2020年12月14日(月)

GoTo利用者は「味覚異常多い」統計学上2倍の差、研究チームが発表

[ 2020年12月8日 05:30 ]

「Go To トラベル」加盟店であることを示すポスター
Photo By 共同

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」の利用者の方が、利用しなかった人よりも多く新型コロナウイルス感染を疑わせる症状を経験したとの調査結果を東大などの研究チームが7日、公表した。PCR検査による確定診断とは異なるが、嗅覚・味覚の異常などを訴えた人の割合は統計学上、2倍もの差があり、利用者ほど感染リスクが高いと結論付けた。

 調査は15~79歳の男女約2万8000人を対象に8月末から9月末にインターネット上で実施した。過去1カ月以内に嗅覚・味覚の異常を訴えた人の割合は利用者で2・6%なのに対し、利用しなかった人は1・7%だった。年齢や健康状態の影響を取り除く統計処理を施すと、有症率の差は約2倍に上った。発熱やせき、頭痛を含めた計5項目全てで利用者の方が有症率が高かった。

 年齢別では65歳以上の高齢者よりも、65歳未満の方が感染を疑わせる症状を経験している割合が高かった。一方、基礎疾患の有無については相関が確認できなかったとし、東京都が実施している高齢者や基礎疾患のある人を除外する方法の有効性にも疑問を投げ掛けた。

 政府は8日に事業の延長を盛り込んだ追加経済対策を閣議決定するが、継続の是非が改めて問われそうだ。

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2020年12月8日のニュース