視線計測の匠が考える、ながらスマホを減らすための3つの方法
ながらスマホの危険性がこれだけ叫ばれているにもかかわらず、なかなか浸透しないのはなぜだと思いますか?
私は、ながらスマホを減らす方法は3つあると考えています。
その1. ユーザーのマナー・モラルの向上
歩きたばこは、条例ができてから10年ほどかけて浸透し、今では路上でタバコを吸いながら歩いている人をほとんど見かけなくなりました。ながらスマホも、ユーザーのマナー・モラルが向上すれば、徐々に減っていくと思います。
その2. 通信事業者共通の活動
通信事業者が一体となって「ながらスマホ」防止の活動をより積極的に行うこと。啓蒙活動やキャンペーンに加え、歩きながら使うときはロックをかける仕様についても検討を開始すべきかもしれません。
その3. 条例や法律による、ながらスマホ規制
車や自転車は、道路交通法でながらスマホが規制されていますが、歩行中に関しても条例や法律を設けるべきだと思います。ただし、例えば渋谷のスクランブル交差点のように人通りの多い場所で、誰がどう取り締まっていくか考えると、いまいち実効性に乏しい…。
そうすると、1つ目か2つ目が現実的な解決策といえるでしょう。通信事業者は社会的責任として、ながらスマホの防止策を進めていくべきだと思います。位置情報を正確に測れるGPS(衛星測位システム)や、加速度センサーなどの技術を掛け合わせた、ながらスマホの防止策を、できるだけ早めに進めていただくことを期待しています。
“いつものクセ”を見直すことが、「ながらスマホ」の防止策になる
ながらスマホがいかに危険であり、どうすれば防止につながるかについて、小塚先生に教えていただきました。事故は歩き慣れた道で、ある日突然起こります。自分が後悔するだけでなく、周りを事故に巻き込まないためにも、「スマホは立ち止まって操作するもの」という意識を持つことが大切です。加害者や被害者に絶対にならないでください。
脳神経科学の視点から、ながらスマホを考えるような研究も進んでいます
欧米の脳神経科学の最新研究を取材した本。その中に、スマホを操作してから運転に戻ろうとすると、正常な判断力・認識力が戻るまでに10〜15秒ほど時間がかかるという実験結果が載っています。人間はそう簡単に意識を切り替えられないということが、この実験結果からわかります。
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- ※日本語版特別付録として、小塚一宏名誉教授による解説を収録。
(掲載日:2019年11月1日)
文:佐藤由衣
編集:エクスライト
撮影:山崎悠次
「歩きスマホ」の事故を防止するために
「ぶつかってきたのは、あなた。何も言わずに立ち去るのも、あなた。」歩きスマホをすると周囲の人とぶつかるだけでなく、さらに危険な事故につながる恐れがあります。
ソフトバンクは昨年度に続き、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルおよび全国の鉄道事業者45社局2団体とともに「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施します。
駅やホームでのスマートフォン・携帯電話のご利用は、あんしん・安全に。スマホマナー向上に、ご協力お願いします。