高年者にみられたHand-Schuller-Christian病の1例 A CASE OF HAND-SCHÜLLER-CHRISTIAN DISEASE IN AN AGED MAN
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抄録
症例は55才の男,小学校教諭. 20才ごろより右頭頂部の膨隆に気づき,再三両側の中耳炎に罹患した.約4年前より顔面,四肢等に小膿疱疹が頻発, 1年前より金身性紅斑と肝腫,リンパ節腫脹が出現,白血球増多,とくに,リンパ球増多が日立ち,皮膚科にてリンパ性白血病の疑いで精査を受けた.しかし陽性所見はなく,その後,発熱と脾腫を指摘され当科へ入院した. X線学的に右頭頂部の膨隆に一致して骨欠損像を証明し,皮膚,およびリンパ節の生検で,組織学的にHand-Schuller-Christian病と診断した.なお本例の血漿中脂質の検索では異常を認めなかつた. prednisolone, dexamethasoneで治療して,皮膚症状の著明な改善とリンパ節腫脹,肝,脾腫の縮小が認められた.
収録刊行物
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- 日本内科学会雑誌
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日本内科学会雑誌 54(3), 237-243, 1965
一般社団法人 日本内科学会