基礎知識
作成日:2018.08.20
意義:原告が訴えを撤回する行為のこと
(訴えの取下げ)
民事訴訟法261条1項:「訴えは、判決が確定するまで、その全部又は一部を取り下げることができる。」
(訴えの取下げの効果)
民事訴訟法262条1項:「訴訟は、訴えの取下げがあった部分については、初めから係属していなかったものとみなす。」
同条2項:「本案について終局判決があった後に訴えを取り下げた者は、同一の訴えを提起することができない。」
とあります。
原告は被告に対しての訴えを判決が確定するまではいつでも、「全部」または「一部」を取り下げることができます。
「一部」というのは、例えば、AがBに対して100万円の貸金返還訴訟を提起していた場合にその一部である50万円部分については取り下げるような場合を言います。
効果は262条1項にあるように「初めから継続していなかったものとみなす」とされているので、既判力は生じず、再び訴えを提起すること自体は可能になります。
ただし、262条2項にあるように、終局判決が下された後に訴えを取り下げた場合には、同一の訴えを提起することはできません。
裁判所が終局判決を下している以上、既判力が生じ再び同じ請求権について訴えを提起することは訴訟経済、また、被告の応訴の煩になるため認められません。
例えば、上述の例では終局判決「Aの請求は棄却する」という判決が出た後に、訴えを取り下げた場合、改めて裁判所にAがBに対する
100万円の貸金返還請求権についての訴えを提起することができないということです。
※既判力とは、前の裁判における判断内容の後の裁判への拘束力のこと
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