[パリ 7日 ロイター] - フランス政府当局者は、先月末に小売店の営業が再開されて以降新型コロナウイルス感染者数の減少ペースが鈍化しており、来週予定している一部のロックダウン(都市封鎖)緩和を延期せざるを得ない可能性があると指摘した。
マクロン大統領は緩和の初期条件の1つとして、1日当たりの新規感染者数が5000人を下回ることを基準として設定。これが満たされると、規制が夜間外出禁止に緩和され、映画館や博物館の再開が許可されるほか、外出証明書携帯の必要がなくなる。
しかし現状では、1日当たりの感染者増加ペースが1万─1万2000人で高止まりし、条件達成には程遠い状況。保健当局者は、増加ペースが再加速するリスクも依然高いとしている。
ある政府筋は、高止まりは11月28日の店舗再開と関連があると指摘。「(一部緩和が予定されている)12月15日までに期待した状況には到達できない」とし、人々に油断させないことが絶対に必要と述べた。
そのうえで、政府は15日に予定していた劇場と映画館の再開を中止し、夜間外出禁止の開始時間を先に実施した午後9時より早めることを検討すると付け加えた。
他の欧州諸国でクリスマスシーズンに向けて封鎖を緩和したり規制緩和を検討する動きが相次ぐ中、フランスの対応は教訓になる可能性があるとみられている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」