12月の本#トレンドまとめin2020

本の感想・レビューが集まる日本最大級の書評サービス読書メーターで、2020年10月-11月にアクセスが増加した本を紹介!12月公開の映画や2020年社会現象となった『鬼滅の刃』の最終巻、外伝など。一部作品には試し読みも。

*感想・レビューはネタバレを含む投稿を除き、ナイスが多い順に自動で表示されます。

注目のできごと

2020年全米図書賞 翻訳文学部門に柳美里『JR上野駅公園口』

#全米図書賞 翻訳部門 2020
JR上野駅公園口 (河出文庫)
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rui

昭和八年生まれの主人公が目まぐるしく変化する時代に取り残されて。持つものと持たざるもの、光と闇のように対極なはずの生と死が過去と現在へ何度もループしてゆく。わたしは確かにこの本を読んでいるのに目を閉じて雑踏の音を聞いているような感覚に陥る。それでいて目の前を通りすぎる無数の靴はいくつもの音を響かせているのが見えているような。なんとも苦しく不思議な物語。強烈な余韻を噛み締める。

ナイス ★46

mio217

天皇陛下と同じ年に生を受けた福島出身の主人公。家庭を持ちながらも生きる事に慣れる事ができず、何故、彼は東京・上野公園のホームレスとなったのかー。主人公の余りにも空虚な人生に、何も感想が出ない。それ程、全身に重くのしかかる。1960年皇太子誕生に続き東京オリンピック開催、華やかに変貌しようとしている日本の中心地。その奥底で居場所を無くす人達。上野公園のホームレスは東北出身者が多いのだとか。現在、南相馬に居住する著者。本の終幕は、東日本大震災や原発により職と行き場も無くした人達と、上野のホームレスが重なる。→

ナイス ★39

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#映画 罪の声 原作
罪の声 (講談社文庫)
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ヴェネツィア

塩田武士は初読。本書は1984年~85年にかけて起きた「グリコ森永事件」の資料を駆使して、あり得たかもしれない事件の真相、あるいは犯人像を描き出そうとする試み。文章・文体はけっして練達したものとは言えないが、真摯に向かい合う姿勢は好感も持てるし、また成功をもたらしてもいるだろう。構成上も工夫が凝らされており、例えばプロローグの置き方や、当事者(かも知れない)の甥と新聞記者の2方向から事件の解明に向かう手法などは他にあまり類を見ないもの。そして、何よりもいいのはその視点の暖かさと、他者への信頼とである。

ナイス ★787

ミカママ

昭和のアイコンである未解決事件の真相を、フィクション仕立てにした作品。新聞記者と、犯人側の身内が二本立てで追うという視点と、犯人の目的の多様性が、残念ながら読み疲れを起こさせる。関西弁で飄々と進む構成は好き。ことに新聞記者の鳥居がいい。こういう頭も会話もキレッキレな男子、クラスに一人はいるんだよな(笑)事件の内容はほぼうろ覚えだが、阪神の優勝は覚えてる。当時の彼がファンだったので。

ナイス ★627

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#そしてバトンは渡された 映画化
そして、バトンは渡された (文春文庫)
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じいじ@衣替え・減量中。

まずもって17歳の主人公・優子が、親の勝手な都合で次々に両親が代わっていく。それなのに、ますます磨きがかかる、優子の天真爛漫さに違和感を覚えながら読み進めた。中・高校生ごろは多感な時期、普通なら拗ねたり、ぐれたりしても不思議でないところだ。だんだん読み手は、素直で明るい優子の性格、行動に魅せられて引き込まれていきます。そして彼女が伴侶をもつエンディングがクライマックスで感動です。心温まるステキな物語です。納得の「本屋大賞」受賞作です。

ナイス ★147

ponpon

2019年本屋大賞受賞作。3人の父と2人の母がいる少女・優子。血の繋がりは無いものの各人各様の愛情を受けた彼女が、伴侶とともに新しい人生を歩み始める迄の物語。奔放で行動力ある梨花さん、ピアノ習得と金銭支援を惜しまない泉ヶ原さん、ちょっとずれているけど惜しみ無く愛してくれた森宮さん。そして愛情に感謝し素直に育った優子自身。各人とも自分の役割を精一杯こなし、次に繋げる。特に森宮さんの行動は凄いのひと言。そして、唯一の優子以外の視点で語られるエンディングは涙腺崩壊です。大満足の1冊で、本屋大賞受賞も納得。

ナイス ★121

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#鬼滅の刃 最終回
鬼滅の刃 23 (ジャンプコミックス)
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海猫

詰めに詰めても、なかなか倒せない鬼舞辻無惨のしつこさ。登場人物たちとシンクロして「死んでくれ頼む」と叫びたくなった。このラストバトルのくだりはかなりジョジョの、特に2部の影響を感じる。完璧な究極の生物、とかね。だけど作品の方向性は違うので屹立したオリジナリティーがあった。大枠のストーリーの畳み方も、この作品特有のもので大いに感じいる。メッセージ性も素晴らしく思う。また1巻から読み直そう。アニメもこの最終巻まで映像化されると思うので、「鬼滅の刃」との関わりは終わっていない。とにかく、完結までお疲れ様でした。

ナイス ★258

柏バカ一代

終わったね。。終わった。多くの人が犠牲になったし、多くの人が傷を負って後遺症も残った。それでも時が経って平和な世の中になった。良かった、良かった。

ナイス ★196

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#鬼滅の刃 外伝 煉獄さん
鬼滅の刃 外伝 (ジャンプコミックス)
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海猫

外伝は絵が本編より劇画チックなんだけれど、雰囲気や演出を上手く寄せてあり、あまり違和感がない。特に擬音の描き方は良い感じにラーニングしているんじゃあないでしょうか。「冨岡義勇伝」はなんとなく「ゴールデンカムイ」を連想してしまった。犬に、齧られながら冷静に喋ってる場面が妙に可笑しい。「煉獄杏寿郎伝」の方が、煉獄さんのキャラを掴んでいて生かしている感じ。最近、映画の無限列車編を観てきたとこだったしね。4コマ漫画の「きめつのあいま!」は頭身の低いキャラがポップ。ギャグとしては軽いおちゃらけを楽しめるぐらいかな。

ナイス ★97

眠る山猫屋

水柱と炎柱、それぞれが少しずつ変わっていく様が描かれた外伝。冨岡義勇は他者(竈門兄妹)によって、煉獄杏寿郎は自らの意志により前を向いて進む一歩を踏み出す。こうしたエピソードは本編補完的に非常に面白い。小説版も読んでみたくなる。ところで本編最終巻と同時発売とは、大人の事情なのか?ちょっとずらしても良かったのでは?本編の余韻が強すぎるので・・・。

ナイス ★65

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#中条あやみ 閻魔堂沙羅の推理
閻魔堂沙羅の推理奇譚 (講談社タイガ)
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nayu

事件の被害者が探偵役という役回りで話を回すミステリー。      自分を殺したのは誰だ?    今ある情報だけで推理できる。     制限時間は10分。      なかなかに親切で丁寧なミステリだった。

ナイス ★91

た〜

新刊の方を先に読んでしまってよかったのでこちらも。後先入れ替わっても全く問題なし。しいて言うなら閻魔大王なのに健康診断な理由が後から成る程。閑話休題。面白さは新作同様、でもいい話という点では断然こちらが上。特に82歳無職・老衰の話では涙腺崩壊 でも、沙羅ちゃんの黒さでは新刊に分があるかな。

ナイス ★83

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#9年ぶり ハルヒ新刊
涼宮ハルヒの直観 (角川スニーカー文庫)
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不自他

内容より気になったのが『ハルヒ』を続ける気があるかどうか。あとがきで作者が自身を指した『怠惰』という言葉は裏を返せば「続きを書く意思が残ってる」とも言える。また、『鶴屋さんの挑戦』を書き下ろせる執筆力があるなら現役作家として健在と言えるだろう。一区切り付いた『驚愕』の続きは執筆が難航しそうだけど気長に待ちたい。何なら次作も短編集で構わないけど今度はSF要素を所望したい。 #ニコカド2020

ナイス ★36

星野流人

いや〜〜〜俺の好きなハルヒが返ってきましたね! 久しぶりの新刊となる今回は短編集で、SOS団のちょっとした日常を覗き見できるエピソードばかりでとても楽しかったです。「あてずっぽナンバーズ」はみんなの可愛らしい着物姿が堪能できて良かったです。「鶴屋さんの挑戦」は鶴屋さんから送られた怪文書の謎を解く中編で、ミステリ好きならたまらない要素がたくさん盛り込まれていて楽しく読めました。直観全編通して古泉くんが楽しげだったり、長門がチャーミングだったりと、久しぶりに会えたSOS団のみんながとても愛おしく思えました。

ナイス ★35

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#キングコング西野 絵本 映画
えんとつ町のプペル
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starbro

幻冬舎刊で有名人作家(お笑い「キングコング」の西野亮廣)の作品ということで、各書店がプッシュしていたので、興味を持って読みました。にしのあきひろ、初読です。欧羅巴の作家かと思うほど濃密な絵で、話の内容と反比例で美しく緻密な絵が素敵です。いじめっ子、いじめられっ子の両方に読んで欲しい内容、こういう絵本でイジメ教育、英語(日本語とW表記)教育を行ったら、良いのではないでしょうか?

ナイス ★499

mitei

絵も綺麗だし、シナリオも泣かせる話で良かった。懐かしい匂いの正体がわかったとこで感動した。

ナイス ★266

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#私をくいとめて 原作
私をくいとめて (朝日文庫)
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kana

なにこれわたし?と思うことがありすぎてにやにやしちゃう。この現代的都会的な人物描写、大変好みです。30過ぎて仕事もそれなりに認められて、1人で過ごす毎日もそこそこ充実してきて、自分の中の別人格Aに小さな悩みを相談するみつ子。ほんのりいい感じの人はいてもこのままの関係でもほどほどに幸せだからいいかなーと思う。裏返せば劇的な変化に対応する自信がない。他者との深い関わりで傷つくのが怖い。この静かなピンチをみつ子はどう乗り切るのか。私をくいとめる何かは現れるのか。綿矢さん芥川賞作以来でしたがすごくよかったです。

ナイス ★63

アマニョッキ

すごく面白かった!綿矢さんこういう作品も書くんだ!おひとりさま力高めのみつ子と脳内みつ子Aとのやりとりも、職場の先輩ノゾミさんとのやりとりも、油断すると吹き出してしまいそうなぐらい面白かった。「今日も他人の会話で心が重いぜ…」と嘆くみつ子。めっちゃわかる!ほんとそれ。「脳ミソの一番太い芯がファァーと甘くゆるんで、リラックスできる脳波が流れる」というノゾミさん。うんうん、推しは本当に尊いっすよね。これまで読んできた綿矢さん作品のなかでかなり上位で好きかも。わたせせいぞうさんの表紙の魅力ももれなく。

ナイス ★61

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#アニメ映画化 ジョゼと虎と魚たち
ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)
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ヴェネツィア

以前に芥川賞作の「感傷旅行」を読んで、もう読むこともあるまいと思っていたのだが、小川洋子さんのご推薦で本書を手にすることになった。田辺聖子さん、ごめんなさい。貴女のことを過小評価しておりました。9つの短篇からなる、この小説集はほんとうに素晴らしい。9篇の物語は、男女の対幻想を女性の側から語っているのだが、いずれの相手も、幾分情けない大阪男なのだ(「うすうす…」と「雪の…」はちょっと例外)。このあたりは大阪出身の織田作之助『夫婦善哉』の伝統の継承者たる面目躍如たるもの。通俗的な文体もある意味では効果的だ。

ナイス ★488

おしゃべりメガネ

田辺先生作品、意外?にも初読みでした。いいですねぇ~、関西丸出しの雰囲気が適度なスピード感&テンポを保ち、ほのぼのとしたアットホームな空気をさりげなく醸し出し、そして何より人間味が溢れ出ているステキな短編集です。悪い意味ではなく、あまり深く考えず、そして構えるコトなく読み始めて、そのままのリラックスした姿勢で読了できるのはありがたいです。表題作は映像化もされており、妻夫木君が若いころの作品ですが、また観たくなりましたね。表題作以外にも田辺さんのスタイルがぎっしりと堪能できる珠玉の素晴らしい作品でした。

ナイス ★197

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#無能なナナ アニメ原作
無能なナナ(1) (ガンガンコミックス)
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mitei

いきなりの展開に驚く場面が多々。流石るーすぼーいだなと思った。なるほどそういう世界観なのかと面白く読めた。あのタイムスリップする人がどうして殺したのかが、はっきり分かりにくいかなぁ。

ナイス ★207

wata

天然の空気読めない女の子のラブコメかと思いきや…怖いじゃん!!想定外でした(((((゜゜;)

ナイス ★44

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#小林泰三 デビュー作
玩具修理者 (角川ホラー文庫)
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nanasi

表題作を含め短編が二つ収録されています。カバーデザインはT.KITAHARA COLLECTIONです。井上 雅彦さんが解説をしています。個人的には「酔歩する男」が面白かったです。

ナイス ★167

nobby

なかなか気持ち悪くも興味深く読んだ後は、周囲に疑心暗鬼を生ずるばかり…表題作「玩具修理者」は、40頁程のボリュームながら結構グロく不可思議でいて、最後にゾクっと落とす切れ味は抜群。もう一編「酔歩する男」はいわゆるタイムリープ物だが、その事象への憧景を徐々に躊躇へと変えさせる恐怖は見事だ。その時間や意識といった概念の理論付けを完全理解するには至らないが、それでも実在と不実在、波動の発散と収束、原因と結果などの関係性は体感出来たつもり(笑)明朝、目を覚まして見るのは虚構あるいは現実か、不安ながらも目を閉じる…

ナイス ★146

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#女子刑務所 美容室
塀の中の美容室 (双葉文庫)
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鉄之助

タイトルから想像したのとは違い、軽~い物語。表紙のイメージ通りだった。刑務所の中にある、一般の人も利用できる「あおぞら美容室」。受刑者だけでなく、そこに通ってくる利用客たちにスポットを当てた。テーマは面白い、と思う。が、冗長な会話文が延々と続き、チョット飽きてしまった。刑務官が、気軽(?)な感じで、話しかけてくるのも、違和感。

ナイス ★339

三代目 びあだいまおう

結論すごく良かった!最後に泣いた❗小説を読んでいると時々、登場人物を本気で応援したくなることがある。成功者や英雄譚などは完全客観的に物語自体を楽しめるのですが、たまに感情移入しすぎて、主人公やストーリーシーンをリアル私生活と捉えてしまう。読前は刑務所内の美容室に受刑者達が髪を切りに来て、罪や後悔を語るストーリーかと。違った。刑務所内の、普通の客が訪れる美容室、美容員自身が受刑者!失敗や後悔は誰にもある。明日への希望を失うことも。確かに過去は変えられない。でも未来は変えられる!頑張れ!幸せ掴むんだぞ‼️🙇

ナイス ★309

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