楽天は5日、楽天生命パークでファン感謝祭を開催した。今季から加入した涌井秀章投手(34)と則本昂大投手(29)による「Wエース・トークショー」では絶妙な掛け合いが繰り広げられ、スタンドのファンを大いに沸かせた。
―涌井選手の活躍について。
則本昂(以下、則)「頭が上がりません」
―今季を振り返って
涌井(以下、涌)「則本にちょっとプレッシャーを掛けすぎたかなと思います」
―則本選手はそれを聞いて。
則「相当、(2人で)切磋琢磨(せっさたくま)していたので、(活動)自粛明けて練習を3グループに分かれてやっていたんですけど、一緒に練習していて、とにかく何かにつけて数字がどっちが上だとか、キャンプからバチバチやっていた」
涌「開幕してすぐ勝って、勝って、勝って、途中で彼がつまずいて『お先~』って言っていた。毎回言っていたのが、プレッシャーになったのかなと」
涌井は自身初の開幕8連勝を飾った。一方で、則本は3連勝でストップ。黒星がついた後輩を横目に涌井の容赦ないツッコミは続いたといい、則本昂への重圧になったのでは?との見解を示した。
さらにトークは加熱し、則本昂の趣味である釣りの話題に移った。
―涌井投手のすごさについて。
則「変化球が多彩で研究熱心。とにかくいろんなことにチャレンジしてそれができちゃう。キャッチボールで試してみて『次、投げるわ』って、それで抑えちゃう。めちゃめちゃ器用だと思います」
涌「全然、不器用。何もできないので」
則「(春季キャンプ地の)久米島で釣りに行ったんですよ。そしたら僕より釣るんですよ! 僕、一応『釣り部』やらせてもらっているんですけど」
涌「だから、釣り部を引退してもらおうかと」
(スタンドから笑い)
則「でも、魚も餌も触れないんですよ。はい、魚釣れたよと(渡してきた)。王様と家来(の関係性)です」
―釣りは楽しかった?
涌「いや、そんなに」
則「でも、『釣りいつ行くの?』って聞いてくるんですよ」
涌「すごい胸を張って高い釣り竿を引っさげてくる。(則本が)『これ、いくらしたんですよ』って。どうせ釣れないんだからって。木の棒で釣ればいいんですよ」
則「釣り竿には用途があるんですよ」
―涌井選手、逆に苦手なものは。
涌「人付き合いとか」
則「うそつけ!(笑い) 来た瞬間からもうチームメートみたいな感じだったでしょ!」
涌「それはない!」
則「いや、ほんとに。誰でもかまわずにいじっていく。あれ、何年目ですか?今年からですよね?ってなっていた」
ロッテから移籍して間もない涌井のコミュニケーションの取り方を明かして、笑いを誘った。
則「釣り誘ったら来ます?」
涌「日による。場所による。気温と」
則「コロナが収まってからになるんですけど、羽田空港の近くから船出して1時間半くらい千葉の方に」
涌「お前の船で?」
則「違います! 違います! 僕の船じゃないです」
涌「なかなか羽田港とか指定してこないじゃん。港ごと持ってるの?」
則「違います! 違います!」
涌「さすが! さっき『琵琶湖を買う』とか言ってたしね」
則「琵琶湖は買えないなあ!(苦笑い)。めちゃめちゃ、(地元の)滋賀県いじりをしてくるんですよ。そんなに琵琶湖は安くないですからね」
涌「安売りはしてないよ。なんか、『琵琶湖の周りを自転車で走り回ってた』っていうのを言ってたから」
則「走りましたねえ。高校の卒業式が終わって、その日に同級生と2人でママチャリで。15時間かかって、途中でぶっ倒れるかと思いました」
―それが、則本選手の滋賀での武勇伝…。
則「武勇伝ではないです!(笑い)」
終始、則本昂が押される形で進んでいったトークショーとなった。終盤には、追い打ちを掛けるように涌井が則本昂の得意曲を暴露。「ロックが好き」という話から『X―JAPAN』をはじめ、ロック系バンドの曲を熱唱するということも明かされ、則本昂はタジタジになっていた。
最後のあいさつでは則本昂が「涌井さんのエピソードをためて、ためて、来年、倍返ししたいと思います」と“反撃”を予告。リベンジに闘志を燃やせば、涌井は「今まで則本のことをいじる人がいなかったと思う。その役割を自分がしたい」と、さらなる“かわいがり”に意欲。「則本専用の(いじり)ツイッターもつくるかもしれないので、その時はフォローしてください」とファンに呼び掛けていた。