光市母子殺害、再審認めず確定 最高裁

1999年の山口県光市母子殺害事件で殺人や強姦致死などの罪に問われ、死刑が確定した大月孝行死刑囚(39)の再審請求について、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は、弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。再審開始を認めない判断が確定した。7日付で、5人の裁判官全員一致の結論。
大月死刑囚は事件当時18歳1カ月。一審山口地裁、二審広島高裁は無期懲役としたが、最高裁が2006年に「年齢は死刑回避の決定的事情とまでは言えない」と破棄した。差し戻し審で広島高裁は08年、死刑を言い渡し、12年に最高裁が上告を棄却し、確定した。
弁護側は確定判決が認定した殺害行為と、現場の状況が一致しないなどとして「殺意はなく、傷害致死罪にとどまる」と12年に再審請求した。広島高裁は15年10月、弁護側の意見書や鑑定書について「より軽い罪を認めるべき明らかな証拠とは言えない」と判断して請求を棄却し、19年11月に異議も退けた。
決定で最高裁は弁護側の主張について「単なる法令違反、事実誤認の主張で、抗告理由に当たらない」と指摘し、詳しい理由は示さなかった。
確定判決によると、99年4月、光市の本村洋さん(44)宅に乱暴目的で押し入り、妻、弥生さん(当時23)と長女、夕夏ちゃん(同11カ月)を殺害した。〔共同〕