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視界の“95%”が消える? 「ながらスマホ」の危険性を視線計測で検証

視線計測で、ながらスマホ時の視界を検証。人の意識の脆弱性が明らかに

この日は学生に協力してもらい、愛知工科大学のキャンパス内で、視線計測の実験を行いました。ながらスマホの視線計測の実験には、株式会社ナックイメージテクノロジーが販売するアイトラッキング装置を使用。人間の黒目の位置を検出し、「人がどこを見ているか?」を可視化・計測可能にする視線計測装置です。

アイトラッキング装置にはカメラが3つついており、額についている視野カメラで前方の風景を撮影します。眼前についている2つのアイカメラで黒目の動きを感知し、モニターに視線のマークを映しだす仕組みです。

愛知工科大学の学生に装置をつけてもらい、いよいよ実験スタート。まずは、歩きながらスマホを操作するときの視線の動きを計測していきます。

① 徒歩編

スマホを操作していないとき(左の映像)

視線が小刻みに動き、広く周りを見ながら歩いていることがわかります。

スマホを操作しながら歩いたとき(右の映像)

視線が一点に集中し、視界が明らかに狭まっています。すれ違う人が大人だったため避けられたものの、幼い子どもとすれ違った場合は、スマホに気を取られて存在に気づかない可能性もあります。

歩きスマホの視線

② 階段編

スマホを操作していないとき(左の映像)

かなり先の段を見て、すれ違う人に注意しながら上り下りしています。

スマホを操作しながら歩いたとき(右の映像)

視線がぐっと手前寄りになり、すれ違う人に注意を払っていないことが視線の動きからわかります。被験者の学生は「ニュース記事を読みながら階段を下りていたら、いきなり人が来たからヒヤヒヤした」と話していました。

③ 自転車編

スマホを操作していないとき(左の映像)

視線を小刻みに動かし、道の先や左右を広く見ながら運転していることがわかります。歩行者にも注意し、ぶつからないように一定の距離を保ってすれ違っていました。

スマホを操作しながら歩いたとき(右の映像)

2、3メートル先の道路しか見えておらず、視界も狭くなりがち。被験者である学生は「避けられるかどうかギリギリのところで歩行者に気づくので、かなり危険だと思った」と話していました。「歩行者が避けてくれるだろう」という期待が、大事故につながりかねません。

「ながらスマホに対して“なんとなく危ない”という認識を持っているものの、なぜ危ないのか具体的に説明できる人は少ないでしょう。科学的なデータを用いて危険性を可視化することは、ながらスマホを減らすための第一歩です。

今回の実験では、ながらスマホによって視線移動範囲が狭まる(一般的に視野が狭くなる)ことや、前から来る歩行者に注意を払えていないこと、平衡感覚を失いふらつくことが明らかになりました。多少の個人差はありますが、スマホの画面に没入することで視界が狭くなるのは誰でも同じ。自分は大丈夫という過信は禁物です」

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「歩きスマホ」の事故を防止するために

「ぶつかってきたのは、あなた。何も言わずに立ち去るのも、あなた。」歩きスマホをすると周囲の人とぶつかるだけでなく、さらに危険な事故につながる恐れがあります。

ソフトバンクは昨年度に続き、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルおよび全国の鉄道事業者45社局2団体とともに「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施します。

駅やホームでのスマートフォン・携帯電話のご利用は、あんしん・安全に。スマホマナー向上に、ご協力お願いします。

やめましょう、歩きスマホ
キャンペーン