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芸人泣かせのライブハウス「びーちぶ」でマツモトクラブを直撃!

芸人泣かせのライブハウス「びーちぶ」でマツモトクラブを直撃!

2017/06/20

簡素な住宅が並ぶ千川駅すぐの場所に存在する、超マニアックなお笑いライブハウス「びーちぶ」をご存知だろうか。日替わりで芸人主催のお笑いライブが開催中だが、客席の笑い声を吸収する芸人泣かせの作りということでも有名なんだとか。出演中のマツモトクラブにお笑い評論家・ラリー遠田が直撃取材!

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

最近、注目の芸人を多数輩出しているお笑いの格闘場「びーちぶ」の楽しみ方とは?

多数のお笑いライブハウスがある中で、ソニー・ミュージック・アーティスツ(以下、SMA)の経営するライブハウスが「びーちぶ」だ。最近ではSMA出身の芸人が「R-1ぐらんぷり」を連覇していることもあり、お笑い評論家・ラリー遠田が事務所の芸人にも注目。「びーちぶ」からデビューしたSMA芸人のマツモトクラブを直撃取材した。一人芸で一番おもしろい芸人を決める「R-1グランプリ」の決勝に進出しているマツモトクラブマニアックなライブハウスの楽しみ方を一緒にのぞいてみよう!

\この御大が根掘り葉掘り直撃!/

ラリー遠田

年間100本以上のお笑いライブを鑑賞。「お笑い」に関する仕事がしたくてフリーランスになったというお笑い評論家。びーちぶ入口のSMA所属アーティストの優勝トロフィーに早くも反応を示す
録音と芝居を組み合わせた映像作品でピン芸人として活躍中のマツモトクラブ

\この芸人がご案内/

マツモトクラブ

マツモトクラブ

芸人

そもそもソニー・ミュージック・アーティスツとは?

ラリー遠田
ラリー遠田
「2004年にお笑いを始めたソニー・ミュージック・アーティスツ。ほかの事務所に比べて、お笑い界の参入が遅かったこともあり、今までほかの事務所に所属できなかった芸人の「最後の希望の光」的な存在となっています。最近ではハリウッドザコシショウが「R-1ぐらんぷり」で優勝したり、コウメ太夫バイきんぐもバラエティのみならず活躍中です」

履歴書を持って行って、1週間後ぐらいには舞台に上がってました

ラリー遠田
ラリー遠田
「マツモトクラブさんは、どんな経緯でSMAに入ったんですか?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「最初は劇団に所属して芝居をしていたんですが、バイトをしながら稽古を続けて、この生活はこのままじゃ変わらないと思っていて。普通に楽しいことや、やりたいことをやりたいなと思って劇団を辞めた当時、誰でも入れる事務所があると聞いて、『びーちぶ』にライブを見に行きました。その時ライブを見て、自分も芸人になれると確信できたんですよね(笑)。履歴書を持って行って、ネタを見せて、1週間後ぐらいには舞台に上がってました
マツモトクラブがSMAに入った理由とは!?
ラリー遠田
ラリー遠田
『SMAは誰でも入れる』という噂は事実だったんですか?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「そうですね、その当時はほんとに間口が広かったと思います。今はバイきんぐさんが優勝したりとか、ハリウッドザコシショウアキラ100%などそんな人たちが世に出てくるようになってきてからは、年齢制限なども設けているので、前よりは間口を狭めています。その当時は本当に誰でも受け入れていたので、いろんな変な人がたくさんいましたね。ちょっと危なそうな人や、出ていいのかなという人とかも…いましたね」
ピン芸人「ハリウッドザコシショウ」は「びーちぶ」に住んでいたことも
コウメ太夫も「びーちぶ」に出演していたことがある
バイきんぐも最近まで「びーちぶ」でライブを行っていたんだそう

\お笑いライブハウス「びーちぶ」ここがスゴイ!/

1.客席の笑い声が舞台に届かない
2.過酷な環境が芸人をストイックに育成!?
3.芸人と近い! ファン以外でも楽しめるポイント満載

1.客席の笑い声が舞台に届かない

学校の音楽の教室のような防音壁が特長のライブハウス
ラリー遠田
ラリー遠田
「『びーちぶ』がほかのお笑いライブハウスと大きく違うのは、音の響き方です。舞台の上に立つ芸人はみんな口をそろえて『“びーちぶ”では音が響かない』と言います。もともと“音楽のライブのために作られた小屋を改造してお笑いライブハウスにしている”ので、壁が音を反響させずに吸収してしまうのです。そのため、観客の笑い声が芸人に届きにくい上に、芸人は自分がしゃべっている声も響いていないと感じるそうです。だから、必然的に芸人たちは声を張ることになり、ここを拠点にするSMA所属の芸人たちはみんな大声になりがちだとか」
確かに声を張り上げている印象の「じゃむ」(旧・すぱいしーばっと)
ラリー遠田
ラリー遠田
「マツモトクラブさんにとっても、やはりこの箱では客席の笑い声が届かないからつらいですか?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「僕は最初、この箱にしか出演していなかったのでわからなかったですけど。ほかのライブ会場に行ったときに、『あれ?けっこう受けるな』と、感触がありました」
ラリー遠田
ラリー遠田
「鍛えられますね」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
地下闘技場だと思って頑張るしかないかなと(笑)。知らない間に鍛えられると思います。腕や足に、2キロぐらいの重りを付けているような感じで、ほかの会場だとその重りが外される感覚ですかね」

2.過酷な環境が芸人をストイックに育成!?

「舞台上にマイクがあるのですが、僕のように音ネタの芸ではマイクを使用するとハウリングを起こすので使用できません」(マツモトクラブ)
ラリー遠田
ラリー遠田
「『びーちぶ』ではほぼ毎日、芸人たちの手によって自主的にお笑いライブが行われていて、企画から運営までを自分たちで担っています。また、SMAに所属する芸人は6つの階級に分かれていて、勝ち上がると上の階級に進めるというシステムのライブも行われています。過酷な環境である分、芸人たちは鍛えられています。『びーちぶ』は、繁華街からは少し離れた場所にあるのですが、その分、ディープな笑いを求める厳選されたファンが集まっていて、独特の空気を作っています」

「びーちぶ」のライブは、運営を含めて学びの場であり戦いの場である

ラリー遠田
ラリー遠田
「環境もそうですが、『びーちぶ』でのライブは試練ですか」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「今でもそうですが、ここでは6段階に分かれてライブが行われていて、上から金のたまご・銀のたまご・銅のたまご、その下にはホップ・ステップ・ジャンプがあります。ここを勝ち上っていくシステムも厳しいかもしれないですね。ここのお客様はあまり笑わない印象があります(笑)。笑い声が聞こえないからだけでなく、お客様自体が笑いに詳しい方なのかなと思いますね」
ラリー遠田
ラリー遠田
「初心者には難しいライブハウスですかね?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「いや、そんなことないです! ただ、初めてお笑いのライブを見た方にお伝えしたいのは、ここのライブハウスが通常ではないということですね。ここはハリウッドザコシショウさんをはじめとした、芸人が管理人として箱を管理しています。運営もすべて芸人の手作りなライブハウスなので、より身近に芸人を楽しんでいただけるのも特長ですよ!」

3.芸人と近い! ファン以外でも楽しめるポイント満載

SMAでは貴重な若手、ベーシックベリー。お客さんと気軽に話せる環境だ
ラリー遠田
ラリー遠田
「『びーちぶ』のライブでは、照明、音響、受付など、裏方のスタッフを務めるのもすべてプロの芸人です。自分の知っている芸人と受付でいきなり直面してビックリ、ということもあるかもしれません。また、舞台と客席の距離も近いので、観客にとっては芸人を身近に感じられる場所でもあります。手作りで運営されているこのようなライブでは、テレビでお笑いを見るのとはまた違った楽しみを味わうことができます」
音響、照明も芸人が担当している手作り感がすごい
ラリー遠田
ラリー遠田
「ライブは毎回、芸人が運営からすべてやっているのですか?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「基本的にはそうですね。毎日ここでライブが行われていて、そのすべてのライブの主催が芸人です。今日なら『じゃむ』(旧・すぱいしーばっと)が主催で、『じゃむ』が出演者やスタッフを集めてます。いわゆる小屋付きさんのような人はいません
席のセッティングも芸人の仕事。いそいそと準備を進める「ウエンズデイズ」の2人
ラリー遠田
ラリー遠田
「ご自身が主催される時は、気になる芸人に声掛けしていますか?」
マツモトクラブ
マツモトクラブ
「自分で呼んでますね。スタッフや音響、照明も自分で呼んでいます。『びーちぶ』や芸人のファンにはたまんないかもですね。至るところが芸人なので」

\「じゃむ」の2人が登場!/

取材時のライブ主催者であった「じゃむ」(旧・すぱいしーばっと)。牧山俊之(左)と斉藤純(右)
ラリー遠田
ラリー遠田
「今日のライブは主催者という立場ですが、音響・照明などスタッフから出演者まで、すべてご自身でお声掛けしたんですか?」
「じゃむ」斉藤純(右)
「じゃむ」斉藤純(右)
「そうですね。声掛けって言っても、例えば前座で登場した頼は公園で一緒に飲んでいる時にお願いしたんですけど、僕自身その記憶がなくて(笑)」
ラリー遠田
ラリー遠田
「そうなんですね(笑)。頼さんもそうですが、ピン芸人も出演が多いのでしょうか?」
「じゃむ」牧山俊之(左)
「じゃむ」牧山俊之(左)
「多いです! ハリウッドザコシショウアキラ100%が出演していたこともあるのですが、実際、増えていますね」
ラリー遠田
ラリー遠田
「SMAも売れている芸人が多くなってきている印象ですが、ここはリニューアルされる予定などないのでしょうか?」
「じゃむ」斉藤純(右)
「じゃむ」斉藤純(右)
「最近、椅子は新しくなりましたが、停電も多いし、老朽化が進んでいます。もっと売れる芸人が多くなれば、きっとここも新しくなるはずです!(笑)」

\頼知輝にも直撃/

取材日、じゃむ(旧・すぱいしーばっと)のライブの前説を担当した女装オカマ芸人・頼知輝(らいともてる)
ラリー遠田
ラリー遠田
「女装オカマ芸人の頼さんから見るSMAとは?」
頼知輝
頼知輝
「芸歴が長い人が多いです(笑)。傷ついたおっさんのたまり場的な存在ですかね」
ラリー遠田
ラリー遠田
「日替わりで主催者が代わる、お笑いのライブハウスって珍しいなと思いますが、チケットはどうやって販売しているのですか?」
頼知輝
頼知輝
「基本、口約束! SNS上で販売しているので、連絡いただければ当日、受付に名前を入れておく感じです」

【まとめ】

ラリー遠田
ラリー遠田
「『びーちぶ』は、東京のお笑いライブ会場の中でも独特の雰囲気を持っている場所です。住宅街の中にある建物の、さらに地下にあるので、初めて行く人はなかなか入りづらい感じがするかもしれませんが、芸人をこれだけ身近に感じられるところはほかにありません。明日のスターになることを夢見て努力を重ねている芸人たちの、等身大の生き様を味わえるのが、この会場の大きな魅力です。興味がある人はぜひ足を運んでみてください」

\マツモトクラブからメッセージ!/ 

マツモトクラブ
マツモトクラブ
「この『びーちぶ』が僕がお笑いを始めた場所で、最初の頃はここでしか舞台に出ていなかったので、とても思い出のある場所です。2014年に初めてR-1ぐらんぷりで敗者復活から決勝に出てからは、出演回数は減ってはきていますが、なるべく多く出ておきたい場所です。『びーちぶ』は出演していないと、自分がダメになっちゃう気がする場所です。僕は、ほかの芸人さんに比べて面白いことがしゃべれるわけでもないので、ネタを評価されることが大切だと思います。なので、ネタ作りという意味でも、この劇場でネタをやる時間は作っていきたいです。皆様、ぜひお越しください

マツモトクラブの「びーちぶ」出演情報

6月21日(水)18:30~19:00
天狗の鼻ボキライブ(入場料1200円)

6月29日(木)13:00~13:45
どうしようもないモダンタイムス/第151回としかわトーク(入場料1000円、当日1500円)

6月29日(木)19:00~19:00
ワンコインライブ「五軍奮闘!」(入場料¥500)

6月29日(木)21:45~22:00
マツモトントン☆ソフトーク(入場料¥1000)

\おまけ/
こっそり教えます! 「びーちぶ」芸人が足繁く通う劇場近辺の酒場を直撃

八剣伝 千川駅前店

「びーちぶ」から徒歩5分ほどの場所にある居酒屋さん

バイきんぐなど多数の“びーちぶ芸人”が来店!

「びーちぶ」芸人さんがライブ終わりに反省会打ち上げに使う「八剣伝 千川駅前店」。マツモトクラブさんも「よくライブ終わりに芸人仲間と飲みに行く店です。たいていここで打ち上げしているので、ライブ後にいらしていただければ会えます!」というほど何度も足を運んでいて、ほかにもハリウッドザコシショウバイきんぐキャプテン渡辺など多数の芸人が来店しているそう。今回はその「八剣伝 千川駅前店」に突撃取材してきました。

炭火でじっくり焼き上げた国産鶏を使った串焼き。もも焼き1本108円など、串焼きメニューが豊富

――「びーちぶ」芸人さんが数多く来店されているとのことですか、それは知っていましたか?

スタッフ・松村さん
スタッフ・松村さん
「特定のお客様のことをお話するのは店としてNGなんですが、今回は特別ということで。『びーちぶ』芸人さんたちは、週末はよくいらしていますね。ハリウッドザコシショウさんはすごく通っていただいています。もちろん、マツモトクラブさんも何度も来ていただいてます」

――「びーちぶ」芸人さんたちは普段はどんな感じですか?

スタッフ・松村さん
スタッフ・松村さん
「そうですね。ワイワイ騒ぐといったより、結構笑いに対してまじめに討論している感じです。すごくいいお客様です。よく召し上がっていただくのは、唐揚げですね。ボリュームが多いし、みんなで食べられるからですね。うちは串焼きがメインなので、たまには皆さんで召し上がってほしいですね(笑)」
取材中に発見した「SMA」のキープボトル!(鏡月ボトル1080円)ワサビやゆずコショウなど5つの味が楽しめる「純和赤鶏もも焼」1本194円
芸人に大人気の「とりのからあげ」518円(手前)やチョレギサラダ410円(奥)など、ボリューム満点なメニューも多彩
スタッフ・松村さん
スタッフ・松村さん
私はバイきんぐの小峠さんが好きなんです。ファンなんですけど、来てくれてた時にたまたまシフトじゃなくて、残念でした…もちろん、マツモトクラブさんも大好きです。この間もびーちぶ芸人さんが6~7名でいらっしゃってくれて。ただ、席がいっぱいだったので申し訳ないなと。電話をいただければ、席を空けてお待ちしてますので、今後ともよろしくお願いします」
「お通しは何種類かあるので、好きなものを選んでください!」(アルバイトの松村拓門さん)

取材メモ/手作り感がハンパないライブハウスで、初心者だと不安に思ってしまう雰囲気はありますが、実際にライブが始まってしまうと笑いの渦に飲み込まれること間違いなし。芸人さんが本当に近くて、とても温かいライブハウスです!

取材・文=大高利文、栗山春香、撮影=園田昭彦

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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