働省も,問題視し,審議官を派遣して旭川医科大学学長を説得しようとしたが,旭川医科大学学長は,それを拒否した。
5 旭川医科大学病院は地域医療を担う病院であるにもかかわらず,旭川医科大学の対応は,医療崩壊を助長することにつながる。
  以下,順に,どこに誤認があるかを詳しくご説明いたします。

第3 佐藤議員のご発言に事実誤認があることの詳細説明
1 旭川医科大学病院は重症患者を受け入れないという誤認
 12月7日付本学ホームページに記載しましたように,本年2月の旭川市内5基幹病院会議等で旭川医科大学病院(以下「本院」といいます。)は,重症患者様を中心に受け入れることを取り決めました。集中治療室に入室が必要な患者様または人工呼吸器が必要な患者様が,受入れの対象です。特に,ECMO(体外式膜型人工肺)装着を必要とする患者様については,日本COVID-19対策ECMOnet参画機関として,集中治療室2床を常に確保し,集中治療に関わる医療機器,医療スタッフを分散させることなく,万全の受入れができる体制を常に整えていました。現に,2月,3月には,本院において2名の重症患者様の集中治療を行っていました。また,11月以降の北海道における新型コロナウイルス感染症の感染者の急速な増大を受けて,本院は,集中治療対応病床を5床に増やし,旭川市内外の患者様を受け入れています。現在,集中治療室管理が必要な重症患者様3~5名の治療(数字に幅があるのは,入退院で日毎に人数が変わるためです。)にあたっています。本院は,むしろ,重症患者様を積極的に受け入れています。
 また,11月以降,旭川市の5基幹病院は,受入れ体制を見直し,柔軟に対応しています。現在,本院では,集中治療室に加えて専用病棟を整備し,新型コロナウイルス感染症対応の病床を12床から20床増床して32床としました。そして,対象を「中等症以上の患者」に拡大し,新たな受入れ体制を整備しました。

2 吉田病院に派遣していた医員を引き上げた,という誤認
 本学危機管理室では,基幹病院としての重要な機能を維持するために,院内感染が発生した医療機関で兼業を行った医師については,PCR検査の実施や健康状態の確認をした上で,本院での業務に従事させています。しかし,それでもなお本院内での院内感染のリスクが残ります。そのため,6月から「1か月以内に新型コロナウイルス感染症による院内感染が発生した医療機関での兼業は,禁止する」こととしています。この方針は,吉田病院に限ったものではありません。全ての医療機関に同じ危機管理方針のもとで対応しています。したがって,「派遣の引き上げ」をした事実はなく,全ての医療機関と同じように兼業の禁止をしたのみです。
 なお,本学医師による吉田病院での兼業は,外来診療が主です。そして,11月9日以降,吉田病院は,感染対策として,外来診療を自院の判断ですべて休止していますので,本学医師による兼業自体がない状態が続いています。

3 旭川医科大学病院長は吉田病院の患者を受け入れたいと言っているが,旭川医科大学長が拒否をしている,という誤認
 1で述べたとおり,本学は,重症患者を受け入れることが主たる任務です。新型コロナ感染症が発生し始めた2月頃,軽症者受入れは役割分担に応じて他の病院に任せ,常に万全の体制で重症者受入れに備えておくべきであるとのやり取りが,旭川医科大学病院長(以下「本院長」といいます。)と旭川医科大学長(以下「本学長」といいます。)との間でありました。その当時,集中治療室において2名の重症患者の治療が行われていました。
 また,11月以降,旭川市内における新型コロナウイルス感染症の患者様が増大しましたので,本院長から,本学長に対して「吉田病院の患者を受け入れたい」との申し出ではなく,「市内の軽症者の受入れも再検討したい」との申し出がありました。その後,本学長と本院長とはやり取りを重ね,旭川市の感染拡大の状況に鑑みて,受入れ対象を中等症以上に拡大し,また妊婦,小児等については軽症者も含むことにして,対応に当たっています。

4 厚生労働省も問題視し,審議官を派遣して旭川医科大学長を説得しようとしたが,学長は拒否した,という誤認
 11月19日,厚生労働省コロナ対策本部地域支援班の担当者様(以下「A様」といいます。)が,旭川市保健所の担当者様とともに本学学長室を訪問されました。
 まず,A様は,厚生労働省審議官ではありませんので,厚生労働省審議官が本学に来訪した事実はありません。
 また,A様は,「吉田病院をはじめ,旭川市内での感染者が急増している。旭川市内の軽症者,中等症者を積極的に受け入れて,臨床実習中の医学生,初期研修医の感染症診療教育に役立ててはどうか。特に,個人防護具取扱いの良いトレーニングになる。」と言われました。しかしながら,医学生の臨床実習は,新型コロナウイルス感染症患者がいる領域では行われません。また,研修医の新型コロナウイルス感染症診療への従事にあたっては,「研修医本人の意思・研修医の習熟度・指導の体制・感染対策の観点から,その是非を総合的に判断すること。」との通達が厚生労働省から出されています。そこで,本学長は,そのような目的での受入れはできませんと回答した上で,A様の発言が厚生労働省の意思であるのか疑問であるとも申し上げました。また,吉田病院の患者様の受入れを要請するために本学にいらっしゃったのかとも,お尋ねいたしました。
 それを受けて,翌日,A様は,本学長にメールを送信され,「吉田病院の患者の受け入れをお願いはしていない。コロナ患者を受け入れることで学生の勉強の機会になるとの発言は撤回する」と明確に回答されました。
 したがって,「厚生労働省も問題視し,審議官を派遣して旭川医科大学長を説得しようとしたが,本学長が拒否した」というのは,完全に事実無根です。

5 地域医療を担う病院であるのに旭川医大の対応は医療崩壊を助長することにつながる,という重大な誤認
 本院は,新型コロナウイルス感染症拡大下における地域医療貢献として,上で述べた重症者患者様の受入れに加え,妊婦,小児の新型コロナウイルス感染症患者様の受入れの中心的役割を果たしています。
 一方,国内最大級の院内感染が発生している旭川厚生病院の外来診療の休止および新規入院の停止により,旭川市内外の通常の診療に大きな支障が生じています。2次救急のほか,妊婦(近々の分娩予定含みます。),小児救急,がん化学療法,緊急手術,種々の慢性疾患などの受入れ先の確保が喫緊の課題です。そのため,旭川市内4基幹病院で適切に患者様を振り分けて市内,道東道北の広い範囲の患者様の日常診療を支えることにも全力を尽くしています。また,最近,旭川赤十字病院も看護師の感染により手術室機能が大きく縮小されましたので,本学及び本院の役割が増大しています。
 佐藤議員が本学及び本院に関する批判的発言をされた12月9日は,病院運営委員会において,本学長が,「道東道北の医療の要としての機能を制限しなければいけないことは非常に残念なことであるが,本院の診療は全て60-70%に制限し,旭川市内外の新型コロナウイルス感染症患者,通常診療を受けられなくなった緊急性の高い患者の受入れを積極的にしましょう。職員一丸となって地域の医療に貢献しましょう。」と改めて呼びかけた日です。
 そして,本学は,「北海道の地域医療の充実」を建学以来の理念,使命として掲げています。今年度は,富良野医療圏の地域医療支援を大きく進展させました。具体的には,富良野協会病院に医師を派遣して医療機能を充実させるとともに,同病院,上富良野町立病院,国保中富良野町立病院の連携をより強化し,3病院一体となった機能再編を促し,外来機能や救急医療も強化・効率化を図るものです。これは,「富良野における住民,移住者等に対する万全な医療体制を築くことで,観光客のみならず永住者が増え,安心,安全な富良野が北海道の人口減対策の『模範』となるように努めたい。」という本学学長の信念に基づくものです。同様に,本学は,十勝医療圏,遠紋医療圏での旭川医科大学独自の地域医療支援を展開してまいります。
 本学は,道東道北の地域医療の充実に最も真摯に取り組んでいる医育機関であると自負しています。佐藤議員のご発言は,その動機が自衛隊を衷心から思ってなされたものであったとしても,本学からしますと,誠に遺憾です。

第4 最後に
 以上,佐藤議員のご発言における事実誤認に関する本学の見解を述べさせていただきました。本学は,これからも「北海道の地域医療の充実」の実現に向けて邁進いたします。関係各位におかれましては,ご事情をご明察頂けますと幸甚に存じます。

                  旭川医科大学長 吉田晃敏
                旭川医科大学病院長 古川博之

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