ながらスマホでの事故が頻発する場所とその理由を教えてください
ながらスマホによる事故が発生しやすい場所はありますか?
駅のホームや横断歩道、大きな交差点、階段の上り下り、エスカレーターの乗り口と降り口ですね。朝のラッシュ時は、皆さん急ぎ足で同じ方向に歩きますよね。ところが、スマホを使っている人は30%くらい歩く速度が落ちるんです。歩行中に蛇行することもあります。ときには、エスカレーターの降り口で突然立ち止まることも…。皆が一斉に歩いている中で、誰かがそういう行動をとると、事故につながりやすくなります。
スマホで何をしているときが、最も事故につながりやすいのでしょうか?
統計は出ていませんが、ゲームやSNSの閲覧、地図アプリの操作などが考えられます。埼玉県草加市では、2017年に、地図アプリを見ていたトラックのドライバーが赤信号を無視して突っ込み、子どもをかばってお母さんが亡くなったという事故が発生しました。
2016年に愛知県一宮市で、ドライバーが運転中にゲームアプリを操作していて、横断歩道上の小学4年生を跳ねて死亡させるという悲惨な事故が起きました。愛知県西尾市でも昨年、同様の事故が起きています。ニュースやメディアでこれだけ注意喚起されていても「自分だけは大丈夫」と安易に考えて、ながらスマホをしてしまう人が多いということでしょう。
人は、同時に2つ以上のタスクを同等にできません!!!?
そもそもスマホの画面に意識が集中してしまうのはなぜでしょうか?
人間はマルチタスク(2つ以上の動作)をすると、本人が最も興味・関心のあるテーマに意識や視線が集中し、、判断に遅れが生じることもあります。運転に50%集中し、スマホの画面にも50%集中するといった器用なことは、大半の人はできません。つまり、車を運転しながらスマホを見ると、注意力が散漫になって、運転していることを忘れてしまうんです。歩きスマホも歩くこととスマホを見る、という2つの動作をするので同様ですね。
イヤホンをして、歩いたり自転車に乗ったりするときは、どれくらい視覚に影響があるのでしょうか?
「周囲の音が聴こえなくなる」といった理由で、自転車走行時にイヤホンの装着を禁止している地域は多いですが、実は聴覚だけでなく視覚にも影響が生じます。個人差はありますが、両耳にイヤホンをして自転車に乗る実験では、平均0.3秒ほど視覚認識が遅れることがわかっています。
時速10kmで走る場合、1秒間に2.8m進むわけですから、0.3秒間に70〜80cm進むことになりますね。ロードバイクなどスピードが出る自転車に乗っていれば、0.3秒で1m以上進む場合もあるでしょう。わずかな距離のように思えますが、ちょっとした認識の遅れによって、大事故が発生する可能性は否めません。
「歩きスマホ」の事故を防止するために
「ぶつかってきたのは、あなた。何も言わずに立ち去るのも、あなた。」歩きスマホをすると周囲の人とぶつかるだけでなく、さらに危険な事故につながる恐れがあります。
ソフトバンクは昨年度に続き、NTTドコモ、KDDI、楽天モバイルおよび全国の鉄道事業者45社局2団体とともに「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを実施します。
駅やホームでのスマートフォン・携帯電話のご利用は、あんしん・安全に。スマホマナー向上に、ご協力お願いします。