福嶋です。
さて、取り急ぎ解答しておきましょう、、、
第四問
あなたは、会社の税務全般に関わり、無駄な経費を削減しながら節税することを得意とする税理士です。今回、クライアントであるA社の社長より紹介してもらった製造業のB社の社長に初めて訪問します。現在B社には、先代より付き合いの続く税理士が入っていますが、今回の紹介を機に変更できるかも知れないチャンスです。
さて、まずは気に入ってもらう必要があります。名刺交換の後にどういった会話を投げかけることで、永く付き合いのある相手からあなたに変更してもらうチャンスを勝ち取ることが出来るでしょうか?次のA〜Dの中から選んでください。
A 今までの実績と成果をあげ、自分と付き合ってもらうことによるメリットを押し出す。
B 現状の税理士がB社とどういうお付き合いをしているかを聞き出し、それよりもサービスのいい所を押し出す。
C あなたを紹介してもらったA社の話をしながら、共通の話題で仲良くなる。
D 事前に出来る範囲で調べていた内容に基づき、B社に対して税務面での提案をする。
《解答》
引っ掛け問題といいますか、実は全部正解です(なんやそれ!ですよね)。
全部正解というより、「全部使う」 が正解です。
紹介案件などで、先方にアプローチする時に、A〜Dの解答はすべて必要です。ごく当たり前に。
ですが、今回重要なのは、その「順序」。
いきなり、「僕、◯◯という実績を持ってますから、絶対役に立ちますよ!」というAを持っていくほうがスムーズな場合もありますが、それはズバリ、◯◯という実績を求めている人である場合のみです。通常、こういうスタンスで来られると先方は気を使います。
では、Bの今までのお付き合いはどうだったかを直ぐに聞き出すのは、先方は、紹介者の手前答えないといけなく感じて答えてくれるとは思います。しかし、初対面でいきなりガッツリ営業された感をもの凄く残し、良いお付き合いに発展しない可能性がありますね。
Cはというと、当然、これを経てからでないと前に進まないので、今回の正解を1つ上げろというとこれになります。仲良くならないと仕事もうまくいきませんね。まして、税務という相手を丸裸にさせる仕事なので、信頼をまず掴みとる必要があります。そういう面でも、周りくどく感じるかもしれない世間話は絶対にあっていいものだと思います。
では、Dはというと、これも大切な事です。しかし、いくら紹介していただいたとは言え、すぐに提案するのは、これもまた、ガッツリ来られた感を残してしまい、長いお付き合いの一歩目としてはあまり褒められた行為ではありませんね。
では、どうする?
私の思う順序は、
1.事前準備としてDの提案するところまでを作っておく。
2.まずは、相手との距離感を作り上げる(より近くなる)為にCの世間話をする。
3.Cでいい感じになったなと思ったら、Bの今までのお付き合いを聞いてみる。
3’.Cで自分がどんな事を今までしてきたかを問われたら、Aの今までの事を話す。
4.最後に、事前に作っておいたDの提案を時間が許せばしてみる。
の順番に、すべて大切な行為となります。
ただし、焦ってはダメです。世間話で今回は終わりそうなら、次回もう一度会う約束をとりつけ、そこで次回は、良い提案を持って打ち合わせに望みたいというこちらの気持ちを添えておきたいところですね。
何度もいいますが、税務という、相手に丸裸になってもらわないと行けない職務である以上、焦ってガッツリ営業してしまうと引かれます。経営しているといろいろ不安な事やあまり表に出したくない事も必ず持っているという事を意識して、「ジワリとあとから効いてくる」アプローチを取る行為がいいのではないでしょうか。
営業というフレーズを1つとっても、相手の状況や自分の業種によって、アプローチの仕方が随分変わりますね。だから、営業はおもしろい。
「最強の営業になるために」