韓国与党・共に民主党所属で国会外交統一委員会の宋永吉(ソン・ヨンギル)委員長が14日「米国は5000発以上の核兵器を保有しているが、なぜ北朝鮮とイランに核を持つなと強要できるのか」と発言した。
宋議員はこの日、国会本会議でのフィリバスター(無制限討論)で「自分たちは核を全て持っていながら、他人に核を持つなと抑圧したらどうなるのか」とした上で、上記のように述べた。
宋議員は「核拡散防止条約(NPT)は代表的な不平等条約だ」として「(米国が)大韓民国に中距離ミサイルを配備するなどあり得ないことだ」とも主張した。
この発言を巡り「北核を容認しようということか」との批判が相次ぐと、宋議員はフェイスブックを通じ「私の発言の核心は、安保理常任理事国の核保有既得権維持は容認したまま、他国の核保有に反対するのは不平等ということだ」「NPTは必要だと言った」と弁明した。しかし北朝鮮の核とミサイル開発については批判しなかった。
宋議員は2015年、脱北者団体が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長暗殺を描いた映画「インタビュー」のDVD10万枚を北朝鮮向けビラと共に飛ばそうとしたことについて、「反対の立場で考えてみよう」として「最高尊厳を暗殺する映画を風船に入れて飛ばしたら、北朝鮮が長射程砲を撃ってこないだろうか」と発言した。さらに対北ビラ禁止法に反対する保守系野党・国民の力の太永浩(テ・ヨンホ)議員に対しては「北朝鮮で生活して大韓民国に来たのなら、適応するのは簡単ではないだろう」と指摘した。
これに対して国民の力の趙太庸(チョ・テヨン)議員は「北朝鮮の統一戦線部長のような発言だ」と批判し、同党のキム・イェリョン報道官は「質問も確認もせず、ただ無条件に『北朝鮮の立場を理解しよう』と主張する間違った雅量が嘆かわしい」とコメントした。