コロナワクチン、歴代の米大統領3氏が接種を表明 国民に抵抗感「チップ埋め込まれる」と陰謀説も
2020年12月4日 22時52分
【ニューヨーク=杉藤貴浩】新型コロナウイルスワクチン普及への期待が高まる中、米大統領経験者のオバマ、ブッシュ、クリントンの3氏が、公の場でワクチンを接種し、感染抑制を後押しする意向を相次いで示した。背景には、米国民の半分近くが接種に抵抗感を持ち、ワクチンが宝の持ち腐れになりかねない現状がある。
オバマ氏は2日の米ラジオのインタビューで「私が科学を信頼していることを人々に示すため、テレビの前で(ワクチンを)接種しようと思う」と表明。積極的なコロナ対策を訴えトランプ大統領と対立する国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長の名を何度も挙げ、「私は彼を完全に信頼している」と擁護した。
ブッシュ、クリントン両元大統領も進んでワクチン接種を受ける意向を公表。ロイター通信によると、クリントン氏の広報担当者は「もし公の場で接種することで国民にワクチン接種を促せるなら彼はそうする」と明かした。
◆ワクチン、安全性に懸念
大物3人のアピールには、ワクチンが無償で普及しても多くの国民が接種を拒否すれば感染が収まらないという危機感がある。
米調査会社ギャラップの先月のデータでは、普及後に接種すると答えたのは58%。9月の50%からは上昇したが、多くが急な開発による安全性確保に懸念を示した。とりわけトランプ氏の共和党支持者では接種希望は49%にとどまった。
一部には「ワクチン接種すると体内に微小のチップを埋め込まれ、追跡される」という偽のネット情報を信じている人もいるとされ、正確な情報周知も急務となっている。
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