南房総市職員 官製談合容疑 工事4件、落札率99%前後 市長「市民に深くおわび」

2020年12月10日 07時29分

職員の逮捕を受け、おわびのコメントを読み上げる南房総市の石井裕市長(左)=南房総市岩糸の丸山公民館で

 南房総市発注の公共工事を巡り、市教育総務課学校再編整備室の平野孝夫容疑者(45)が官製談合防止法違反容疑で逮捕された事件では、逮捕容疑となった工事四件は予定価格に対する落札率が99・75〜98・94%と高かった。市は九日、丸山公民館で緊急会見を開き、石井裕市長は「誠に遺憾であり、市民の皆さまに深くおわびする」と陳謝した。 (山田雄一郎、山口登史)
 四件は、市立小中学校の防火設備や外壁、門扉の改修工事の一般競争入札。いずれも平野容疑者が所属する教育総務課が発注し、予定価格は百六十万〜六百三十万円(税別)だった。最も落札率が高かった工事は百六十万円の予定価格に対し、落札価格は百五十九万六千円とわずか四千円の差だった。
 市によると、平野容疑者は一九九四年に旧三芳村で採用された。合併後の南房総市でも技術職として公共工事の入札に関わり、二〇一五年四月から学校再編整備室で勤務していた。
 市によると、県警は九月から平野容疑者をはじめ複数の職員への任意聴取を行っていた。市の聞き取りに対し、平野容疑者は「やっていない」と事実関係を否定したが、体調を崩して何度か休みを取ることがあったという。
 公競売入札妨害容疑で逮捕された渡辺建設工業社長の内藤正弘容疑者(61)について、平野容疑者は「飲食店で時々会っていたが、会計は別々に分けていた」と市に説明していた。二人とも旧三芳村時代からの付き合いという。
 会見で石井市長は「市政の信頼を損なうことにつながり、大変残念」と話した。石井市長によると、内藤容疑者は後援者の一人で「とてもまじめな方。(逮捕に)私も驚いている」と述べた。

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