新型コロナ対策、トランプ氏と対立の感染症権威が続投へ バイデン氏、100日間のマスク着用を呼び掛け
2020年12月4日 22時27分
【ワシントン=岩田仲弘、白石亘】バイデン次期米大統領は3日、CNNテレビのインタビューで、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームの中心人物だった国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長を新政権でも引き続き同じ立場で起用し、感染対策への助言を求めることを明らかにした。また、率先してワクチン接種を受ける考えも示した。
ファウチ氏はレーガン元大統領以降の共和、民主両党の歴代大統領に助言してきた感染症研究の権威。だが、マスク着用を強く提唱すると、経済再開を急ぐトランプ大統領との関係が徐々に悪化した。
トランプ氏は8月、感染症は専門外にもかかわらず、多くの人が感染して免疫を持つことで社会全体の抵抗力を強めようとする「集団免疫」を提唱するスコット・アトラス氏を特別顧問に任命し、ファウチ氏の代わりに重用していた。アトラス氏は今月1日付で辞任している。
◆ワクチン接種の様子、公開も視野
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、米国では3日、1日の新規感染者が21万人、死者が2800人を超えた。バイデン氏は就任後100日間、国民にマスク着用を強く呼び掛ける考えを表明。「永遠ではない。100日間だけでも着用すれば感染者を大幅に減らすことができる」と訴えた。ワクチン接種についても「ファウチ氏が安全と言えば、公の場でそう伝える」と述べ、接種の様子を公開する考えも示した。
バイデン氏はまた、ホワイトハウスで経済政策の調整に当たる国家経済会議(NEC)の委員長に、オバマ政権時代に地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の交渉で主導的な役割を果たしたブライアン・ディーズ氏(42)を起用すると発表した。
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