- リバーブ
- リバーブ・エフェクター
- ディレイとエコー
- エコーマシン
- ディレイタイム
- ディレイとエコーの違い
- ディレイの活用例
エコーマシン
Roland SPACE ECHO RE-201(クネッているのがエンドレステープ)
注)イメージ
たとえば「あー」という声をエコーマシンに入力した場合、
録音ヘッドがエンドレス・テープに「あー」を録音し、再生ヘッド1、2,3,4で順次再生されます。その結果、出音は「あーあーあーあーあー」という様にエコーがかかるという仕組み。テープの速度を遅くすればエコーの間隔(遅延時間)が長くなり、速くすれば短くなるというわけです。そして
- 遅延時間:ディレイタイム
- ディレイ音の繰り返しの数(ここでは再生ヘッドの数):フィードバック
といいます。
なおエコー再生中にテープスピードを変えると、エコー音が「早送り再生」状態になり、結果「音程が高くなる」という現象が起きます・・これがアナログの面白いところですが、この現象を忠実に再現しているデジタルエフェクターやプラグインもあります。
ディレイタイム
たとえばテンポ BPM=60の場合
- 4分音符の長さのディレイ・タイムは1000msec
- 8部音符の長さのディレイ・タイム500msec
たとえばテンポ BPM=120の場合
- 4分音符の長さのディレイ・タイムは500msec
- 8部音符の長さのディレイ・タイム250msec
となります。
一般的には原音とディレイ音が20msec位ずれると、人は「遅れ」を認識できると言われています。
ベースやボーカルなどで、20~50msec程度のディレイ(ショートディレイ)をかけ、左右に振ってやると、あたかも二回歌って(弾いて)いるかのような効果を得ることが出来ますが、これを「ダブリング」といいます。
100msec以上のディレイは明らかに原音とは分離して聞こえるので、ソロや空間的広がりを演出したい場合などに使用されます。
ディレイタイムの計算式
60÷BPM×X×1000
Xにはそれぞれ求めたい音符の長さを入れます。単位はmsecです
例)付点の場合はさらに1.5をかけます。
音符 | X |
2分 | 2 |
4分 | 1 |
8分 | 0.5 |
16分 | 0.25 |
32分 | 0.125 |
たとえばBPM135のときの付点8分音符の長さのディレイタイムは、
60÷135×(0.5×1.5)×1000=約333.33 msec
となります。
フィードバック
ディレイの繰り返しの回数。一般的には「ディレイ音は徐々に減衰していく」のが自然なので、原音からディレイはだんだん音量が小さくなるように設定されています。
フィードバック値を少なくすると
「おーい」「おーい」
多くすると
「おーい」
「おーい」
「おーい」
「おーい」
「おーい」
となります。ディレイ音を左右にパンニング(振る)する「パンニング・ディレイ」では、ディレイ音が交互に左右を飛び交ったりする効果を与えることが出来ます。
ディレイとエコーの違い
(色々と意見はあると思いますが)エコーは「長めのディレイ」といったニュアンスで使われる場合が多いようです。一方「20msec」という超短いものから「800msec」というわりと長いものまで全部ディレイ。つまりディレイの一部がエコー(諸説あり)。
言葉の混同について
実はプロの現場でも、ディレイ、エコー、リバーブは混同されている場合があります。
「プレート・リバーブ」と呼ばれるEMT-140、EMT-240といったヴィンテージ機材があるのですが、これの日本での俗称が「鉄板エコー」すなわち「エコー=リバーブ」として呼称している例です。
EMT 140 Plate Reverb Powered Plug-In for UAD-2 ※これはEMT-140を模したプラグインのデモ・ムービー
ディレイの活用例
古今東西ディレイの効果的な使用方法は枚挙にいとまがないのですが代表的なところを紹介します。
Pink Floyd - "One of These Days"
ライブ映像ですのでわかりやすかったと思います。ベースにディレイがかかっていますが、ちょうどシャッフルの3連の表と裏のタイミングにディレイタイムをセットしているのです。
実際に弾いているのは「ダ・ダ・ダ・ダ」という4部音符、しかし出音は「ダッタ・ダッタ・ダッタ・ダッタ」と聞こえるという「王様のアイデア(古)」フレーズです。
2つしかコード出てきませんがそれでも7分感飽きさせないアイデアはさすがですね。
U2 - Where The Streets Have No Name
これは一世を風靡した符点8分音符ディレイ・ワザ。
Bass Solo: Jaco Pastorius
今では珍しくない「ディレイループ」ワザですが、当時は斬新でしたね・・でも今でもシビれます。
Any Colour You Like - Pink Floyd
シンセ(VCS3)による音の洪水。実際にはディレイマシーンではなく「テープの切り貼り」によるエフェクトの様です。Dm7-G7(II-V)の繰り返し(フロイドはコレ多い)ですが、まったく飽きさせないサウンドメイキング。デイヴ・ギルモアの一人掛け合いギターも面白いです。
【関連記事】ピンクフロイド「狂気」EMS VCS3 & Synthi AKS シンセサイザー温故知新 #004
おまけ:Steve Reichの「ヴァイオリン・フェイズ」人力ディレイ的な曲ですね。
☆
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【関連記事】冨田勲氏の名曲「新日本紀行のテーマ」を「Miroslav Philharmonik 2」で再現してみました
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