第十話:神代の大魔法
「あ、あぁ、そうだな。シャルロットの言う通り、アルフィ殿は素晴らしい大魔法士のようだ(この
「ふふっ、ご理解いただけたようで何よりです(私とアルフィの間に特別な信頼関係があるとわかれば、兄は今までのように私をぞんざいに扱えない。もしもそんなことをすれば、アルフィの大魔法が自身や帝国に牙を剥くかもしれない――リスクを嫌う彼ならば、きっとそう考えるはず。さてさて、これでようやく対等な会話ができそうね)」
「世界は広いな。まさかこれほどの才能が、いまだ
皇帝陛下とシャルロット様は、何やら意味深な笑みを浮かべながら話し込んでいた。
(……とりあえず、<
別に形だけ直したからといって、借金がなくなるわけじゃない。
ただ、この惨状を放置しておくのはどうかと思われたのだ。
「――<修復>」
僕が魔法を発動した瞬間――まるで時計の針を巻き戻したかのように、荒れ果てた魔法教練場と帝城の中層が完璧に元通りとなった。
「な、にぃ……!?」
その光景を目にした皇帝陛下は呆然と立ち竦み、
「ふふっ、相変わらず見事な魔法ね」
シャルロット様はお褒めの言葉を口にし、
「これはまさか、神代の魔法――<
ファラル様はワナワナと震え出した。
(うん、これでよしっと)
とりあえずの応急処置を終えたところで――ファラル様が、僕の肩をがっしりと掴んだ。
「アルフィ殿……いや、アルフィ先生!」
「は、はい!?」
彼の目はパッと見でわかるほどに血走っており、その口からは「はぁはぁ……っ」と熱い呼気が漏れ出している。
明らかに
「先ほどの行き過ぎた失言、どうかお許しください……っ。儂の目が節穴でございました」
「あ、いえ。そんなに気にしていませんから大丈夫ですよ」
「おぉ! その寛大な御心に感謝いたします!」
ファラル様は深々と頭を下げた後――ヌッとこちらへ首を伸ばしてきた。
「ときにアルフィ先生、折り入って一つ、お願いしたことがあるのですが……」
「お願い……? いったいなんでしょうか?」
「この儂ファラル・グリステンを、貴殿の弟子にしてほしいのです!」
「え、えぇ!?」
ファラル様に教えられるほど、僕は立派な魔法士じゃない。
「伏してお願い申し上げます! その深淵なる魔法の一端をご教示ください……ッ!」
「いや、そう言われましても……」
僕が否定的なニュアンスを口にすれば――彼は顔を真っ青に染め、その額を床に叩き付けた。
「せ、先生と儂の間には、海よりも深く山よりも高い隔たりがある……そんなことは、重々承知しております! どうか何卒、御教示いただきますよう、お願いいたします……ッ」
彼は言葉の区切りに合わせて、何度も何度も額を床に打ち付けた。
本能的にわかった。
この人は、ヤバイ人だ。
「わ、わかりました! 僕に教えられることなら全部お教えしますから、とにかく頭を上げてください!」
「おぉ!? ありがとうございます、アルフィ先生! その慈悲深き御心に感謝を……!」
ファラル様は額からだらだらと血を流しながら、まるで小さな子どもみたいに会心の笑みを浮かべた。
「……っ(あのファラルを容易く手玉に取る人心掌握術。アルフィ・ロッド、この男はただ強いだけの魔法士ではない……ッ)」
「まぁまぁ、まさかこんなことになるなんて驚きですわ(ふふっ、やっぱりこうなったわね。ファラル翁はその生涯を魔法に捧げた人。いくつかの世界線では、大魔王や魔人に師事を仰いだこともあった。アルフィという規格外の魔法士を見れば、その教えを請い願うのは確実。さてさて、これで帝国最強の魔法士は押さえた。後は兄上を落とすだけね)」
「……ふむ、一度玉座の間へ戻ろうか(魔法遊戯を利用して名を売り、いとも容易く帝城に潜り込んだ挙句、魔法狂のファラルを手懐けた……。シャルロットの入れ知恵もあるだろうが、やはり最も警戒すべきはそれらを事も無げに為したアルフィ・ロッド! とにかく、この化物のことを知らねばならぬ……!)」
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