新型コロナ 東京都の専用医療施設が16日、府中に開設 中等症・軽症向け 100病床整備

2020年12月3日 07時54分

中等症・軽症者用の4人部屋。中央奥に設置しているのは、ウイルスが外に広がらないよう室内の気圧を低くできる陰圧装置=いずれも府中市で

 東京都が16日に開設する新型コロナウイルス感染症専用医療施設(府中市)が2日、報道陣に公開された。中等症・軽症の患者を入院対象として100病床を整備し、当面は32病床でスタートする。都は「コロナ対応を充実させ、都民の安心につなげたい」としている。 (小倉貞俊)
 施設は、隣接する都立多摩総合医療センターが運営する。この日は、個室や四人部屋の病室がある四階フロアが公開された。病室のある「レッド」、ナースステーションなどがある「グリーン」、その中間に位置する部屋でスタッフがウイルスの付いた手袋やマスク、ガウンを着脱する「イエロー」の三つのゾーンに区分けし、感染が拡大しないよう対策を徹底。各部屋にも、ウイルスが外に出ないよう内部の気圧を低くできる陰圧装置を設けている。

「入院患者にはウイルス拡散を防ぐアクリルカバーを掛けて病室に運ぶ」と実演を交えて説明する看護師(左)ら

 施設は元々、車いすや寝たきりのためにストレッチャーで移動する重症心身障害児者が入所する都立府中療育センターで、内部の通路などが比較的広いのが特徴。介護が必要だったり、車いすの患者も利用しやすくなったりしており「ほかの病院で対応の難しいケースも積極的に受け入れる」(都の担当者)という。医療スタッフの体制は医師三人、看護師四十八人。
 多摩総合医療センターの近藤泰児院長は「重症化した入院患者も、すぐ隣のセンターで治療できる体制を整えている。多摩地域をはじめ練馬、中野、世田谷区など東京の西側エリアの病院の助けになりたい」と話した。都内のコロナ専用医療施設は、民間が運営する東海大付属東京病院(渋谷区)に続き二カ所目。

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