MIR-201【ヘカティ・ベアトリクス】
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【キャラ一覧(無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL)】【スキル一覧】【マップ一覧】
※AMAZONから、スキルのGRADE UPによる数値の変化量が途中で変わるケースが出ています。
通常 | オーラディバイド |
---|
名前 | MIR-201【ヘカティ・ベアトリクス】 |
---|---|
年齢 | 6800周期 |
職業 | メインフレーム製プログラム(探索型) |
CV | 能登 麻美子※デュエルで入手可能なシステムボイス |
- 2018年9月6日追加
- STAR ep.VIIマップ2]完走で入手。<終了済>
- 入手方法:2020/12/10~2021/1/20開催の「「Midnight Reaper」ガチャ」
- 専用スキル「ヘルチャージ・スラッシュ」を装備することで「MIR-201【ヘカティ・ベアトリクス/オーラディバイド】」へと名前とグラフィックが変化する。
- 対応楽曲は「Drivessover」。
メインフレーム製の自立型探索プログラムである三姉妹。
三姉妹の名(前半部)の由来は、ギリシア神話の女神。それぞれ同一視される場合がある模様。
MIR-20X三姉妹【 ベアトリクス / レナ / シェリル 】
長女。戦闘能力に特化した「攻撃型」。
ヘカティ・ベアトリクス【 通常 / ブライドフォーム / リベルタス 】
一部、beatmaniaIIDXらしきネタが見受けられる。
服装・色合い
23 copulaに登場するイメージキャラクターに類似している。
CV:能登麻美子
spin-off drama ROOTS26S[suite] Vol.1にて、雛月理々奈役を担当していたほか、かつて公式の携帯サイトにて「極めろ!!IIDX道 EXTRA beat のとまみver.」というコラムを掲載していた。
なお、担当キャラのビジュアルはある一点を除いてそこまで似ているわけではない。
ヘルチャージ・スラッシュ
23 copulaで新登場したノーツ「ヘルチャージノーツ」より。ゲージ上昇対象がホールド系ノーツ(HOLD/SLIDE/AIR-HOLD)であること、MISS時ダメージが増えるのもヘルチャージノーツの特徴から。
なお、厳密にはダメージが単純倍加するのではなく、押していない間、ゲージ減少が一定間隔で発生する(通常のチャージノーツは始点POOR時・途中で離した時しかゲージ減少が発生しない)。CHUNITHMのホールド系ノーツは元からヘルチャージノーツと同様に一定間隔でMISSが発生するため、ダメージを倍加することで擬似的に表現している。
熱いドライブが楽しめそうだ!
25 CANNON BALLERSのメインテーマが「自動車レース」。サブタイトルの元になっている「キャノンボール」もアメリカ大陸を横断する自動車レース(特に交通規則無視の非合法のもの)のことである。
車掌気分を味わっている
23 copulaのメインテーマが「鉄道」。同じ鉄道関係でも津久井 シズノとは無関係。
キャノンボール
上記の通り、25のサブタイトル「CANNON BALLERS」。
システムボイス(CV:能登 麻美子 / 「MIRシリーズ実戦テストII」デュエルで入手)23 copulaに登場するイメージキャラクターに類似している。
CV:能登麻美子
spin-off drama ROOTS26S[suite] Vol.1にて、雛月理々奈役を担当していたほか、かつて公式の携帯サイトにて「極めろ!!IIDX道 EXTRA beat のとまみver.」というコラムを掲載していた。
なお、担当キャラのビジュアルは
ヘルチャージ・スラッシュ
23 copulaで新登場したノーツ「ヘルチャージノーツ」より。ゲージ上昇対象がホールド系ノーツ(HOLD/SLIDE/AIR-HOLD)であること、MISS時ダメージが増えるのもヘルチャージノーツの特徴から。
なお、厳密にはダメージが単純倍加するのではなく、押していない間、ゲージ減少が一定間隔で発生する(通常のチャージノーツは始点POOR時・途中で離した時しかゲージ減少が発生しない)。CHUNITHMのホールド系ノーツは元からヘルチャージノーツと同様に一定間隔でMISSが発生するため、ダメージを倍加することで擬似的に表現している。
熱いドライブが楽しめそうだ!
25 CANNON BALLERSのメインテーマが「自動車レース」。サブタイトルの元になっている「キャノンボール」もアメリカ大陸を横断する自動車レース(特に交通規則無視の非合法のもの)のことである。
車掌気分を味わっている
23 copulaのメインテーマが「鉄道」。同じ鉄道関係でも津久井 シズノとは無関係。
キャノンボール
上記の通り、25のサブタイトル「CANNON BALLERS」。
- デュエル進行中(状況:バトル)
登場 | 早速お出でになったって訳か! さあ……気を引き締めていくよッ! 2人共ッ! |
---|---|
攻撃 | はぁ……はぁ! クソッ! うざったい! |
ぐっ!? か、身体が焼ける……! | |
うぐあっ! な、なんだこの痛み……!? | |
撃破 | チクショー……これじゃレナとシェリルを守ることすらできないッ! |
- リザルト
SSS | あたしらなら、どんなトラブルでも楽勝! 悪性アバターでも、未確認の大怪獣でも、どんとこーいっ! |
---|---|
SS | 何とかぶっ飛ばしてやった! あたしたちの力は無敵だね! |
S | おッ! いいじゃんッ! ノリノリでぬってるねぇ! |
A-AAA | 真面目だね~。 ここで諦めるわけにはいかないもんなッ! |
B-BBB | 大丈夫だって! むしろラッキーだと思おうよ! |
C | いつだってあたしがついてる。……だから泣きべそかくんじゃないよ |
D | そんな顔しないの。 必ず、あたしがアンタを助けるからね |
- スタンダードコース拡張分
モード選択 | モードを選択するかい |
---|---|
マップ選択 | マップを選択するかい |
チケット選択 | チケットを選択するかい |
コース選択 | コースを選択するかい |
クラスエンブレム更新 | |
ソート変更 | ○○順でソートしたよッ! |
クエストクリア | |
限界突破 | リミッター解放! MIRエクステンション! |
コンティニュー? | コンティニューするかい |
コンティニュー | 出発進行ーーッ! |
終了 |
スキル
RANK | スキル |
---|---|
1 | ゲージブースト・スタープラス |
5 | |
10 | ヘルチャージ・スラッシュ |
15 | |
25 | 限界突破の証 |
50 | 真・限界突破の証 |
- ゲージブースト・スタープラス [NORMAL]
- きんいろの日々のような効果を持ったスキル。
初期上昇値はこちらの方が高いがノルマは向こうの方が少ない。 - CRYSTAL開始時点において、筐体内に所有者はいない。
- きんいろの日々のような効果を持ったスキル。
プレイ環境 | 最大 | |
---|---|---|
開始時期 | ガチャ | |
CRYSTAL | 無し | × |
あり | +3 | |
AMAZON+以前 | +5 |
GRADE | 効果 |
---|---|
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 | |
共通 | ゲージ上昇UP (160%) |
初期値 | ExTAPが35回以上成功すると 更にゲージ上昇UP (180%) |
+1 | ExTAPが30回以上〃 |
+2 | ExTAPが25回以上〃 |
+3 | ExTAPが20回以上〃 |
▼以降はCARD MAKERで入手するキャラが必要 (現行バージョンのガチャでは未実装) | |
+4 | ExTAPが15回以上〃 |
+5 | ExTAPが10回以上〃 |
参考理論値:107931(6本+5931/24k) [条件:幻想のサテライト[MASTER/+5]] |
ノーツの成功や評価状況で効果が変化するスキル
特定のノーツや評価で一定以上成功すると、効果が強化されるスキル。
スキルの分類は基本的に、対象が評価であれば[TECHNICAL]、TAP、または元の上昇率が高いのであれば[NORMAL]、それ以外、あるいは他のノーツの比重が高ければ[TARGET]。一部例外あり。
スキルの分類は基本的に、対象が評価であれば[TECHNICAL]、TAP、または元の上昇率が高いのであれば[NORMAL]、それ以外、あるいは他のノーツの比重が高ければ[TARGET]。一部例外あり。
スキル名 | 上昇率(初期/強化後) ノルマ(対象:回数) 上昇率以外の効果 |
---|---|
[NORMAL] | |
ゲージブースト・エアー+8 | 160%/190% AIR:16回 ※汎用スキル |
無双風神+3 | 100%/150%~300% AIR:50回x4(4段階強化) 軽減率:0%/50%~80% |
盛るぜぇ~超盛るぜぇ~+3 | 140%/180% TAP+ダメージ:90回 |
ゲージブースト・ スタープラス+5 | 160%/180% ExTAP:10回 ※汎用スキル |
スターストリーム+3 | 140%/210% AIR:40回 |
新世紀中学生+11 | 100%/214% JCx3+J=999 |
疲労回復のために、 ジョギングして 行きましょう+3 | 160%/190% TAP+ダメージ:60回 |
[TARGET] | |
【踊ってみた】サウンド プレイヤー【渋沢 ノノ】+1 | 100%/200% TAP+ExTAPx3+ FLICKx5=365 SS=終了ボーナス+2525 |
きんいろの日々+4 | 130%/180% ExTAP:5回 |
虎と竜+3 | 140%/180% ExTAP+HOLD:90回 |
あみたん+3 | 140%/180% SLIDE+FLICK:90回 |
バーピーで全身を まんべんなく トレーニング!+3 | 160%/190% ExTAP+HOLD:60回 |
階段上りは、 いいトレーニングに なるんだぜ!+3 | 160%/190% SLIDE+FLICK:60回 |
木登りは、とっても優秀な トレーニングなんです!+3 | 160%/190% AIR:??回 |
[TECHNICAL] | |
あの日見た花の名前を 僕達はまだ知らない。+5 | 100%/220% JCx3+J=999 |
劇団ひととせ+11 | 100%/225% JCx3+J=999 |
- ヘルチャージ・スラッシュ [TARGET] ※専用スキル
- 何気に初となる、AIR-HOLDが関係するスキル。HOLDとSLIDEはゲージ比率が半分になることに注意。ダメージ量もかなり痛いので、局所難・ラス殺しなどに気を付けよう。
- 譜面次第でゲージ10本可能な尖ったTARGETスキル。ただし、5本不可能な譜面もある。詳細はこちらを参照。
- MISS時ダメージが増えるのは、元ネタbeatmaniaIIDXの「ヘルチャージノーツ」の特徴から。
GRADE | 効果 |
---|---|
共通 | HOLD/SLIDE/AIR-HOLD成功時 ゲージ上昇UP (600%) |
初期値 | MISS時のダメージが増える (600%) |
+1 | 〃 (500%) |
参考理論値:237997(10本+27997/30k) [条件:エピクロスの虹はもう見えない[MASTER]] | |
参考理論値Ω:238968(10本+28968/30k) [条件:Gate of Fate[WORLD'S END 敷]] | |
参考理論値:292142(6本+190142/22k) [条件:だんご大家族[BASIC]] |
ランクテーブル
1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
スキル | Ep.1 | Ep.2 | Ep.3 | スキル |
6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
Ep.4 | Ep.5 | Ep.6 | Ep.7 | スキル |
11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
Ep.8 | Ep.9 | Ep.10 | Ep.11 | スキル |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
- | - | - | - | - |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
- | - | - | - | スキル |
26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 | 32 | 33 | 34 | 35 |
36 | 37 | 38 | 39 | 40 |
41 | 42 | 43 | 44 | 45 |
46 | 47 | 48 | 49 | 50 |
スキル |
STORY
EPISODE1 SPEC:ベアトリクス「ネメシスと人との力が融合し、三姉妹は急速に成長。このまま一気にティフォンを討ち破るだけだ」
人類のゆりかごにして永久楽土メタヴァース。神祖エクレールが神去りし後、不在となった楽園の管理者として新たに選ばれた『最古(オリジン)』と呼ばれる12柱。
その最古の中でも『統治主』としてメインフレームに君臨し、全てを己が支配下に置いた『ティフォン』。
彼が統治に用いたのは慈悲ではなく無情。融和ではなく暴力であった。
ティフォンは『人類という種』を守護するというメインフレームの使命を放棄し、彼らを強引に捕獲し、プログラムと融合させるという、非人道的な実験を繰り返し、数多の犠牲者を産みだしていた。
その実験の結果、奇跡的な成功例として生まれた人間とプログラムのハイブリット生命体『MIR』シリーズ。
その中でも探索型プログラムとして生を受けた
『MIR-201【ヘカティ・ベアトリクス】』
『MIR-202【アルテミス・レナ】』
『MIR-203【セレネ・シェリル】』の三姉妹は『最外周部』と呼ばれるメインフレーム最果ての地の探索を経て、自分たちの隠された秘密を知ってしまった。
その後、ティフォンの命を受けた最古の1柱『闘争主ゲーティア』の襲撃を受けた三姉妹は、メインフレームから離脱。
執拗に三姉妹を追ってくるゲーティアを、ネメシスプログラムと融合を果たし、進化を遂げたアルテミスの力もあって撃退する。また、ある決意を固めたのだった。
「――自分たちの自由と未来を掴むために、そして二度と自分たちのような存在を産まぬために……『統治主ティフォン』を私たちが討つッ!」
EPISODE2 メインフレーム強襲作戦「三姉妹は元最古のオールドブルーから自らのデータと交換でメインフレームを強襲する手段を得る」その最古の中でも『統治主』としてメインフレームに君臨し、全てを己が支配下に置いた『ティフォン』。
彼が統治に用いたのは慈悲ではなく無情。融和ではなく暴力であった。
ティフォンは『人類という種』を守護するというメインフレームの使命を放棄し、彼らを強引に捕獲し、プログラムと融合させるという、非人道的な実験を繰り返し、数多の犠牲者を産みだしていた。
その実験の結果、奇跡的な成功例として生まれた人間とプログラムのハイブリット生命体『MIR』シリーズ。
その中でも探索型プログラムとして生を受けた
『MIR-201【ヘカティ・ベアトリクス】』
『MIR-202【アルテミス・レナ】』
『MIR-203【セレネ・シェリル】』の三姉妹は『最外周部』と呼ばれるメインフレーム最果ての地の探索を経て、自分たちの隠された秘密を知ってしまった。
その後、ティフォンの命を受けた最古の1柱『闘争主ゲーティア』の襲撃を受けた三姉妹は、メインフレームから離脱。
執拗に三姉妹を追ってくるゲーティアを、ネメシスプログラムと融合を果たし、進化を遂げたアルテミスの力もあって撃退する。また、ある決意を固めたのだった。
「――自分たちの自由と未来を掴むために、そして二度と自分たちのような存在を産まぬために……『統治主ティフォン』を私たちが討つッ!」
三姉妹は偶然とは言え、自分たちの窮地を救うこととなった追放者(エグザイル)の『オールドブルー』にティフォンを討つという決意を話した。
「ほう……しかしティフォンの力は言うまでもなく強大だ。私がメインフレームに所属していた頃に、すでに最古の1柱を吸収していたが……恐らく今頃、ゲーティアの奴も……君たちはこの世界の神を弑するつもりなのかね?」
「ええ……」
「それがこの世界の仕組みを大きく変えることになり、新たな脅威を産みだすことになってもかね?」
「どういうこと?」
「私たちがティフォンを排除しようとした際、彼を最後討てなかったのは、彼の力が凄まじかったというのもあるが……一番大きな理由は、彼がメインフレームの中枢と深く結びついていたからだ。彼を破壊するというのは、メインフレームを攻撃するということに等しい。君たちの目的が果たされた際、メインフレームは全壊とはいかないまでも、その機能を大きく低下させることになるだろう……それでも君たちはティフォンを倒すというのか?」
「……それは」
思わぬオールドブルーの言葉に、それまで意気軒昂だった三姉妹も思わず沈黙をしてしまう。
しばらくした後、三姉妹はオールドブルーを真っ直ぐに見据えて言った。
「……仮にティフォンを討つことでメインフレームの力が失われることになっても、私たちは彼を討つわ」
「そうか……だがどうやって? ティフォンの玉座はメインフレームの中枢部にある。そこまで辿り着くだけでも難儀だと思うがね?」
「それだよ! それをアンタに相談しに来たんだッ! アンタ、元最古なんだろう? なんかこうパパッとメインフレームまで行ける方法とかないのかい?」
「ベア姉さま……そんな都合のいい方法なんてあるわけ……」
「……あるにはあるな」
「えっ、あんのかよ!?」
オールドブルーの言葉に質問をしたベアですら驚いた。
「最古には各自専用のゲートが存在する。あれは私にしかアクセスできないし、データを書き換えることも不可能だ。故にそのゲートを使用すれば侵入はできるだろう」
「おッ! いいじゃんッ! ちょっとそれ、使わせてよッ!」
「なぜ、私が君たちにそこまで心を砕く必要があるのかね?」
「えッ? アンタ、あたしらの味方じゃないのかい?」
「……勘違いしているようだが、私は『究極生命体』を求める探求者として、融合体である君たちのデータに興味がある故、先程は助けただけだ。これ以上手助けをする必然性はないと思うが?」
「なっ!?」
絶句している姉妹をおいてレナが言う。
「……だったら取引をしましょう。私たちのデータと引き換えに、そのゲートを使わせて欲しい」
「ほう……」
人間とプログラム、さらにはネメシスプログラムとまで融合することに成功したレナ。
そしてそんなレナと結合し、同じくネメシスの影響を受けたベアとシェリル。
三姉妹のデータは、オールドブルーの研究を大きく推進させるだろう。
もちろん彼は無理矢理でも彼女らのデータを採取するつもりだった。だが、彼女らが自ら差し出してくれるというのであれば、言うまでもない。
「……いいだろう。君たちのデータと引き換えに、ゲートのアクセス権と、ゲートを通過するのに必要な乗り物を貸すとしよう。ただ、これらの準備には少々時間が掛かる……しばし、くつろいでいてくれ」
こうしてメインフレームへの侵入手段を手に入れた三姉妹は、束の間の休息を取ることとなった。
EPISODE3 嵐の前の静けさ「決戦前夜、三姉妹たちは今までの思い出を語り、最後の穏やかな時を過ごし、未来を掴む約束をする」「ほう……しかしティフォンの力は言うまでもなく強大だ。私がメインフレームに所属していた頃に、すでに最古の1柱を吸収していたが……恐らく今頃、ゲーティアの奴も……君たちはこの世界の神を弑するつもりなのかね?」
「ええ……」
「それがこの世界の仕組みを大きく変えることになり、新たな脅威を産みだすことになってもかね?」
「どういうこと?」
「私たちがティフォンを排除しようとした際、彼を最後討てなかったのは、彼の力が凄まじかったというのもあるが……一番大きな理由は、彼がメインフレームの中枢と深く結びついていたからだ。彼を破壊するというのは、メインフレームを攻撃するということに等しい。君たちの目的が果たされた際、メインフレームは全壊とはいかないまでも、その機能を大きく低下させることになるだろう……それでも君たちはティフォンを倒すというのか?」
「……それは」
思わぬオールドブルーの言葉に、それまで意気軒昂だった三姉妹も思わず沈黙をしてしまう。
しばらくした後、三姉妹はオールドブルーを真っ直ぐに見据えて言った。
「……仮にティフォンを討つことでメインフレームの力が失われることになっても、私たちは彼を討つわ」
「そうか……だがどうやって? ティフォンの玉座はメインフレームの中枢部にある。そこまで辿り着くだけでも難儀だと思うがね?」
「それだよ! それをアンタに相談しに来たんだッ! アンタ、元最古なんだろう? なんかこうパパッとメインフレームまで行ける方法とかないのかい?」
「ベア姉さま……そんな都合のいい方法なんてあるわけ……」
「……あるにはあるな」
「えっ、あんのかよ!?」
オールドブルーの言葉に質問をしたベアですら驚いた。
「最古には各自専用のゲートが存在する。あれは私にしかアクセスできないし、データを書き換えることも不可能だ。故にそのゲートを使用すれば侵入はできるだろう」
「おッ! いいじゃんッ! ちょっとそれ、使わせてよッ!」
「なぜ、私が君たちにそこまで心を砕く必要があるのかね?」
「えッ? アンタ、あたしらの味方じゃないのかい?」
「……勘違いしているようだが、私は『究極生命体』を求める探求者として、融合体である君たちのデータに興味がある故、先程は助けただけだ。これ以上手助けをする必然性はないと思うが?」
「なっ!?」
絶句している姉妹をおいてレナが言う。
「……だったら取引をしましょう。私たちのデータと引き換えに、そのゲートを使わせて欲しい」
「ほう……」
人間とプログラム、さらにはネメシスプログラムとまで融合することに成功したレナ。
そしてそんなレナと結合し、同じくネメシスの影響を受けたベアとシェリル。
三姉妹のデータは、オールドブルーの研究を大きく推進させるだろう。
もちろん彼は無理矢理でも彼女らのデータを採取するつもりだった。だが、彼女らが自ら差し出してくれるというのであれば、言うまでもない。
「……いいだろう。君たちのデータと引き換えに、ゲートのアクセス権と、ゲートを通過するのに必要な乗り物を貸すとしよう。ただ、これらの準備には少々時間が掛かる……しばし、くつろいでいてくれ」
こうしてメインフレームへの侵入手段を手に入れた三姉妹は、束の間の休息を取ることとなった。
オールドブルーがメインフレームに侵入する乗り物の準備をしている間、三姉妹は久しぶりに落ち着いて会話を楽しむことができた。
「……明日はいよいよメインフレームに潜入か」
「……私たち、本当に勝てるんでしょうか? あのティフォンに」
ティフォンの偉大さ、強さは嫌と言うほど知っていた三姉妹の中でも、まだ幼い末妹のシェリルは闘いの決心はついた今でも恐ろしいのだろう。
細かく震える妹の身体を2人の姉は、優しく抱いた。
「……怖いのは私も同じよ。でも、今は勝つことだけをイメージしましょう」
「そうだよ! それにティフォンって、見掛けよりずっとジジィだろ? 案外身体にガタがきてて、楽勝かもしれないしさッ!」
「ベア姉さまったら……」
妹を励まそうとするレナと、わざと戯けるベアの優しさに、ようやくシェリルの顔にも笑顔が戻る。
「……そう言えば、昔にもこんなことがあったね。シェリルがクラスの男の子にからかわれたって泣いて帰って来て、それをあたしとレナが慰めてさ」
「それは……」
その記憶は今の三姉妹のものではなかった。まだ三姉妹がプログラムと融合する前……。人間としてメタヴァースを生きていた頃の記憶のものだ。
人間だった頃と今の三姉妹は姿も形もまるで異なる。だが、血の繋がった姉妹であったということだけは、今と同じだった。
そのことを、ネメシスプログラムと融合したレナと結合した際、三姉妹は偶然思い出したのだった。
「レナは昔、絵を描くのが好きだったよねー」
「そうですわね。暇があれば、いつでもキャンバスに向かっていらっしゃいました」
「ふふふ、そうね。3人でスケッチ旅行にも行ったっけ……懐かしいわ」
三姉妹はそれからしばし、人間であった頃も含めて色んな過去を語り合った。
もう過去には戻れない……特に人間であった頃は、厳密には今の三姉妹とは別人だ。
そしてメインフレームに帰ることも不可能だ。仮にティフォンを討った後でも、その機能の破壊を認めてしまった段階で、三姉妹の居場所はないだろう。
それでも未来を掴むことはできる……今の自分たちを作り上げている全てを糧にして、自分たちの羽で飛び立つことはできるはずだ。
そう信じて三姉妹は、互いを抱きしめ合いながら眠りについた。
EPISODE4 最速の揺り籠「オールドブルーが用意した最速のゆりかごで三姉妹はメインフレームのシステム中枢への介入を試みる」「……明日はいよいよメインフレームに潜入か」
「……私たち、本当に勝てるんでしょうか? あのティフォンに」
ティフォンの偉大さ、強さは嫌と言うほど知っていた三姉妹の中でも、まだ幼い末妹のシェリルは闘いの決心はついた今でも恐ろしいのだろう。
細かく震える妹の身体を2人の姉は、優しく抱いた。
「……怖いのは私も同じよ。でも、今は勝つことだけをイメージしましょう」
「そうだよ! それにティフォンって、見掛けよりずっとジジィだろ? 案外身体にガタがきてて、楽勝かもしれないしさッ!」
「ベア姉さまったら……」
妹を励まそうとするレナと、わざと戯けるベアの優しさに、ようやくシェリルの顔にも笑顔が戻る。
「……そう言えば、昔にもこんなことがあったね。シェリルがクラスの男の子にからかわれたって泣いて帰って来て、それをあたしとレナが慰めてさ」
「それは……」
その記憶は今の三姉妹のものではなかった。まだ三姉妹がプログラムと融合する前……。人間としてメタヴァースを生きていた頃の記憶のものだ。
人間だった頃と今の三姉妹は姿も形もまるで異なる。だが、血の繋がった姉妹であったということだけは、今と同じだった。
そのことを、ネメシスプログラムと融合したレナと結合した際、三姉妹は偶然思い出したのだった。
「レナは昔、絵を描くのが好きだったよねー」
「そうですわね。暇があれば、いつでもキャンバスに向かっていらっしゃいました」
「ふふふ、そうね。3人でスケッチ旅行にも行ったっけ……懐かしいわ」
三姉妹はそれからしばし、人間であった頃も含めて色んな過去を語り合った。
もう過去には戻れない……特に人間であった頃は、厳密には今の三姉妹とは別人だ。
そしてメインフレームに帰ることも不可能だ。仮にティフォンを討った後でも、その機能の破壊を認めてしまった段階で、三姉妹の居場所はないだろう。
それでも未来を掴むことはできる……今の自分たちを作り上げている全てを糧にして、自分たちの羽で飛び立つことはできるはずだ。
そう信じて三姉妹は、互いを抱きしめ合いながら眠りについた。
――次の日の朝、三姉妹はオールドブルーが用意した乗り物を見て、思わず言葉を失った。
「これ……何?」
その乗り物は巨大な繭のような形をしていた。いわゆる乗り物的な車輪も無ければ、エネルギーを噴出する穴も無い、前後も分からない。
「これは『データマスドライバー』……もっとも私たち最古の間では『ゆりかご』と呼ばれていたがね」
「ゆりかごぉ~? なんだか優し気な響きだけど……こんなので、本当にメインフレームまで侵入できるの?」
「ゆりかごは、このメタヴァースの中でも『最速』と評される転送システムだ、中枢へのゲートを通過するにも必要になる。でないと、一瞬で空間と空間を移動する激しい衝撃で、例え最古であっても身体がバラバラになるぞ」
「バラバラ……それ、最古でない私たちが使用して、本当に大丈夫なんですの?」
「さて、何事も試してみないと分からんな」
「意外と無責任ですわね!?」
オールドブルーに噛みつくシェリルに比べ、ベアの方は『最速』という点が気に入ったようだ。
「いいね~! 熱いドライブが楽しめそうだ!」
ベアは早速ゆりかごに乗り込むと、車掌気分を味わっている。
「指差し確認、良し、良し!」
「もう、ベアったら……」
こんな時でも緊張感のないベアの様子に呆れたような笑みを浮かべるレナとシェリルだったが、すぐに表情を引き締めた。
「……色々ありがとう、オールドブルー」
「何これは取引の結果だよ。礼を言う必要はない。……だが、私ができるのはここまでだ。一度ゆりかごが発車してしまったら、君たちを助ける者はいない。……ティフォンがみすみす君たちの侵入を許すとは思えないがね」
「……分かっているわ」
三姉妹のIDはいずれもメインフレームに登録されたままだ。
彼女らが侵入した途端、何らかの妨害が待っているだろう。
「敵の妨害なんて、今考えてもしゃーないって! 全部あたしがぶっ飛ばしてやるよ!」
「そうですわ。それに攻撃や罠が仕掛けられても、私が見逃しません!」
「ふふふ、頼りにしてるわ。2人共……じゃあ行きましょうか」
「おう! 出発進行ーーッ!」
「ですわ!」
3人がゆりかごに乗り込むと、オールドブルーはプログラムを起動した。
途端、凄まじいスピードでゆりかごは発車する!
目的地はメインフレームだ!
EPISODE5 思わぬ援護「厳重警戒態勢が敷かれた中枢部へと侵入した三姉妹。そこで最古から思わぬ援護を受けることになる」「これ……何?」
その乗り物は巨大な繭のような形をしていた。いわゆる乗り物的な車輪も無ければ、エネルギーを噴出する穴も無い、前後も分からない。
「これは『データマスドライバー』……もっとも私たち最古の間では『ゆりかご』と呼ばれていたがね」
「ゆりかごぉ~? なんだか優し気な響きだけど……こんなので、本当にメインフレームまで侵入できるの?」
「ゆりかごは、このメタヴァースの中でも『最速』と評される転送システムだ、中枢へのゲートを通過するにも必要になる。でないと、一瞬で空間と空間を移動する激しい衝撃で、例え最古であっても身体がバラバラになるぞ」
「バラバラ……それ、最古でない私たちが使用して、本当に大丈夫なんですの?」
「さて、何事も試してみないと分からんな」
「意外と無責任ですわね!?」
オールドブルーに噛みつくシェリルに比べ、ベアの方は『最速』という点が気に入ったようだ。
「いいね~! 熱いドライブが楽しめそうだ!」
ベアは早速ゆりかごに乗り込むと、車掌気分を味わっている。
「指差し確認、良し、良し!」
「もう、ベアったら……」
こんな時でも緊張感のないベアの様子に呆れたような笑みを浮かべるレナとシェリルだったが、すぐに表情を引き締めた。
「……色々ありがとう、オールドブルー」
「何これは取引の結果だよ。礼を言う必要はない。……だが、私ができるのはここまでだ。一度ゆりかごが発車してしまったら、君たちを助ける者はいない。……ティフォンがみすみす君たちの侵入を許すとは思えないがね」
「……分かっているわ」
三姉妹のIDはいずれもメインフレームに登録されたままだ。
彼女らが侵入した途端、何らかの妨害が待っているだろう。
「敵の妨害なんて、今考えてもしゃーないって! 全部あたしがぶっ飛ばしてやるよ!」
「そうですわ。それに攻撃や罠が仕掛けられても、私が見逃しません!」
「ふふふ、頼りにしてるわ。2人共……じゃあ行きましょうか」
「おう! 出発進行ーーッ!」
「ですわ!」
3人がゆりかごに乗り込むと、オールドブルーはプログラムを起動した。
途端、凄まじいスピードでゆりかごは発車する!
目的地はメインフレームだ!
データマスドライバーは『最速のゆりかご』の名の通り、物凄い速度で回転しながらゲート内を移動した。
外からその姿を見ることができる者がいれば『キャノンボール』のようだったと答えるだろう。……とても人が中に乗って耐えられるものではない。
移動は一瞬だったが、三姉妹たちは巨大な遠心分離機の中に全身を突っ込んだような衝撃を受けて、よろめきながら、ゆりかごから出てきた。
「うぅぅ……気持ち、悪い……ですわ」
「最悪なドライブだったねぇ……」
「ええ……」
しばらく休んでいたい気持ちは山々だが、ここは敵の本拠地。
三姉妹は体勢を立て直し、戦闘モードに切り替えた。
そんな三姉妹の様子を見ていたように、けたたましいアラートが鳴り響く。
「さあ……気を引き締めていくよッ! 2人共ッ!」
「ええッ! ビシバシ行きましょう!」
ところが三姉妹の予想に反し、アラートはすぐに収まってしまった。
「……どういうことだ?」
「姉さま! 前方から2つの高エネルギー反応あり! これは……最古のようです!」
「早速お出でになったって訳か!」
「……それにしては少し様子がおかしいような?」
シェリルの言葉通り、姿を現した2柱の最古たちは三姉妹を攻撃してくるどころか、武器すら所持していないようだった。
「やぁ、遅かったじゃないか……」
「私の名前は『哲学主ジェフティ』。こちらは『裁定者セラフィータ』だ。私たちに攻撃の意志はない」
「……どうやってその言葉を信じれば?」
「先程の警戒態勢を解除したのは私たちだ」
突如現れた2柱の最古の言葉に三姉妹は驚いた。
「まずは話をしよう。あれは今から12万……いや、16万2千周期前だったか? ……まあいい。とにかく私たち12柱の最古の均衡が崩れる事件があったのだ」
ジェフティの話によると、当初は対等だった彼らの関係はティフォンが1柱の最古を吸収する形で終わったらしい。
「……ティフォンはこのメインフレームを統治することになったが、私たちは彼に従い続ける気はない。故に君たちの侵入を許したのだ」
「……どうして?」
「君たちはティフォンを倒すつもりなのだろう? ならば私たちはそれを見届けるまでだ……君たちもまた、私たちが愛すべき人間なのだ。人間にとって最良の未来を導き出す……それが我々の本来の役目」
「……人間の業を見届け、守護するのが我らメインフレームの役目。それをティフォンは見失った」
最古たちは三姉妹にそう告げると、手をかざした。すると中枢の玉座の間への入り口が露わになる。
「力があったとしても、役割の枷から逃れらない私たちと違い、あなたたちには自由な翼がある」
「人が持つ唯一絶対の力、それは自らの意志で進むべき道を選択することよ……さあ、おいきなさい!」
「ありがとう! ジェフティ! セラフィータ!」
「だが気を付けろ、ティフォンの傍には彼に忠誠を誓った最古『確率主シクサール』が控えているはずだ。彼の造り出す領域では、全ての確率が彼の有利なように働く、油断すれば一瞬で浄化されてしまうぞ」
「ああ、分かったよ!」
玉座の間へと進む三姉妹を見送ると、最古の2柱は呟いた。
「……あの子たちは勝てるかしら?」
「さて詳しいことは神祖エクレールにでも訊いてくれ……普通ならそう、答えるところだが……彼女らが勝つようにと願うよ。まあ、いい奴らだったからね」
EPISODE6 嵐の王との対峙「コアブロックに辿り着いた三姉妹は、暴風纏いし神の玉座を見据えた。今ここに最終決戦の幕が上る!」外からその姿を見ることができる者がいれば『キャノンボール』のようだったと答えるだろう。……とても人が中に乗って耐えられるものではない。
移動は一瞬だったが、三姉妹たちは巨大な遠心分離機の中に全身を突っ込んだような衝撃を受けて、よろめきながら、ゆりかごから出てきた。
「うぅぅ……気持ち、悪い……ですわ」
「最悪なドライブだったねぇ……」
「ええ……」
しばらく休んでいたい気持ちは山々だが、ここは敵の本拠地。
三姉妹は体勢を立て直し、戦闘モードに切り替えた。
そんな三姉妹の様子を見ていたように、けたたましいアラートが鳴り響く。
「さあ……気を引き締めていくよッ! 2人共ッ!」
「ええッ! ビシバシ行きましょう!」
ところが三姉妹の予想に反し、アラートはすぐに収まってしまった。
「……どういうことだ?」
「姉さま! 前方から2つの高エネルギー反応あり! これは……最古のようです!」
「早速お出でになったって訳か!」
「……それにしては少し様子がおかしいような?」
シェリルの言葉通り、姿を現した2柱の最古たちは三姉妹を攻撃してくるどころか、武器すら所持していないようだった。
「やぁ、遅かったじゃないか……」
「私の名前は『哲学主ジェフティ』。こちらは『裁定者セラフィータ』だ。私たちに攻撃の意志はない」
「……どうやってその言葉を信じれば?」
「先程の警戒態勢を解除したのは私たちだ」
突如現れた2柱の最古の言葉に三姉妹は驚いた。
「まずは話をしよう。あれは今から12万……いや、16万2千周期前だったか? ……まあいい。とにかく私たち12柱の最古の均衡が崩れる事件があったのだ」
ジェフティの話によると、当初は対等だった彼らの関係はティフォンが1柱の最古を吸収する形で終わったらしい。
「……ティフォンはこのメインフレームを統治することになったが、私たちは彼に従い続ける気はない。故に君たちの侵入を許したのだ」
「……どうして?」
「君たちはティフォンを倒すつもりなのだろう? ならば私たちはそれを見届けるまでだ……君たちもまた、私たちが愛すべき人間なのだ。人間にとって最良の未来を導き出す……それが我々の本来の役目」
「……人間の業を見届け、守護するのが我らメインフレームの役目。それをティフォンは見失った」
最古たちは三姉妹にそう告げると、手をかざした。すると中枢の玉座の間への入り口が露わになる。
「力があったとしても、役割の枷から逃れらない私たちと違い、あなたたちには自由な翼がある」
「人が持つ唯一絶対の力、それは自らの意志で進むべき道を選択することよ……さあ、おいきなさい!」
「ありがとう! ジェフティ! セラフィータ!」
「だが気を付けろ、ティフォンの傍には彼に忠誠を誓った最古『確率主シクサール』が控えているはずだ。彼の造り出す領域では、全ての確率が彼の有利なように働く、油断すれば一瞬で浄化されてしまうぞ」
「ああ、分かったよ!」
玉座の間へと進む三姉妹を見送ると、最古の2柱は呟いた。
「……あの子たちは勝てるかしら?」
「さて詳しいことは神祖エクレールにでも訊いてくれ……普通ならそう、答えるところだが……彼女らが勝つようにと願うよ。まあ、いい奴らだったからね」
「……フン、どうやら裏切り者は貴様らだけではなかったようだな。最古という分割された統治の力など意味を成さぬ。全てを導くにはやはり絶対的な1つの力が必要ということか」
メインフレームの中枢、その最奥に辿り着いた三姉妹を待っていたのは、玉座に悠々と鎮座するティフォンであった。
「ティフォン様……いえ、ティフォン! 貴方を倒して、私たちは本当の自由を得るわッ!」
「本当の自由とはなんだ? それは無秩序と何が違う? ……このメタヴァースという世界は、私という絶対の管理者がいることで、適切な自由と幸福を享受することができているのだ。このシステムを破ったところで、待っているのは世界の破滅だぞ」
「……アンタの言ってることは、分からなくもない。あたしらも元メインフレームだからな。秩序を重んじることで、守られるものが多いことは知っている。でもそれは秩序を作る仕組みが正しかった場合だッ!」
「確かに貴方を倒すことで生き延びようとする私たちは身勝手で間違っているのかもしれませんが……それはティフォン、貴方とて同じですッ! 神の如き強大な力を振りかざし、自分と異なる者を許さぬ貴方を、私たちは正しいとは思えないんですッ!」
三姉妹の言葉を聞いてティフォンは不快感を露わにする。
「……それ以上、口を開くな。耳障りだ。所詮、無知蒙昧な輩に何を説いても無駄だったということだな」
ティフォンを取り巻く空気が変化する。三姉妹が身構えると同時に、どこからともなく男が、ティフォンと三姉妹の間に現れる。
「ティフォン様」
「……シクサールか」
『確率主シクサール』。物理法則を司る彼は自らが生み出した領域にてあらゆる事象の確立を操ることができるという。ある意味ティフォンより恐ろしい能力の最古だ。
「ティフォン様が出るまでもありません。ここはこの私にお任せください」
「……良かろう」
ジェフティからシクサールの恐ろしさを聞いていた三姉妹は、彼との戦闘に備えたのだが……。
「ぐはぁッ!?」
突然シクサールの胸が爆ぜ、中から腕が現れる。三姉妹はいきなりの事態に言葉を失った。
「……なっ……なぜ、ですか?」
「……シクサール、汝は今まで良く私に仕えた。……その力、私の中で永久に活かしてやるぞ」
「ぐわあああああぁぁぁーーッ!!」
シクサールはそのまま全てをティフォンに吸収され、塵一つ残さず消失した。
EPISODE7 激闘「ネメシスと融合を果たした三姉妹。最古を吸収したティフォン。両陣の闘いは想像を絶するものだった」メインフレームの中枢、その最奥に辿り着いた三姉妹を待っていたのは、玉座に悠々と鎮座するティフォンであった。
「ティフォン様……いえ、ティフォン! 貴方を倒して、私たちは本当の自由を得るわッ!」
「本当の自由とはなんだ? それは無秩序と何が違う? ……このメタヴァースという世界は、私という絶対の管理者がいることで、適切な自由と幸福を享受することができているのだ。このシステムを破ったところで、待っているのは世界の破滅だぞ」
「……アンタの言ってることは、分からなくもない。あたしらも元メインフレームだからな。秩序を重んじることで、守られるものが多いことは知っている。でもそれは秩序を作る仕組みが正しかった場合だッ!」
「確かに貴方を倒すことで生き延びようとする私たちは身勝手で間違っているのかもしれませんが……それはティフォン、貴方とて同じですッ! 神の如き強大な力を振りかざし、自分と異なる者を許さぬ貴方を、私たちは正しいとは思えないんですッ!」
三姉妹の言葉を聞いてティフォンは不快感を露わにする。
「……それ以上、口を開くな。耳障りだ。所詮、無知蒙昧な輩に何を説いても無駄だったということだな」
ティフォンを取り巻く空気が変化する。三姉妹が身構えると同時に、どこからともなく男が、ティフォンと三姉妹の間に現れる。
「ティフォン様」
「……シクサールか」
『確率主シクサール』。物理法則を司る彼は自らが生み出した領域にてあらゆる事象の確立を操ることができるという。ある意味ティフォンより恐ろしい能力の最古だ。
「ティフォン様が出るまでもありません。ここはこの私にお任せください」
「……良かろう」
ジェフティからシクサールの恐ろしさを聞いていた三姉妹は、彼との戦闘に備えたのだが……。
「ぐはぁッ!?」
突然シクサールの胸が爆ぜ、中から腕が現れる。三姉妹はいきなりの事態に言葉を失った。
「……なっ……なぜ、ですか?」
「……シクサール、汝は今まで良く私に仕えた。……その力、私の中で永久に活かしてやるぞ」
「ぐわあああああぁぁぁーーッ!!」
シクサールはそのまま全てをティフォンに吸収され、塵一つ残さず消失した。
シクサールを吸収したティフォンは、身体の内から溢れてくるエネルギーに思わず舌なめずりをした。
「ククク……流石は、3柱分の最古の力だな。身体の中で嵐の如く暴れるわ」
「……どうして、シクサールを? 貴方の味方だったんじゃあ」
「味方? ……否、駒に過ぎんよ。駒をどう扱おうと、それは王の勝手であろう?」
「この外道ッ!」
非道なティフォンの言葉をきっかけに、三姉妹と統制主の戦いの火蓋は切られた。
「……お前たちも残りの最古たちも、間もなく私に取り込まれる。だというのに、かつての神格を超えた唯一の存在であるこの私に歯向かうというのか?」
「ほざけッ! ……レナッ! シェリルッ! 一気に方を付けるよッ!」
「分かったわッ!」
三姉妹は素早く互いに接続し、ベアに力の全てを預けた。
「――トリニティヴァーテックス・クェイサー!」
これは攻撃型のベアをメインに据えたときのみ使用ができる超攻撃的な大技だ。
鈍器のように重く、凶悪な刃を持つベアの剣は、空間をも切り裂く断絶の一撃を放つ。
三姉妹の集めたエネルギーの余波で、メインフレームのシステムは乱れ、煙を出しながら壊れる物もあった。
だがティフォンはそのことに躊躇することもなく、ただ三姉妹の力を喜んでいた。
「ハハハハハッ! 生意気な口を叩くだけのことはあって、少しはやるようだな。よかろう、私も新たな身体の試運転を兼ね、相手をしてやろうではないかッ!」
ティフォンが片手を空にかざすと、手の平に青白い電流を帯びた巨大な光の塊が集まりだす。
「あんまり早く壊れないでもらいたいものだな……。 ――コズミックノヴァッ!!」
三姉妹の放った斬撃は、ティフォンの放ったコズミックノヴァを空間ごと引き裂こうとする。
その力はほぼ拮抗していたが、僅かにコズミックノヴァの方が勝っていたらしい。
「きゃあッ!?」
強大な力を持った光の粒子は、引き裂かれた空間を越えて三姉妹たちに襲い掛かった。三姉妹は大きく身体を吹き飛ばされ、玉座を構成する列柱を幾つも破壊しながら止まった。
「……ふはは、ははははーーッ! かつて雑魚共の力を吸収することでようやく発動可能だったコズミックノヴァが、今や片手で放つことができるようになるとはなッ!」
ティフォンは空を仰ぎ叫ぶ。
「見よッ! 神祖エクレールッ! 私は貴方を超えたぞッ! このメタヴァースを束ねる神に相応しいのは、私、統制主ティフォンであるッ!」
EPISODE8 荒れ狂う嵐「己に匹敵する力を見せる下賎な輩に神は激怒し、全力を賭した破壊の旋風で三姉妹を圧倒した」「ククク……流石は、3柱分の最古の力だな。身体の中で嵐の如く暴れるわ」
「……どうして、シクサールを? 貴方の味方だったんじゃあ」
「味方? ……否、駒に過ぎんよ。駒をどう扱おうと、それは王の勝手であろう?」
「この外道ッ!」
非道なティフォンの言葉をきっかけに、三姉妹と統制主の戦いの火蓋は切られた。
「……お前たちも残りの最古たちも、間もなく私に取り込まれる。だというのに、かつての神格を超えた唯一の存在であるこの私に歯向かうというのか?」
「ほざけッ! ……レナッ! シェリルッ! 一気に方を付けるよッ!」
「分かったわッ!」
三姉妹は素早く互いに接続し、ベアに力の全てを預けた。
「――トリニティヴァーテックス・クェイサー!」
これは攻撃型のベアをメインに据えたときのみ使用ができる超攻撃的な大技だ。
鈍器のように重く、凶悪な刃を持つベアの剣は、空間をも切り裂く断絶の一撃を放つ。
三姉妹の集めたエネルギーの余波で、メインフレームのシステムは乱れ、煙を出しながら壊れる物もあった。
だがティフォンはそのことに躊躇することもなく、ただ三姉妹の力を喜んでいた。
「ハハハハハッ! 生意気な口を叩くだけのことはあって、少しはやるようだな。よかろう、私も新たな身体の試運転を兼ね、相手をしてやろうではないかッ!」
ティフォンが片手を空にかざすと、手の平に青白い電流を帯びた巨大な光の塊が集まりだす。
「あんまり早く壊れないでもらいたいものだな……。 ――コズミックノヴァッ!!」
三姉妹の放った斬撃は、ティフォンの放ったコズミックノヴァを空間ごと引き裂こうとする。
その力はほぼ拮抗していたが、僅かにコズミックノヴァの方が勝っていたらしい。
「きゃあッ!?」
強大な力を持った光の粒子は、引き裂かれた空間を越えて三姉妹たちに襲い掛かった。三姉妹は大きく身体を吹き飛ばされ、玉座を構成する列柱を幾つも破壊しながら止まった。
「……ふはは、ははははーーッ! かつて雑魚共の力を吸収することでようやく発動可能だったコズミックノヴァが、今や片手で放つことができるようになるとはなッ!」
ティフォンは空を仰ぎ叫ぶ。
「見よッ! 神祖エクレールッ! 私は貴方を超えたぞッ! このメタヴァースを束ねる神に相応しいのは、私、統制主ティフォンであるッ!」
「……レナ、シェリル……大丈夫か?」
「ええ」
「なんとか……」
瓦礫の中で、意識を取り戻した三姉妹は互いの無事を確認すると、痛む身体をこらえて立ち上がった。
「ったく、ティフォンのヤロー、とんでもない技を使ってきやがるな。流石は神様を名乗るだけのことはあるってか」
「どうします? 相手はまだかなり余裕がありますわ」
「……トリニティヴァーテックスで攻めましょう。ただし、今度は連続で
『トリニティヴァーテックス・プロミネンス』
『トリニティヴァーテックス・ネーヴェ』
『トリニティヴァーテックス・クェイサー』
を切り替えながら、ティフォンに連続して攻撃を仕掛けましょう! シェリルのセンサーと、ベアの攻撃力を最大限に維持して! 私が間で調整するから!」
「了解ですわッ!」
「あいよッ! ……ここで諦めるわけにはいかないもんなッ! ティフォンのヤローがぶっ倒れるまで何回でもぶちかますぞッ!」
……レナやベアの言葉通り、三姉妹は何度ティフォンに攻撃を弾かれようと、身体を打ちつけられようと、構わず彼に挑み続けた。
その様子に最初は余裕だったティフォンも次第に違和感を覚えるようになる。
(なぜだッ!? なぜこいつらは、私の力に絶望し、ひれ伏さぬのだッ!?)
ティフォンが疑問に思っていることはそれだけではなかった。
(奴らの力が徐々に上がってきているだとッ!?)
三姉妹は、最初はティフォンの攻撃で吹き飛んでいたというのに、今ではコズミックノヴァを逆に弾き返すことすらできるようになっていた。
三姉妹たちはこの死闘の中でも確実に成長していた。今やその力は、かつてティフォンを苦しめた災厄を超え、限りなく神となった彼に近付いてきていた。
その事実に気が付いたティフォンは激怒した。
「……おのれッ! その力『成長』はいったい誰に与えられたものだと思っているのだッ! 神であり、父である私に叛逆するだけでも万死に値するというのにこの身を天上から貶めようというのかッ!? その罪、許さんッ! もはや、貴様たちは塵一つ残すことも認めんッ! 滅亡の風をその身に受けるがいいッ!」
ティフォンの憤怒の絶叫と共に、メインフレームの全動力が彼に流れ込んだ。
想像を絶する戦闘により、傷ついたメインフレームは無理矢理ティフォンにエネルギーを流し込んだことにより、激しいショートを起こす。
「クズが……身の程を知れッ!
『滅亡の嵐(ロヴィーナ・テンペスタース)』!!」
稲妻を帯びながら荒れ狂う旋風は刃のように三姉妹の五体を切り刻みながら、吹き飛ばしたッ!
EPISODE9 明日に輝く月虹「三姉妹は絆を紡ぎ、力を合わせた最後の一撃を生み出す! そして辺りは白光に包まれた……」「ええ」
「なんとか……」
瓦礫の中で、意識を取り戻した三姉妹は互いの無事を確認すると、痛む身体をこらえて立ち上がった。
「ったく、ティフォンのヤロー、とんでもない技を使ってきやがるな。流石は神様を名乗るだけのことはあるってか」
「どうします? 相手はまだかなり余裕がありますわ」
「……トリニティヴァーテックスで攻めましょう。ただし、今度は連続で
『トリニティヴァーテックス・プロミネンス』
『トリニティヴァーテックス・ネーヴェ』
『トリニティヴァーテックス・クェイサー』
を切り替えながら、ティフォンに連続して攻撃を仕掛けましょう! シェリルのセンサーと、ベアの攻撃力を最大限に維持して! 私が間で調整するから!」
「了解ですわッ!」
「あいよッ! ……ここで諦めるわけにはいかないもんなッ! ティフォンのヤローがぶっ倒れるまで何回でもぶちかますぞッ!」
……レナやベアの言葉通り、三姉妹は何度ティフォンに攻撃を弾かれようと、身体を打ちつけられようと、構わず彼に挑み続けた。
その様子に最初は余裕だったティフォンも次第に違和感を覚えるようになる。
(なぜだッ!? なぜこいつらは、私の力に絶望し、ひれ伏さぬのだッ!?)
ティフォンが疑問に思っていることはそれだけではなかった。
(奴らの力が徐々に上がってきているだとッ!?)
三姉妹は、最初はティフォンの攻撃で吹き飛んでいたというのに、今ではコズミックノヴァを逆に弾き返すことすらできるようになっていた。
三姉妹たちはこの死闘の中でも確実に成長していた。今やその力は、かつてティフォンを苦しめた災厄を超え、限りなく神となった彼に近付いてきていた。
その事実に気が付いたティフォンは激怒した。
「……おのれッ! その力『成長』はいったい誰に与えられたものだと思っているのだッ! 神であり、父である私に叛逆するだけでも万死に値するというのにこの身を天上から貶めようというのかッ!? その罪、許さんッ! もはや、貴様たちは塵一つ残すことも認めんッ! 滅亡の風をその身に受けるがいいッ!」
ティフォンの憤怒の絶叫と共に、メインフレームの全動力が彼に流れ込んだ。
想像を絶する戦闘により、傷ついたメインフレームは無理矢理ティフォンにエネルギーを流し込んだことにより、激しいショートを起こす。
「クズが……身の程を知れッ!
『滅亡の嵐(ロヴィーナ・テンペスタース)』!!」
稲妻を帯びながら荒れ狂う旋風は刃のように三姉妹の五体を切り刻みながら、吹き飛ばしたッ!
ティフォンの放った滅亡の風をまともに喰らい、三姉妹は傷つき、もはや立ち上がることすら難しい状態だった。
(うぅ……機能が20%以下まで低下しています。これでは、ティフォンに勝つどころか、逃げることすら……)
(チクショー……これじゃレナとシェリルを守ることすらできないッ!)
(もう……諦めるしかないの? 所詮、神に歯向かうのは無謀だったということ?)
三姉妹の心は絶望の闇に塗り潰されそうになった。心細さからか、倒れたまま自然とお互いに手を延ばし弱々しく繋ぐ。
――その時不思議なことが起こった。
(えっ!? この光景は!?)
いつかレナが見た真っ白な部屋の中に三姉妹たちはいた。
すると目の前に、自分たちとは姿が異なる三人の少女たちが立っている。
「……諦めないで。どれだけ苦しくても、理不尽な想いに屈しないで……」
「貴女たちが戦う限り、私たちは絶対に支えるから」
「……そしてどうか、この世界を自由に羽ばたいて。……私たちの分も」
真ん中の少女が、持っていたカンバスをレナに手渡した。そこには美しい青空が描かれていた。
「生きて……私たちの分まで……」
目の前の三人の少女たちは穏やかに微笑むと、光の粒となって消えていった……。
「――今のは」
「夢、なのか?」
「分かりません……」
それは、あるいは傷ついた思考回路が起こしたエラーなのかもしれないし、ただの妄想かもしれない。またあるいは、ネメシスプログラムと融合した結果の奇跡なのかもしれなかった。
呼び起されたのはもう一人の彼女たちだったのだろうか。この小さな出来事は、三姉妹を再び立ち上がらせるだけの力を与えていた。
(そうだ……)
(私たちは三人で……)
(自由と未来を勝ち取るんだ!)
白い肌を真紅に染めながら立ち上がった三姉妹を、ティフォンは嘲笑と共に迎え撃つ。
「愚かなッ! そのまま地に伏せていれば、楽に死ねたものをッ!」
ティフォンが再び滅亡の風を身に纏う中、三姉妹は再び手を繋ぎ、空へと大きく突き上げた。
「――レディアントヴァーテックスッ!!」
無意識に発せられたその言葉と共に三姉妹の上空に無数の光の槍が現れ、ティフォンに襲い掛かった!
「散る前にもう一華くらいは咲かせてくれると期待したのだが……この程度のそよ風で、神の身が傷つけられると思うなよッ!」
ティフォンの滅亡の風は、三姉妹の光の槍を弾き返し砕いていく。
しかし、三姉妹の生み出した光の槍は数を増しティフォンへと襲い掛かる。
やがてその内の何本かが、ティフォンの絶対防御壁を突き壊し、彼の身体に突き刺さった。
光の槍が四肢を貫いたことで、数秒だがティフォンは拘束される。
「なんだとッ!?」
「今よッ!」
三姉妹は空高く舞い上がり、3本の巨大な光の槍を作り上げるとそれをティフォンに向かい放った。
3本の槍はティフォンの目の前で1本となり、恒星にも似た白銀の膨大なエネルギーの塊となる。
「小癪な……ッ!」
しかし三姉妹の槍が届く前に、身体の自由を取り戻したティフォンは、滅亡の風の全エネルギーを集中させ、光の槍にぶつけた!
2つの莫大なエネルギーの衝突は、辺りを目も開けられぬ白光で満たし、臨界点を超えた大爆発を起こすのだった。
EPISODE10 嵐が枯れる時……「閃光の果てに立っていたのは三姉妹だった。人類の可能性が、機械神を僅かに凌駕したのだった」(うぅ……機能が20%以下まで低下しています。これでは、ティフォンに勝つどころか、逃げることすら……)
(チクショー……これじゃレナとシェリルを守ることすらできないッ!)
(もう……諦めるしかないの? 所詮、神に歯向かうのは無謀だったということ?)
三姉妹の心は絶望の闇に塗り潰されそうになった。心細さからか、倒れたまま自然とお互いに手を延ばし弱々しく繋ぐ。
――その時不思議なことが起こった。
(えっ!? この光景は!?)
いつかレナが見た真っ白な部屋の中に三姉妹たちはいた。
すると目の前に、自分たちとは姿が異なる三人の少女たちが立っている。
「……諦めないで。どれだけ苦しくても、理不尽な想いに屈しないで……」
「貴女たちが戦う限り、私たちは絶対に支えるから」
「……そしてどうか、この世界を自由に羽ばたいて。……私たちの分も」
真ん中の少女が、持っていたカンバスをレナに手渡した。そこには美しい青空が描かれていた。
「生きて……私たちの分まで……」
目の前の三人の少女たちは穏やかに微笑むと、光の粒となって消えていった……。
「――今のは」
「夢、なのか?」
「分かりません……」
それは、あるいは傷ついた思考回路が起こしたエラーなのかもしれないし、ただの妄想かもしれない。またあるいは、ネメシスプログラムと融合した結果の奇跡なのかもしれなかった。
呼び起されたのはもう一人の彼女たちだったのだろうか。この小さな出来事は、三姉妹を再び立ち上がらせるだけの力を与えていた。
(そうだ……)
(私たちは三人で……)
(自由と未来を勝ち取るんだ!)
白い肌を真紅に染めながら立ち上がった三姉妹を、ティフォンは嘲笑と共に迎え撃つ。
「愚かなッ! そのまま地に伏せていれば、楽に死ねたものをッ!」
ティフォンが再び滅亡の風を身に纏う中、三姉妹は再び手を繋ぎ、空へと大きく突き上げた。
「――レディアントヴァーテックスッ!!」
無意識に発せられたその言葉と共に三姉妹の上空に無数の光の槍が現れ、ティフォンに襲い掛かった!
「散る前にもう一華くらいは咲かせてくれると期待したのだが……この程度のそよ風で、神の身が傷つけられると思うなよッ!」
ティフォンの滅亡の風は、三姉妹の光の槍を弾き返し砕いていく。
しかし、三姉妹の生み出した光の槍は数を増しティフォンへと襲い掛かる。
やがてその内の何本かが、ティフォンの絶対防御壁を突き壊し、彼の身体に突き刺さった。
光の槍が四肢を貫いたことで、数秒だがティフォンは拘束される。
「なんだとッ!?」
「今よッ!」
三姉妹は空高く舞い上がり、3本の巨大な光の槍を作り上げるとそれをティフォンに向かい放った。
3本の槍はティフォンの目の前で1本となり、恒星にも似た白銀の膨大なエネルギーの塊となる。
「小癪な……ッ!」
しかし三姉妹の槍が届く前に、身体の自由を取り戻したティフォンは、滅亡の風の全エネルギーを集中させ、光の槍にぶつけた!
2つの莫大なエネルギーの衝突は、辺りを目も開けられぬ白光で満たし、臨界点を超えた大爆発を起こすのだった。
爆風が静まった後、地に立っていたのは三姉妹たちだった。
「馬鹿……な……神祖エクレールを……超えし私が……たかが……プログラムに……敗れるだと?」
ティフォンの半身は崩壊し、グロテスクな機械の内臓を晒していた。
その様子は、かつて闘った災厄の翼・ティアマットに与えられた傷と酷似していた。
吸収したはずの最古3柱分のデータも、今のティフォンを癒すことはできないらしい。
「……結局、貴方は最古のデータを本当の意味で糧とできていなかったんだわ。貴方は、ただ力で強制的に他者を制圧していただけ……それがこの結果を産んだのよ」
「貴様ら……己らが……どんな大罪を……犯したか分かって……いるのか? ……私を……失うことにより……人間は……その未来を……喪ったのだぞ」
ティフォンの言葉を真実と裏付けるように、メインフレームのシステムの多くは破壊され、各所でエラーが発生しているようだった。
けれど三姉妹の覚悟は揺るがない。
「確かに貴方を喪うことで、メインフレームは多くを喪うかもしれません。ですが人間の未来を切り開くのは人間自身……決して、貴方によって左右されるものではありません」
「あたしらの役目は、苦しい状況に立たされた人間の傍にいて励ましながら見守ることだ……その役目を忘れたアンタみたいな偽りの王に、世界を導く資格はないんだよ!」
「偽り……の……王……」
偶然にも、それはかつて闘った破滅の使者ティアマットがティフォンに言った言葉でもあった。
彼は現行人類の置き土産たちから同じ言葉を掛けられたことを憎々しく思い、嗤った。
「……人より……生まれし……プログラムたちよ……貴様たちは……実に愚かだ……だが……その愚かさ……が……人間……という……こと……なの……か」
こうして神に等しい絶対的な統治プログラムであるティフォンは量子すらも残さず消えていった。
……そして彼の消滅とともにメインフレームは多くの機能を喪失したのである。
「……さようなら、ティフォン。暴虐と傲慢の旋風を纏いしメタヴァースの王」
EPISODE11 真っ白な未来「こうしてアルテミスたちは白紙の未来を手に入れ、どこまでも自由な空へと羽ばたいていくのだった」「馬鹿……な……神祖エクレールを……超えし私が……たかが……プログラムに……敗れるだと?」
ティフォンの半身は崩壊し、グロテスクな機械の内臓を晒していた。
その様子は、かつて闘った災厄の翼・ティアマットに与えられた傷と酷似していた。
吸収したはずの最古3柱分のデータも、今のティフォンを癒すことはできないらしい。
「……結局、貴方は最古のデータを本当の意味で糧とできていなかったんだわ。貴方は、ただ力で強制的に他者を制圧していただけ……それがこの結果を産んだのよ」
「貴様ら……己らが……どんな大罪を……犯したか分かって……いるのか? ……私を……失うことにより……人間は……その未来を……喪ったのだぞ」
ティフォンの言葉を真実と裏付けるように、メインフレームのシステムの多くは破壊され、各所でエラーが発生しているようだった。
けれど三姉妹の覚悟は揺るがない。
「確かに貴方を喪うことで、メインフレームは多くを喪うかもしれません。ですが人間の未来を切り開くのは人間自身……決して、貴方によって左右されるものではありません」
「あたしらの役目は、苦しい状況に立たされた人間の傍にいて励ましながら見守ることだ……その役目を忘れたアンタみたいな偽りの王に、世界を導く資格はないんだよ!」
「偽り……の……王……」
偶然にも、それはかつて闘った破滅の使者ティアマットがティフォンに言った言葉でもあった。
彼は現行人類の置き土産たちから同じ言葉を掛けられたことを憎々しく思い、嗤った。
「……人より……生まれし……プログラムたちよ……貴様たちは……実に愚かだ……だが……その愚かさ……が……人間……という……こと……なの……か」
こうして神に等しい絶対的な統治プログラムであるティフォンは量子すらも残さず消えていった。
……そして彼の消滅とともにメインフレームは多くの機能を喪失したのである。
「……さようなら、ティフォン。暴虐と傲慢の旋風を纏いしメタヴァースの王」
三姉妹がティフォンの最期を見届けた後、破壊された玉座の間に、三姉妹の潜入の手助けをした最古、ジェフティとセラフィータが現れた。
「……全て終わったのね」
「ええ」
「ティフォンを止めてくれたこと、感謝する」
「全く! 全部あたしらに投げっぱなしなんだもんなー!」
「そうですわ。貴方たちもメインフレームの変革を望んでいたなら、もう少し手伝ってくださっても良かったのに……」
「返す言葉も無いな。だけど私たちの真意がどこにあれ、神は絶対だからね。ティフォンの縛がある内は、逆らうことなどできなかったのさ。我々はそう作られてしまっていたのだから……しかしその神ももういない」
「あなたたちはこれからどうするつもり? ……もしメインフレームへの帰還を求めるなら、それ相応の対応で歓迎するわよ?」
「いいえ、遠慮しておきます」
「私たちはもうメインフレームに戻るつもりはありませんわ」
「折角自由になったんだしね!」
三姉妹は激闘で汚れた顔で笑った。
「……よし分かった、君たちの意見を尊重しよう。……だが、気が付いているとは思うが、君たちの身体は……」
「……分かっています」
一時は機能停止寸前まで追い込まれた激しい戦闘、度重なるトリニティヴァーテックス、そしてティフォンを葬ったレディアントヴァーテックス……これらのフィードバックは三姉妹の寿命を大きく縮めていた。
「私たちは残された時間が僅かなものであったとしても……いえ、だからこそ自分たちの進むべき道は、自分たちで決めたいんです」
「すまない。我らの力を持ってしても、君たちを癒すことはできないのだ……その代わりと言ってはなんだが、我らは本来成すべきことを成すために、人を守るために歩むとしよう」
「ティフォンは誰よりも強くなることを望んでいた。それがこの世界を理想郷に導くと信じていたからだ。……彼はもしかしたら気が付いていなかったかもしれないが、結局のところ神祖エクレールを超えることしか頭に無かったのだ……。もう、そのような王をこのメタヴァースに立てることは、私たちに残された最古の責任を持って無いと誓おう」
「是非そうしてください……その言葉があれば、私たちも何の憂いなく、ここを離れられますわ」
「……もし、あなたたちも人の未来を案じてくれるというのなら、残された時間で、どうか、この世界を見守っていて……」
「ははは! 言われなくてもッ! なっ! レナッ! シェリル!」
「ええ!」
「もちろんですわ!」
それから三姉妹はジェフティとセラフィータに別れを告げ、蒼天に向かって羽ばたいた。
「何も目的がなく飛ぶのって、ドキドキしますね!」
「さあて、どこに行こうか?」
「まだ分からないわ。でも私たちは自由なんだもの、どこにだって行けるわ!」
――それから三姉妹は様々な世界を渡り歩き、時に善良な人々を助けながら、穏やかに残された時間を過ごしたという。
姉妹は最期の瞬間まで3人で笑い合い自由であった。
「……全て終わったのね」
「ええ」
「ティフォンを止めてくれたこと、感謝する」
「全く! 全部あたしらに投げっぱなしなんだもんなー!」
「そうですわ。貴方たちもメインフレームの変革を望んでいたなら、もう少し手伝ってくださっても良かったのに……」
「返す言葉も無いな。だけど私たちの真意がどこにあれ、神は絶対だからね。ティフォンの縛がある内は、逆らうことなどできなかったのさ。我々はそう作られてしまっていたのだから……しかしその神ももういない」
「あなたたちはこれからどうするつもり? ……もしメインフレームへの帰還を求めるなら、それ相応の対応で歓迎するわよ?」
「いいえ、遠慮しておきます」
「私たちはもうメインフレームに戻るつもりはありませんわ」
「折角自由になったんだしね!」
三姉妹は激闘で汚れた顔で笑った。
「……よし分かった、君たちの意見を尊重しよう。……だが、気が付いているとは思うが、君たちの身体は……」
「……分かっています」
一時は機能停止寸前まで追い込まれた激しい戦闘、度重なるトリニティヴァーテックス、そしてティフォンを葬ったレディアントヴァーテックス……これらのフィードバックは三姉妹の寿命を大きく縮めていた。
「私たちは残された時間が僅かなものであったとしても……いえ、だからこそ自分たちの進むべき道は、自分たちで決めたいんです」
「すまない。我らの力を持ってしても、君たちを癒すことはできないのだ……その代わりと言ってはなんだが、我らは本来成すべきことを成すために、人を守るために歩むとしよう」
「ティフォンは誰よりも強くなることを望んでいた。それがこの世界を理想郷に導くと信じていたからだ。……彼はもしかしたら気が付いていなかったかもしれないが、結局のところ神祖エクレールを超えることしか頭に無かったのだ……。もう、そのような王をこのメタヴァースに立てることは、私たちに残された最古の責任を持って無いと誓おう」
「是非そうしてください……その言葉があれば、私たちも何の憂いなく、ここを離れられますわ」
「……もし、あなたたちも人の未来を案じてくれるというのなら、残された時間で、どうか、この世界を見守っていて……」
「ははは! 言われなくてもッ! なっ! レナッ! シェリル!」
「ええ!」
「もちろんですわ!」
それから三姉妹はジェフティとセラフィータに別れを告げ、蒼天に向かって羽ばたいた。
「何も目的がなく飛ぶのって、ドキドキしますね!」
「さあて、どこに行こうか?」
「まだ分からないわ。でも私たちは自由なんだもの、どこにだって行けるわ!」
――それから三姉妹は様々な世界を渡り歩き、時に善良な人々を助けながら、穏やかに残された時間を過ごしたという。
姉妹は最期の瞬間まで3人で笑い合い自由であった。
チュウニズム大戦
レーベル | 難易度 | スコア | |
---|---|---|---|
スキル名/効果/備考 | |||
■メタヴ | ADVANCED | 0 / 250 / 500 | |
レーベルブレイク(●■♠ミス) | |||
次のプレイヤーの●、■、♠の COMBO/CHAINは、MISSとなる。 | |||
備考:●リレイ/■メタヴ/♠アニマ |
■ 楽曲 | |
┗ 全曲一覧(1 / 2) / 追加順 / Lv順 | |
┗ WORLD’S END | |
■ キャラクター | |
┗ 無印 / AIR / STAR / AMAZON / CRYSTAL | |
┗ マップボーナス・限界突破 | |
■ スキル | |
┗ スキル一覧 / 期間限定スキル | |
┗ スキル評価 / 期間限定スキル | |
■ 称号・マップ | |
┗ 称号 / ネームプレート | |
┗ マップ一覧 |
コメント(37)
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完 全 に 一 致このコメントに返信0返信
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話をしよう。あれは今から12万……いや、16万2千周期前だったか? ……まあいい。
人が持つ唯一絶対の力、それは自らの意志で進むべき道を選択することよ
詳しいことは神祖エクレールにでも訊いてくれ
神は絶対だからね。
俺達「まるでルシフェルだがそんな喋り方で大丈夫か?」
このコメントに返信4返信 -
クエストあるし専用スキル使ってみるか
↓
とりあえずだんご大家族やろう
↓
( ゚д゚)ポカーンこのコメントに返信5返信 -
ポスターで出たときから思ってたが、三国志大戦の趙氏貞と色々とそっくりこのコメントに返信1返信
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暴虐と傲慢と聞いてギーゼクールかと思った返信数 (1)0返信
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ええ話や...涙が出てきた...このコメントに返信4返信
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最後の文で涙腺が崩壊してしまった……
このコメントに返信9返信 -
ティフォンの舌なめずりエロい……エロくない?このコメントに返信13返信
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最後の文なかなか堪える...このコメントに返信1返信
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ヘルチャージ+1、ミスのダメージが500%に減少です。ゲージ上昇のほうは変化なし返信数 (5)2返信