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米FDA諮問委、ファイザーのコロナワクチン緊急使用の承認勧告

[10日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日に開催した会合で、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を支持することを圧倒的賛成多数で決定した。

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新型コロナワクチン、米国でも接種準備が急ピッチ(字幕・11日)

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FDAは数日内に緊急使用許可を出すとみられ、その後すぐにワクチンの供給と接種が始まる見通し。

外部有識者で構成する諮問委の採決結果は賛成17、反対4、棄権1。16歳以上の人の同ワクチン接種について、リスクよりも既知の効果が勝るとの判断を下した。

ファイザーは16─85歳を対象に使用許可を申請。諮問委の複数のメンバーは16─17歳の若者はコロナによるリスクが低く、臨床試験のデータもほとんどないため、対象に含めるべきかどうかを議論したが、最終的に含めることに賛成票を投じた。

FDAは声明で「同ワクチンの緊急使用許可を出すかどうかの最終決定はFDAの専門職員によって行われる」とした。

諮問委はファイザーのワクチンの接種が始まった英国で報告された重篤なアレルギー反応2例を巡る懸念や、臨床試験で除外された妊娠中の女性に対する勧告についても議論した。出産適齢期の女性が医療従事者に占める割合は大きい。

FDAは諮問委の会合で、妊娠中の女性への同ワクチンの使用を支持あるいは否定するデータが十分にないと指摘。医師の助言に基づき各自が判断するよう勧告している。

諮問委は、治験でプラセボ(偽薬)を投与された被験者の今後のワクチン接種についてもかなりの時間を割いて議論した。

ファイザーは、ワクチン接種が可能になった時点で偽薬を投与された被験者にもワクチンを提供すべきだと考えている。

ただ、FDAや諮問委は、治験で誰がワクチン候補を投与され誰が偽薬を投与されたかを明かせば、FDAが正式にワクチンを承認するために必要なワクチンの安全性や有効性に関するデータの収集が今後難しくなると懸念している。

FDAが諮問委の会合を前に用意した資料は新たな安全性や有効性に関する問題には言及していないため、米国が近く、英国とカナダに続き、ワクチンの使用を承認するとの期待が高まった。

一方、英国の医薬品当局は9日、過去にアナフィラキシーと呼ばれる深刻なアレルギー症状を起こしたことがある人はコロナワクチンを接種しないよう注意を呼び掛けた。

FDAのハーン長官は会合を前に、ファイザーのワクチンについてアレルギー反応の可能性を含む全てのデータを検証していると説明。ワクチンの承認後に接種を推奨する人や使用すべきでない人などの詳細をラベルの記載事項に含めることになると語った。

*内容を追加しました。

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