朝鮮日報

【社説】「文在寅政権下の韓国の軌跡に深刻な懸念」…米議員だけの心配ではない

 米議会下院のクリス・スミス議員が文在寅(ムン・ジェイン)政権による対北ビラ散布禁止法について「法が成立すれば、国務省が定期的に発行する人権・宗教の自由報告書に、韓国について批判的に再評価するよう要求し、監視対象リストに加え、議会で聴聞会も招集する」と発言した。その言葉に間違った内容はない。米議会の超党派人権機関「トム・ラントス人権委員会」で共同委員長を務めるスミス議員は対北ビラ禁止法について「最も残忍な共産政権で苦痛を受ける住民のために、民主主義を増進し支援する行為を犯罪化するもの」「文大統領統治下の韓国における『軌跡』については深刻な懸念がある。われわれは韓国政府がコロナへの対応を口実に、批判勢力の宗教・言論の自由を縮小してきたことを目の当たりにしてきた」とも指摘した。米議員が同盟国に対してこれほど強い口調で疑問を呈するのは前例を見いだすのも難しいほどだ。

■韓国が信頼できる国1位は米国、警戒すべき国は?

 対北ビラ禁止法について複数の国際人権団体は「韓国は本当に民主国家なのか」と疑問を呈しており、米国務省の前職・現職の官僚たちも「無原則、不道徳だ」と指摘している。韓国国会の専門委員や立法調査官らも「表現の自由を過度に侵害している」として問題提起を行っている。文在寅政権がこれら全ての指摘に一切耳を貸さず、ごり押しする理由はただ一つ。北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)氏の要求だからであり、もはやこれを知らない人間はいない。金与正氏が「対北ビラ禁止法でも作れ」と要求したことを受け、韓国政府はそれからわずか4時間後に「準備中」とコメントした。米国のバイデン政権はトランプ政権とは違い、「ショー」のために北朝鮮の人権問題から顔を背けることはないだろう。「民主化運動」を前面に出す政権が、同盟国から人権監視対象のような扱いを受けるというあり得ない事態が今まさに起ころうとしている。

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