司祭団は尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長について、「国民が選出した権力に食らいつく統制不能の暴力性」と非難する声明を発表した。秋美愛(チュ・ミエ)長官については「不当な力に対する抵抗」と称賛した。ところが、声明に名を連ねた司祭団の幹部神父は声明発表直前に政権寄りの検事に会っていたという。非難声明の内容を事前に協議したとも言われる。政治家と何ら変わりない。
尹総長は青瓦台の蔚山市長選工作、月城原発1号機の経済性評価ねつ造・証拠隠滅、チョ・グク前法務部長官の破廉恥、柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市経済副市長の不正庇護など文在寅(ムン・ジェイン)政権の不法、不正容疑を捜査し、容赦ない攻撃を受けている。今尹総長と政権のどちらが「正義」に近いかを問うこと自体、意味がないはずだ。ところが、正義具現司祭団は不法、不正を犯した政権が「正義」だと言う。「不義具現司祭団」なのだろうか。この世で「正義」という言葉ほどとんでもない場所で冒涜(ぼうとく)される言葉もないのではなかろうか。
イ・ドンフン論説委員