2020年12月14日(月)

豊洲市場で感染者急増、11月だけで48人 都はクラスターと判断せず マグロの競り見学も継続

[ 2020年11月14日 05:30 ]

 東京都は13日、新型コロナウイルスの感染者が新たに374人報告されたと明らかにした。3日連続で300人台と、“第3波”を思わせる感染拡大に拍車がかかる一方だが、そんな中、感染者が急増しているのが水産物の中央卸売市場としては世界最大規模を誇る豊洲市場だ。

 豊洲市場では水産仲卸業者の従業員らの感染が相次ぎ、8月以降、13日までに確認された感染者61人のうち実に48人が今月に入ってから判明。2日から7日の期間に310人のPCR検査を自主的に行って判明した19人がその中に含まれている。豊洲市場管理部総務課によると、感染者、濃厚接触者を速やかに出勤停止とし、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保、消毒の徹底をさらに強化しているという。市場関係者によると、規模の小さい店舗が休業に追い込まれているそうだが、同総務課は「休業するかどうかは各店舗の判断」と話すにとどめた。

 約480店舗に約4000~5000人の従業員が働く豊洲市場。東京都の担当者は「(感染が)散発的で因果関係がはっきりしていないのでクラスターとは判断していない」としており、2日から再開したマグロの競り見学も継続するという。同総務課は「感染者の早期発見に努め、感染拡大を防いでいきたい」と話した。

 農水省によると食品を介しての感染は確認されていない。ただ、このまま感染拡大が進むと、年の瀬を前に水産物の流通に大きく影響するだけに、市場関係者も対応に追われている。

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2020年11月14日のニュース