「検査不要と医師が判断」 谷本石川県知事、死亡後 陽性判明に

2020年12月9日 05時00分 (12月9日 11時30分更新)
 死後に新型コロナウイルス感染が確認された金沢大准教授の男性=当時(42)=がPCR検査を希望しながら受けられなかったことについて、石川県の谷本正憲知事は八日、「コロナ特有の症状が出ていなかったので、検査は必要ないと医師が判断した。お気の毒だが、誰を責めるというわけにはいかない」と話した。県庁で記者団に語った。
 知事は「(准教授が)県発熱患者等受診相談センターに相談して、診療機関を紹介されたようだ」と述べた。
 症状のある人は積極的にPCR検査するよう、県から県医師会に言うべきでは、と記者団から問われると、知事は「全ての人を検査しようと言ったら、医師会は拒否すると思う。本来の仕事ができなくなる。コロナ特有の症状がある人、となってくる。すべて検査すると、県医師会の機能がパンクする」とした。
 金沢市保健所によると、准教授のコロナ感染判明後、受診していた医療機関などから聞き取り調査をしたという。濃厚接触者がいれば対応が必要になるためで、保健所は聞き取り調査で得た准教授の受診日時、症状などについて県に報告し、情報を共有したという。
 准教授が受診相談センターにPCR検査を受けたいと伝えたことについて、県健康推進課は「個別の案件は把握していない」と四日時点で本紙の取材に答えた。県によると、センターでは名前を言わなくても相談に応じており、相談者の名前を把握していないケースが一般的だという。准教授が電話して、PCR検査を希望したかどうか確認できないとしている。
 県によると、センターには十月三十日の開設から十二月六日までに二千百五十六件の相談があった。
 遺族らによると、准教授は十一月二十日に三九度台の発熱があった。二十一日に医療機関を受診し、その日に受診相談センターに電話でPCR検査を希望。二十四日に再び同じ医療機関を受診していた。

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