大相撲セキララ回顧録 第三十五章 薄汚い警備員大相撲セキララ回顧録 第三十八章 悲劇の長浜ラーメン

2012年09月02日

大相撲セキララ回顧録 第三十七章 最低最悪の男達

二年目の名古屋。場所前、場所中のエピソードを期待していた皆様には申し訳ないが、場所が終わった所から話を始めることとする。なぜなら、エピソード的には過去に書いた一年目の物とはあまり変わらないからである。連日のちゃんこ接待は言うに及ばず、気温と湿度の高さから来る体調不良も同じ。だが、私は五月場所に続いて、二場所連続の勝ち越し(4勝3敗)を決めた。

ただ、一年目と違う所と言えば、筒井が序ノ口優勝したと言うことである。そして、この優勝が思わぬ事件を巻き起こす。
五月場所は負け越して序ノ口に残留していた筒井が6勝1敗の成績で見事優勝を果たす。彼の優勝を筆頭に、この年の名古屋場所は鷹野橋部屋勢は軒並み優秀な成績で終えた。優勝者にはNHKの相撲中継内でインタビューがある。当然筒井にもインタビューがあった。そのインタビューであるが、所々マヌケな部分もあったのだが、何とか無難に終えたのであった。全体的に成績優秀であったので、千秋楽の打ち上げも祝賀ムードが漂っていた。

事件は東京に戻ってから起きる。
たとえ序ノ口とは言え、優勝者は歴史に名を残すし、全国のお茶の間にインタビューが流れるので、一過性であっても相撲ファンの間では有名人になる。当然筒井もそうだ。
筒井はルックス的には田舎の男子中学生と言う感じで、冴えない感じではあるが、一部のマニア女性にはもてはやされそうな雰囲気も持っている。そして、インタビューを見たと思しき、「一部のマニア女性」の内の一人から筒井にファンレターが届いたのだった。ファンレターとは言え、個人に届いたプライベートな手紙である。たとえ弟弟子の物とは言え、勝手に見ていい物ではない。しかし、部屋の中では取り分け陽気でお調子者の兄弟子秋山さんと永井さんがちょっかいをかけていたのである。もし私に届いた物であれば、兄弟子相手でも易々と見せることはしないであろう。だがここはちょっと知能指数低めの筒井。秋山さんと永井さんと一緒になって下品なヘラヘラ笑いを浮かべながらそのファンレターを開封、三人で読み始めたのだ。
一体三人ともどう言う神経をしているのであろうか?差出人の立場は一体・・・。私も近くにいたが、我関せずと言う感じで無視を決め込んでいた。そもそも他人に届いたファンレターなどには興味はない。
そのファンレターには差出人の住所と氏名が書いてあった。住所は失念してしまったが、どうやら若い女性であったようだ。そして、秋山さんと永井さんが筒井に返事を書くように煽っていた。筒井も大乗り気で、手紙を書くための道具一式をどこからともなく買い込んできた。

さてさて、これが三人の愚行の始まりであった。

筒井は返事を書き始めていた。なぜかその傍らには秋山さんと永井さん。返事は何と書いてあったのかは知らないが、筒井曰く、写真を送るようにと言うことと、電話番号を教えるようにと書いたと言う。間違いなく秋山さんと永井さんが焚きつけたのだろう。筒井も明らかに調子に乗っている様子であった。そしてその手紙はポストに投函されたようだった。

数日後・・・。返事が来たようである。
開封された封筒の中には、手紙の返事と、三人の思惑通り写真が一枚入っていた。手紙は見ていないが、写真は見せてもらった。その写真には、女性が一人写っていた。タイプ的には美形とは言い難いが、色白ポッチャリ系で、決してブスでもない普通の女性であった。しかし、三人の女性評は厳しく、秋山さんか永井さんのどちらが言ったかは忘れてしまったが、
「ブスじゃねーか!」
と言う、とんでもない暴言が発せられた。自分たちの方から写真を送れと言っておいて、何たることであろうか。本人が近くで聞いていたら自殺しかねないコメントである。女性の気持ちを虫ケラを殺すように踏みにじる暴言だ。
手紙には電話番号まで書いてあったようである。さらに悪ノリした二人は、何日か後、彼女に電話したようである。当然ながら電話ファンレターを受け取った本人の筒井がかけた。その傍らにはやはり当然のように秋山さんと永井さんが。私は電話のやり取りは遠くから聞いていただけなので、最初から最後までの内容は忘れたが、雰囲気的に女性をからかっていたのは容易に想像できた。筒井がしゃべっている横で、二人の兄弟子が何やらコソコソ言っている。まともな電話のやり取りにはとても聞こえなかった。
そして数分後、私は電話を切った筒井に、
「何て話したんだ?」
と聞いてみた所、
「「処女ですか?」って聞いたら、「ひどい・・・」って泣いてました。あはっ♪」
と言う、ほぼ予想通りの答えが返ってきた。あまりにひどい暴挙である。焚きつけた二人の兄弟子も悪いが、筒井自身も同調していたので同じことだ。少なくとも一人のファンの心を深く傷付けてしまったあまりに軽率な行為である。

今思い出しても気分が悪くなる出来事であった。

だが、この話には後日談がある。
どうやらこの女性、他の部屋の力士と付き合っていることがひょんなことから明らかになった。つまり、筒井の特定ファンではなく、いわゆる「相撲ギャル」であったそうなのだ。
そして、今回の事件が彼氏の力士の耳に入ったらしく、
「そいつブッ殺してやる!」
と、筒井に相当な怒りを覚えていたそうで、筒井はしばらく顔面蒼白で怯えながら生活していた。自業自得。
結局は筒井にも二人の兄弟子にも何の報復もなかったようであるが、繰り返してはならない行為であることは間違いない。

ちなみにこの筒井、決して利口とは言えない知能の持ち主である。
ある時は寝小便をしてしまい、みんなが起床した時に、
「小便しかぶりました・・・。」
と言い、途方に暮れていたこともあった。寝小便と言っても、見るとごく小さいシミが一ヶ所あっただけで、寝小便と言うレベルではなかった。何も言わずに隠していれば分からなかった物を、上記のようにわざわざ自己申告してしまい、その日以来、兄弟子連中に「しかぶり」と言うアダ名を付けられたのであった。ちなみに「しかぶる」と言うのは、九州弁で「漏らす」と言う意味らしい。
そしてまたある時は、二層式の洗濯機の使い方が分からず悩んでいたこともあった。
ちなみに、筒井の姉は英之助さんと結婚、現在は別れてしまったようだが、筒井は一時期英之助さんの義理の弟であった。英之助さん曰く、現在でも力士時代と大して変わらないようで、仕事も長続きせず職を転々としているそうである。一時、寿司職人として働いていた時期もあったようだが、あっさりと挫折したとのこと。

さて、何やらグダグダになってしまった感のある「存在自体が冗談のようなブログ」並びに「大相撲セキララ回顧録」でありますが、なかなか更新ペースが遅く、ご迷惑をおかけしております。
できるだけ早く更新できるように頑張りますので、懲りずにお付き合いのほど、よろしくお願いします。

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