描くの疲れました。
それ程正確じゃなく何となく描いた程度のものだとお知りおき下さい。
Nicca IIIL(ニッカ 3L)は、少し珍しいファインダーです。
ハーフミラープリズムを連ねる事で、二重像とパララックス補正式ブライトフレームを同軸へ写しています。
その代わり等倍ファインダーは素通しといって良い程度になっています。
風景はハーフミラーを2回通る事と、寒色系カラーフィルターが入っている為に、まるでサングラス越しで覗いた様になりますが、二重像のコントラストが強いので暗所でのフォーカスも案外ストレス無く行えます。
ご存知の通り良質のハーフミラーは金蒸着を施されており、反射する像は暖色になります。
寒色系は色相が対となり二重像の分離が非常に良く、フォーカシングが容易になる事から、いくつかのレンジファインダーカメラはこの様な手法を取り入れています。
ある意味割り切ったファインダーといえ、この決断は成功だったと思います。
私がHEXAR RFに施した措置も同様の狙いでした。
単にコントラストの差で見るならば、Leica M3よりも二重像はよく見えます。
(当然クリアなのは0.91倍ファインダーのM3です)
基線長は実測すると46.5mm、等倍ファインダーですからそのまま有効基線長になります。
Bayonet Mount Leicaより短い基線長とはいえ、工作精度が良い為に歩留まりは意外な程良好です。
実際、有効基線長で得られるのは測距離性能であり、カメラの場合重要なのはそれを正確にフォーカスへ反映させる機械的精度及び構造です。
余談となりますが...Contaxでフォーカスを外す事がまず無いのは、基線長の長さ以上にそれを狂い無くレンズへ伝達する機構部分にあります。
独自路線を歩み始めたNiccaのファインダーは、残念ながらこのIIILが頂点で、YASHICAから発売されたYFでは、ハーフミラープリズムはただの平硝子製ハーフミラーへと置き換えられてしまいます。
が、私としてはそれほど見え方に違いは無いと感じています。