日米の主流メディアの大半はジョー・バイデン氏の大統領当選を確実として、次期バイデン政権の閣僚人事など政権移行チームの動きを追いかけ続けている。
そのため多くの人々は、米大統領選はすでにバイデン氏勝利で決まりであり、いまだに敗北を認めようとしないドナルド・トランプ大統領の姿勢を「往生際が悪い」「悪あがき」「潔くない」と反発・嫌悪感を感じているようである。
トランプ大統領に先駆けて「勝利宣言」を行ったバイデン氏も、トランプ氏が敗北認めないのは「恥ずかしい」と批判している。
また、多くの人々は、「今回の大統領選挙では大規模な不正が行われたため、トランプ勝利の票が違法な操作によって盗まれた」というトランプ陣営の訴えを、「明確な証拠がない陰謀論」「フェイクニュース」として切り捨てる日米の主流メディアの影響を受けてか、そうした訴えに耳を傾けようとする人々はごく少数のようである。
この背景には、「11月3日の大統領選の開票結果によると、バイデン氏は全米で選挙人306人を獲得、勝利に必要な過半数の270人を大きく上回った。トランプ氏は232人にとどまった。また得票数でもバイデン氏は8000万票を獲得して7400万票のトランプ氏よりも600万票余り上回った」とする選挙報道を鵜吞みにして「思考停止」に陥っている状況がある。
また、バイデン陣営がこの間「安全保障政策やコロナ対策で重大な支障が生じる」「新型コロナウイルスのワクチン供給計画に関する情報も得られていない。人命にかかわりかねない事態だ」と批判して強く要求してきた政権移行手続きを米連邦政府の一般調達局(GSA)のマーフィー長官が11月18日にようやく許可してトランプ大統領がそれを追認した、という主流メディアの最近の報道によって「バイデン次期大統領」「バイデン政権」が「既成事実化」する「世論誘導」がなされてきたことがある。
マーフィー長官は同じ記者会見で、「自分や家族、スタッフだけでなくペットに対しても身の安全に関わる脅迫を受けた」と明らかにしたことや、トランプ大統領がマーフィー長官たちの身の安全を考慮して政権移行手続きの「一部だけ」を容認したという経緯を、なぜか主流メディアはほとんど報じなかった。